2011-04-03 08:07 | カテゴリ:未分類

土壌の放射能値は30キロ圏外の飯館村だけでも村内の場所によってこんなにばらついている

    
   

    東電福島原発から約40km北西の飯館村の、福島県が測定した土壌の放射能汚染測定値が、文科省のホームページに掲載されている。飯館村は30キロ圏外であり避難が指定されていない区域である。この数値を見ると、村内の場所によって、非常なばらつきがあることがわかる。(下の第1表参照)

   

    例えばセシウム(Cs137)の場合には最小汚染地区の408ベクレル(Bq)から227,000ベクレル(Bq)まで、実に556倍の開きがある。

    
   放射能汚染が濃いところは、2回の水素爆発時に流れた風の方向と、雨が降った時間帯によっておこる、いわゆるホットスポット(濃厚汚染地域)といわれる場所のことである。
チェルノイブイリ原発爆発の時に、このようなホットスポットが点状に存在することから、そういう事象が起こることが当時のRIの研究者達によって提唱された。だから、東電福島原発事故が起こった時に、真っ先に、原発周辺から何キロ離れた、どこが、ホットスポットになるだろうかが、小生の関心事でもあったのだ。
   
  
  東電福島原発はまだ爆発の可能性を秘めており、常時放出されている放射能も大きな変動を繰り返しているので、予断を許さない。まだまだ避難が指定されていない30キロ圏外にも、ホットスポットが増える可能性があるのだ。
 
     

 

    福島県ばかりでなく、汚染野菜が検出された茨城県や千葉県に関しては、その地区の農家は、土壌の放射能測定がなされなければ、次期の耕作の方針がまったく立たずに途方に暮れるだろう。

      

    小生のところにも何件か問い合わせが来ている。金銭的な補償問題も絡むので「とにかく行政機関に土壌の放射能値を測ってもらいなさい」とお伝えしている。小生は責任を持てる立場ではないので、いろいろ過去の情報はお教えするが、最後にはそれしか言いようがない。

    
     
   

      第1表      
   
場所   採取日 採取時間  I-131     Cs137

飯舘村 土壌319日 11:40   300,000    28,100

飯舘村 土壌320日 12:40   1,170,000  163,000

飯舘村 土壌321日 12:32   207,000    39,900

飯舘村 土壌322日 12:00   256,000    57,400

飯舘村 土壌323日 12:25   135,000    32,200

飯舘村 土壌324日 13:05   45,500     1,870

飯舘村 土壌325日 13:05   265,000    27,900

飯舘村 土壌326日 12:00   564,000    227,000

飯舘村 土壌326日 15:20   82,000     28,000

飯舘村 土壌327  11:40   169,000    29,100

飯舘村 土壌327日 12:00   69,800     20,800

飯舘村 土壌328日 11:50   14,000     2,040

飯舘村 土壌328日 12:0   23,100     860

飯舘村 土壌329日 11:50    53,700     5,650

飯舘村 土壌329日 12:10    58,400     25,100

飯舘村 土壌330日 12:25    89,000     32,300

飯舘村  土壌330日 12:45    11,900     408 

第1表は文科省ホームページから作成したものです。


  そこで、このうちのもっともセシウムによる高汚染土壌(227000ベクレル)を用いて、各種作物のTF値(移行係数:土壌から可食部への放射能の移行率のこと。数日前のWINEPブログを参照してください)からシミュレーションをしてみた。
 
  第2表がその計算結果である。これらの計算値のうち500Bq以下のものは、次期作を作付してもよいかもしれない。小麦、大麦、稲(ここでは玄米と表示)はそれに該当する。
   
  ただし、作付のためには、これ以上土壌に放射能が降り注がないことが条件である。特にイネ科の穀物は穂が出てから、穂に放射能が降ると、実に迅速に、セシウムは玄米に移行することがわかっているので、この計算はあくまで基礎データとしてとらえておいてもらいたい。

  

飯館村のケース
総放射能値227000
TF値を用いた次期作の可食部の予測放射能値
ホウレンソウ40760
白菜38590
キャベツ36320
小松菜13847
レタス13620
大根5675
カブ4767
ニンジン3405
小麦227
大麦227
玄米340

         

(森敏)
      
付記1:文科省のホームページの放射能測定値欄の存在は、1読者からご紹介いただいた。
 
 
付記2:京都大学と、日本大学のグループが飯舘村に現地調査に入ったデータが以下に報告されている。実に精力的な迅速な活動である。放射性同位元素(RI)施設に専属の研究者は、こういう国家の非常事態に行動しなくて、どうするのだと思う。日頃の国からの税金から出る研究費は、こういう非常事態の時に役立てるためにもらっているのだろう。すべての研究者は、ただ手をこまねいていないで、少しでも行動に移してもらいたいと強く思う。


 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf

追記1: (5月7日) 土壌の最高セシウム汚染値を記録!
文部科学省は7日、東京電力福島第一原発から北西に24キロ離れた浪江町内の地点で、今月6日に採取した土壌から、1キロ・グラムあたり43万ベクレルのセシウム137を検出したと発表した。
  
  

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