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2023-05-14 18:31 | カテゴリ:未分類
ゆっくり下を向いて考え事をしながら道を歩いていると、後ろから「ちょっと、5分間ばかり御時間いただけないでしょうか?」と声をかけられた。

ふりむくとこちらを差し込むような目つきの妙齢のご婦人だった。思わずのけぞりそうになって応答しようと思ったのだが、待てよ、どこかの新興宗教の勧誘かも、と思って、「いいです」と答えて無視したらあきらめたようで、ついてこなかった。気がつくと、すぐ近くに宗教団体の建物があった。

違う日に同じ道路を歩いていると、今度は真正面から「少しお時間いただけませんか?」とまた同じご婦人(と思われた)に声をかけられた。同じくこちらの目をのぞき込むような目つきだった。とっさに「結構です」と断って、すれ違った。

それから1週間ほどして日曜日に上野公園のテントのイベントを横目で見ながらぶらぶら散歩をしていると、後ろから男の声で「5分ほどお時間いただけませんか?」と呼びかけられた。

振り向くと何やら絵入りのパネルを持っている、中年の男性が「5分でいいですが」と繰り返した。得体のしれない宗教団体のメンバーのように思われた。全く無視して足早に振りほどいた。

というわけで、小生が道路を歩いている姿は、おんぼろのリュックサックを肩にして杖を突いてゆっくり歩いているので、人生に憔悴した老人のように見えるらしく、宗教団体の格好のアタック(餌食:えじき)の対象になるようだ。

この人は閑だろうから5分間ぐらいなら立ち話で付き合って新興宗教の教義を聞いてくれるのではないかと思われるらしい。

さっさと足早に歩くと500mもすると急速に足が重たくなるので、これからも宗教団体には要注意である。彼らはそれとなく人物の挙動を遠くから観察して鑑定しているようだ。

   人が集まるところには、スパイでなくてもこういう人物が必ず紛れ込んでいると思ったほうがよさそうだ。
   
   
(森敏)