WINEPブログ
「飯舘村のカエルの放射能汚染」
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2012-11-04 07:18 |
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以下に、いきいきという老人向け(?)雑誌に載っている人間国宝に認定された、立ち女形歌舞伎役者である坂東玉三郎の思いを抜粋無断掲載いたしました。
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今という時代は過酷すぎますね。震災の後に起こった原発事故が、それを象徴している。唯一の被爆国がこんな事故を起こすなんて、皮肉としか言いようがありません。これは日本だけでなく、世界の問題、人類全体の問題です。放射能がまき散らされた現実は受け入れるしかありませんが、心では拒否しています。3・11前から過疎化は進んでいて、人の住まない土地があちこちにあります。誤解を恐れずに言うならば、汚染された土地に固執するよりも、別の地に幸せを求めてもいいんじゃないでしょうか。
僕がこうした発言をすると、驚かれる方がいます。でも、役者というのは人のドラマを演じているのです。現実を知っているからこそ、きれいな世界も立ちあがってくる。そこがなくて、ただきれいなものだけ見るなんて、それこそ絵空事。演じるのに、社会と向き合うことは避けられません。世間を見ずに、名台詞だけはしゃべれないでしょう。
現実を見つめて、正直に生きる。それが、僕の思いです。」
(いきいき 2012年10月号)
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