2011-09-10 06:17 | カテゴリ:未分類

  文科省が義務教育期間での放射線教育の教本を作成し、科学的な放射線教育を普及させていきたいということである。
 
  そういう活動は、これまで日本原子力文化振興財団がその活動の一環として担ってきたものである。しかし出前授業などをやりながらもなかなか放射線の理解と普及に地道な活動を強いられてきた。なぜなら、日本は広島長崎の原爆被災国であるがために、国民の放射線アレルギーが親・子・孫と連綿と続いているからである。その放射線という言葉の前で立ち止まってしまう親が多い。
 
  すべての日本の歴史の教科書には、原爆災禍によって終戦がもたらされたことを記述している。今後は東電福島原発暴発による放射能汚染も日本国自身が招いた痛恨の科学技術失敗政策として、日本ばかりでなく世界の歴史の教科書に間違いなく記述されるだろう。

      

  原子力科学には、大きく分けて「原子力エネルギー開発分野」と「量子ビーム開発利用分野」の2大目標がある。今回原子力エネルギー開発分野では東電福島原発暴発以来、核燃料サイクルを目指した原発推進国策にたいして大きなブレーキがかかろうとしている。2005年に改定された「原子力政策大綱」の見直しが提起されている。当然だろう。

        

  いっぽう、量子ビーム開発利用分野は、これなくしては現代科学や医療が成り立ちえない。どんどん押し進めないと、あらゆる分野で日本の科学や産業界は世界の先陣を走れないと言っても過言ではない。

     

  何度も言うようだが、原子力が怖いからと言って,十把一絡(から)げで、量子ビーム科学をも否定してはならない。

       

  福島現地の子供たちは、体で感じた放射線に対する恐怖感を通して、線量計を駆使しながら、真剣に放射線すなわち量子ビームの実体を体感・理解していることだろう。身の回りに突き付けられている除染の問題意識を持ちながら、次に量子ビーム科学の有用性と重要性を理解するだろう。そしてそれが応用されている多くの分野の科学研究に目覚めるだろう。その中の何人かが研究が面白いという気持ちになってくれるだろう。

     

  福島県の小・中・高の先生たちはすでにそういう方向性でのここでしかできない放射線のフィールド科学教育の重要性を理解している。
    
  だから福島県からは20年もたてば、実体験に根差した本物の若い科学者が続々と誕生してくるような気がする。理系の学力もきっと全国一になるだろう。

         

「災いを転じて福となす」活動を続けてこそ、未来は開けるのだと思う。

     
     

(森敏)

 

 

秘密

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