2011-04-12 00:11 | カテゴリ:未分類

現役の「土壌・肥料・植物栄養学」関係者はマスコミにもっと顔を曝して!

  

  

東電福島原発による放射能汚染が土壌・河川・海を汚染して、作物が<出荷停止>になったり、土壌が<耕作不可地>に指定されたりしている。今は食の安全に関しても国民的な危機である。

   

この間小生は、読者にとっては消化不良になると思われる噛み砕き方ではあるが、客観的な科学データを、できる限りわかりやすくブログで紹介してきたつもりである。

     

事故原発から大気に拡散した放射能が、作物体や土壌に降りそそぎ、植物体内に葉や根から吸収同化転流されるメカニズムなどは、過去における原水爆実験やチェルノイブイリ原発爆発事件以降これまでに、実は日本でも世界でも数多くの研究がなされている。

    

放射性同位元素の土壌での挙動や、植物体に吸収されてどのように動くか、などに関しては、土壌学や肥料学や植物栄養学のまさに専門の領域である。そして、この方面のこれまでの地道な研究成果が現在の、農水省から次々と打ち出される行政にも反映されているのである。

 

小生が紹介している移行係数(TFTransfer Factor)などは、多くの作物についてのデータが日本人によって精緻な研究がなされており、農水省が今まさに、放射能汚染の農地の耕作可否の判断の基準に用いている指標なのである。

   

にもかかわらず、この原発事件後1か月間のさまざまなニュースの中で、土壌学や肥料学や植物栄養学の現役の研究者たちの世間に対する発信力は非常に弱いと思う。むしろ他分野の、土壌や植物の専門でない研究者が、初歩的な事実をわかりやすく紹介してくれている。さすがに肥料に関しては皆目わからないので語れない様子だが。

     

研究者はなにも地道なことがいいのではない。大学や国立研究機関の研究者たちは、こういう一朝有事(国家存亡の危機)のときに社会貢献するためにも、普段は国民の税金を使わせてもらって、大好きな基礎科学をやらせてもらっているのである。

     

現役の中枢にいる研究者たちは、乞われれば、積極的にマスコミにも顔を曝して、どんどん自分の専門領域からの提言を開陳すべきではないだろうか。現場の、解決が困難な農業問題となんらかの形で自分なりにかかわることによって、自分の学問も失敗や非難の中で鍛えられるのである。じっさい農学は観念的にではなく、そのようにして実践的に鍛えられてきたのである。
  
   

いままさに、研究者は鋭角的にタコツボを掘る能力ではなく、総合的な企画能力が問われていると思う。

   

税金で飯を食う農学研究者達は、放射能汚染した土壌・河川・海の修復をどう行うべきかを、真剣に英知を集めて世間に提言しなければならないと思う。いや、世界に向けて発信しなければならないと思う。

  
  世界の海に放射能を積極的に垂れながしているのだから、何もしないことは悪であると思う。
 

            

(森敏)

 

秘密

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