2011-08-01 21:00 | カテゴリ:未分類

   

  林野庁が津波による膨大な量の廃材処理に対して、5か所のバイオマス発電の建設を提案している。それに対して全国に100社もあるという既存のバイオマス発電経営者が、5か所も作ると数年で津波による廃材はなくなるので、競争相手が増えるので、商売あがったりだと、増設に消極的である。

      

  これに対しては、小生は、単なる環境省が3000億円を計上して作ろうとしている廃材焼却場ではなく、林野庁が企画しているバイオマス発電所こそ、放射能汚染された木材の処理に必要だと考える。ただしこの発電所は、現行の汚泥焼却場と同様に、排煙出口の末端に厳重に放射性セシウムをトラップする除染フィルターを付ける必要がある。

       

  現在、放射能汚染された広大な森林をどう除染するべきか、林野庁や林学会を含めてどの組織からも明確な提案がなされていない。福島県は9720平方キロメートルの森林を持ち、これは全国第4位の広さである。放射能汚染量の強弱はあれ、この全域が汚染されていると考えられる。中でも強制避難させられた東電福島原発から30キロ圏内だけでもその半分の面積が山林とすると、約706平方キロメートルとなり、これらの森林は強度に樹木と土壌が放射能汚染されていると考えられる。

      

  樹林内の落ち葉がまず強烈に汚染されていることが、最近の堆肥製造業者の事件によって証明された。現地の林内で測ると空間線量値と同じなので、樹皮(バーク)由来の線量が定かではないが相当程度バークも汚染されていると考えられる。

     

  であるから、森林の放射能を除染するためには、まず、

  落ち葉を完全に搔き出す。

  汚染した葉がついている枝を全部切り掃(はら)う。

  樹皮が完全に更新するまで2-3年は樹皮を回収し続ける。

  樹間の土壌を表層から数センチの深さまで完全に掬い取る。

という作業が必須である。

     

  この時に出る、容積が膨大な落ち葉や樹皮や剪定枝をどう処理すべきがが最大の課題となるだろう。これらはすべて汚染されている。もちろん、間伐材も汚染されているだろう。これらは、放置しておくわけにはいかず、簡単に埋め立てたりもできない。そんな広大な公的な場所もないだろう。国がお金をかけてどこかで燃やさなければならない。

       

  そこで放射能除染機能を備えた「木質バイオマス発電所」が登場する必要があるのである。単なる焼却場ではなく温熱や電気を生み出し、除染も兼ねるのである。もちろん雇用も生み出す。
  
  

(これとは別に森林汚染表土からの放射能の処理は、最大の課題であるが、これは現在さまざまな処理法が検討されている。一部のアイデアに関してはwinepブログでもすでに述べておいた。)

     

  生態系の中で放射能汚染の最上流にある森林の除染問題を根本的に解決しないと、そこから流れる地下水や河川やため池の水汚染を解決できず、水田の利水も安心してできないだろう。たとえ水田土壌を完全に表土除染しても、流入する水が汚染する水利体系が残されている限り、消費者は決してそこでとれるお米を安心して食べてはくれないだろう。

      
         

(森敏)
     
付記1:ここで述べたことは笑止千万な非現実的なことが多々含まれていることを重々承知で提案している。諸氏の議論のたたき台にしてもらいたいと願っている。
 
付記2:参考にしたのは以下の記事です。

がれき木材を発電所燃料に 林野庁“一石三鳥”狙い

林野庁が、東日本大震災で大量発生したがれきに含まれる木材を燃料とするバイオマス発電所の建設を進めようとしている。がれき処理と再生可能エネルギーの普及促進、将来は林業の活性化につなげることも目指す一石三鳥が狙いというが、採算性を疑問視する声も上がっている。

 「最初はがれきの木材を使い、採算ベースに乗ったら間伐材などで発電する」。篠原孝農林水産副大臣は今月13日の林野庁の審議会で展望を描いた。

 林野庁によれば、震災で発生したがれきは家屋由来のものだけで2500万トンに上り、その約7割が木材。海水の塩分が染み込むなどしたものを除いても500万トンは利用可能だ。発電所の燃料には1カ所当たり年約12万トンが必要で、「数年間は十分に賄える」(同庁)という。

 林野庁は、発電所の建設費の半額を事業者に助成し、1万キロワット級の発電所を被災地に5カ所程度設けることを目指しており、2011年度第3次補正予算案に100億円余りを盛り込みたい考えだ。
 しかし、NPO法人バイオマス産業社会ネットワークの(とまり)みゆき理事長は「がれきがあるうちはいいが、あくまで一時的」と警鐘を鳴らす。

 背景には、総務省調査で2008年に全国144施設あるとされる木質バイオマス発電施設で「多くが採算が取れず苦戦している」(泊理事長)ことがある。08年ごろの石油、石炭価格の上昇で、自家発電施設を木質バイオマスに切り替える工場が増え、燃料となる建設廃材の価格が上がったことが要因という。

 森林でほとんどが切り捨てられたままとなっている間伐材についても「搬出が困難でコストがかさむことから発電所の燃料としてはペイしない」と、バイオマス発電所業者からも声が上がる。

 これらに対し、自然エネルギーの活用を推進するペレットクラブの小島健一郎(こじま・けんいちろう)事務局長は、「発電だけでは絶対に採算が取れない。余熱も利用するべきだ」と主張する。

 林野庁も、5カ所の発電所を津波被災地に再建する製材工場などに併設する考えで、電力供給のほか、廃熱による温水や気化熱で冷やした水をパイプラインで運び、付近の住宅地の冷暖房や水産流通・加工施設の冷却などに活用する構想だ。

 木材を使ったバイオマス発電や熱供給の採算性について、熊崎実(くまざき・みのる)筑波大名誉教授(国際森林資源論)は「再生可能エネルギーによる電力を電力会社が全量買い取る法案も国会で審議されるなど、経済的に成り立つ条件はそろいつつある」とした上で、「間伐材の搬出コストを下げる林道の整備など国による総合的な取り組みも必要だ」と指摘している。



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