2011-07-09 06:09 | カテゴリ:未分類

    東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、東北・関東7県の牧草から、規制値(500Bq/kg)を超える放射性物質が相次いで検出されている。したがって牛の放牧を自粛させられているはずであるが、農家は刈り取って発酵させた牧草の処理に困惑し、非放射能汚染飼料の入手には莫大なお金がかかっている。国が何らかの補償をしなければこの資金負担に耐えられる個人農家は少ないはずである。
 
  
そこで窮して、刈り取った放射能汚染干し草を、牛に与えている農家が出てきているのではないだろうか。そうでもしないと、牛が死ぬだろうから。高価な粗飼料を与えつづけられずに餓死させることは、それは忍びないだろうから。しかしかさばる高価な非放射能飼料を与え続ければ自分も廃業に追い込まれるだろう。そこで、これ以上は飼えない限界の苦境に負い込まれた畜産農家が、牛を食肉用に手放すのだろう
     

  これからどんどんそういう放射能汚染牛がセリに出てくる可能性が高い。実際先日は経営難で自殺に追い込まれた若い畜産農家が出た。
    
  食物連鎖の上位にある牛の筋肉に放射能が、確実に蓄積しつつあるわけである。
     

  それにしても、海の方はどうなっているのだろう。さまざまな魚の放射能は測定されているのだろうか? 食物連鎖の上位にある近海の大型の魚にも、蓄積が始まっているはずで、水産庁はきちんと監視しているのだろうか? 最近報道が極端に少なくなってきているように思う。
 
  牛肉の放射能汚染は、「自然の元素循環の中に我々の肉体も生かされているのだ」という冷厳な食物連鎖の法則性を、あらためて示すものである。

    
     

 

福島産牛肉から基準超セシウム

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福島県南相馬市から東京の食肉処理場に搬入された食用の牛11頭のうち、1頭の肉から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出され、東京都は、この肉が流通しないように保管するとともに、ほかの10頭についても検査を進めています。

東京都によりますと、8日、福島県南相馬市の生産者から東京・港区にある都の食肉処理場に搬入された食用の牛11頭のうち1頭から、国の暫定基準値の1キロ当たり500ベクレルを上回る、2300ベクレルの放射性セシウムが検出されました。これを受けて東京都は11頭すべての牛の肉を食肉処理場の施設内に保管して流通しないようにするとともに、ほかの10頭についても検査を進めています。東京都によりますと、東京電力福島第一原発の事故のあと、食用の牛肉から国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたのは全国で初めてだということです。東京都では今後、食用の牛肉などについて生産地での検査を徹底することなどを要請したいとしています。厚生労働省によりますと、東京電力福島第一原発の事故のあと、牛肉から国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたのは初めてです。厚生労働省は、8日、福島県のほか、隣接する6つの県に牛肉の検査態勢を強化するよう求めたほか、9日、同じ農家が同じ日に出荷した牛10頭の枝肉について検査し、基準値を超える放射性物質が検出された場合、出荷制限などを検討することにしています。また、これとは別に、福島県は8日夜、南相馬市に対し、肉用牛の出荷自粛を要請しました。


(森敏)

 

 追記1:結局牛肉の放射能汚染の原因は、昨年(?)刈り取った稲わらを、3月中旬の東電福島原発暴発時に、野外に積んでおいたものが強い放射性降下物を浴びて、それを(知らずに?)飼料として与えていたためのようである。原発暴発後は全国で牧草の放射能汚染が確認されたので、刈り取った牧草は、現地ではビニール袋に包埋して野外に放置されており、これらは行政指導に従って給餌していないはずである。稲わらは行政指導がなかったのではないか? この点では報道では詳しいことがわからない。行政の盲点だったのかもしれない。しかし悪いのは畜産農家ではない。どうして彼らを責められようか。悪いのは東電ではないか。(7月12日記)
 
追記2:この件では産経新聞が以下のように一番事実を詳細に伝えている。
 
国は3月19日、屋外保管していた飼料を家畜に与えないように通達。しかし(この)農家では稲わらは昨秋の収穫後から水田に保管、牧草は原発事故後に刈り取り牛に与えていた。県には「事故前に収穫した餌を与えた」と申告、外での保管も伝えていなかった。県の聴取に「震災後に配合飼料が不足し、やむなく与えた」と虚偽申告を認めた。(7月12日火曜日産経新聞)
  
東電福島原発の暴発で降下した放射性物質でイネや牧草などの飼料を汚染されたにもかかわらず、行政からなんの支援もなく、すべてを自己責任に追い込まれた、実に行きどころのない肉牛農家の苦悩が伝わる記事である。
   

秘密

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