2012-03-01 15:45 | カテゴリ:未分類

           厚生労働科学研究費補助金によるイカとカニの放射性銀(110mAg)の測定結果が報告されていることを読者から紹介されました。

    

  海洋からのサンプルの採取日が2011年6月11日、採取場所は福島県小名浜沖 水深120 300m。この結果が2012224日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会において報告されたとのことです。

 

  そのデータを加工して図1にグラフ化してみました。また図2には小生の測定データも加えています。
 

    

いかたこ銀1-- 
 

図1 イカ、カニにおける放射能含量 
  
 


いかかに2--    

図2. イカ、カニにおける放射能の存在比

  
 

  データを解析していて、この食品衛生審議会食品衛生分科会でのデータの発表については、小生には以下の三つの疑問がわいてきました。
  
 

1.  去年の六月にすでにわかっていたことを隠しておいて、何故今頃発表したのだろうか?
 

2.  その後の水産庁のホームページで開示されているイカ、カニ、タコの測定データは測定件数が非常に少ない上に、134Cs137Csに限られており、イカはことごとく不検出となっています。(110mAgはもち論全く測定されていません。) これは測定時に中腸腺などの内蔵を取り除いているからに違いありません。

しかし、イカの塩辛などは、内蔵などを塩蔵する食品は多いので、内蔵もきちんと測定する必要があるのではないでしょうか。
  

3.  図2.によればダンゴイカでは 110mAg/137Cs の値が6倍以上の値を示しています。銀の濃度がセシウムに比べて桁違いに高いことがわかります。小生がこれまで測定してきた陸上の生物についてもこの図の左側に載せていますが、ごらんのようにこの比が1を超えたものはありません。だからこれは驚異的な値であるはずです。

4.だから、仮に137Csが不検出でも、110mAgはその半減期245日を越えた現在でも、測定時間をじゅうぶんかければ、ダンゴイカの中腸腺からは必ず検出されるでしょう。体内での銀の代謝は、今や学問的にも重要なテーマなので、当然放医研は引き続きイカやカニの110mAgを熱心に測定していると思いたいです。
    
    
           
(森敏)
        
付記.図2はこの海域でのイカのサンプリング当時の海水の137Csや110mAgの濃度がわからない(公表されていないのではないでしょうか?)ので、あえて体内セシウム濃度を基準にして、互いの放射性降下物(fallout)を比較検討してみたものです。

ここからは細かな議論になりますが、文科省発表の陸のfalloutのデータからすると110mAgの濃度は137Csの濃度の最大でも1%と云うことですから、110mAgは137Csの(6.5x100=)650倍以上の海水からの濃縮率となるはずです。   
     
追記:小生はこれまでに以下のWINEPブログで、放射性銀(110mAg)に関するオリジナルデータと発想を発信しています。ご興味のあるかたは、ぜひご参照ください。


 

秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/1403-6c0528a7