2011-04-01 22:51 | カテゴリ:未分類

 土壌を放射能汚染から守るために土壌をマルチング(被覆)しよう!(提案2)

  
   

福島原発の風下の現場の農家の苦悩は大変なものがあるだろう。

  

放射能による現在進行形の明確な汚染土壌地帯では、野菜の栽培農家なら当面の対策としては、野菜を引き抜かないで放置し、それ以外の面積をすべてマルチングすることである。果樹農家では地上部だけ下草を刈り取って敷き藁にし、なおその上に稲わらなどで樹冠面積(または通常の根回し領域)の全域をマルチし、けっして土壌を精耕しないことである。

   

野菜農家は精農家ほど除草剤をまいて雑草防除を行っているだろうから、できれば畔間などの裸地には一斉に敷き草(稲わらなどのマルチ)をまんべんなく緊密にやると、今後のこれ以上の放射性降下物による土壌汚染をかなり軽減できるだろう。その作業をするときに、畑に足を深く踏み込まないことである。踏み込むとセシウムなどが物理的に土壌の下層に行くので、将来放射能除染のために客土(が資金的に可能な場合の)する場合に、えぐらなければならない層位の深さを必要以上に深くすることになるからである。

   

以上の技法を推薦する根拠データは、過去における以下の果樹園土壌の研究成果である。

       

「原水爆実験で日本に降下してきた放射性物質の土層分布を調べた。果樹園土壌を精耕区、敷草区、草生区の3区に分けてサンプリングし分析した。果樹園土壌の場合土壌をきれいにレーキなどで薄く耕起した精耕区は、乾燥した土の表面に枯れ草を均質にまいた敷草区や、雑草をそのまま生やした草生区よりも、土壌の下層に至る放射性セシウム汚染が高くなっていた。さらに半年時間が経過すると、土壌への放射能の下方移行が,敷草区では精耕区や草生区よりも格段に少なくなっていた。」これは、降下放射能が敷草でキャッチされて、土壌に届く量が減るからである。ここでは説明が複雑になるので、第一回目の測定値についてのみ転載しておく。どの区も土壌表面2センチ以内に高放射能がとどまっていることがわかる。

  

(参考文献:核分裂生成物による果樹体の放射性汚染について(1)  果樹園土壌における放射性降下物137Csの分布  白石善行・岡林弘之 日本土壌肥料学雑誌 38巻第9333338(1967))

   

    であるから、小生の提案は、野菜畑や果樹園土壌では、これから生えてくる雑草も抜かずに、その上になお敷き草(マルチング)をしておくといいだろう。放射性降下物は、かなりの部分が雑草や敷き草に吸着して地上部にとどまっているだろう。

    

    放射能汚染が収まったらこれら雑草、マルチンぐ資材を野菜と一緒に一気に回収して、圃場の一角で覆いをかけて、腐らせることである(燃やしてはならない)。次の作付の時には畔を立てたりしたいだろうが、控えたほうがよい。
        
    次の作物を捨てつくりにすべきか、きちんと育てて食用にするべきかは、先日のブログで示した、移行係数(TF:transfer factor)を使って、シミュレーションして、次の作物の可食部に移行する量を推定してからにすべきである。

               

    なお農作業用の長靴や作業服などは、靴底や靴の側面に土壌が付着しているから、戸外でよくはたいて、可能ならば洗って(手もよく洗って)、家に入る必要がある。屋内と屋外の履物、作業服、手袋、帽子などを峻別する必要がある。これは日本ではどこの放射性同位元素施設(RIラボ)でも研究者には法律で厳しくしつけている義務である。
      

     
(森敏) 

採取日1965年2月
単位体積当たりの濃度
管理法nCi/立方センチメートル
精耕0-2cm24.45(0.23)
2-10cm 6.01(0.15)
10-20cm 2.01(0.11)
20-30cm 0.63(0.07)
敷草0-2cm15.05(0.18)
2-10cm 3.69(0.12)
10-20cm 1.95(0.11)
20-30cm 1.06(0.09)
草生0-2cm21.30(0.21)
2-10cm 3.22(0.16)
10-20cm 1.69(0.11)
20-30cm 0.90(0.88)
 

この表の放射能の濃度の単位であるnCi(ナノキューリー)は古い放射能の単位である。1nCi=37Bq(ベクレル)。
秘密

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