2011-12-19 11:14 | カテゴリ:未分類

「 国会原発事故調査委員会」が発足した。まるで既に存在している「政府原発事故調査委員会」の調査を一切信用しないかのようである。

         

ちなみに政府事故調のメンバーは 畑村洋太郎(東大名誉教授)=委員長尾池和夫(前京大総長)柿沼志津子(放射線医学総合研究所放射線防護研究センターチームリーダー)高須幸雄(前国連大使)高野利雄(元名古屋高検検事長)田中康郎(元札幌高裁長官)林陽子(弁護士)古川道郎(福島県川俣町長)柳田邦男(作家)吉岡斉(九州大副学長)

 であり、

    

一方、今回の国会事故調のメンバーは 黒川清・元日本学術会議会長、田中耕一・島津製作所フェロー、地震工学者・石橋克彦、元国連大使・大島賢三、元放射線医学総合研究所主任研究官・崎山比早子、元名古屋高検検事長・桜井正史、科学ジャーナリスト・田中三彦、中央大法科大学院教授・野村修也、福島県大熊町商工会会長・蜂須賀礼子、元マッキンゼー・アンド・カンパニー東京支社長・横山禎徳

 

である。

 

この再組織化は「屋上屋(おく)を架す」 (広辞苑によれば:無用のことをするたとえ)というたとえの典型である。

      

こういう事態になったのは、「政府事故調」の発表があまりにも遅すぎるので、野党の圧力で、こんなバカげた二重構造になったのだろうとしか思えない。
     
原発事故という歴史的事件は一つだ。しかしこの「国会事故調」は来年1月に出るであろう「政府事故調」の調査報告に対して、矛盾した報告をぶつけて、真相をあいまいにする役割を果たしかねない。きちんと、くれぐれもこの「政府事故調」報告を踏まえた上の検証を行ってほしい。

    

それにしても、ノーベル賞受賞者の田中耕一氏が殊勝にもこんなことに加わって、もみくちゃにされるのは見ちゃおれないですね。これは、「有名人は無能化する役職まで担ぎ上げられる」という典型かもしれない。大化けするかも知れないが。

   

非常に面白いことに、この「国会事故調」が組織されてから、にわかに、「政府事故調」のまだ未発表の報告書の内容が、新聞各紙に漏えい(リーク)され始めた。「政府事故調」のメンバーか、それをとりまとめているであろう官僚がプライドを傷つけられ頭にきて、流しているに違いない。

     

それによれば、現在食道ガンで突然退任した福島第1原子力発電所の吉田昌郎前所長の津波被災当時の原発での前線指揮の誤りが、厳しく糾弾されている模様である。彼を英雄神格化しがちだった最近のマスコミの論調に、水をかけることになるだろう。ぜひ証拠に基づく事実を開示してもらいたいものだ。

      

 

(喜憂)
  

付記:たとえば、以下のリークがすでに行われている。
 

 福島3号機:現場独断で冷却停止・・・3月13日、高圧注水系

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 ◇政府事故調、中間報告へ

 東電が今月2日に公表した社内調査中間報告書などによると、3号機では東日本大震災が発生した3月11日、電源が喪失し、「原子炉隔離時冷却系(RCIC)」と呼ばれる別の冷却系が作動、原子炉に注水した。だが、12日午前11時36分には原因不明で停止。原子炉の水位が低下し同日午後0時35分にHPCIが自動起動したが、13日午前2時42分に停止した、としている。

 複数の関係者によると、事故調が経過を調べた結果、運転員がバッテリー切れを恐れ、吉田前所長の判断を仰がずHPCIを止めたことが分かった。その後、HPCI、RCICともに起動を試みたが再開しなかった。報告書は「HPCIを止めない方がよかった」と指摘する見通し。

 一方、報告書は津波対策にも言及するとみられる。東電は08年、想定していた高さ5・7メートルを上回る10メートル超の津波の可能性を試算したが、社内で「防潮堤のかさ上げは費用が高くなる」との意見が出された。当時原子力設備管理部長だった吉田前所長らが「学術的性格の強い試算で、そのような津波はこない」と主張したこともあり、具体的な対応は見送られたという。

 さらに、報告書は法律に基づいて設置された現地本部が十分機能しなかったことや、政府が「炉心溶融(メルトダウン)」を軽微に感じさせる「炉心損傷」と修正した点にも触れる見込み。閣僚の具体的な関与では今月から聴取を始めており、来夏に作成する最終報告書に盛り込む。

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 ◇解説…有事の指揮系統、機能せず

 これまで東京電力は「原発事故防止のためにさまざまな取り組みをしてきた」「想定を上回る津波だった」などと主張してきた。しかし、政府の事故調査・検証委員会による関係者聴取から浮かぶのは、「不十分な備え」であり、「人災」という側面すらみえる。

 同委員会の調査で、福島第1原発3号機で「高圧注水系(HPCI)」を運転員が独断で止めたことが判明した。今夏までの調査でも1号機の非常用復水器(IC)の停止を吉田昌郎前所長が把握できていなかったことが判明している。重大事故時の備えがなく、運転員にこのような行動をさせた点こそ問題だ。

 また、東電の過酷事故時の手順書には、全電源喪失が長時間続くことを想定せず、格納容器を守るためのベント(排気)の手順なども盛り込まれていなかった。備えが不十分で現場の指揮系統が混乱し、最善策を取れなかったとうかがわせる。

 過酷事故対策は79年の米スリーマイル島原発事故を契機に、世界的に整備が進んだ。日本でも検討され、原子力安全委員会は92年、事業者に過酷事故対策を求めた。だが、事業者の自主性に委ね、それ以来、対策内容を見直してこなかった。あらゆる警告を謙虚に受け止めることが関係者に求められる。

毎日新聞 20111216日 239

 

 

秘密

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