2011-04-10 13:21 | カテゴリ:未分類

確実に沿岸の植物プランクトンの放射能汚染が進行している
 
 

以下のニュースが流れている。
   

いわき沖のコウナゴ、暫定基準値上回るセシウム

厚生労働省は9日、福島県いわき市沖のコウナゴ4検体のうち1検体から、暫定規制値(1キロ・グラム当たり500ベクレル)を上回る570ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
  

 放射性ヨウ素(規制値2000ベクレル)は1700ベクレルだった。検査のための採取で市場には出回っていない。
   

 同省によると、ほかの3検体でも、セシウムが500~480ベクレル検出された。

 ―以下略-
20114100211  読売新聞)

   
           

これは東電福島原発水素爆発事故以降のコウナゴ(イカナゴ)に対する放射能測定値の2回目の報道である。コウナゴへのヨウ素やセシウムの生物濃縮は、当初小生が想像した以上に速いようだ。コウナゴは植物性プランクトンや動物性のプランクトンを食しているわけだから、東電福島原発が位置する南北の相当の沿岸部のプランクトンが汚染されて(今もされつつあるだろう)コウナゴがそれを生物濃縮したものと考えられる。
       

そこで、文献をひもとくと、放射線医学総合研究所の「放医研50年史 第2章環境研究」には100ページ目に以下の記述がすでにある。
         

海洋における生物生産量の大部分を占めるといわれる植物プランクトンは、放射性物質の生物濃縮に直接あるいは間接的に影響を及ぼしている。特に沿岸域では河川の流入などによって栄養塩が豊富なため種類や量も多い。また、植物プランクトンの代謝速度は速く生物生産性も高いために栄養塩類、水温、日射量(光)、共存物質などの変化によって水質汚濁は、すぐに植物プランクトンの汚染を引き起こし、その結果、これらを飼料としている栄養段階における低次消費生物に短期間に汚染が拡がることになる。原子力施設から沿岸へ放出される放射性物質はまず植物プランクトンに取り込まれ、食物連鎖を通して,高次消費者へと拡がっていくことが十分考えられる。
        
   

ここで述べられている低次消費生物とはまさにコウナゴなど稚魚のことであろう。本日の報道にあるように、我々の目の前の実際の自然界ですざまじい速度で進行しているコウナゴのI131Cs137(たぶん90Sr も!)による生物濃縮汚染が起きているわけである。この報告書で記述されている、どんな隔離限定条件下での“きれいごとのモデル実験結果”よりも、現実の進行のほうが迫力をもっている。我々は今、壮大な日本の国土を取り巻く生態系規模での実験の渦中にあるのだ。

        

(森敏)

 

 

秘密

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