FC2ブログ
2018-07-23 14:45 | カテゴリ:未分類

東京への帰りの切符がJR新大阪発で、出発までまだ2時間も待ち時間があった。久しぶりに関西に出かけてきたので、広い新大阪駅構内をじっくりと探索することにした。

       

食品店や土産物店をぐるぐるとつぶさに見て回って、食堂にも入って早めの食事をしたのだが、いかにも時間がつぶせない。やはりいつものように本屋で最近の新刊書を点検することにした、この本屋ではほとんどの本が立ち読みができるので、原理的にはいくらでも時間がつぶせるのだが、肝心の小生の足腰が弱っているので、歩き回っている分には大丈夫なのだが、立ち止まって5分も読み続けるのは少し辛い。

 

知らなかったのだが近刊らしき「文学界」という雑誌に村上春樹の短編が3編連載されていた。これを買って、帰りの新幹線の車中で読むべきかどうか大いに迷った。結構分厚いので荷物になる。そこで立ち読みで30分ぐらいで読み切ってしようかと思った。まだ時間は十分にあるので。

 

読み始めたのだが、その時、店員がすぐ横にある所見机に来てなにやらぶつぶつ言いながら仕事をし始めた。これでは落ち着いて読めないので、すぐ読むのをやめた。ラゲージを引きずりながらほかの本棚をじっくりと見学することにした。ここに、やたらに多いマンガ本のうちでは、「ゴルゴ13」ぐらいが小生の興味の関の山で、まったくほかのけばけばしいとんがった人物画像が流行のマンガ本に興味がなかったのだが、数人の女性の旅行者が結構マンガ本を漁っていて、一人で数冊買ってラゲージに詰めていた人もいた。いまの時代はそんなものなんだ。

 

本棚を見渡していると「人はどのように鉄を作ってきたか 4000年の歴史と製鉄の原理」永田和宏 著 というブルーバックスの背表紙が目に飛び込んできた。 「?」である。 短歌の歌人であり生化学が専門の永田和宏教授が鉄の研究もし始めたのだろうか? と驚いて、手にとってめくって見ると、どうやらこの先生は冶金学では著名な「たたら鉄」の専門家であるらしい。同姓同名なんだ。ぱらぱらとめくると絵や写真入りで古来からの世界の鉄の製造法が詳しく紹介されているので、植物鉄栄養の専門家を自負している小生にとってもこれは必読と思って買うことにした。1年前に出てすでに5刷である。隠れたベストセラーなのだろう。さっそく購入したのだが、新幹線の出発までにはまだ時間があった。

 

さきほどの店員がいなくなっていたようなので、また雑誌「文学界」を横置きのコーナーに行って、また「文学界」を手に取って、今度はあまり熱心に読む気もなくぱらぱらと村上春樹の文章をまさぐっていたら、

 

「あなたとセックスしているエクスタシーのときに、ほかの男の人の名前さけぶかもしれないけれど、それでもいい?」とかいう文章が目に飛び込んできた。。。。いつもの春樹の読者を引き込む手法であるな、。。。とつらつら思っていたら、また先ほどの店員が、所見机に戻ってきた。

 

  時々ぶつぶつぶつぶつ言っているのが耳に入るのだが意味不明のつぶやきである。仕事をしているように思えないし、声が気が散って春樹の文章を読む気がしなくなった。買う気もしなくなった。家に帰ってから買うことにした。

 

家に帰って翌朝(本日)の確かテレビ朝日の番組だったと思うのだが、ぼんやりとヨーグルトをたべながらみていたら、AIによる「万引きガードマン」というテーマでAIを用いた監視カメラが、買い物客を装った万引き犯を、AIがこれまでの万引き犯の挙動のパターン分析から、万引きする可能性のある犯人だろうと予測して、ついに犯行現場を撮影していくまでの過程が放映されていた。

 

日本での万引きによる被害は現在年間4000億円にも上るとのことである。このAIによる「万引きガードマン」の目的は、カメラが察知したら、店員が歩み寄って「何かお探しでしょうか?」と声掛けすることによって、万引きを未然に防ぐのが目的だということであった。見ていてこれは素晴らしいAIの応用編の手法だと思った。と、感心したのだが、そこであらためて気が付いたのだ。

 

新大阪駅での本屋の店員のふるまいは、30分以上もうろついている小生を、店員が「万引き犯」と確信してマークしていたのだと。現今では本屋の立ち読みも犯罪らしいから、店員にマークされていたのは仕方がないだろう。

 

全然気にしていなかったのだが、新大阪駅構内のオープンスペースの本屋さんは、出入りが四方八方なので、監視カメラがないと万引きが頻発しているのではないだろうか。こういうところではそれこそAIによる「万引きガードマン」が強力な威力を発揮することだろう。この機器を開発している会社では3年間で日本全国の1万店に導入する需要を見込んでいるということである。私見では、現在のスーパーやコンビニや本屋さんの監視カメラは、瞬く間にAIによる「万引きガードマン」に置き変わるのではないだろうか。
    
(森敏)
追記:新大阪駅構内で、この書店でAIによる「万引きガードマン」 が作動しており、店員がそれに従って小生を万引き予備犯と認識して行動していた、と仮定してみよう。AIはなぜ小生を万引き予備犯とマークしたのだろうか? 単に
1.立ち読みしている
2.長い間あちこちうろうろしている
3.車つきのラゲージを持ってる
からだと漫然と自己反省したのだが、実は小生は、
4.普段から人ごみの中では肺炎を恐れてマスクをしている
5.頭の髪の毛をとぐのがめんどくさいので、戸外ではつば広の黒い帽子をかぶっている
6.白内障をおそれて、紫外線カットと明るいところでは自動的に「遮」が入るサングラスをかけている。
これらの風貌からAIは小生を単純に万引き犯人の可能性あり!と追求し続けていたのだろうか? でも一つだけ、最も万引き予備犯の可能性が高いと想像される「監視カメラの位置を絶えずチェックしている」という行動を小生は一度もしたつもりがないのだが。
AIによる「万引きガードマン」をもっともっと賢くするために、今後は時々監視カメラに向かって「赤んべー!」をしてやろう。