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2019-04-15 05:33 | カテゴリ:未分類

          4月になって低温が続き、京都では賀茂川や市内の桜がちょうど満開であった。桜はいったん散りかけたのだが、低温に驚いて花をつけたまま、数日が続いた。平安神宮前の琵琶湖疎水や哲学の道の疎水を流れる花筏(はないかだ)がその間は疎疎としていた。

 

       京都府立植物園の桜を堪能したのち賀茂川に出て川べりの有名な枝垂桜の「半木(なからぎ)の桜」をみながら左岸をゆっくりと散策していたら、川べりで本格的な昆虫網を持った一人の学生が、茂みの雑草の葉をさー!さー!という具合にその昆虫網でなでて、何かを採取しては、プラスチックのチューブに詰めているが、みていると、一振りごとの収獲は空振りが多くあまりにもすくなそうな様子。
    
アメンボウ1 
賀茂川の川岸にて昆虫網の中の獲物を確認中。右手にはプラスチックチューブ。

    
  

「すみませーん!ちょっとお伺いします。いま何をされているんでしょうか?」

「虫を捕ってるんです」

「何の虫ですか?」

「ハエやトビムシや何でもです」

「それをどうするんでしょうか?」

「アメンボウの餌にするんです」

「アメンボウ? そんな研究をされてるんですか? どれぐらいの数を育てておられます?」

「300匹ぐらいかな?」
「アメンボウはそんな虫をたべるんですか?」
「そうです、彼らは、川べりでは木々から落っこちた昆虫を食べるのです」

「300匹分にはどれくらいの餌が必要ですか?」

「そうですね。この50mLエッペンチューブの半分ぐらいで1か月ぐらいは持つかな」

「餌は生きてなきゃいけないんでしょう?」

「いや、そんなことはないです。乾燥してしまうとだめなんですが。。。だからこのあとすぐに冷凍保存にもっていきます」

「ところで、アメンボウの何をご研究されていますか?とてもおもしろそうですね」

「形態形成とか・・・」

「形態形成に関わる遺伝子発現とか?」

「・・・・・・・」

「あなたはどこの大学の学生ですか?」

「この土手の後ろの大学です」

「あー、京都府立大学なんですね」

 

      というわけでごく身近なフィールドの生き物を研究の対象にしている。夢があってうらやましい。アメンボウが水にすいすいと浮くメカニズムや、その表面張力に耐える表面が非水性の器官やその形態形成にまつわる遺伝子などを、素人ながら発見をしてもらいたいと思ったことである。

  
 
   
(森敏)
   

追記:以上のようなことをその時ぼんやりと考えていたのだが、先ほど調べると、以下の抄録がネットで出てきた。アメンボを材料にした形態形成関連の遺伝子の研究はまだなされていないようである。(アバウトな調べ方なので断言できないが)(4月16日)
    

アメンボの水上歩行に関する流れの可視化

*山田 皓大(山形大学)李鹿 (山形大学)中野 政身(東北大学)

山田 皓大

山形大学李鹿 輝 山形大·中野 政身 抄録

アメンボ類は特性長さが1cm、特性体重が10 dyne の昆虫で、池や川、外洋の水面に生息している。アメンボの体重は、自由表面が湾曲して生じた表面張力によって支えられており、水をはじく左右の中足を漕ぐように動かして進む。これまでの研究からは、アメンボの流体力学的な推進力は、漕ぐ脚が発する半球状の渦と表面張力波によって、下にある流体に運動量を輸送していることが明らかになった。本研究の目的はアメンボが素早く足を動かす瞬間にアメンボと流体との運動量の交換を定量化することである。デジタル粒子画像計測法(DPIV)技術を用いて水の流れを可視化した。アメンボの脚の素早い瞬間の動きが水の運動量に与える影響を定量化し、その結果アメンボの推進効率を算出する。