2017-11-18 14:31 | カテゴリ:未分類

捕獲の二ホンジカ 基準超える放射性セシウム検出 長野
    

1118日(土)1145分 産経ニュース

県林務部は17日、富士見町で13日に捕獲された野生のニホンジカから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。出荷はされていなかった。

 同部などは、同町で捕獲されたニホンジカの肉を当面の間、出荷や販売、自家消費しないよう、野生鳥獣肉加工施設や狩猟者、飲食店などに周知する。

 検出されたのは放射性セシウム134と同137の計160ベクレル(1キロ当たり)。同部によると、この肉を毎日1キロ、1年間食べ続けても健康には影響がないという。


    


        

―――――――――――――


    

付記1:先日長野県北部の「塩の道」を歩いていて、民家の石塀の上に苔が生えていたので採取してきた。ゲルマニウム半導体で測定したところ

Cs-134: 10.4  (ベクレル/kg乾物重)

Cs-137: 121.3  (ベクレル/kg乾物重)

であった。この長野県内の場所は上記の記事の富士見村より約90キロ以上北に位置している。富士見村は東電福島第一原発から290キロも離れている。このように、長野県が福島第一原発の放射能プルームで被ばくしたことはすでに明らかである。

ニホンジカはコケや木の皮(バーク)などを食する。木の皮のリグニンなどの固着した放射能は年月が来て樹皮が剥離落下しないかぎり、いつまでたっても放射能が固着したままなので、無意識にその放射能汚染樹皮を食べるニホンジカもいまだに放射能で筋肉が汚染されているというわけである。長野県庁は、樹木の樹皮の放射能汚染を追跡調査を恒常的に続ける必要があるだろう。もちろん長野県ばかりでなく、群馬県、栃木県、山形県、山梨県、埼玉県、東京都、静岡県、茨城県、千葉県もやるべきである(小生のように旅行先で気まぐれにサンプリングしてやるのではなく)。 この富士見町での知見は多分氷山の一角だと思われます。
  11月15日から始まった ”ジビエ” ブームに水を差すような話ですが。関東一円はまだ要注意かと。 
      

(森敏)

2017-11-11 03:28 | カテゴリ:未分類

  メヒシバは悪条件でも繁殖するたくましい雑草である。オヒシバと比べて根が浅いので容易に引き抜ける(図1)。浪江町の道端で採取したメヒシバを根の土塊をできるかぎり落としてオートラジオグラフを取ると図2、図3となった。放射能を測ると、イネやムギに代表されるようにイネ科は一般的に根から種子へのセシウ放射性セシウムの移行性が低い。つまり種子の比放射能(Bq/kg)がほかの組織よりも低い。ここでは残念ながらいままさに出穂しつつあるメヒシバを採取したものなので、種子ではなく穂しか放射能を測れていない。しかしメヒシバもその例に漏れないと思われる(表1)。
     なお、根にくっついている落ち葉の破片や粘土を全部払い落とすのは至難の技なので、根の測定された放射能値は実際のの数倍になっていると思われる(表1)。
 
スライド1 
図1.メヒシバを根から掘り起こしたもの。わずかに土や腐葉土がついているがこの放射能はむちゃくちゃ高い(表1参照)。詳しく見ると大小茎が5本で、5本の穂が出ている。
   
 

スライド2 
図2.図1のオートラジオグラフ この画像からは穂と葉の放射能汚染度の差がわからない。
    根に少しでも土がついていると、いくら土を叩き落としたつもりでも、植物を画用紙に押し葉固定するときに微細な粘土粒子が画用紙に飛び散ってしまう。それが微細な点々として感光している。地上部(葉、茎、穂)の内部被ばくは根から吸収されたセシウムによることがわかる。すべての葉の中心の葉脈(中肋)が濃く感光している。
    
 
スライド3 
 図3.図2のネガテイブ画像

    

表1.メヒシバの放射能
 
イネ科(みどうてい)jpeg 
 
 


  
  

(森敏)

2017-10-05 06:31 | カテゴリ:未分類

   昨年の春、浪江町昼曽根で、運転手が大事を取って居眠りしている間に、そこら辺をぶらぶらしていると、灌木にまつわりついている、小さないばらのつる性植物をみつけた。小さな花器の花びらが散って、実が付いて太りかけていたので、切りとってきた(図1)。ニガイチゴというのだそうである
 
  
花器に強く放射能が濃縮していることがわかる(図3,4、5、表1)。これまでの経験から総じて植物のいろいろな組織の中では、花器部分にセシウムは濃縮する傾向が顕著である。このことは先日の日本土壌肥料学会で、ニガイチゴの例も含めてポスターで発表しておいた。

  

     

ニガイチゴ1

  図1 ニガイチゴ




    
ニガイチゴ1kakudaizu jpeg
   
   図2.ニガイチゴの拡大図
 
 
 
ニガイチゴ3 
 図3. 図1のオートラジオグラフ(ポジテイブ像)

 





     
    

 ニガイチゴ4

  
図4. 図3のネガテイブ画像。
 
 
スライド2 


 

 図5。図3の部分拡大図(図2に対応)のオートラジオグラフ






表1.ニガイチゴの放射能
  

 ニガイチゴ5


 

(森敏)

付記1:植物の同定には(株)アスコットの若林芳樹社長のお世話になりました。
 
付記2:花器などの生殖器へのセシウムの集積に関しては、先日の日本土壌肥料学会でまとめて発表しました。その時のポスター発表(P-8-1-17)の講演要旨は以下の通りです。


放射性セシウムは花器に濃縮される

森敏・加賀谷雅道2・広瀬農3・小林奈津通子3・田野井啓太朗3・中西啓仁

NPOWINEP 写真家 東大農・アイソトープ施設 東大院・農学生命科学)

 

2011年3月11日の東電福島第一原発事故以降、ほぼ毎月汚染が強い避難困難区域に現地入りして、6年間にわたって様々な植物を採取して、放射能汚染のオートラジオグラフを撮像してきた。1986年のチェリノブイリ原発事故でもX線フィルム(当時はBASがなかった)撮像は実に希少である。BASが使える現在でも世界の植物学者はチェリノブイリでの植物の撮像に興味がないのか報告が少ない。したがってわれわれは今回の福島原発事故の場合は経年的に様々な植物のBAS撮像数をこなして、福島で起こっている固有の植物生態系汚染の傾向をつかむことを目指している。その結果、落葉樹では落葉によって葉が入れ替わることにより、新葉の放射能については2012年以降は激減した。しかし幹や枝の部分には当初の原発由来のホットパーテイクルがずっと残留したままであるので新葉の放射能の一部は、経根吸収分ばかりでなく幹や枝の樹皮部分からの転流分が含まれている可能性を否定できないでいる。一方、一年生の双子葉植物は2011年当初からも下位葉が風雨時の土ぼこりによる外部汚染を受け続けている。しかし内部被ばくは土壌放射能由来のものに限定されてきており、放射性セシウムの土壌への固着が進行しているので、植物体地上部全体としての放射線量は急激に減少している。これまでは地上部と地下部に分けるとか,新葉と旧葉にわけて、放射能分布を比較していたが、2015年秋からは、秋になって花が咲いて種子ができている植物を採取して、そのまま放射線像として撮像する作業を始めた。その結果意外なことに花器として、あるいは種子そのものとして、放射能が高い濃度で検出されることが改めて分かってきた。タケニグサ、ハナタデ、スイカズラ、ホウセンカ、イラクサ、ノジギク、ヒノキ、マツ、ナギナタコウジュ、ドクダミ、コセンダングサ、タンポポ、ツクシなどについて放射線像を報告する。

 

2017-09-09 10:30 | カテゴリ:未分類
  

浪江町の空間線量9.5マイクロシーベルトという高放射能汚染地域で、墜落して間もないと思われるシジュウガラの死体を発見した。その、内臓を取り出して、遺体全身と内臓を乾燥させて、それぞれのオートラジオグラフに撮像し、放射能も測定した。
   
   これでツバメ、ヒヨドリ、シジュウガラと、いずれも小鳥は放射能汚染しており、内臓も被ばくもしていることが分かった。
    

        2017/01/10 : ヒヨドリの内部被曝

        2016/03/06 : ツバメの放射能汚染像について

        2015/06/03 : 鳥の放射線被曝について

    シジュウガラの採取と丁寧な解剖は加賀谷雅道カメラマンと桑原隆明博士(茨木キリスト教大学・助教)によるものです。
     
   
スライド1

シジュウガラの全体像(背面) 
 
 
 スライド2
上図の放射線像。左:ネガテイブ像。右:ポジテイブ像
眼球の周り、背筋、などの汚染が強いことがわかる。



 
スライド4
シジュウガラの腹面 (内臓を取り出して圧迫乾燥して、平らにしたもの)
  
 


スライド5
シジュウガラの腹側からのオートラジオグラフ。
羽根の外部被ばくも激しいが、腹部の筋肉や眼球の周りが激しく汚染していることがわかる。

  
  
  
  
  

スライド6

シジュウガラの腹側からのオートラジオグラフ (ネガテイブ画像)
  
  
  



スライド7
シジュウガラの内臓



スライド8
シジュウガラの内臓のオートラジオグラフ (個々の部位の同定はできていない)。

  
       
放射能しじゅうがらjpeg

 シジュウガラの放射能 (ゲルマニウム半導体による検出)。全身よりも内臓の放射性セシウム値が高い。内臓は消化されつつある胃腸の内容物もすこし含まれると思われるが、その寄与率はわからない。
 

 




   

(森敏)
2017-08-29 13:47 | カテゴリ:未分類

      以下は浪江町の高放射能汚染地域の森林内のフジの木の下に生えていたフジの実生の放射能汚染である。ほとんどが、内部被ばくのみである(図2、図3)。やはり他の双子葉植物と同様に新芽が強く放射性セシウム汚染していることが見て取れる(表1)。




 
 


 
スライド3 
 図1.フジの幼木
 

 
 
スライド12.図1 の放射線像。新芽が濃い。右下の濃い汚染は、根を切り取った時の残根部で、汚染土が少しついているためである。 

 
 
 
 
スライド2 図3.図2のネガテイブ画像。

         
     
 
 表1。 フジの幼木の放射能 図1の植物を解体して測定したもの。
 
フジの幼木jpeg 
     

        
 
 

(森敏)

付記:

これまでにオートラジオグラフを撮像してきた経験から、フジの成木は放射能が低いという先入観があったのだが、このように実生からのものは放射能が高い場合があるようだ。種子から発芽・発根して、養分を吸い始めるときに、根が放射能を含んだ土壌の表層の落葉などが分解しつつある有機物層から吸収するときに、そこから溶出される可溶性の高濃度の放射性セシウムを吸収するためではないかと考えられる。


FC2 Management