2011-11-19 05:38 | カテゴリ:未分類

1986年のチェリノブイリ原発事故以降すでに25年が経った。
 
  
本日のネットには以下のような記事が載っている。

  これまで甲状腺に対しては放射性ヨウ素(I-131)ばかりが問題にされてきた。
I-131は原発爆発早期に大量に放出され、チェリノブイリでは当時内部被ばくした児童は甲状腺がんに侵された。
 
  が、この放射性同位元素は半減期が8日と短く、半年もたてば問題にならない量に減少したので気にする必要はない、その後の半減期の長い放射性セシウムや放射性ストロンチウムなどは甲状腺がんなどとあまり関係がないというのが、これまで聞かされてきた話である。

しかし、今回の以下の記事でベラルーシでの死者の甲状腺にセシウムが1200ベクレル/Kg集積していたという報告は衝撃的である。(現地では常識なのかもしれないが)
 
 

チェルノブイリ、内部被爆なお ロシアの小児科医報告
(asahi.com 2011年11月19日2時3分)

チェルノブイリの原発事故から20年以上たっても、周辺住民に放射性セシウムによる内部被曝(ひばく)が続いていると、ロシアの小児がん専門家が18日、千葉市で開かれたシンポジウムで報告した。また、子どもの免疫細胞も減少している可能性があることも明らかにした。

 報告したのはロシア連邦立小児血液・腫瘍(しゅよう)・免疫研究センターのルミャンツェフ・センター長。2009~10年にベラルーシに住む約550人の子どもの体内の放射性セシウムを調べると、平均で約4500ベクレル、約2割で7千ベクレル以上の内部被曝があったという。

 03年にベラルーシで亡くなった成人と子どもの分析では、脳や心筋、腎臓、肝臓など調べた8臓器すべてからセシウムが検出された。どの臓器でも子どもの方が濃度が高く、甲状腺からは1キロ当たり1200ベクレル検出された。

 

  

これに関連して先日このWINEPブログでも紹介した東北大学の直近の研究の新聞発表の一部を再録すると、以下のように、東電福島原発暴発事故で、飼い主が離散して、野生化した牛の甲状腺にはほとんど放射性セシウムが沈着していなかったとある。

つまり、牛や人の口から取り込まれた放射性セシウム(Cs134 Cs137)の甲状腺への集積は急激に進むのではなく、年月をかけて徐々に進み平衡に達するものと考えられる。

急性的なI-131による甲状腺被爆(:ヨウ素は甲状腺で合成されるヒト成長ホルモンであるチロキシンの構成元素である)による癌化は、わかりやすい説明なので、甲状腺に関してはそのヨウ素ばかりが強調されてきた。
  
  しかし、今回のasahi.comのニュースからは、なお慢性的な放射性セシウム摂取による甲状腺の内部被爆により癌化や免疫力の低下などが起こり、死に至らしめる可能性があることを否定できないという印象を受けた。(きっと、放射線医学の専門家は、そんな低線量を慢性的に受けても癌化の確率は限りなく低い、といいたいだろうが。。。)。


    

セシウム、牛の筋肉に蓄積 福島の警戒区域、東北大調査 2011/11.12 13:11

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 放射性セシウムは筋肉にたまりやすいといわれてきたが、今回の調査で改めて裏付けられた。血液中の濃度が1キログラム当たり60ベクレルの場合、ももの筋肉の濃度は同1800ベクレルだった。舌や肝臓などの濃度は筋肉よりも低く、血中濃度の10倍程度。甲状腺には放射性セシウムはほとんど沈着していなかった

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 内部被曝線量は屋内飼育より、野生化した牛のほうが高かった。放射性物質に汚染された草を食べたり水を飲んだりしたとみられる。

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つまり、以下の本日の報道のように、日本放射線影響学会などでの甲状腺に対する放射線被ばく影響の研究は、相変わらずのヨウ素(I-131)中心のステレオタイプの観点からでしかないということなのである。

   
    

浪江の甲状腺被爆、チェルノブイリに千分の一

東京電力福島第一原子力発電所から20キロ前後に位置する福島県浪江町の住民の甲状腺被曝(ひばく)量は、チェルノブイリ原発事故後の周辺住民の被曝に比べ、1万~1000分の1だったことが、札幌医大の高田純教授(放射線防護学)の調査でわかった。18日に神戸市内で開かれた日本放射線影響学会で発表した。

 原発事故で施設外へ放出される放射性物質のうち、ヨウ素131(半減期約8日)は甲状腺にたまりやすく、被曝量が多ければ甲状腺がんを引き起こす可能性もある。

 高田教授は事故後の4月8、9日、同県内の避難所で、18歳~60歳代の浪江町民計40人の甲状腺被曝量を測定した。結果は3・6~7・8ミリ・シーベルトで、平均は約5ミリ・シーベルトだった。一方、チェルノブイリの周辺住民は、数シーベルトから50シーベルトとされている。

201111190031  読売新聞)

 
  
(森敏) 

秘密

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