2011-05-23 09:21 | カテゴリ:未分類

放射能汚染土壌の「天地返し」のみにかかる費用のシミュレーション
 
 
校庭土壌改良 
 

  

  福島県が独自に校庭汚染土壌の「天地返し」を行っている。今回の放射能汚染は、セシウム(Cs)なので、土壌の表層5センチ以内に蓄積してとどまっている。そこで、今回定義する「天地返し」とは表土を5センチ丁寧に剥離して、その下の深土を50センチ以上掘り出して、そこに汚染表土を埋め込んで、その上に再度深度を覆土することを言う。そうすると、地表で検出される放射能が10分の一になる。
    
  その作業に必要な費用の概算が、上図のように示されている。この金額を用いて、東電福島原発周辺30km以内の全土壌の「天地返し」に必要な費用を、平地と林地について、単純な仮定を置いてシミュレーションしてみた。
  

(あらかじめ断っておくが、無謀な計算であると非難されることを覚悟で計算した。いろいろなことを考えるときの大まかな判断の目安として使えないだろうか。こういう土木工事を行うための安全確保のための作業員や様々な住民のための予備費用、圃場の再整備費用など、改めて必要になる特殊な費用は一切計上していない。算定基準がわからないからである)

    

仮定① 
汚染全面積を福島原発の半径30km県内と仮定し、海側を除いた半分の面積とする。土壌汚染度の強弱によって50センチ掘るべきか、1メートル掘るべきかなどの工事の難易度は無視している。

仮定② 
田畑や道路などの平場の「天地返し」にかかる費用は校庭の天地返しにかかる費用の2倍とする(食べ物を作るので厳密に丁寧に表土を剥離する必要があるから)。

仮定③ 
山林は、落ち葉や表土を剥離するにとどめる。覆土はしない。山林は林間の根の張りの形状や傾斜地などであるので、作業の難航性が予想されるので、人力に頼るところが多く、表土剥離とどこかに大きな穴を掘って埋没するだけでも校庭を修復すると同等の面積当たりのお金がかかるものとする。

仮定④ 
半径30キロ圏内では、大まかに分けて山林面積と平場の総面積の比を1:1とする。

仮定⑤ 
1校庭の面積を平均150m x 150m=0.025kmとして、この校庭全部の天地返しにかかる費用を、上図から換算して  100万円~300万円の範囲と仮定する。

 

計算式

平場の「天地返し」にかかる費用

30(km)x30(km)x3.14x0.5(:陸地分の面積)x0.5(:平場は陸地の半分の面積と仮定)÷0.025(km)x(100万円~300万円)x2(:校庭の2倍の金額と仮定)=5652000百万円~16956000百万円・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)

山林の「天地返し」にかかる費用

30(km)x30(km)x3.14x0.5(:陸地分の面積)x0.5(:陸地の半分と仮定)÷0.025(km)x(100万円~300万円)(:校庭と同じ金額と仮定)=5652000百万円~16956000百万円・・・・・・(2)

 

合計: ()+(2)=11兆3040億円~33兆9120億円
 

日本の国家予算の一般会計が83兆円であるから、土壌除染を本気でやれば、国家予算の3分の一を、土壌改良費だけで支出してしまうことになる。とても国民の支持は得られまい。しかし、この金額をたたき台にして、部分的にせよ具体的な解決策に至るさまざまな応用問題はありうると思う。
   
役人はこういう計算が得意中の得意だろうから、もっと精密な計算ができるだろう。
     

  
    

福島6市村独自に校庭汚染土217か所除去

福島県内の小中学校の校庭などで通常時より高い放射線量が検出された問題で、東京電力福島第一原子力発電所から50キロ圏内外の福島市など6市村が独自に行う校庭の表土除去の対象は計217施設に及び、費用は少なくとも6億円に上ることが、読売新聞のまとめで分かった。

 同県内56の学校などで19日に文部科学省が実施した調査では、いずれも国が設定した学校での屋外活動の制限基準値を下回っていたが、各自治体は、より厳しい基準を独自に決めるなどして除去工事に踏み切っている。過半数は今後行われる予定で、背景には、国の基準への不信感や保護者らの不安の高まりがある。

 二本松市では、国の基準の半分、毎時1・9マイクロ・シーベルト以上の場合、表土除去を行うとし、小中学校など58施設分2億5000万円を計上した。表土を深さ3~5センチ削り、校庭内に掘った穴に入れ、上から厚さ1メートルの汚染されていない土で覆う「埋設方式」をとっている。

 福島市も同方式を採用、保育所も含む計26施設分の予算2億円を専決処分し、今月下旬から工事を始める。本宮市、大玉村も同方式で除去を始めている。

 郡山市では4月下旬から今月初めに、市立学校や私立幼稚園など67施設の校庭や園庭の表土を除去した。当初、残土は市内の処分場に運ぶ予定だったが、周辺住民の反対で断念。残土は校庭脇に積み上げ、ブルーシートをかぶせている状態だ。同市もより厳しい基準を設定し、再施工を含めさらに28施設の表土除去を行うとしている。伊達市も2校1園で行ったが、やはり処分法が決まらず、残土は校庭脇に置いている。

 20115211434  読売新聞)
  
  
 
(森敏)
 

追記1:と考えていたら、次の日に、同じようなシミュレーションをやっている人物がいた。座学をやる人は、人のデータを使って計算しかやれないのだろう。それでも現段階では、いろんな提案があって良い。要は行政府の政策立案の参考になれば良しとすべきだろう。(2011年5月25日記)

   

 土壌汚染、一部チェルノブイリ並み・・・専門家推計

東京電力福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質の土壌汚染が、福島県の一部の地域で、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同程度とする推定結果を河田東海夫(とみお)・原子力発電環境整備機構フェローがまとめた。

 24日の国の原子力委員会で報告された。河田フェローは、文部科学省が実施している放射線量の測定結果などをもとに、同原発周辺の土壌に含まれる放射性セシウムの量を推計した。チェルノブイリ事故で強制移住の基準となった1平方メートルあたり148万ベクレル以上の高濃度の汚染地域は、飯舘村と浪江町の一部など約600平方キロ・メートルに達するとの結果が出た。

 今後の対応として、河田フェローは、「広域な汚染マップを作るとともに、住民が戻るための大規模な土壌修復計画が必要だ」と指摘している。

20115250052  読売新聞)

 

秘密

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