2018-04-11 19:52 | カテゴリ:未分類

新聞で知ったのだが、2018.02.13. の電機大学のホームページに以下の記事が速報されている。

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東京電機大学 平成30年度一般入試(前期)
「数学満点選抜方式」導入!
数学満点者23名が合格(速報)

東京電機大学(学長 安田浩)では、21日~5日に実施した一般入試(前期)の合格者が212日に発表されました。
この受験者のうち、今回初めて導入した数学1科目が満点の場合合格とする方式で、数学満点者は23名で全員合格となりました。そのうち、従来の3教科総合選抜方式では不合格になっていた受験生2名が合格しました。学部別には、システムデザイン工学部3名、未来科学部12名、理工学部8名、合計23名でした。
この「数学満点選抜方式」は、文部科学省が掲げる「多面的・総合的に評価する入試への転換」に対応したもので、理工系を目指す受験生の中で、特に数学に秀でる受験生を評価する選抜方式です。
総合点だけでは測れない特徴的な受験生との接点を拡充するため、平成31年度入試は、この選抜方式を夜間部を除く全学部で導入いたします。
なお、227日・28日に実施する一般入試(後期)においても「数学満点選抜方式」を導入しています(発表は3月7日)。

「数学満点選抜方式」とは
一般入試(前期・後期)において、数学1科目だけでも100点満点(素点)であれば、合格とする判定方式です。従来は、数学・英語・理科(国語)の3科目合計点でのみ合否を判定していましたが、新たにこの選抜方式を追加して合否を判定いたします。ただし、3科目受験は必須となります。
実施学部は、システムデザイン工学部、未来科学部、理工学部の3学部です。

 

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  これは素晴らしくユニークな試みだと思う。英語や理科がどれか満点でも入学できないところがミソだ。この数学満点採用方式は理系の受験生の間では評判になっているのではないだろうか。
           
  かつて早稲田大学の II文で 英語と国語の2科目のみの入試というのがあったが、どれか一つの満点方式ではなかったと思う。それにこういう文系科目は満点の基準を設定しにくい。上記電機大学では正解が数学だけは明快だから、満点選抜方式を採用できたのだろう。
        
     ここで少し気になったので早稲田大学の入学試験のホームページを開いてみたら、実に多様な入学試験がなされていることを知った。少子高齢化で、大学が学生獲得に必死であることが分かった。授業料獲得のためには落ちおこぼれそうな学生も獲得したいが、超エリート候補の学生も絶対欲しいという、大学側の意気込みが感じられた。それが多様な入試ということなんだろう。実際に学生は入学後、あるいは社会に出てから、成長してどう大化けするかわからないので、未完の高卒の時点では一見「玉石混交」の人材を獲得していていいのだと思う。
             
  話は変わるが、誰とは申しませんが、数少ない小生のこれまでの付き合いの範囲では、数学がずば抜けてできる人は大体奇人変人が多い。彼らの「自分は頭がずば抜けていい」という自信は過剰以上のものがある。こういう人物は、それはそれで、敬して遠ざけて、遠くから眺めていれば、実に面白い人物像だと思う。
                       
  1960年代の東大駒場の教養学部では 当時の理科Ⅱ類(まだ医学部専属コースの理科 III 類はなかった) の学生も数学が必須だった。のだが、数学の教師が、授業の、のっけから「君らは頭が悪いんだから、どうせ授業についていけなくなるだろう」と言われて、小生はいきなりやる気をなくした。確かに高木貞治の「解析概論」は歯が立たなかった。でも、今ではこと数学に関してはそういう断言的な切捨て教育もアリだと思う。なまじ数学が中途半端にできる奴ほど、疎ましい輩はいない。物理屋さんや化学屋さんにそういう人物がママ散見されたと思う。自意識過剰で社会常識に欠ける。彼らは時として国を危うくする。極論すれば戦艦大和の設計者や、原子力発電マフィアがその代表だろう。
                       
(森敏)



  
2018-03-31 10:49 | カテゴリ:未分類

「博士」でも任期付き若手研究者の雇用厳しく

20180301 1433分 読売

 文部科学省科学技術・学術政策研究所は、大学院の博士課程を修了して大学や研究機関に就職した若手研究者らの半数以上が、3年半後も任期付き雇用にとどまっているとの調査結果を発表した。

 同研究所は、2012年度に博士課程を修了した2614人について、3年半後の生活状況などをアンケートで調べた。60%が大学や国の研究機関などに就職していたが、そのうち52%は任期付きの不安定なポストにあることがわかった。

 また、15年度に博士課程を修了した人への別の調査では、4922人の回答者のうち、38%が返済義務のある奨学金などの借金を負っていることもわかった。

 若手研究者が厳しい環境に置かれていることから、文科省は、大学で若手にポストを用意できるような人事システムの改革など、若手研究者を育てるための新計画を6月末をめどに取りまとめる方針だ。

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  こういう若手研究者の深刻な身分の不安定さは、インパクトファクターの高い論文への掲載を狙った若手の研究者によるデータの偽造(フェイクデータ)の、温床になっている。、結果的に日本発の研究論文の信用の失墜に確実につながる可能性が非常に高い。実際論文の被引用度でもボデイーブローのように効いてきているのではないか。
           
  話が横道にそれるが、先日某国立大学の研究者に会って久しぶりに話を聞いていたら、この大学ではすでに研究者一人当たりの光熱水料を差し引いた研究費は年間たった10万円だということで、これには心底驚愕した。
          
  科学技術の人材育成と財政支援の両面が国立大学では崩壊しつつある。
 
   

論文の引用件数や、専門分野ごとの上位1%に入る重要論文の件数が、日本が米、中国、EU諸国にもおいぬかれて、ここ数年にわたって確実に低下しているという指摘が各種の調査機関でなされている。また、日本では国立大学よりも、国立研究法人(理化学研究所、物質材料研究所、生理学研究所、原子力機構などなど)のほうが質の良い論文を出している、などとも報道されている。後者の方が投入予算に対する研究成果が高い、すなわち投資効率が高い、との指摘もなされている。「国立大学は研究マネージメントが悪い」、と日経連や経済同友会に集まる民間会社の社長クラスが国の科学技術政策を論じる会議に参加してしきりにのたまう。
  

しかしこれらの指摘は、大学の有する特質を無視しているものと言わざるを得ない。大学は研究ばかりでなく教育の場である。国立大学の教員が有する教育の負担は甚大なものがある。研究ということがどういうことなのかに全くと言ってよいぐらい無知な新入生を一人前の研究者に人格的にも研究能力的にも気合を入れて真面目に育する苦労は筆舌に尽くしがたい。
  

極論すれば、上記の国立研究機関は、国立大学の教員たちが苦労して育て上げた研究者たちを、ポスドクなどの有給で雇用して、彼らの能力を研究成果として短期間で搾り取る(収奪する)機関なのである。苦労した学生たちを送り出す大学教員たちには、何の見返りもないと言っていいだろう。また、優秀な大学生を就職時に雇用する民間会社も、優秀な学生を育てろと大学側に文句はつけても、教員たちに対する研究資金面での見返りは、多くの場合、何もない。それどころか国立大学は毎年文科省からの「運営費交付金」を減額され続けている。国立大学の教員たちは、研究費を教育費に転用しないと真面目な教育ができない状態に貶められている。だからすでに述べたように教員一人頭10万円しか研究費がないという国立大学の研究室も出てきているのである。
  

大学では自分たちが育てた優秀な修士や博士研究者をポスドクやパーマネントの助教などに継続して昇格雇用できるシステムがいまでは壊滅的に崩壊している。ごくごく少数の有名教授たちが外部資金の大金を獲得して、それらの恩恵に浴しているにすぎない。そのためにほかの零細分野の多くの教員たちはますます研究費が細り、毎日が金欠病でひーひー言っている。研究室間での貧富の差が激しくなっている。好き勝手にやる、数十年後には、ブレークスルーに結び付く研究の種(構想)が貧困化している。本当に危機だと思う。
  

こんなことを言うと「それはお前が無能だからだ」という声が直ちに返ってくるだろう。無能だからかもしれないけれど、最低限の研究費は保証して下さいよ、と現役の研究者を代弁していいたい。年間10万円の研究費で何ができますか? 
    
       
(森敏)
付記:「日本の大学は、一見して企業投資を喚起するような革新をもたらす魅力的な構想がかけているため、日本の大企業が米国の大学に投資をしている。」(科学新聞 3月30日号 「日本の研究力低下に歯止め」 ピーターグル―ス沖縄科学技術大学院大学学長 談)。日本の企業は大学から優秀な人材だけをかっさらって、日本の大学の研究はだめだからと言って、アメリカの大学に研究投資して、そこで得られた特許を、商品として世界中に売りまくる、という資産運用循環を形成しているわけだ。これが企業のグローバル化の実態だ。日本の国立大学の育成人材の活躍の成果である企業の儲けが日本の大学の研究者に還流していない。あったとしても微々たるものだ。


2018-03-01 16:34 | カテゴリ:未分類

NHKスペシャル 「被曝の森2018」見えてきた汚染循環

2018年3月7日(水)

午後10時25分〜11時15分  50分番組 NHK総合 (全国放送)

http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20180307

 

 東京電力福島第一原子力発電所の事故によって放射性物質で汚染された区域はこの先どうなっていくのか? 2016年3月に放送した「被曝の森~原発事故5年目の記録~」では、急速に家々を覆っていく植物や、昼間から住宅地に出現するイノシシなど、無人の町が野生に侵食されつつある衝撃の実態を明らかにした。放射性物質の生物影響に関する様々な研究報告も伝え、低線量被曝の謎に迫った。今回の番組はその続編。
 去年の春、被災地は新たな局面を迎えた。国による計画除染が終わり、広い範囲で一斉に避難指示が解除された一方で、山間部を中心に「帰還困難区域」として取り残される地域が生まれたのだ。その面積は340km2(東京23区の約半分)。対象となる住民は2万4千人に及ぶ。そうした「帰還困難区域」で、放射性物質はどのような影響をもたらしているのか? 科学者による研究は、より深く、より多角化している。これまで調査されてこなかった高線量の森に踏み込み、生態系の中で放射性物質がどのように移動・残留しているのか、解明が進んでいる。科学者たちの挑戦や住民の思いを追いながら、その実態を記録する。

 

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ということだそうです。


(森敏)

小生らの放射線像も何枚か登場するはずです。放映は遅い時間帯ですが、番組向上のためにも、ぜひ御視聴いただき、後に批判的感想を「NHK 科学環境番組部」に寄せてあげてください。
 
 
追記:
速報!
NHKスペシャル 「被曝の森2018」見えてきた汚染循環」
再放送は深夜です。

再放送は
2018年3月10日(土) 午前0時55分〜(50分)
つまり、金曜の25時55分から
ということです。

録画しなかった方は、ぜひ再視聴ください。

 
追記2:以下のホームページでも見られます。
http://www.dailymotion.com/video/x6fu0tm

2018-02-27 06:45 | カテゴリ:未分類

  以下の調査では現在の日本の大学生の過半数が本を読まない。これは恐るべき数字だと思う。読書や作文の習慣は、義務教育の期間につけるものである。大学に来てからはすでに遅い。この結果は過去の20年間ぐらいの日本の義務教育制度の欠陥が明快に示されたものだと思う。大学入試では国語の比重を飛躍的に高め、さらに長文の読解力の比重をさらに強化すべきだと思う。

  オリンピックで金を取るスポーツ選手(羽生や小平)や囲碁・将棋の名人など、いわゆるアカデミーの世界に属さないトップクラスの人材の発言を聴いていても、どん底や窮地に落ち入った時の起死回生の発想を得るのに必要なことは自己洞察力すなわち教養だと皆さんが自覚している。教養を高めるには、本人の直接的な体験からだけではだめで、読書を通じた二次(疑似)体験の集積が絶対に必要である。乱読でいいのだ。


  
    
  

大学生の5割超、読書時間がゼロ 実態調査で初、「本離れ」が顕著

2018226 2111

  
 全国大学生協連(東京)は26日、1日の読書時間について大学生の53%が「ゼロ」と回答したとの調査結果を発表した。半数を超えたのは、調査に読書時間の項目が入った2004年以降初めて。「本離れ」が若い世代で進行している実態が明確になり、アルバイトをする学生に読書時間ゼロが多いとの結果も出た。

 調査結果の分析を担当した浜嶋幸司同志社大准教授(学習支援)は、「高校までの読書習慣が全体的に身に付いていないことの影響が大きい」と指摘する。

 この調査は「第53回学生生活実態調査」。大学生の1日の読書時間は平均23・6分。ゼロと答えた学生は53・1%。
    

(共同)

 大学生本を読まない 

 
(森敏)
追記:「小学生に英語教えて国滅ぶ」というタイトルで数学者の藤原正彦氏が、文芸春秋の 総力特集「日本の教育を建て直せ」で力説しているのは、「小学校では、一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは十以下」と。また、
 ”教養がないと、大局観を持てません。大局観を持たない人間は物事の本質をとらえることができず、対処療法に走りがちで、重要な局面で間違った道を選び、国を誤らせ、国民を不幸にしてしまう”
と述べている。きわめて古典的な教育観だが至言だと思う。

2018-02-03 08:01 | カテゴリ:未分類

以下のビデオを見てください。約20分の毎日新聞による藤井聡太君へのインタビューです。

https://mainichi.jp/movie/video/?id=121617199#cxrecs_s

 

藤井聡太君の、インタビュー応答は、その都度以下のどれかの出だしで始まります。

 

あ、そうですね

あー、そうですね

んー、そうですね

ま、そうですね

そうですねえ

あー、はい、そうですねえ

んー、まあそうですね

あ、まあ、そうですね
   
  これって、結構羽生名人のインタビューにそっくりですね。
    
  「そうですね」といって、時間稼ぎしているときに、脳がフル回転しているようです。本人は無意識に発語しているようですが。小生には結構聞き苦しい。まだ若いのに本当に気の毒だよ。
     
  現代の各方面の名士たるものは、マイクやカメラを向けられてのインタビューに対して、動じないように幼少のころから鍛えておかないといけないかのごとくだ。インタビューの受け方がうまいからと言って本職の実力とは全く関係がない。しかし、現今ではとにかく名士はテレビに顔をさらす必要があるようだ。囲碁や将棋などのゲームは基本的に形式論理学だから、使っているのは言語脳だと思われるので、藤井君は成長するにつれてきっとインタビューがうまくなると思う。
           
  一方、スポーツマンなどは演技そのものの成果で評価してもらえればいいのであって、相撲の力士のインタビューなどは朴訥(ぼくとつ)なほど好ましいと思う。言語脳と体育脳は全く別だろうと思うからである。
      
  「見ての通りです」の一言でいいのではないか。
         
  また、話が少し横道にそれるが、一方で、ノーベル賞学者の山中伸弥さんが、部下のデータ改ざんで、対応に追われて、何回もテレビの前で釈明させられている。自分の月給を削るとか、つまらぬことに神経を使わされて、気の毒で見てられない。今後も続々とデータ改ざん者が出てきて、そのうちテレビでの釈明のエキスパートになるのかもしれないですね。悲劇だ。iP細胞研究所長などやめて、さっさと元の研究者に戻ったほうが、人生ハッピーじゃないか。過去に部下のフェイク論文のせいで、馬鹿らしくなって有名な研究所長を辞めた人は外国にいますよ。得意でもない所長職に祭り上げられて、そのガバナンスで疲れ切って、日本国に殉ずる必要はないと思うよ。戦前の「滅私奉公」の時代ではないんだから。
    
  「人は、無能化するステージまで、出世させられる」は、小生の持論でもあります。
  
                      
(森敏)
追記:以下のスケートの金メダリスト小平奈緒選手へのインタビューで、彼女の自然体の教養の深さに感動しない人はいないだろう。(無断転載です)
     

 「金メダルは名誉、でも生き方が大事」
 小平が会見

     

 平昌五輪スピードスケート女子500メートルで金メダルに輝いた小平奈緒(相沢病院)が19日、平昌で記者会見に臨んだ。所属先の相沢病院や銀メダルの李相花との友情について語ったほか、フィギュアスケート男子で連覇した羽生結弦選手から「勇気をもらった」とも述べた。主な一問一答は次の通り。

·     ――今のお気持ちは。

 「そうですね、500メートルのメダルセレモニーはまだなのですが、私の夢に描いていたもので、うれしい気持ちでいっぱいです」

 ――ご家族と話をしましたか?

 「まだ連絡は取っていません。昨夜レースが終わってドーピング検査を終えて宿に帰ってきたのが12時過ぎで、今朝も早かったので」

 ――どういうことを伝えたい?

 「よかった時も悪かった時も、認めてくれたことを感謝したいと思っています」

 ――早く金メダルには触れたいですか?

 「金メダルをもらうのは名誉なことですが、どういう人生を生きていくかが大事になると思う。メダルという形は周りの皆さんにとって、私が戦ってきた証しなので、見ていただきたいという思いが強いです」

  平昌五輪スピードスケート女子500メートルで金メダルに輝いた小平奈緒(相沢病院)が19日、平昌で記者会見に臨んだ。所属先の相沢病院や銀メダルの李相花との友情について語ったほか、フィギュアスケート男子で連覇した羽生結弦選手から「勇気をもらった」とも述べた。主な一問一答は次の通り。

 ――今のお気持ちは。

 「そうですね、500メートルのメダルセレモニーはまだなのですが、私の夢に描いていたもので、うれしい気持ちでいっぱいです」

 ――ご家族と話をしましたか?

 「まだ連絡は取っていません。昨夜レースが終わってドーピング検査を終えて宿に帰ってきたのが12時過ぎで、今朝も早かったので」

 ――どういうことを伝えたい?

 「よかった時も悪かった時も、認めてくれたことを感謝したいと思っています」

 ――早く金メダルには触れたいですか?

 「金メダルをもらうのは名誉なことですが、どういう人生を生きていくかが大事になると思う。メダルという形は周りの皆さんにとって、私が戦ってきた証しなので、見ていただきたいという思いが

――お父さんが「人間形成は周囲の人々のお陰」と言っていました。相沢病院に一言お願いします。

 「私は本当に人に恵まれた人生だったと思っています。相沢病院との出会いは必然であり偶然。本当に苦しい時も、成績よりも私の夢を応援してくれた。患者さんや職員の方々で喜びを分かち合えればと思っています」

 ――韓国の李相花選手との友情を、改めて教えてください。

 「彼女は本当に、ワールドカップの時から仲良くしてもらって、スケートに対する思いは素晴らしいものを持っていて、学ばせてもらいました。私がだめで彼女が優勝したときに、私は滑走後のクーリングダウンで泣いていて、彼女は一緒に泣いてくれたので、私も気持ちに寄り添いたいなと思いましたし、彼女のお陰で次のステップに進めることがあったので、彼女との友情は深まってきたのかなと思います」

 ――(今年1月に亡くなった)住吉都選手への思いがあったら教えてください。

 「(目を赤くしながら)正直、彼女のことは何度も何度も思い出すことが多くて、やっぱり考えないようにしていても、常に頭に浮かんでしまっていたので。それでも主将として、レースに集中して臨まなければいけないと考えていました。これは言っていいか分からないですが、住吉選手が『奈緒が金を取ったら私が取ったのと同じ』と言っていて、救われたような思いだったのですが、こうやって金メダルを取ることができて、本当は本人に報告したかったのですが、できないのは残念だと思います」

 ――(海外メディアから)五輪は選手の物語が現れる場だと思います。他国の選手との友情や、国を代表する誇りなどがあります。それぞれについて、どう思っていますか?

 「そうですね。国に対しての誇りは、やはり日本でスポーツの専門家がたくさんいたり、独特の知恵で高めようとしているところに日本らしさがあると思っています。それは日本人の勤勉さのようなところには誇りを持っています。また、他国の選手とは、スポーツは言葉のいらないコミュニケーションだと思っています。世界の人たちの心を動かしますし、競い合って高め合っていく中で、スポーツの究極の姿が人々を動かすと思うので。競い合うことも大事なんですけど、国の文化や言葉を知ることで、さらにスポーツの楽しさが増すといいますか。他の国の選手はどんな思いを持っているのか、どんな文化を持っているのか知ることは、その競技を高めるために必要だと思っています

 ――今回の五輪、どんなアプローチがあったから金メダルを取れたと思いますか?

 「やはり大学1年生から結城匡啓先生、チームメートと積み上げてきたものが鍵になったと思います。気づきや発見をしっかり共有しながら、お互いにいいところ、悪いところを指摘しながら自分たちの発見を伸ばしてきたというか。そういったところがつながったのかと思います」

 ――(メダルを取れない)主将のジンクスもありました。どのように主将を受け入れましたか?

 「正直、主将の打診を受けた時には恥ずかしがり屋ですし、人前に出るのは苦手なので、金メダルを取れないという話も聞いていたんですけど、先生に説得されて、『奈緒にしかできない』と言ってもらえた。将来に生きてくることを納得できたので、その後はジンクスはあまり気にせず、気にならないぐらいやるべきことに集中できたと思う。自分自身の競技を終えて、チームの応援に回りたいと思っている。男子500メートルを応援しに行きたいと思っています」

 ――ノートに記録していると聞きました。どんなことを記録しましたか?

 「まだ書いていません。滑りのビデオを振り返りで見ていたんですけど、まだ書いていません。これからゆっくり振り返りたいと思っています。1500、1000メートルの学びは多くて、500メートルに向けて修正しなければいけない点は、1000メートルで得ることができたので。ノートに書いて次の挑戦につなげたいと考えています」

 ――次の挑…

 

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