2011-12-09 14:51 | カテゴリ:未分類

福島県農業総合センターが堆肥の放射性セシウム検査の結果をホームページで開示している。調査の対象は (1) 牛ふん堆肥 (2) 稲わら等堆肥 ということである。

      

それによると、12月7日現在までに県内各農家の2894点の堆肥を分析し、そのうち「堆肥のセシウムの暫定基準値」である400ベクレル/kg以上を示した点数が全体の40%強である(小生はあまりの多さに正確な点数を数えるのを断念した)。これらの農家は堆肥の使用や販売について「自粛要請」勧告を受けている。

       

また、詳細に数えてみると、全2894調査点のうち

121点(4.18%)が5000ベクレル/Kg以上を示し、

30点(1.03%)が10000ベクレル/Kg以上を示している。最高値は、本宮町と二本松市のそれぞれ16000ベクレル/Kgである。

        

  これらのセシウム濃度は、驚くべき高い数値である。なぜこんな高い数値になるのだろうか。

        

  過去の新聞報道記事が見出せないので恐縮だが、少し前に群馬大学かどこかの大学の先生が、堆肥にすると発酵で約10倍ぐらいに減量するので、放射性セシウム濃度が増えるのだと言っていた。この指摘は全く正しいと思う(記事が見つかったら転載したい)

     

だから例を「稲わら堆肥」にとると、400ベクレル/Kgという現在政府が提案している「堆肥の暫定基準値」を超過するには、堆肥にする前の元の稲わらが約40ベクレル/kg以上でなければならない。

     

現在福島県の稲わらがくまなく測定されて開示されているわけではない。しかし、稲わらが約40ベクレル以上を示す場合は、植物生理学的にその稲の玄米のセシウム濃度は稲わらの数分の一の濃度である10ベクレル/Kg以上でよいはずである。(この根拠データは以前にこのWINEPブログで示した)。

       

福島県農業総合センターが実に詳しくホームページで発表している“玄米のセシウム濃度”のデータベースによると、現在までに少しでもセシウムが検出された件数はざっと数えて約185点である。ちなみに、(公表されている最低の数値からするとどうやら福島県の測り方ではゲルマニウム半導体測定器の検出限界値は数ベクレルのようである)。

     

これは全測定件数が約3000点(表から総数をすぐには数えがたいので概数であるが)として約6%になる。この値は、前述の121点(4.18%)が5000ベクレル/Kg以上という値に近い。

    

したがって、ここで細かい論議は省略して、結論から言うと、

「少しでも玄米からセシウムが検出された稲わらは堆肥の暫定基準をオーバーするということが考えられる」

     

そういう農家の稲わらは自己責任で自分の所で堆肥や飼料として使うは別として、法律的には他人に売ったりして堆肥に使ってもらってはいけないということなのである。

      

 

(森敏)
  
追記:そういう意味では、以下の記事にあるように、福島県の佐藤知事による「微量のセシウムを検出した米の出荷を見合わせる」と同時に、「その農家の稲わらの外部への搬出を見合わせる」事も必要かもしれない。

    

微量のセシウム検出コメ 出荷見合わせ要請へ

県産米から国の暫定基準値を超える放射性セシウムの検出が相次いでいることを受け、佐藤雄平知事は8日、県が収穫前後に実施した調査で微量でも検出された29市町村の旧129市町村について、緊急再調査が終了するまで出荷を見合わせるか、自主検査を徹底するよう要請する方針を示した。同日開かれた県災害対策本部会議で、地元の自治体やJAなどと調整するよう関係部局に指示した。
 対象は、県が8~10月に今年産米の早場米検査、予備調査、本調査を行った際に放射性セシウムが検出され、県の緊急再調査の対象となった旧市町村。県内の広い範囲に及んでおり、戸数は2万654戸、作付面積は1万9850ヘクタールに上る。生産量は約10万3000トンで、県全体の35万3600トンの3分の1に相当する。
 県は基本的に出荷見合わせを要請する方針。:::::::::::。

2011/12/09 09:11

秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/1335-1746b4d7