WINEPブログ
東大などのグループの企画
以下の企画が行われている。
100種のイネ、放射性物質の影響比較へ(2011年5月3日18時11分 読売新聞)
土壌に蓄積した放射性物質のイネへの影響を調べるため、東京大学などのグループが福島県内で100種類のイネを育てて比較する計画を進めている。
放射性物質を吸収しにくく、食べても安心な品種を選んだり、逆によく吸収する品種を使って放射性物質を除去したりできると期待される。
東京電力福島第一原子力発電所の事故では、ヨウ素131やセシウム134、137などの放射性物質が大量に放出され、土壌に蓄積している。中でもセシウム137は半減期が30年で、長期間の影響が懸念される。国は、セシウム134と137の濃度が土壌1キロ・グラムあたり計5000ベクレルを超える同県内の一部の水田で、作付けを制限している。セシウムは、白米の部分よりも、茎や葉、糠にたまりやすいことが知られているが、品種によって吸収に差があるかは詳しくわかっていない。
この試験目的の一つである放射性セシウムを白米にまったく転流しないイネが選抜されたら画期的だろう。これは案外成功するかもしれない。なぜなら小生の試算でも、現在最も強く放射性セシウム汚染されている土壌でも、湛水、アンモニア過剰、カリ欠乏などの栽培法の工夫で育てれば、お米の出荷規制値である 白米500ベクレル/kg を軽くクリアできる可能性が高いからである。イネの根からのセシウムの吸収力が弱かったり、道管への放出力が弱かったりする品種が見つかればすれば、その品種の特性分だけ白米へのセシウムの移行量が少なくなるから、栽培技法とむすびつければ、かなり白米への移行を抑制できるイネが選抜されてくる可能性が高い。
問題はその時に、消費者が理解を示して、そのお米を食べてくれるかどうか。。。
(森敏)