2008-06-03 08:51 | カテゴリ:未分類

EUは「減反政策を撤廃する」

 

世界的な食糧危機に対処するためにEUは「減反政策を撤廃する」ことを決定した。迅速な懸命な処置だと思う。いつも後手後手の政策決定しかできない日本政府もこれで安心して減反政策の見直しに一歩踏み出せるのではないか。日本国民もそれを支持するのではないか。農家にも受け入れられるのではないか。

 

しかしコムギや大豆などの畑作物の場合と違って、いちど荒れた休耕田を掘り起こして再度水田として活用するにはいくつかの問題点がある。

 

水田の心土の深くまで根を張った多年生雑草を引き抜く作業によって、水田の作土(10㎝から15㎝)の下にある踏み固めた下層土(硬盤:通常5-10㎝)が破壊されるので、水を張っても漏れやすい漏水田になる。水漏れがしないようにするためにはこの下層土をていねいにショベルカーや耕耘機で踏み固める作業が必要である。何よりも、減反田として収量性の低い作業性の悪い所から順次耕作放棄してきた経緯から、休耕田はもう使わないものとして、栽培技術や作業体系が成り立っているので、それが叉ひっくり返されることになる。また、農作業者の高齢化が進んで、休耕田を復活したくても労働力が確保できないこと、等が考えられる。

 

したがって、減反を撤廃するにしてもそれに応じる条件としては、一個の農家の自力で休耕田(耕作放棄田)を復活できない場合は、請負耕作を条件にするとか、したがって総合して一定の面積を確保できる営農集落のみに減反撤廃の認可を与えるとか、回復された休耕田の経営主体を商社的な営農集団とするとか、水田稲作を諦めて全面的にコムギ畑や大豆畑にするとかの、きめの細かい政策誘導が必要になると思われる。

 

このようにして復活した休耕田から生産されるコムギや大豆は、これらの穀物が国内的に圧倒的に足らないのだから国内消費に100%向けられ得るが、余ったお米は恒常的に輸出米に振り向けるか(平時は値段が高くて何処も買ってくれないかも知れないが)、地震や津波の被災国あるいは紛争により発生している多くの難民の食糧危機国への支援米として国連への拠出米とすればよいのである。お米は、どこに消えるか分からない(traceableでない!) お金よりも、受け取る当事者にははるかに感謝される“目に見える救援物資”となるはずである。

 

勿論これらの休耕田の復活には国からの支援(補助金)が必須である。それに必要なお金はODAの資金を廻せばいいのである。結局余剰米は国際貢献物資として生きた使われ方をするのだから。このお金(補助金)は日本の農家を潤し、世界の食糧問題に貢献するという二重の富を生み出す政策として評価されるのではないか。

 

(管窺)

 

 

秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/132-bd7bd335