2011-03-28 09:07 | カテゴリ:未分類

放射能汚染水に炭撒きプロジェクトを!

 

  

   
以下の二つの提案をしたい。
   
提案1.

     

昨日の記者会見報告では、原子炉周辺のたまり水から通常の原子炉内の水の10万倍の放射能が検出されたということである。たまり水の表面の放射線量が1000ミリシーベルト/時間と東京電力によって発表されている。実際のたまり水の分析には、パルスハイトアナライザーを用いていると考えられるが、この水の放射能の崩壊数(dpm:disintegration per minutesまたはBq:ベクレル)の測定には、水を取ってきて相当程度希釈しなければ測定器の針が振り切れて、測定できなかったのだろう。そのために東電は希釈率を間違えて、当初の1000万倍を10万倍と訂正したものと考えられる。また当初はヨード-134が検出されたといいながら、一日後には実はセシウム-134であったと訂正している。

 

事故対応に忙殺されている東京電力をあまり責めたくはないのだが、こんな簡単な分析上の誤りは今後決してやってほしくないものだ。

 

    問題はいつまでたってもこの原子炉周辺の放射能濃厚汚染水を、東京電力や政府が除去する手立てが取れていないことである。国研の科学者たちは言った何をやっているのだろう。事態はどんどん、通電・原子炉冷却作業の遅延・放射能の海洋拡散へと発展している。

 

  この高放射能の(原子炉水?)漏れに対して、小生のところに大学の後輩から、たまり水に炭(すみ)を散布したらいかがだろうか、という提案が来ている。彼は官邸にもそれを提案しているようである。

 

炭は電子顕微鏡で見ると穴だらけで、その内表面積は膨大である。(きちんと文献を調べていないが、わずか10gでも100平方メートルの面積ぐらいはあるだろう。)  であるから、そこに放射能を吸着させるのである。固形の炭が外に漏れない網に入れて、原子炉周辺のたまり水に浮かべて、一定程度かき混ぜては回収するという作業を繰り返すのである。危険ならば例の長い腕を持った工事用のクレーン車でやればいいだろう。ただし、炭の浸漬による、壊れた微細粉末などがのちの作業への障害が起こらないかどうかをよくシミュレーションしてからにしてもらいたいが。

 

以上の提案はあくまで電源や冷却水修復作業員の安全のために、バックグラウンド放射能値を激減させる必要があるという、応急措置のための提案である。



提案2。   
  

次に提案したいのは、原子力発電所の排水溝へ流れ込む直前に前述の炭袋を設置しておくことである。海水につかってしまうと、塩分のために炭の収着能力が低下する可能性があるので、あくまで、海水に排出する以前に設置することが望ましいだろう。

 

放射線量が多いので、放射性物質そのものがたまり水の中には多いと思うかもしれないが、実際はそうではないはずである。実際の原子炉漏れ水のなかでの放射性物質の濃度はフェムト(10-12)モルかナノ(10-9)モルオーダーであろう。一般的に核反応生成物である放射能は同位体のキャリア元素がないと、どこへでもいったんべたべたくっつく。なかなかこれをはがすのか困難な性質を持っている。これは我々研究者が実験室でよく経験することである。
 
  つまり、同位元素であるキャリア入りの元素濃度の高い放射能とキャリア・フリーの濃度の希薄な放射能とは、挙動がしばしば異なるのである。
(空中から降ってきたヨード131などが野菜にいったん吸着すると、こびりついていくら水で洗っても除染できないゆえんでもある。(これに関しては先日のWINEPブログを見てもらいたい。)

 

(このごく微量分子の挙動は難しい言葉でいえばファンデアワールス力というものと解釈されているのではないか。この厳密な解釈は物理化学屋さんの専門領域なのでここでは踏み込まない。)

 



以上の2つの提案記事に関しては、後程、このブログの追記で内容を膨らませて充実させていきたい。

 

いよいよ、全国の農学部の林産学専攻の、炭の研究者たちの出番です。炭は日本の技術が生み出した固有の農産物です。すばらしいローテク技術です。炭の研究者はいつも「人がまねできない炭の固有のすばらしさ」を主張しているではありませんか。

 

なんでも役に立つ可能性があれば、全日本の科学者たちは総出で、自己の専門分野からの提案をすべき時でしょう。これは学術会議も強く主張していることです。


   

 

(森敏)


秘密

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