2011-03-29 11:49 | カテゴリ:未分類

野生のキノコや野生動物の放射能汚染に対する危惧

     
         

    今回の東電福島原発事故に対して、農地で生産される農産物についての消費者の関心は、当然であるが、今後気をつけなければならないことは、自然生態系の汚染である。

  

    チェルノイブイリ原発事故の時には、フィンランドやノールウエイでのトナカイの肉の濃厚な放射能汚染が報告された。これらの野生動物はキノコなどを食するので、キノコが注目された。特にドイツ人はキノコ狩りが大好きなので、彼らの失望は気の毒だった。世界中の分析の結果、今日では、キノコの類は放射性セシウムを野菜よりも積極的に吸収することがあきらかにされている。

   

    文献によれば、キノコの放射性セシウム濃度と培地の放射性セシウム濃度の比(:TF値)は0.11の間である。この値はどの野菜よりも高い値である(先日のWINEPブログを読んでいただきたい)。つまり、ある種のキノコは寄生樹木や土壌の放射性セシウム濃度とほぼ等しい濃度のセシウム含量を有するのである。

   

   これらの研究から言えることは、福島原発の20キロ-30キロメートル圏内にある山林に生息する野生のキノコや雑草を食べる野生動物たちは、人間以上に環境放射能(現在はヨード131,セシウム134,セシウム137が発表されている)を現在進行形で口から摂取しつつあるということである。時間がたてばたつほど、放射能の摂取量が増えるので、すべての野生動物には放射性セシウムが濃縮されつつあると考えなければならない。

   

   秋口の山野のキノコや、仮に野生の熊を射止めても肝臓などは食べない方が良いかも。

  


   

    

(森敏)

 
付記:参考文献:
三宅定明 ほか。「キノコ及び培地中における放射性セシウム濃度」Radioisotopes 57,753-757(2008)
 
 
追記1:本日小生の予想どおり、ついに露地栽培のキノコからも、以下の記事にあるように、放射能が検出された。(4月3日)

福島のシイタケから検出 放射性物質、新潟は出ず

 厚生労働省は3日、福島県いわき市の露地栽培のシイタケから食品衛生法の暫定基準値を上回る放射性物質を検出したと発表した。キノコ類から基準を超える値が検出されたのは初めて。新潟県では、同県産の農産物4品目から放射性物質は検出されなかった。

 福島県内の各地で採取したキノコ類23点について検査したところ、1日に採取したいわき市のシイタケから3100ベクレルの放射性ヨウ素(基準値2千ベクレル)と890ベクレル(同500ベクレル)の放射性セシウムを検出した。

 福島県は3日、いわき市内の栽培農家に出荷自粛を要請したことを明らかにした。

 いわき市以外の町で採取された露地栽培のシイタケ2点は、基準値を下回った。施設栽培のシイタケやナメコなど20点のうち、8点から放射性物質は不検出、12点は検出されたが基準値を大きく下回った。

 新潟のホウレンソウとコマツナ、イチゴ、キュウリの農産物4品目からはヨウ素、セシウムともに検出されなかった。

2011/04/03 22:29   【共同通信

 

追記2: 次のニュースが流れた。栽培状況が露地としか記述されていないので、具体的な放射能の汚染経路が不明である。放射性降下物の大気からの外部付着ばかりではなく、原木経由で吸収されている過程に入っているのではないかと危惧される。
 

福島・飯舘産シイタケから基準26倍セシウム 2011411日朝日新聞

 

厚生労働省は10日、福島県飯舘村産の原木シイタケから基準の26倍にあたる1万3千ベクレル(1キロあたり)の放射性セシウムが検出された、と発表した。伊達市、新地町のシイタケでも基準を上回った。すべて露地栽培だった。モニタリング検査の対象になった21点のシイタケは、いずれも出荷されていないという。

 厚労省は、同村産のシイタケを住民が食べないよう県に要請した。

 同県産のキノコ類では、1日に採取されたいわき市産の原木シイタケ(露地)から基準の1.8倍の放射性セシウムが検出されていた。
  
  

追記3: 福島県産一部(5市8町3村)の露地ものシイタケを出荷制限した。

 

     
追記4: 群馬県の原木栽培シイタケも(12月5日)
        
乾燥シイタケからセシウム:群馬
      
群馬県は5日、県内8市町村で今秋に収穫、加工された乾燥シイタケから食品衛生法の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える520~2867ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
 県は同日、8市町村の生産者に対し、3月11日以降に収穫、加工された原木栽培の乾燥シイタケの出荷自粛と自主回収を要請した。8市町村は高崎、沼田、渋川、富岡各市、中之条、東吾妻、みなかみ各町と高山村。(2011/12/05-20:09)

福島県 しいたけ出荷自粛要請(毎日新聞 2011/4/3)
     
福島県内の露地栽培のしいたけから暫定基準値を超える放射性物質が検出され、国が出荷の制限を指示したのを受けて、福島県は、県東部の16の市町村のしいたけ栽培農家に出荷の自粛を要請しました。

福島県では、いわき市や伊達市、それに新地町や飯舘村で取れた露地栽培のしいたけから、国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されていました。県は、これまで独自の判断で4つの市町村のしいたけ栽培農家に出荷の自粛を要請し、このうち、いわき市については、基準値を下回ったとして今月10日に自粛を解除していました。13日に国が出荷の制限を指示したのを受けて、福島県は、いわき市や周辺の自治体なども加え、県東部の16の市町村の農家に露地栽培のしいたけの出荷を自粛するよう要請しました。福島県によりますと、県内のしいたけの生産量は、おととしの統計で年間3100トンで、このうち70トンが露地栽培です。今回出荷制限の対象になった16の市町村では、66軒が露地栽培を行い、生産量は福島県のシイタケの0.5%に当たる17トンだということです。福島県の鈴木義仁農林水産部長は「基準値が下回ったいわき市や、調査をしていない周辺の自治体も含めて、一律に制限するのはおかしい。国には、県と生産者が納得できる説明をしてもらいたい」と話しています。

 


 

 




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