2011-04-28 10:11 | カテゴリ:未分類

校庭の放射能汚染表土を削ったのはよいのだが

   
      

「郡山市は放射性物質を取り除くため、地表から1センチの放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上の15の小中学校と、毎時3.0マイクロシーベルト以上の13の公立保育所について、校庭などの表土を除去することを独自に決めている。」(4.27.産経ニュース)

    

ということで、放射能汚染した校庭をおよそ3センチほど削って、その下の土には放射能がないことを、確認していた映像がテレビでも流れた。ところが残土をいったん校庭の隅に積み上げたはいいが、次にそれをどこに捨てるのかで、残土置き場になる予定の住民といざこざがおこっている。一か所で善意や好意でやることが、ほかの箇所では悪意になる。放射能はどこにももって行き場がないのである。放射能は人と決して共存できない。

      

田畑から東電福島原発由来の汚染放射能を除去するのに、「表土を削ればいいだろう」と簡単に考える人がいるかもしれないが、上記の記事に象徴されるように、これにはいくつかの問題がある。

         

1.浅く同じ深さに農地を削るのは困難
 

農地は、畑の場合は畝を立てているので、その状態で放射性降下物を受けた農地は、その表土を、校庭の場合と違ってショベルカーで均一な浅さ(13センチ)に削るのは困難であろう。鍬での丁寧な手作業にならざるを得ないだろう。これは大変な作業である。また、田んぼの場合は、大体イネ株を残したり、掘り繰り返したり、農家によって田の表面の水準が区々(ヘテロ)なので、表土を薄く削り取ることは不可能ではないだろうか。ショベルカーで安全を取って15センチぐらい作土全部を取のぞかないと、放射能は完全にはなくならないだろう。

     

2.汚染土壌の捨て場に困る
 

先日、農水省の方と話しているときに、「表土を5センチ削るだけでも10アール(1000m)で50トンの土が出るんですよ。作土全部を削ると150トン。それをどこに持っていけばいいんですか?」と、彼らはすぐにそういう計算(0.05m x 1000 m2=50 m3=50 容積トン)ができるように頭が鍛えられているのである。まったくその通りなのである。カドミウム汚染土の場合なら、どこかに堆積しておいても放射能でないから、あまり気にならないが、放射性残土ほど始末に負えないものはない。土地がある農家は自分の土地の一角に「永久埋蔵」せざるを得ないだろう。土地のない農家は、行政に任せるしかない。あちこちの農家からの大量の汚染土にはその捨て場に行政も完全に困惑するだろう。

        

3.客土をどこから入手するべきか
 

そのうえ、田畑の場合は,校庭の場合と違って、表土を削ればいいのではなくて、削った分は、放射能汚染していない新しい土壌で客土しなければならない。そうしなければこの数センチの水準の低下で、露地土壌でもハウス土壌でも水がたまって抜けなくなり、いろいろな生育障害(根腐れ、病原菌発生、栄養欠乏)の原因になる。近くに自分が所有する林があって、そこの表土を剥いで、そこの深土を掘りだして客土として使えればいいのだが、そうでない農家は、場所によってはそう簡単には客土用の土壌が見つからない。昨今では土といえども買うのは安価ではないのである。もちろん水田の場合は、水口から水尻に向かって微妙な勾配をつけて用水の管理をしているので、いったん表土を剥いだ分は完全に等量の客土をしなければならない。

        

4.客土を今やるべきか?
 

まだ放射能が排出され続けているので、今現在客土をやることがいいかどうかなかなか判断できない。やっても、またあとから徐々に放射能汚染し続ければ、やる意味がない。「賽の河原」だからである。というわけで、客土にはいろいろの困難が予想される。

        

だから今年は、濃厚放射能汚染土壌では当面ヒマワリでも植えて、汚染放射能を除染しながら、様子を見たらどうかと、小生は繰り返し繰り返し提案しているのである。

      

    

(森敏)

秘密

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