2011-08-18 23:39 | カテゴリ:未分類

   

    福島県の各地区で放射能の除染が始まっている。道路や建屋や瓦の水による高圧噴射水による除染は放射性廃液が排水路(下水道)を通って、どこかの下流に流れていることになる。その行く先に下水処理場があればそこで活性汚泥となって高い放射性汚泥が大量生産されることになる。そして現在下水処理場の高濃度放射性汚泥の埋設先が確保できずまさに危機的状態である。

    

    その一方、排水路の終末が土壌にしみこまされているばあいや、途中で支流河川に流され、そこから大型河川(例えば阿武隈川)に流されているばあいもある。場合によっては直接農業用水路に入っているかもしれない。特に最近のような猛烈な豪雨の時には下水処理場が処理を賄いきれないので、オーバーフローする下水をバイパスとして河川に無処理で放流することがある。

    

    だから、除染で道路や民家のそこの地域だけがきれいになっても、実は下流に汚染が拡散されている場合も多いだろう。これでは川から農業用水を引いている農家や、川や海の漁師たちはたまったものではないだろう。現在のように自治体が焦って野放しの除染をやりつづけることは、福島県の河川をますます汚染をし続けることになる可能性が高い。

    

    河川は多様な使われ方をしている。それこそ多様な生き物の宝庫である。だから、目に見えない形で、河川の低質が汚染し、川岸の植生が汚染し、魚が汚染し、昆虫・鳥類などの野生生物が汚染し、下流の住民自身に何年かのちに放射能汚染そのものや、二次的な影響が降りかかってくるかもしれない。これは阿賀野川水銀汚染のパターンである。すでに福島県のいくつかの河川の淡水魚(やまめ、いわな、あゆなど)の採取は禁止されている。

  

    だから、除染する住民は、自分たちの除染廃液がどういう排水路を通して下流に流れていくのかを、きちんと把握して除染活動する必要があるだろう。それを自覚すれば、なるべく放射性廃液が出ないような除染の方法を開発し採用する必要に迫られるはずである。

   

    一方、水田農家の場合は、自分の水田だけをきれいにするということは、まったく望めない。このことは水田農家には自明の理であろう。とくに福島県の山間部では用水系と排水系をきれいに分離できていないので、用水系の上流から下流までは運命共同体である。汚染共同体であり、裏を返せば放射能除染共同体でもある。ここでは物事を水利共同体で解決するしか方法がない。

 

 

(森敏)
 

付記:香川県でのジャンボタニシの異常繁殖については、過去のWINEPブログで述べた。このジャンボタニシは、毎年完全に用水系の上流から下流にまで全水田が汚染している。今年どこかの水田が薬剤で駆逐しても、来年はまた用水を通して上流からジャンボタニシの卵や幼生が流れ込んでくるのである。その一番上流のため池がジャンボタニシで汚染されているからでもある。放射能汚染も同じである。

 

秘密

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