2011-03-26 16:22 | カテゴリ:未分類

「農環研における放射能モニタリング」

   

という文献集が農業環境技術研究所のホームページに載せられている。このホームページは後輩から紹介された。驚異的に充実しているので、ぜひ参照ください。

 

    この記事の大略は

我が国の米、小麦および土壌における90Sr 137Cs濃度の長期モニタリングと変動解析」 駒村美佐子ら、農環研報 24,1021(2006)

 

に納められている。以下に要旨だけ引用しておきたい。

a)   白米と玄米の放射能汚染形態(直接汚染と間接汚染の割合)を解析した結果、白米、玄米とも90Sr137Csが茎葉等から取り込まれる直接汚染の場合は、90Sr 137Csの降下量が極めて多い1963年頃では7095%を占める。しかし降下量が激減した1990年以降の汚染形態は、直接汚染に代わり、経根吸収による間接汚染が主である。

b)   90Sr 137Csの水田および畑作土内における滞留半減時間を試算したところ、水田作土では90Sr:613年、137Cs:924年、畑作土では90Sr: 615, 137Cs: 826年の範囲である。

c)    米及び小麦の90Sr 137Csの濃度と、水稲および小麦の栽培期間中に於ける両核種の降下量とのあいだに、それぞれ高い正の相関が成り立つ。この関係から回帰式を導き、栽培期間中に降下した90Sr 137Csの量を知ることにより、米および小麦の放射能濃度を推定が可能である。

 

    以上のb)の項目の結論から、一度放射能汚染した土壌の放射能が半減するのに最短で6年はかかると考えることができる。しかしこれは、普通にその土壌で作物を作り続けた場合のことである。今日の学問水準からの判断では、土壌汚染は汚染の初期の段階で積極的に高濃度集積能力を持つ植物によってクリーンアップすれば、その残留期間をはるかに短くすることができると考えるべきである。そういう意味においても、農水省による、初動操作が強く望まれる。
  
対策を誤ると放射能汚染の残存期間が長引くので、原状回復までの期間が長引き、巡り巡って、対策費が膨大になって行くだろう。  
   
 
    

(森敏)

        

 付記:初動操作の重要性は、福島原発排水路からの放射能流出による海洋汚染の防止策についても云えることである。いまだに東京電力や国は何の対策も講じていないようである。実になさけないしたよりない。福島原発由来の放射能海洋汚染は今のところ手をこまねいているうちに広がる一方である。

秘密

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