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「飯舘村のカエルの放射能汚染」
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2023-07-19 17:57 |
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図1。ヤマトグサ (牧野日本植物図鑑)

図2。ヤマトグサの解説文の一部
日本人が二番目にラテン語の学名を命名した植物とされている「ヤマトグサ」は牧野富太郎と大久保三郎によるものとされており(図1)、そのラテン語の学名は植物学雑誌に
Theligonum japonicum Okubo et Makino
として発表されている。しかし、小生が所有している、牧野日本植物図鑑(昭和52年復刻版) では図2に示すように、
Cynocrambe japonica Makino
とされて、なぜか、Okuboの名が牧野により意識的に落とされている。
しかし現在 Wikipediaでは
Cynocrambe japonica (Okubo et Makino) Makino
と Okuboの名が再度復活しており、しかもMakinoの名が二回も使われいる。本当は牧野の成果なんだ!と言いたいのだろうか?。
これはかなり奇妙なことである。牧野富太郎は日本で最初のヤマトグサの命名者として、東大植物学教室の大久保三郎を共著者として挙げたのだが、のちになって、自分だけの単独名で発表すべきであったとほぞをかんでいたのではないだろうか。
牧野富太郎のプライオリテイーに対する終生の心の葛藤が見られるように思われる(誤解かな?)。
一方、日本人が世界で最初に命名した「トガクシソウ」(別名:トガクシショウマ)は伊藤篤太郎がわざわざイギリスの雑誌に
Ranzania japonica T.Itô ex Maxim.
として発表して、日本人としてのプライオリテイ―を確保した。東大植物学教室での矢田部良吉教授との激しい業績争いがあったと語り継がれている。先を越された矢田部は伊藤の植物学教室への出入りを禁止した。だからこの植物は別名「破門草」とも呼ばれている。
(森敏)
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