2011-05-28 10:06 | カテゴリ:未分類

農水省が移行係数を公表

  

 

これまで様々な移行係数が発表されている。しかし、今回農水省が定義した移行係数は、従来の学問的な移行係数の定義とは異なっている。以下の農水省の定義した式では、分子の<生鮮重>は従来は<乾物重>で定義されている。例えば葉物は水分が95%ぐらいあるので、生鮮重あたりにすると放射能が20分の一ぐらいに低く換算されている。

  

      農作物中のセシウム137濃度(生鮮重 Bq/kg) 

移行係数=―――――――――――――――――――――――

      土壌中のセシウム137濃度(乾物、Bq/kg)
   

    確かに実際の農家や、流通業者にとっては、放射線測定の判定の目安としては、これのほうが従来のものよりも使いやすいだろう。半導体検出器での測定時にわざわざ農作物を乾かして測る手間が省けるからである。

   

   

 

農作物名

移行係数

幾何平均値

最高値

ホウレンソウ

0.00054

カラシナ

0.039

キャベツ

0.00092

0.076

ハクサイ

0.0027

0.0074

レタス

0.0067

0.021

カボチャ

0.023

キウリ

0.0068

メロン

0.00041

トマト

0.0007

0.0017

イチゴ

0.0015

0.0034

ソラマメ

0.012

タマネギ

0.00043

0.002

ネギ

0.0023

0.0031

ダイコン

0.0011

ニンジン

0.0037

0.014

ジャガイモ

0.011

0.13

サツマイモ

0.033

0.36

テンサイ

0.047

0.15

リンゴ

0.0010

0.0030

ブドウ

0.00079

 

ブラックカラント

0.0032

0.0052

グースべり―

0.0010

0.0014

   

    

平均値と最高値(紛らわしいので最低値のほうは転記しなかった)を見ると、一桁ぐらい数値が上がるものがあることがわかる。これは何を意味するのかというと、先日(5月24日)のWINEPブログ
  

再論:セシウムの移行係数(TF値)は土壌によって異なる
   

でも述べたのだが、第一に土壌の違い、第二に品種の違い、第三に気候の違いなどがこの変動要因になっている。

  

まず農家は自分の土壌のセシウム汚染知る必要がある。耕作は深くすると放射能が地中に拡散するので、表土を3-5センチ剥離してのち、浅く撹拌して、表層10-15センチをサンプリングして測定に供するがよいだろう。次に自分が作付したい作物についてその移行係数の最高値を使って、出荷時点での可食部の放射能値を予測値として算出して、それが食品規制値の500ベクレル以下であればまず問題なく作付けできるだろう。
 
    予測値が500ベクレルを超える場合は、作付をやめるほうがよい。ほかの作目に切り替えよう。むろん出荷時でも生産物は放射能チェックを受けることになっている。

    

これまで農作物生産者としては<作物に如何に放射能を吸収させないか>などということは一切考える必要がなかった。今回の原発事故のせいで新しくやらなければならないことが出てきた。。実にばかばかしくて、腹が立つだろう。

      
(森敏)

秘密

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