2011-11-21 22:52 | カテゴリ:未分類

河川の放射能を含んだ低質(底のヘドロ)が、大雨による濁流などで物理的に撹拌されて下流に移動していることがこれまでもたびたび報告されている。当然、日に日に支流から本流へ、本流から河口へ、さらに河口からそれに続く沿岸域へと、海洋の低質の放射能濃度が、現在進行形で高まっていると考えられる(下記の2つの記事参照)。

 

川底の放射性物質 河口に移動 11月16日

東京電力福島第一原子力発電所周辺の市町村を流れる河川の調査で、河口付近の泥や砂に含まれる放射性物質の濃度が上昇していることが分かり、専門家は、「上流から海に向かって放射性物質が移動していると考えられる」としています。

環境省は、福島第一原発の事故の影響を調べるため、周辺の市町村を流れる河川で、放射性物質の測定を行っていて、新たに南相馬市などの河川で、9月に採取した泥や砂を分析しました。その結果、1キログラム当たりの放射性セシウムの濃度は、県北部を東西に流れる新田川の上流の飯舘村草野で3200ベクレル、河口付近に当たる南相馬市原町区で1万3000ベクレルでした。5月に行った調査と比較すると、濃度は上流で5分の1に減った一方、河口付近では3倍余りに増えていました。また、新田川の南を流れる真野川の河口付近に当たる南相馬市鹿島区でも、2万8000ベクレルと、濃度は、5月の2倍に上昇していました。これについて、放射性物質に詳しい近畿大学の山崎秀夫教授は、「上流から海に向かって川底の泥などに結びついた放射性物質が移動していると考えられる。河口付近の濃度の変化に注意する必要がある」と話しています。


 

福島の河川など放射線測定値公表 環境省 環境省は15日、福島県内の河川や湖沼、海水浴場で9月から10月にかけて調べた放射性物質の測定結果を公表した。東京電力福島第一原発から半径20キロ圏の警戒区域内にある水辺環境での測定は初めて。放射性セシウムは土に吸着しやすいことから、同区域内を含めてすべての水質で、厚生労働省が定めた飲料水の暫定基準の1キロ当たり200ベクレルを下回った。

 調査したのは警戒区域19地点を含む同県内の193地点。このうち最も放射性物質の濃度が高かったのは警戒区域内の大柿ダム(浪江町)の27ベクレルだった。

 一方、水底や沿岸の泥や土からは高濃度の放射性物質が検出された。水底では旧緊急時避難準備区域の太田川(南相馬市)で6万ベクレル、沿岸では阿武隈川合流前の松川(福島市)で10万4千ベクレルだった。松川では空間線量も1時間当たり3.10マイクロシーベルトを記録した。 Asahi.com 2011.11.15.

小生は以前に、東大の浦環教授に、彼が得意の潜水ロボットを使って、東電福島原発から海洋側に南北東西の等高線上に放射線量測定をして、放射能汚染マップを作成したらどうかと提案したことがある。今後の漁業にとって、非常に重要な基礎データとなると思ったからである。ところが防水用放射線線量計の開発が遅れているのか、時間がないのか、まだ測定に手が回らないようである。
 

ところが、一方では下記の記事のように、「海洋研究開発機構」はカムチャッカ沖や小笠原列島の深海で、マリンスノウを採取して、それが汚染されているということを報告している(ウナギの回遊回路を探しているついでに放射能をはかったのだろうか? それにしてもセシウム濃度がわからずになぜ定性的な分析だけで発表したのだろう?)。
 
  それはそれで、海洋への放射能の広域汚染の広がりを確認する意味では有意義だが、
海洋研究開発機構や水産庁は、なぜもっと身近な日本沿岸低質の汚染を積極的に測定しないのだろうか。実に不思議だ。困難を避けているように思われも仕方がないだろう。

 
    

福島第一セシウム、カムチャッカ沖の深海5千Mまで到達

東京電力福島第一原発から出た放射性セシウムが事故から約1カ月後に、2千キロ離れた深海5千メートル地点まで到達していたことが、海洋研究開発機構の観測でわかった。大気中のセシウムが海に落ち、プランクトンの死骸などに付着して沈んだようだ。20日、都内で開かれた報告会で発表された。

 同機構は4月18~30日、福島から2千キロ離れたカムチャツカ半島沖と、1千キロ離れた小笠原列島沖の深海5千メートルで、プランクトンの死骸や砂などからなる1ミリ以下の粒子「マリンスノー」を採取して分析した。この結果、両地点でセシウムを検出した。セシウム137と134の比率などから、原発から出たものと判断された。濃度は解析中という。海洋中の放射性物質は、海流のほか、様々なルートで移動、拡散している実態が裏付けられた。(瀬川茂子)

   

猪苗代湖、中禅寺湖、榛名湖、霞ヶ浦、なども、湖面への原発爆発当時の直接の放射性降下物(フォールアウト)ばかりでなく、湖周辺の森林の樹木に積もった放射性降下物を溶かし込んだ雨水からの流入によって、一見測定限界以下ながらも放射能汚染水が今も日々湖底の低質に蓄積しているずである。

 

とりわけ、東京湾などは柏や松戸などの汚水処理場で処理されないで流れ込む路面の表流水を、どぶを通じて隅田川や荒川から受け取っている。神奈川県側と千葉県側の中小河川も放射能汚染ヘドロをもろに河口から放出して湾内の低質として蓄積しているはずである。
    
  汚水処理場が引き取り手がないくらい膨大な量の8000ベクレル以上の高濃度の汚泥を産生し続けているのだから、その総汚染放射能量たるや推して知るべしである。

 

面白くない単純作業かもしれないが、国の研究機関は、もっと身近なことを緊張感を持って、地道にやってもらいたいと思う。太平洋沿岸や東京湾の低質の放射能測定は漁民のためにも、そこの魚を食べる国民のためにも喫緊の課題だと思う。
 
  魚の放射性セシウム濃度を気まぐれに測るばかりが能ではない。

  
 
 (森敏)


追記: 先ほど見た朝日新聞には、海水のセシウム濃度は0.1-0.01ベクレル/L と書かれている。(東電福島原発由来であることを証明すべき Cs134 と Cs137 の個別の値が記されていない。これがほぼ等量だと、福島原発由来といえるのだが)。これは通常の海水の10-100倍以上の濃度だということである。それにしてもこの濃度を検出するにはGe半導体検出器を数十時間測定しなければならないはずである。

 

秘密

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