2011-05-08 15:18 | カテゴリ:未分類

(提案8)海抜下の塩害水田は国が全部買い上げて「遊水池」にしてはどうか?  
 
   
 

今回の地震の地殻変動で地盤が50センチも沈下して、なおかつ津波で23600ヘクタール以上が海水に冠水して、そのまま水が抜けないそうである。わざわざ海を埋め立てて長年の歳月を費やして作った八郎潟干拓地が37000ヘクタールであるから、今回の低湿地化した面積は八郎潟のそれよりは少ない。

 

これらのおそらく海抜ゼロメートル以下の田んぼを、今後どれだけ現状復帰すべきかは、農林行政の大きな課題だと思う。海岸に高い堤防を築き、給水と排水の水路を築き、暗渠工事を入れて、水抜きには2-3年はかかるだろう。どれだけの資金がかかるだろうか? 日本の干拓の農業土木技術は、児島湾、霞ヶ浦、八郎潟、諫早湾など、冠たるものがあるので、除塩そのものはお金さえかければ可能である。

 

小生は、若い頃足尾鉱山の上流から渡良瀬川遊水池まで、宇井純さん等と一緒に、調査をしたことがある。その印象が強烈に今でも残っている。(このことは昔のWINEPブログに書いた)
  

 
  Watarase--.png

 

現在の渡瀬遊水池は湛水面積が450へクタールあるそうである。この遊水池は土地を農民から強制収容したものである。有名な田中正造を中心とした農民運動をたたきつぶして作られたものである。その目的は足尾銅山からの鉱毒沈殿池の造成ためであったのだが、この池は現在では洪水時の氾濫防止の機能も備えている。この広大な土地の利用については、その後様々な紆余曲折があったのだが、現在では野鳥の楽園(サンクチュアリ)にもなっている。

  

知人のこの方面の専門家にきくと、

      

「今回の地震と津波で塩害を受けた海抜ゼロメートル以下の水田は再生利用するにはお金がかかりすぎるし、またまた同じ津波の害が100年に一度は来ることがわかっているので、それに耐える堤防や給水路や排水路や揚水施設の建設にさらに膨大な国の資金を投入して作る意味は全くない。

   

全部海抜下の塩害水田はいったん国が買い上げて、数年間は放置しておく。財政に余裕ができたら遊水池として徐々にビオトープ公園などとして整備復活させればよい。

  

それでも農業をやりたい方には、耕作放棄田などの移転先を紹介することになるだろうが、それがいちばんお金がかからないやり方だろう。」

     

  とのことである。

     

センチメンタルな農本主義の連中からは、個々の農民のことを考えない高踏的議論だ、という反論がすぐに来るかも知れないが、これは案外将来を見据えたリアリストの考え方かも知れない。

      
 
ennbunnyokyo.jpg

      

(森敏)

追記:ネットをめくっていたら、昨日の以下の記事があった。上記の知人の意見が案外暴論ではなく、現場の切実な要求でもあることがわかった。
   

 
津波浸水の土地、国買い上げも必要・・・・五百旗頭氏

政府の東日本大震災復興構想会議の五百旗頭真議長は7日、岩手県の大船渡、陸前高田両市を視察後、津波で被災した土地を国が買い上げるなどの支援が必要との見解を示した。

 支援の中身としては、「買い上げ、借り上げ、色々な方式があると思う」と述べた。

 この日、五百旗頭議長ら委員4人は、津波で壊滅した両市の中心部を視察し、両市長から国の財政支援の要望を受けた。戸羽太・陸前高田市長は「国が浸水区域を一時的に買い上げてほしい」と求めていた。(2011572056  読売新聞)

秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/1069-12b8c7e3