2011-08-04 07:02 | カテゴリ:未分類

 

  人が大勢集まる集会場や学校などのビル、広場、道路、駐車場などを物理的に放射能除染するには、人力(マンパワー)を投入すれば当初の2割から3割ぐらいにまで空間線量率を低下させられることがわかってきたようだ。その原理は、

 ① 東電福島原発から飛散降下した放射性セシウムは物質のごく表層に固着していること。
土壌には表層1-2センチ内にセシウムは強固に固着して動かないので、土壌ごと剥離しなければならないこと。
 

である。だから、放射能汚染箇所をはがす作業は物理的に可能であるが、問題は何度も言うが、はがしたものをどこに保管して、そこからセシウムをどのような方法で濃縮して、全体の容量を少なくして、どこにその高濃度放射能を埋設するかである。
 
  この最終埋設施設は、道義的な意味からも、誰に聞いても現在の東電の福島第一原発か福島第二に原発の敷地しか考えられない。

 

  人の密度が高い場所でも、校庭の植え込みや、街路樹をどう放射能除染処理するかが、問われている。校庭や家庭の庭の土壌や道路の表面を剥離しても、頭の上の樹木から放射能が燦燦と降り注いでいれば決して、それ以下に放射線量は下がらない。実にお金がかかるだろうが、公共施設の濃厚放射能汚染地域では庭木や街路樹は全部改植するのがベストだろう。代わりのクリーンな植木があることが前提だが。

 

  福島市、伊達市、飯館村、月舘村などを乗用車に車に線量計をつけて、とろとろと動かしていると、1~10マイクロシーベルト間を見事に空間線量値が変動することがわかる。頭の上に高い樹木や、がけが両サイドにあるようなところなどは線量が急激に上がる場合がある。

 

  森林の中に分け入ると、カッコーやホトトギスが鳴き、ひぐらしがきこえるのどかな風景の中で、いったいどこからこの森林の放射能除染に手を付ければいいのか、絶望的になるだろう。

  

  政府があたかも日本原子力開発機構に除染の専門家がいるような幻想を、住民に与えるのは非常に良くない。彼らは放射線の取り扱いに慣れているだけであって、決して除染の専門家ではない。彼らに依存するのではなく、住民自身、また自治体職員自身が線量計を持って具体的に除染の方法を工夫して、除染の規模と、いつまでにどこまでを除染するのか、その短期・中期・長期の除染工程表を作成することが必要である。
 
    どんな問題にでも、いつどこにでもその分野の専門家がいるというわけではない。自然環境の放射能汚染の除染に関しては、だれもが素人である。これから、福島の実践のなかで住民自身の創意工夫のなかから専門家を育てていくべきなのである。
      
  現在自治体によっては除染マニュアルが作成されつつあるようであるが。現状では、実践するたびに日進月歩、改定に改定を重ねて除染の技法を細かくversion upしていかざるを得ないだろう。

       

     

 除染の専門家、被災地に派遣を検討…首相
菅首相は1日午前の参院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けた自治体や住民による放射性物質の除染作業について、「国も財政的な支援を行っていく。技術的支援のために、専門家派遣も実施する方向で検討していく」と述べ、除染の専門家を被災地に派遣する考えを示した。 これに関連し、海江田経済産業相は、「日本原子力研究開発機構(JAEA)の方々を中心に組織的に専門家を派遣し、除染の徹底を図っていく」と語った。また、首相は、復興基本法に定められた復興庁について、「年内に成案を得て、速やかに設置法を国会に提出する方向性で取り組みたい」と述べ、来年の通常国会に設置法案を提出する方針を示した。2011811417  読売新聞)
 
 
(森敏)
  
   
付記:飯館区役所付近の小さな広場で、トラクターの運転を練習している光景に出合った。オペレーターは、いかに表土を薄くはぎとれるかの訓練をしているようだった。
 
秘密

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