2011-11-12 05:53 | カテゴリ:未分類

カリウム(K)は植物に必要な多量必須元素(N,P,K)の一つであることは、小学校か中学校のどこかの理科の教科で習う常識である。

 

今後はこの常識に加うるに、天然のカリウムは安定同位元素のK-39が主であるが、全カリウムの0.012%K-40というガンマ線とベータ線を放出する放射性同位元素(半減期12.8億年)であることを学校でも国民的常識として教える必要がある。

 

K-40が我々の体に経口接収された食品による放射線内部被ばくの主たる成分である。この元素による食品による被ばく現象は何人も避けて通れない。
     
  しかしこのことは、今回の東電原発事故が起こるまであまり報道されてこなかった。このことを問題にしても、地球上に住む人類には解決の方法がないからである。

      

最近、どこかのテレビ局で放映されていたが、ある商店で食品の表示(Bq/kg)Cs-137Cs-134 K-40 の値を併記していた。これはなかなかのアイデアではないかと思う。

       

消費者はこれらの値を見比べて、K-40の数値に対して、Cs (Cs-134 Cs-137の合量) がどれくらいならその商品を買うと考えるのだろうか、という一種の実験的販売手法の試みである。風評被害を防ぐための切実な模索である。

        

「この野菜は規制値500Bq/kg 以下です」、「このお米は不検出です」、だから安全です.買ってください、と言っても、具体的な測定数値が示されなければ、小生ならその商品の品質管理が信用できない。不検出の場合は検出限界値を示すべきである。検出限界値が10-20ベクレルでは測定が荒すぎる。いくら福島県の佐藤知事のお墨付きの商標がついていても何の安心材料にもならないと思う。

      

たまに食べる季節の旬の果物ならK-40に対して、Cs-134Cs137の合量が同じかそれ以下なら買ってもいいかな、と思う。お米や野菜のように毎日食べるものなら、特別な理由はないが、現時点では心理的にはこの比が20%以下ぐらいであっても仕方がないかなと思う。つまり

 

[(Cs-134 + Cs-137 K-40 ]x100(%) < 20 (%)

    

こう言うあいまいな消費者心理に対応するためには、厳密な品質管理システムが必要である。そのためには、膨大なお金が生産者や流通業者の側に必要かもしれない。
 
  しかし、それはそれで、分析機器メーカーの産業振興にもなるので、国や自治体が復興予算のなかから分析機器の予算を支援すればいい話であろう。

  

原発は今後30年以上も廃炉の工程を歩むことになるのだから、以上のような厳密な食品の管理システムを導入しなければ、根強い風評被害は収まらないのではないだろうか。
 
  農薬汚染の場合はまだしも、人々がいつの日にか <放射能汚染に馴れる> ということはないのではないだろうか。東電福島第一原発がある限り我々の頭から「放射能」の文字が消えることはないだろう。

        

なによりも、このままでは福島県のなかでの地産地消システムが循環しないだろう。福島県民自身が学校給食などで、他県の安全かどうかわからない食品をわざわざ取り寄せて安心して食べる姿はあまりにも痛々しいではないか。
 
  以上、消費者が食品を購入するときの判断基準をその食品の総K-40値に対する総Cs値に設定したらどうかという提案です。

    
              

(森敏)

              

付記1:ここでは経口実行線量係数や預託線量などのややこしい論議は抜きにしている。そんなことをいくら詳しく説明されても頭でも体でも理解できるわけがないからです。

        

付記2:参考のために、独立行政法人農業環境技術研究所の環境放射能観測圃場で今年とれた小麦についての測定値を以下に示します(土壌環境研究領域木方展治氏の講演記録から借用しました)。これによりますと、ここで取れた小麦種子(玄麦)にはCs-134Cs-137の合量がK-40の約30%の濃度で含まれていることがわかります。つまり私はこの小麦粉パンは現時点ではあまり食べたいとは思いません。あと10年してCsが半減すれば食べてもいいかもね。

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秘密

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