2011-09-02 07:47 | カテゴリ:未分類

 

  産総研(産業技術総合研究所)が現在、産総研のホームページのトップ記事に、今年の4月から8月までの短期決戦的な<放射能汚染土壌の除染に関する研究成果>を要求する国の「特別推進費」の研究成果を公表している。

    

  このセシウム除染方法の基本は、セシウム汚染土壌を土壌の200倍重量の0.6モル希硝酸にとかして、その溶出液にプルシアンブルーという化合物を投入して、それにセシウムを吸着濃縮させて、廃棄するというものである。この方法では、反応層を95℃で温めると土壌からセシウムを60%溶出でき、200℃だと100%溶出できるという。(下図にホームページからのパクリの模式図を載せておいた)
 

 

 purushiannburu-.jpg 

 

     

  これは、薄く土壌を剥離した水田土壌、家庭の庭の表土や、雨どいのヘドロなどの濃厚汚染土壌からセシウムを収奪する方法である。

      

  実はこの件に関して、先日NHKの報道があったので、あらためて産総研のホームページで確かめたのだが、以下のNHK報道は誤解を生む。
    
  あたかもこの方法が表土を削りとる方法よりも現場で有効な、現場の土壌から直接的にセシウムを濃縮する手法だ思われたのだが、ホームページを詳しく読むと、削り取った土壌をそのまま捨てるよりは、削り取った土壌からセシウムを濃縮する方法をあくまで実験室的に開発したものである
 
  表土を如何に削り取るべきかは、現場で一番悩ましい問題
であるのだが、その方法を開発改良したものではない。実は汚染土壌から放射性セシウムを濃縮することには、産総研と同様、多くの全国の意欲的な研究者が工夫を凝らして研究中なのである。
   

       

  さて、産総研のデータはあくまで実験室でのささやかな規模の成果なので、これを実際に実用化するためには、大規模化(スケールアップ)のための非常に多くの困難が予想される。

1.最高200℃の高圧に耐える、0.6モル硝酸に耐える大型の数十トン単位の容器の材料に何を使うのか。
 

2.その容器に汚染土壌をどこから入れて、セシウムが除けてきれいになった土壌をどこから出すのか。
 
3.きれいになってもこの土壌は強酸性であるが、それはどこに戻すのか? いったん中和するのか?それなら大規模なもう一工程、中和の工程が必要である。
 

4.容器の中で土壌を撹拌沈殿するプロセスを連続システムとしてどう構築するのか。
 
5.汚染現場でやるのではなく、汚染土壌を運んできた集積場でやる大規模工場が必要であるだろう。

     
 

  このようにまだまだ実用化までには前途多難であると考えられる。現状では机上のプランである。産総研はあくまで、水溶液系にしてセシウム吸着材としての<プルシアンブルー>に固執するようである。いろいろやってみることはいいことだ。
       
  彼ら自身が述べているように、今後は本当にこの手法が採用可能かどうか、企業との連携開発が必須だと思う。

   

       

    

新技術でセシウムを除去(8月31日21時23分NHKニュース)

土壌に含まれるセシウムだけをより分け取り除く新しい技術を開発したと茨城県つくば市の産業技術総合研究所が発表しました。汚染土壌の表面を削り取る方法に比べて廃棄物の量が大幅に少なくなるということです

発表したのは茨城県つくば市にある産業技術総合研究所の川本徹研究グループ長らのグループです。この技術は、土壌に含まれるセシウムを低い濃度の酸で抽出したあと、顔料に吸着させるもので、99.5パーセントのセシウムを取り除くことができるということです。東京電力福島第一原子力発電所の事故で広がった放射性セシウムに汚染された土壌への対策として、現在、表面を削り取る方法が主に行われていますが、削った土壌の廃棄方法が課題となっています。研究グループによりますと、この技術はセシウムだけを分離するため、表面を削り取る方法に比べて、廃棄物の量がおよそ150分の1と大幅に少なくなるということです。川本研究グループ長は「廃棄物の量が少なくなるのが最大の特長です。低濃度の酸で抽出するため、土壌に与えるダメージが少ないのもメリットです」と話していました。研究グループは、今後、さらに技術改良を進め、企業の協力を募ったうえで福島県などの土壌を使った実証試験を行い、実用化を目指したいとしています。
 
 
(森敏)

 

秘密

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