2011-08-30 07:50 | カテゴリ:未分類

  

  各県が、早場米のお米の放射性セシウム値を次々と発表している。これらの測定値は、半導体検出器の測定限界以下の物は切り捨てられており、「不検出」、ということになっている。しかし、「不検出」は放射能が「無い」ということではない。

     

  不検出の場合も、お米を燃やして灰にして測れば、現在の百倍薄い濃度でも、検出される可能性が高い。できればそれらの測定値を生のお米1kgあたりに換算しなおして(A)記録して置くべきなのである。それと同時にそのお米がとれた水田の1kgあたりの土壌の放射性セシウム値(B)も測定しておくべきなのである。そしてA/Bの値を算出しておく。これを「移行係数」と呼ぶことは、現在では日本国民の常識となっていると思う。

     

  この様にして、すべての今回測定に供したお米の放射性セシウムのデーターを集積して記載しておくことが、今後の放射性セシウム汚染対策の基盤データとして非常に役に立つことになるだろう。

     

  来年以降も「放射能不検出」の農家を増やしていくためには、試験場は、サンプルに供した現在は不検出とされたお米も廃棄しないでおいていただきたい。そして、げんざいのようなてんてこまいの忙しさから少しは解放されて、放射能測定に余裕ができたら、それらの不検出のお米を灰にして、ぜひ放射線量を測定しておいていただきたい。

     

  実際に放射能が降下した直後の水田土壌でのお米の移行係数のデータは、どこにも無いはずである。日本やアジアでは主食がお米であり、稲作は主として水田で行われている。畑条件で栽培される陸稲と比べて水田状態で栽培される水稲は、10倍ぐらいセシウムを濃縮することがわかっているのだが、そのデータは非常に少ない。

     

  チェルノブイリやスリーマイルの原発爆発事故の時も西欧の研究者の意識は畑作物に集中している。彼らはイタリアとスペインを除けば水田を持たないから、小麦のことは考えてもお米のことは考えないからである。だから当時のお米のデータが少ない。

      

  水田稲作の土壌や稲体内でのセシウムの動態研究は、近い将来(?)日本や中国や韓国で起こるであろう、原発暴発事故の際の、水田の放射能汚染に対処するためにも、非常に重要な国際的な現実味を帯びた喫緊の研究テーマとなってきたといえよう。
     
        
(森敏)
付記:上記の記事は昨日の小生のブログに対する読者からの指摘に対して、追加記事として書いたものです。

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