2011-06-25 18:18 | カテゴリ:未分類

  

    以下は今回の東電福島原発暴発事件で、がぜん評価が高まった論文である。放射性ストロンチウムと放射性セシウムの土壌中の降雨による下方への移行速度が異なることを明らかにした原点ともいうべき論文である。放射能による土壌汚染を考える上で、日本人の共有知識として重要なこの論文の要約の一部分を紹介しておきたい。(文献は Yasunori Mihara: Storage and Migration of Fallout Strontium-90 and Cesium-137 for over 40 years in the Surface Soil of Nagasaki. Journal of Environmental Quality 22:722-730,1993)

 
 
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(上記要約の部分和訳は)

長崎原子爆弾による長崎県西山地区における放射性降下物Sr-90Cs-137の土壌における垂直下方移行の速度を年間平均降雨量が2500 mmと仮定して計算した。Sr-904.2 mm/year Cs-1371.0 mm/year の速度であった。

   

   
(森敏)
  
付記: 現在徐々にではあるがストロンチウム90のデータが発表されつつあり、東電福島原発周辺土壌に高濃度にストロンチウム90が降下していることが明らかになりつつある。上記の論文によれば、ストロンチウム90はセシウム137に比べると、4.5倍も下方に移行しやすいことが示されているわけであるから、ストロンチウム90で汚染された土壌では、土壌を50センチ以上「天地返し」をしても意味がない。なぜかというと、セシウムは動かないが、ストロンチウムが雨水でさらに土壌の下方に移行するので、これは地下水汚染につながり、川や海洋の放射能汚染につながる。すなわちこういう地区では天地返しの手法は取れないということになる。

秘密

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