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2019-05-22 06:27 | カテゴリ:未分類

  50年以上前の話である。
  
  統計学の名著であるスネデイガー、コクランの「統計的方法」の翻訳者である奥野忠一先生は、確か、当時は農水省の統計調査関連の部署におられたが、東大農学部の学生に対しても統計学の講師として出向いてきてくれて、主として実験計画法とその有意差検定法について、様々な事例を使って丁寧に統計学の初歩的な授業をしてくれた。(先生はのちに東大工学部の教授に転出されたと記憶している)

 

  先生の授業の中で、今でも印象に残っている言葉は、

「日本の統計は世界に冠たる信頼性のおけるものである」

というものであった。それは自分たちが日本の統計学を牛耳っているからである、という自負からくるものであったのではないかと今にして思う。

 

  爾来今日に至るまで、小生はその奥野先生の言葉を信じて、農林統計などは、活用させてもらっている。
各種作物(イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシなどなど)の国内総生産量や反当り収量の変遷、
各種肥料(窒素、リン酸、カリ、微量要素)の国内総生産量や反当り施用量の変遷、
各種農薬(除草剤、有機塩素剤、有機りん剤)の国内総生産量や反当り施用量の変遷などなど、
である。それらの統計データは、今から考えてみても、当時の日本の農業の変遷の実態をよくとらえて説明できていたと思う。

 

  ところが、である。最近の裁量労働制などの国会審議に伴って明るみに出てきたのが、厚労省による、データの改ざん(フェイク)である。安倍内閣の意向に沿った厚労省によるデータのねつ造や改ざんとしか思えない行為は、日本の統計の信頼性を根底から覆すものである。この問題は労働問題にはてっきり素人の小生にはあまりに複雑すぎて、口出しはできないものではあるのだが。
   
  しかし、この官公庁の役人によるデータの改ざんや、意識的なデータの間引きや、積極的な未採集、などは、日本のすべての官公庁に今や、蔓延しているのではないか? 下手をすると今日の農林統計なども融解が始まっているのではないか? と思わせるものがある。

 

  末端役人で調査データを収集させられる身になって考えてみると、余りに上層部からの内閣に対する忖度(そんたく)的な締め付けがきびしいと、

「どうせまじめにデータを収集しても、時の内閣によって、データがつまみ食いされてフェイクされるんなら、いい加減なデータをねつぞうしておこうぜ! 調査には、時間も、人手も、お金もかかるんだから、そんなことやめて、鉛筆をなめて数値を内閣の方針に合わせて迅速に適当に作る方が安上がりだし」

 

という、気持ちになりかねないだろう。こんな風に末端役人の行政意欲がとろけてしまうと、内閣府(行政機関)の政策基盤となるべき、信頼性の高い経年データが残されて行かないので、国による将来に向けての各省庁の政策を大きく誤らせる結果を招来することになるだろう。いや、すでにそうなっているような気がする。

 

  「忖度統計データ」をフェイクすることほど国策を誤らせる行為はないだろう。国がとろけるだろう。今でも安倍内閣の支持率が高いということは、そういうフェイクデータによる幻覚に国民が徐々に慣らされつつあるからかもしれない。

  近年頻繁に時宜に即してタイミングよく流されるNHKや内閣府による各種世論調査、各新聞社や調査機関による世論調査など、どこまで信用ができるのか、強く疑ってかかる必要がある。このような調査は母集団を如何様にも操作できるので、調査結果の発表自体が今後の世論の動向を左右しかねないからである。

 

  昔、25年前に「高度術社会のパースペクテイブ」(竹内啓研究代表: 数理統計学の権威. 現在学士院会員)という文科省の総合研究プロジェクトがあった。小生も総括班に参画させていただいていた。このプロジェクトには日本のいろいろな分野の統計学の専門家が参集していた。先日この中のメンバー3人に話を聞くと、今日のように、日本の調査統計がとろけ始めたのは、文科省などの統計研究分野に研究費が来なくなったのが大きい。それと同時に統計学研究者たちが、統計の重要性を、長らく社会に発信してこなかったから、国民が統計データは正しく収集されていることが当たり前、と考えてしまったからではないか? 研究者の中では行政によるフェイク統計の時代が来るなんて誰も考えていなかっただろう」ということである。

 

  公害問題が沸騰していた1970年代は増山元三郎、高橋晧正などの統計学者が真相究明に大活躍をした。

 

  今回を機に統計データの信頼性回復の手法について、統計学者の間で、真剣な議論を巻き起こしてもらいたいと切に思う。最終的には、そのソフトに掛ければその統計手法がインチキであるということが一目瞭然で判明するというシステムソフトを開発してほしい。これは愚かな統計学に無知な夢だろうか?

 
  
     
   
(森敏)
 
追記1:「統計でウソをつく方法」(ダレル・ハフ著 高木秀玄訳 BLUE BACKS刊)という有名な本がある。
この本にはテレビなどで印象操作されたデータやグラフにごまかされないための、基本的な知識が書かれている。ためになる本だと思う。
 
追記2: 以下転載記事です。
   

もうこれで「幕引き」なのか 統計不正審議で残る疑問 

朝日新聞2109年5月22日11時30分

 

 国の基幹統計である厚生労働省の「毎月勤労統計」で明らかになった不正問題。不正は他の統計にも波及し、国の統計への信頼を揺らがせる事態になった。開会中の国会では野党の追及が続いているが、政府側の答弁は従来の内容をなぞり、不正の背景はわからないままだ。6月26日の国会会期末に向け、このまま問題は「幕引き」となってしまうのか。

 21日の参院厚労委員会。毎月勤労統計の不正問題をめぐる集中審議は、野党側が追及したものの、政府側の答弁に新たな内容はなかった。国会会期末に向け、統計不正の集中審議は予定されておらず、与党は問題を幕引きとする考えだ。

 賃金動向などを調べる基幹統計の一つ、毎月勤労統計は、従業員500人以上の事業所は全て調べるルールだ。だが、厚労省は2004年に東京都分を抽出調査とする不正を開始。18年1月からは不正データを本来の調査結果に近づけるデータ補正もひそかに実施していた。

 だが、これらの不正がどういう経緯で始まり、なぜ途中で補正されたかの解明は不十分なままだ。

 根本匠厚労相が「第三者委員会」と位置づけた特別監察委員会の報告書は、担当職員らが不正を知りながら外部に伝えなかったことを「うそをついた」としながら、「意図的に隠してはいない」と組織的隠蔽(いんぺい)は否定。不正の詳しい動機なども読み取れない。

 この問題では、賃金データを上ぶれさせた18年1月の調査手法変更に首相官邸の意向が影響したかどうかも大きな論点となった。政府側は「影響はなかった」と主張したが、監察委は「検証の対象外」として調べなかった。

 野党は厚労省から補助金をもらう外郭団体の理事長が監察委のトップだったことから、「客観性に問題がある」などと批判する。

 21日の集中審議でも、立憲民主党の石橋通宏氏が報告書を念頭に「どうみても組織的な隠蔽なのに、監察委がそう認定しなかった。国民は信用していない」と批判した。これに対し、監察委の荒井史男委員長代理(元名古屋高裁長官)は「批判があることは承知しているが、監察委が客観的に調査した結果だ」と譲らなかった。

 この日の審議を通じ、厚労省が所管する一般統計の72調査のうち8割強の62調査で結果の数値の誤りや手続きの問題があったことも判明した。根本厚労相は「重く受け止めて、再発防止の対策を前に進めていきたい」と述べた。

 国民民主党の川合孝典氏は「(統計不正は)現場がやったと切り捨て、本来責任をとるべき人間が責任を取ろうとしない。そんな姿勢で再発防止はできない」と根本氏らを批判。野党からは「夏の参院選でも統計問題を争点にしないといけない」との声も上がる。

 国の統計に対する国民の信頼は揺らいだままだが、与党側は「すでに沈静化した問題で、新しい話も出ない」(自民党議員)との姿勢だ。与党のある幹部は「複雑で理解が難しいテーマは参院選の争点にはならない」と言い切る。(村上晃一)

 

2019-02-06 18:08 | カテゴリ:未分類

        偶然、今日は足腰に故障が出て、家にいて漫然とテレビを「消音」で流し見していたのだが、日本時間の昼頃から突然テレビでトランプ大統領の「一般教書」の演説があるということで、トランプの議会への入場シーンからLive中継が始まった。

 

        それで、いそいでテレビを「音声」に切り替えた。なんと1時間20分も演説は続いた! 小生にとって一般教書演説に付き合ったのは生まれてこの方初めてであった。しかしこのLiveは見ていて飽きが来なかった。ヘタなドラマよりも、シナリオとトランプ大統領の振る舞いが、実にドラマテイックにできていたと思う。

 

        予想外の長さにNHKは番組を変更して演説を全部Live中継し、途中で「第2回米朝首脳会談が22728日にベトナムで開かれる」というトランプの発言の直後には、緊急速報として、それをテロップでLive画面に流した。

   

        この恒例の一般教書演説は、民主党の抵抗で2週間ばかり延期されたようだが、トランプにとっては、そのおかげで入念な下準備ができたのではないかと思われるものであった。

     

        まだ生きている様々な分野でのトランプ大統領の視点からの英雄(軍人、宇宙飛行士、米軍によってナチスから解放されたユダヤ人、国境警備員、無実の長期拘留者、脳腫瘍の可愛い少女などなど。。。。。。)を議会の2階傍聴席に招請して、実名で紹介し、その老若男女をほめたたえるのであった。紹介された人たちは本当に誇らしく時に涙を浮かべてうれしそうであった。
 
  もちろん抜け目なく、この間の短期間での大統領在任中でのアメリカファーストの方針で、アメリカ経済が失業率が急速に低下し赫赫たる成果を上げているという自慢話があった。これにはいささか閉口した。

 

        その風景を与党共和党員はいちいちスタンデイングして拍手を送っていた。全部で数十回にもなったのではないだろうか。あくまで議員個人の自発的な賛意を表する振る舞いなんだろうが高齢の議員には、立ったり座ったりの連続は実に負担だろうなと甚く同情相哀れむものがあった。その光景を苦虫をかみつぶして座って考え込んでいる、サンダース議員(?)など民主党議員も映し出されていたのにはつい笑ってしまった。

 

        アメリカの赫赫たる歴史が語られ、世界大戦での勝利への貢献や泥沼の中近東でのアメリカ兵の膨大な人数の犠牲(7000人の死亡、52000人の大けが、7兆ドルの投入戦費)が語られたが、アメリカが加害国であった長期にわたるベトナム戦争でのアメリカ兵の犠牲や「敗戦」が語られることはいっさいなかった。

 

その戦場であったベトナムで、来る22728日に第2回米朝首脳会談が開かれると宣言した。実に株屋さんらしいプラグマテイズムだと思う。

       
(森敏)
追記:本日(2月9日) 米朝首脳会談はハノイと決まった。

トランプ米大統領は8日、自身のツイッターに投稿し、今月27、28両日に予定している米朝首脳会談の開催都市がベトナムの首都ハノイに決まったことを明らかにした。米国のビーガン北朝鮮政策特別代表が6~8日に平壌を訪問し、北朝鮮の金赫哲(キムヒョクチョル)・元駐スペイン大使との間で最終調整していた。

 トランプ氏は金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長との首脳会談をハノイで開催することを明らかにし、「金委員長と会談し、平和を前進させることを楽しみにしている!」とツイートした。

 米政府関係者によると、米政府はベトナム中部のダナンで開催することを希望。一方、北朝鮮側はベトナム政府の首脳らとの会談も米朝首脳会談と同時期に要望しており、会談場所として都合の良いハノイでの開催を求めていた。(朝日新聞 ワシントン=園田耕司)

 

2019-01-04 16:48 | カテゴリ:未分類

大学の大先輩から「森さんボヘミアンラプソディーという映画見た?」と聞かれたときは、「気になってはいるけど、最近の映画は “はずれ” が多くてどうしようかと逡巡してます。それに映画館で1時間以上も座っているのは苦痛なもんで。。。。」と答えておいた。

 

だが、新聞の映画広告の欄を見ると、東京の多くの映画館では、意外にこの映画は珍しくもロングランを続けているようなので、とうとう年末に見に行くことにした。観た後、この映画は “あたり” だと思った。

  

唐突な感想のようだが、この映画で小生は「ファシズム」を強く連想した。ファシズムといってもヒットラー時代のクラシックな意味での「大衆扇動」ではなく、非常にエレガントでエモーショナルな "深層心理操作" の恐怖を感じた。

   

映画ではロックバンド「クイーン」のリードボーカルのフレデイ・マーキュリーが主人公であるが、作曲、曲目の編成、曲に合わせた舞台動作の振り付けなど、ありとあらゆる1970年代当時のロック演奏の技法開発の舞台裏が紹介されている。今では数万人の聴衆が参加する野外や室内演奏会は日本でも普通のようだが、これは恐ろしいことだと、真に背筋が寒くなった。

 

というのも、この映画を見ながら小生自身が、演奏に引きずり込まれて、思わず筋肉が躍動し涙腺が緩んできたからである。映画でさえそうなんだから、演奏会現場にいる人間は、フレデイーの一挙手一頭足によって人間心理の深層を揺さぶられているのだろう。参加している聴衆全員が、フレデイーによって心理操作されて、何かを手にもって左右に振って、泣いたり、笑ったり、絶叫したりする光景は、現場ではもっともっと迫力があるのだろうと理解できた。

 

このボヘミアンラプソディ―の場数を稼いで洗練されていく演奏会のあと、この演奏曲目の部位やその時の反響(大衆の喜怒哀楽の表情など)を、あらゆる芸能分野のプロヂューサーが詳細に分析して、後世の舞台環境の創作に反映していったことは容易に想像できる。

 

40歳以上の知人がいい年をしてさるコンサートの追っかけをして、結婚もしないでいることが理解できなかったのだが、少し理解できたような気がする。

 

「共鳴」とか「共感」とか「絆」という言葉が無条件(アプリオリ)に “善” として語られることが多いが、これらの言葉も今や危険を内包している。

 

人間はよほど精神を鍛えても決して精神的に自立できないのだということを確信した。時代を潜り抜けてきた年寄りが正常な常識を抱いているというのもAIの発達した時代には、怪しい自我自賛になりつつある。我々はたやすく心理操作されうる対象であることを、肝に銘じなければならないと思ったことである。

 

心理学や精神分析学や脳科学の驚異的な発展途上の現代社会では、われわれの日々の感性を深く揺さぶるフェイクニュースに惑わされないでいることも、実に実に至難の業である。
  
      
(森敏)
追記1:今年に入ってからも映画「ボヘミアン・ラプソディー」は上映されており、日本の映画公興市場の記録を塗り替えつつあるらしい。なにが人々を引き付けるのだろうか?

英ロックバンド「クイーン」の軌跡を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」の日本での興行収入が100億円を超えたと、配給元の20世紀フォックスが23日発表した。洋画では20174月公開の「美女と野獣」以来。

 封切りは昨年119日。リピーターが多く、今月22日までで観客動員727万人、国内興収1004000万円に達し、昨年公開の洋画、邦画を通じて1位となった。全世界での興収は79600万ドル(872億円)。

 映画はクイーンのボーカル、故フレディ・マーキュリーさんの波乱に満ちた半生を、「伝説のチャンピオン」「キラー・クイーン」など数々の名曲と共に描いている。(123日共同)


 


追記2.アカデミー賞選考を直前にして、#Metoo運動の一つなんだろう、この映画を作成した監督が何人かの女性からセクハラで告発されている。こういうニュースも、フェイクかどうか、報道からだけでは全く分からない。(2019.1.29.)
 
追記3. この映画で主役フレデイ・マーキュリーを演じてアカデミー主演男優賞を獲得したラミ・マレックは受賞スピーチで、自分の親がエジプト移民で自身がアメリカ人としては第一世代だと主張し、やんわりとトランプ大統領による移民政策に抵抗している。
 『ボヘミアン・ラプソディ』は主演男優賞のほか、音響編集賞、録音賞、編集賞にも輝き、今年のアカデミー賞で最多となる4部門受賞を果たした。何しろ世界で1000億円以上の興行収入を上げているという作品だから当然だろう。監督賞は、#Metoo運動をおもんばかって排除されたようだ。(2月28日)

https://www.cinematoday.jp/news/N0107053



 


2018-06-10 11:50 | カテゴリ:未分類

   この間の報道ではシンガポールでの米朝首脳会談に関して、トランプは「最初の1分間で相手を見抜けるので、そこでどうするか直ちに判断する」というようなことが報道されている。

 

1分間は大げさだが、5分間で人物を見抜けなければ、名デイーラーとは言えないだろう。世界がかたずをのんで見守る一大イベントだ。

 

トランプはこの会談に前のめりに大いに乗り気だ。しかし核兵器廃絶に関して過去に3回も裏切られたアメリカや韓国の歴代大統領の轍を踏まないためには、よほどのしたたかなデイールが必要だ。ノーベル賞狙いで変な妥協工作をしたらトランプは転ぶだろう。

     

  朝鮮半島問題ではすでに金大中がノーベル平和賞を受賞している。しかしそれはその後の世界平和への成功例とは決して言えない。だから朝鮮半島問題で二度もノーベル平和賞を発行するほどノーベル委員会も頓馬ではないだろう。トランプにはこの際、私的邪念を捨てて、崇高に事に当たってもらいたい。

      

  金大中のノーベル平和賞受賞に関しては、過去に以下の例が暴露されている。(以下Wikipediaより引用)

「:::::

金大中大統領は:::::朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対しては「太陽政策」と称される緊張緩和政策を志向した。20006月に朝鮮民主主義人民共和国の首都平壌で金正日国防委員長との南北首脳会談が実現し、6.15南北共同宣を締結した。南北首脳会談などが評価されて、ノーベル平和賞を受賞した。これは現時点で韓国人唯一のノーベル賞受賞である。ただ、太陽政策は、当時北朝鮮にいた脱北者からみても、困窮して崩壊直前とされていた北朝鮮を救って継続させた上に、核実験の成功や核兵器保有に繋がったため批判がある。

:::::::

201112月、金大中政権が発足当時からノーベル平和賞受賞のために組織的な「工作」を行っていたことや、北朝鮮に5億ドルを不法送金した内幕、安全企画部による盗聴などをメディアに次々と暴露した元国家情報院職員がアメリカへの政治亡命が認められた。この元職員は機密漏洩の容疑で国家情報院より告発されている。:::::::::

 
 
(森敏)

追記1:トランプはカナダから大西洋経由、ギリシャ空軍基地でのトランジット、の西回りでシンガポールに着いた。が、明らかに時差ボケで不機嫌な様相だ。頭がまだ寝ているだろう。これからの時差調整が大変だ。高齢者は時差調整が容易ではない。ボケた頭ではよいデイールができない。懸念材料だ。(6月11日午前10時記)
 
追記2:本日6月12日のシンガポールでの米朝首脳会談では「北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」に関しては詰めが甘すぎて話にならない。今後に先送りしたのだろうが、非核化のプロセスを早急に詰めないと、内外の世論にトランプは追い詰められるだろう。ノーベル賞なんてありえない。
 
追記3:トランプが米朝首脳会談の後の記者会見で、何度も
米韓共同軍事演習は金の無駄遣いだからいずれやめたい」と断言していたのには、少し感銘した。これには日米の軍拡複合体はあわてただろう。経済合理主義の面目躍如だ。それでいて日本に対しては日頃から「どんどん武器を購入してくれ」とわめいているのが気にくわないが。
 
追記4:以下のように米韓軍事演習を中止すると報道されている(6月15日午前11時)。早朝にネットで流れた別の報道筋では、トランプは「米韓軍事演習を永久に廃止する」と報じられている。事態の急展開に日本の防衛産業とつるんだ人物達(政界、財界、官僚、学者などの軍拡複合体)が、不安に襲われて、なんやかんやと何くそをつけて、慌てふためいている。彼らは憂国の士ぶっているが結局のところ戦争産業で金儲けがしたいだけである。
トランプはアメリカファーストで「国家予算の無駄使いをしたくない」「アメリカの兵士を殺したくない。帰国させたい」という実にシンプルな論理である。
結局外交で首脳同士の信頼関係を構築することが一番安上がりの防衛であるということを、今のトランプは地で行って証明しているのである。
トランプのの任期中の2年間は朝鮮半島が平和であることを期待したい。

8月の米韓軍事演習中止と米報道 トランプ氏意向受け

園田耕司、益満雄一郎=ソウル、鬼原民幸

20186150805

 

トランプ米大統領が北朝鮮との非核化交渉中は米韓合同軍事演習を中止するとの意向を示唆したことを受け、米政府は8月に予定されていた定例の米韓演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」の中止を近く発表する方針を決めた。米CNNが14日、複数の政権幹部の話として伝えた。

 トランプ氏は12日の米朝首脳会談後の記者会見で、米韓合同軍事演習を「戦争ゲーム」と呼び、北朝鮮との非核化交渉が続いている間は「我々は『戦争ゲーム』をやめるつもりだ」と語っていた。

 米国防総省の報道担当者は朝日新聞の取材に、「国防総省は大統領の意向に沿うオプションを提供するためにホワイトハウスと連携して取り組む」と答えた。::::

追記5:以下は日経新聞(6月15日9時57分)の記事です。
 
:::::::ハリス氏は14日の上院外交委員会の公聴会で、北朝鮮情勢について「首脳会談後に状況が劇的に変わった」と指摘した。ハリス氏は米韓演習を継続する重要性を主張してきたが、北朝鮮の非核化への行動を対話を通じて促すため「大規模な軍事演習は一時中止すべきだ」と訴えた。:::::

 

2018-03-31 10:49 | カテゴリ:未分類

「博士」でも任期付き若手研究者の雇用厳しく

20180301 1433分 読売

 文部科学省科学技術・学術政策研究所は、大学院の博士課程を修了して大学や研究機関に就職した若手研究者らの半数以上が、3年半後も任期付き雇用にとどまっているとの調査結果を発表した。

 同研究所は、2012年度に博士課程を修了した2614人について、3年半後の生活状況などをアンケートで調べた。60%が大学や国の研究機関などに就職していたが、そのうち52%は任期付きの不安定なポストにあることがわかった。

 また、15年度に博士課程を修了した人への別の調査では、4922人の回答者のうち、38%が返済義務のある奨学金などの借金を負っていることもわかった。

 若手研究者が厳しい環境に置かれていることから、文科省は、大学で若手にポストを用意できるような人事システムの改革など、若手研究者を育てるための新計画を6月末をめどに取りまとめる方針だ。

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  こういう若手研究者の深刻な身分の不安定さは、インパクトファクターの高い論文への掲載を狙った若手の研究者によるデータの偽造(フェイクデータ)の、温床になっている。、結果的に日本発の研究論文の信用の失墜に確実につながる可能性が非常に高い。実際論文の被引用度でもボデイーブローのように効いてきているのではないか。
           
  話が横道にそれるが、先日某国立大学の研究者に会って久しぶりに話を聞いていたら、この大学ではすでに研究者一人当たりの光熱水料を差し引いた研究費は年間たった10万円だということで、これには心底驚愕した。
          
  科学技術の人材育成と財政支援の両面が国立大学では崩壊しつつある。
 
   

論文の引用件数や、専門分野ごとの上位1%に入る重要論文の件数が、日本が米、中国、EU諸国にもおいぬかれて、ここ数年にわたって確実に低下しているという指摘が各種の調査機関でなされている。また、日本では国立大学よりも、国立研究法人(理化学研究所、物質材料研究所、生理学研究所、原子力機構などなど)のほうが質の良い論文を出している、などとも報道されている。後者の方が投入予算に対する研究成果が高い、すなわち投資効率が高い、との指摘もなされている。「国立大学は研究マネージメントが悪い」、と日経連や経済同友会に集まる民間会社の社長クラスが国の科学技術政策を論じる会議に参加してしきりにのたまう。
  

しかしこれらの指摘は、大学の有する特質を無視しているものと言わざるを得ない。大学は研究ばかりでなく教育の場である。国立大学の教員が有する教育の負担は甚大なものがある。研究ということがどういうことなのかに全くと言ってよいぐらい無知な新入生を一人前の研究者に人格的にも研究能力的にも気合を入れて真面目に育する苦労は筆舌に尽くしがたい。
  

極論すれば、上記の国立研究機関は、国立大学の教員たちが苦労して育て上げた研究者たちを、ポスドクなどの有給で雇用して、彼らの能力を研究成果として短期間で搾り取る(収奪する)機関なのである。苦労した学生たちを送り出す大学教員たちには、何の見返りもないと言っていいだろう。また、優秀な大学生を就職時に雇用する民間会社も、優秀な学生を育てろと大学側に文句はつけても、教員たちに対する研究資金面での見返りは、多くの場合、何もない。それどころか国立大学は毎年文科省からの「運営費交付金」を減額され続けている。国立大学の教員たちは、研究費を教育費に転用しないと真面目な教育ができない状態に貶められている。だからすでに述べたように教員一人頭10万円しか研究費がないという国立大学の研究室も出てきているのである。
  

大学では自分たちが育てた優秀な修士や博士研究者をポスドクやパーマネントの助教などに継続して昇格雇用できるシステムがいまでは壊滅的に崩壊している。ごくごく少数の有名教授たちが外部資金の大金を獲得して、それらの恩恵に浴しているにすぎない。そのためにほかの零細分野の多くの教員たちはますます研究費が細り、毎日が金欠病でひーひー言っている。研究室間での貧富の差が激しくなっている。好き勝手にやる、数十年後には、ブレークスルーに結び付く研究の種(構想)が貧困化している。本当に危機だと思う。
  

こんなことを言うと「それはお前が無能だからだ」という声が直ちに返ってくるだろう。無能だからかもしれないけれど、最低限の研究費は保証して下さいよ、と現役の研究者を代弁していいたい。年間10万円の研究費で何ができますか? 
    
       
(森敏)
付記:「日本の大学は、一見して企業投資を喚起するような革新をもたらす魅力的な構想がかけているため、日本の大企業が米国の大学に投資をしている。」(科学新聞 3月30日号 「日本の研究力低下に歯止め」 ピーターグル―ス沖縄科学技術大学院大学学長 談)。日本の企業は大学から優秀な人材だけをかっさらって、日本の大学の研究はだめだからと言って、アメリカの大学に研究投資して、そこで得られた特許を、商品として世界中に売りまくる、という資産運用循環を形成しているわけだ。これが企業のグローバル化の実態だ。日本の国立大学の育成人材の活躍の成果である企業の儲けが日本の大学の研究者に還流していない。あったとしても微々たるものだ。


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