2011-04-14 11:51 | カテゴリ:未分類

コウナゴの驚くべき速さでのセシウム濃縮

 

早朝以下のニュースが流れた。

 

福島沖コウナゴから25倍のセシウム

福島県いわき市沖で13日に獲ったコウナゴから、暫定規制値を大幅に超える放射性物質が検出されたことが、政府の原子力災害対策本部のモニタリング調査でわかりました。 厚生労働省によりますと、福島県いわき市沖で13日に獲ったコウナゴから、暫定規制値の25倍に当たる1キログラム当たり1万2500ベクレルの放射性セシウムと、暫定規制値の6倍に当たる1万2000ベクレルの放射性ヨウ素が検出されました。このコウナゴは福島原子力発電所から35キロ離れた、沖合500メートル・水深9メートルのところで獲ったものだということです。現在、福島県では漁協が漁を行っておらず、このコウナゴが市場に出回ることはないということです。(1400:40 TBSニュース)

 

 

天然における海洋生物による放射性元素の濃縮係数は、海水からと飼料(植物プランクトンなど)からの濃縮係数の和と考えることができる。コウナゴは東電福島原発からの大気降下物と、原発排水から海水へ流され続けている、合わせた汚染源の放射能を、この1か月間の生育過程で生物濃縮し続けている。

 

このコウナゴを採取した海域の海水の放射能の濃度が本日のニュースでは示されていないが、このコウナゴは、単に放射能を体に吸着しているわけではない。繰り返すが植物プランクトンや海藻に取り込まれた放射能を餌としてたべて、高濃度に体内に濃縮している。

 

先日(4月9日)採取されたコウナゴの放射性ヨウ素と放射性セシウムの比は

I131/Cs137=1700/570=2.98

であったのだが、
今回(4月14日)のデータから計算すると両元素の比が

I131/Cs137=12000/12500=0.96

とかなり低下している。

 

放射性ヨウ素は半減期が8日であるから体内にいったん取り込んでもどんどん放射線量が減衰していく。一方、放射性セシウムは30年で、事故後まだ1か月しか経っていないのでほとんど放射線量は減衰していないはずである。

  したがって、この両者の比が下がっているということは、直近の4月14日のコウナゴは、東電福島原発からの排水と大気から降下した放射能を相当早くから取り込んだ沿岸域の植物プランクトンや海藻などを餌として体内に取り込んでいた可能性が高い。(ここでは、複雑なモデルになるので植物プランクトンやコウナゴなどの体内での生物学的半減期を無視して話をしている)

 

今後は食物連鎖でさらにこのコウナゴより上位の魚類やホヤ、ウニ、エビなどがコウナゴを食べてさらにセシウムを濃縮していく結果が予想される。

 

参考までに下記の 表1 に、飼料を経口投与した137Csのスズキの体内での生物学的半減期を引用します(参考文献: 放医研50年史99ページ)。この表1の結果から、体重の大きな魚ほど137Csをためやすく、しかも筋肉にためやすい。また、河口等の汽水域に近い魚ほどためやすいことがわかります。

   
 

 

               表1

平均体重(g)

4.2

16.7

59.1

塩分

部位

半減期(日)

半減期(日)

半減期(日)

100%海水

全身

40

63

61

筋肉

51

78

84

50%海水

全身

59

90

106

筋肉

72

105

147

10%海水

全身

80

148

159

筋肉

120

165

216


   
(森敏) 

追記1:以下のニュースのデータは4月18日のものである。コウナゴでのヨードとセシウムの放射能比が

I131/Cs137=3900/14400=0.27 

となっており、4月14日より、その比がさらに下がると同時にセシウム含量が増え、どんどんセシウムが植物プランクトンを通じて、コウナゴに濃縮されていると思われる。


福島県産コウナゴに出荷・摂取制限 官房長官

2011/4/20 11:17

 枝野幸男官房長官は20日午前の記者会見で、福島県で水揚げされたコウナゴ(イカナゴの稚魚)について出荷を制限し、摂取を控えるよう指示したことを明らかにした。食品衛生法に基づく暫定規制値を大幅に上回る放射性物質が検出されたため。魚介類での出荷停止や摂取制限措置は初めて。同県では現在、コウナゴ漁を自粛中で、市場には流通していない。

 厚生労働省によると、18日に採取したコウナゴから、1キログラムあたり放射性セシウムが1万4400ベクレル(暫定規制値は500ベクレル)、放射性ヨウ素が3900ベクレル(同2千ベクレル)検出された。

 
 
追記2:ついに断念!

茨城沖コウナゴ漁、今期操業断念 基準超すセシウム検出

2011年4月30日22時31分

 茨城県は30日、北茨城市沖と高萩市沖で29日に捕獲したコウナゴ(イカナゴの稚魚)から食品衛生法の暫定基準(1キロあたり500ベクレル)を超す放射性セシウムを検出したと発表した。北茨城市沖は前日に続いて基準を超え1374ベクレル、高萩市沖は505ベクレルだった。

 茨城県内の漁協や水産関係者で作る対策本部は30日、県の要請で4月5日から自粛していた同県沖のコウナゴ漁について、「再開が当分見込めない」として、今期の操業を終了すると発表した。

 
追記3:ついにワカメと貝からも!

ワカメと貝から基準超すセシウム 福島・いわき市沖2011.5.19.23:48

 厚生労働省と福島県は19日、福島県いわき市の沿岸で採取されたワカメとムラサキイガイから暫定基準(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。海藻と貝類で基準を超えたのは初めて。福島県では漁が自粛されており、どちらも市場に出ることはない。

 厚労省によると、検出値はワカメが基準の2.4倍に相当する1200ベクレル、ムラサキイガイは650ベクレル。どちらも16日に採取された。また、いわき市沖で採れたシラス、伊達市のヤマメ、北塩原村のワカサギからも、基準を超す放射性セシウムが検出された。

 福島県はヤマメからセシウムが990ベクレル検出されたのを受け阿武隈川漁協を通じ、本流・支流の漁や釣りを自粛するよう要請した。今後、近辺の川の淡水魚の調査を進める。

 

秘密

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