2011-10-22 08:45 | カテゴリ:未分類

   「ふくしま再生の会」(リンクから入ってください)が森林の放射能除染対策として、樹体から葉を一時的に一斉に落葉させる方法がないか模索している。民家の完全除染を目指しているが、周辺の森林を除染しなければ、絶対に一定値以下に、放射性セシウムの空間線量が下がらないことが,いろいろな団体による試行錯誤から今や明らかになっている。

 

  植物生理学的には、自然の落葉ホルモンであるアブシジン酸が離層形成を促進して、落葉することになっている。

 

  落葉にいちばん効果的なのは、農薬として登場して、最終的にベトナム戦争に使われた「枯葉剤」である2,,-Tである。これはベトナム戦争の時に、アメリカ軍が森林に潜んで北の首都のハノイから南の首都のサイゴンに南下するベトコンの行軍ルートを飛行機から見えるようにするために、メコン河沿岸の両サイドの森林に撒き続け森林を裸にしたものである。

 

  2,4,5-Tの中にppmオーダーで混在している2,3,7,8ダイオキシンには強力な催奇形成能がある。また、落ち葉を同時にナパーム弾で低温燃焼させると、ダイオキシンが合成される。これらのガスを吸って、ベトコンの兵士ばかりでなく、帰国したアメリカ兵士の子供たちにも流産、死産、奇形児が発生したことは、まだ我々の記憶にあたらしい。

 

  皮肉にも、福島では広葉樹も針葉樹も、ともに早く落葉(らくよう)させて落葉(おちば)の放射能を取り除くことが急がれている。さもないと、セシウムが葉からしだいに吸収されて樹体を循環していくはずであるから。

 

  でもまさか、今回2,4,5Tを使うわけにもいかないし、第一この農薬は製造禁止されている。最終的には樹を枯らしてしまいかねない。

 

  ではどうするべきか?

 

  エチレンが落葉に効く可能性があるので、エテフォンというエチレン発生農薬を用いる方法もある。しかしこれらがすべての樹木の落葉に効くかどうかは定かでない(少なくとも小生は知らない)。それに高価すぎるだろう。かわりに、以下に特許申請されているが、ポリエチレンフィルムと酸化鉄資材をまぶして、フィルムをゆっくり燃焼させてその煙の中に含まれるエチレンモノマーで、落葉を促進させる手も考えられる。これは案外安価で有効かもしれない。
 
エチレンガス発生方法及びこれに用いるエチレンガス発生剤(特開平8-333205)

    

  それ以外は、結局、枝切り(剪定)して放射能を強制的に樹体からはがすしか方法がない。この場合は膨大な剪定枝という廃棄物が出る。これを燃やすには、家庭用野外用ボイラーに放射能除染装置を付けた装置を発明して、地域に配布する必要がある。それともバイオマス発電所を地域に建設する必要がある。

     

  と、いろいろ徹底的に考えればそのうちに民間業者の中から知恵が出てくるだろう。期待したい。

          

(森敏)
 

秘密

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