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WINEPブログ内で「 葉 」を含む記事

(5件づつ表示されます)

2018-08-01 08:29 | カテゴリ:未分類
      放射能汚染で住民が避難しているので、人が全く通らなくなった民家に通じる道のど真ん中に、1.5メートルぐらいの高さで道を遮るように思い切りよく葉を伸ばしている黒い実をつけている、草本があった。帰って調べてもわからなかったので、いつもの若林さんに調べてもらうと、抽苔した「ウド」ということであった。土の暗い穴倉の中で、白色に栽培している食用ウドは東京都の栽培農家で見たことがあったのだが、露地ものは見たことがなかったので、現地では同定できなかった。
 
      
地上部の穂の部分と葉の部分を採取してきて、オートラジオグラフに撮ると、実が着いている葉、茎、花穂の柄の部分が強く放射能を含んでいた。これらの組織よりも一
桁低いが、しかと種子にも放射能は移行していた。外部付着した放射能はなく、全部内部被ばくであることがわかる。根から吸収された放射能が茎を経由して葉に移行し葉脈を通じて葉の細部に分布していくことがくっきりとわかる。よく見ると葉の裏側か表側を虫が食べたところには放射能がないか、色が薄い。
 

 

 

 
 スライド1  
図1. ウドの茎葉と花穂(種子はすでにほとんど散っている)
 
 
 

 

スライド2
 
 図2.図1 のオートラジオグラフ
 
 
ウド ネガ‏フィルム jpeg 

図3 図2のネガテイブ画像 くっきりと葉脈が浮きでている。葉脈が非対称なのが少し気になるが。




  
 
 


表1  ウドの部位別放射能
 
ウドの放射能jpeg
 
 
   
  

 
(森敏)
 
2018-07-27 12:39 | カテゴリ:未分類

  ひえー、すごいことになってますよ!

 

と、同行のカメラマンが大声で叫んだので、何事かと走っていったら、民家の庭の3メートルぐらいの高さの若いケヤキの葉がことごとく奇妙なイボイボを着けていた。こんなに激しい葉の奇形はこれまで見たことがなかった。葉を採取して、イボイボを摘み取って丁寧に小生の武骨な指で引き裂いてみたら、中が空洞で、小さな茶色い虫が3匹ぞろぞろ出てきた。虫の大きさが小生の眼の分解能の限界だったが、同行の某君は、アブラムシの類ですねと言った。
 

  原発事故以来木が幼木のころから強い放射能(ここの空間線量は毎時8.5μSv)を浴び続けているので、次第に抵抗力が弱ってきてこんな寄生虫がはびこるのかと想像した。
 

  帰って、ネットで調べたら、これは「ケヤキフシアブラムシ」ということで、たくさんの画像が出てきた。

https://www.google.co.jp/search?tbm=isch&q=%E3%82%B1%E3%83%A4%E3%82%AD+%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7&chips=q:%E3%82%B1%E3%83%A4%E3%82%AD+%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7,online_chips:%E3%83%95%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7&sa=X&ved=0ahUKEwjny9yX9-jbAhWCdd4KHRSYC8wQ4lYIMSgL&biw=1726&bih=860&dpr=1#imgrc=eGYDsrB5hmFMzM:&spf= 
   
  このコブは葉とほぼ同等の放射能を含んでいた(表1)。現地でこのアブラムシのみを大量に採取して放射能を測定することはとても時間がかかることなので、断念した。このアブラムシは放射能汚染した葉が唯一の食材と思われるので、葉と同じ程度の濃度の放射能を含んでいると思われる。

 

 
スライド1 
図1.全身がケヤキアブラムシに感染したケヤキと虫こぶ
 
 
 
スライド2 
 図2.上図部分拡大
 
 
 
 
スライド3 
 図3.上図部分拡大
 
 
 
 
スライド4
 図4.虫こぶを採取して手で割ってみると
  
 
スライド5 
図5.虫こぶの中からアブラムシが3-4匹出てきた 
 
 
スライド6 
  図6.A4紙の上を這いまわるアブラムシ(全長0.5mm)
 
  
  
 

図1 ケヤキアブラムシの虫こぶの放射能
ケヤキアブラムシの虫こぶjpeg 

  樹木は「放射線でヒリヒリ痛いです」とか、「もう耐えられません」とか、ものを言わないので、人間が感情移入して、樹木の身になって、彼らの表現型(形態変化や、落葉や、感染症や枯死など)を観察察知する必要があるのだが。いつまでたっても童話の”聞き耳頭巾”になれないのが、もどかしい。
    

  

(森敏)
2018-07-04 13:18 | カテゴリ:未分類

双葉町で樹に絡みつく「キズタ」(ウコギ科キズタ属)は、あまりにもがっしりと木の樹皮に張り付いているので、指では引っぺがしにくく、部分的にハサミで切断して、小片にして回収するしか仕方がなかったツル性植物である(図1)。

   
オートラジオグラフに撮ると、やはり樹皮にしがみつく、キズタの節位ごとに発生している不定根の部分が最も強く放射能汚染していることがわかった(図2、図3)。葉などには放射能がほとんど付着していないので、これは完全にキズタの内部被ばくと思われる。


   
この不定根の部分の、他の部位よりもけた違いに強い放射能汚染は(表1)、肉眼では見えないが、根の周りには寄生菌類が多様に繁殖していて、不定根や寄生菌は樹皮(セルロース、リグニンなどの高分子多糖類で構成されている)の分解に関わる酵素を放出して、これらの成分を低分子化して、有機栄養源として吸収して生長しており、また不定根は師管や導管に食い込んで、放射性セシウムもカリウムと混同して無機イオンとしても吸収しているものと思われる。寄生菌はそれをガンガンため込んでいるのではないだろうか。したがって不定根が一見放射能の塊のように撮像されているのではないだろうか。
  
   以上の仮説の子細な証明のためには、不定根を樹脂で固定して顕微鏡的オートラジオグラフを撮るべきだが、残念ながら今はその余裕がありません。どなたかやってみてくれませんか?
     


 


スライド1 
図1 樹から引っぺがしたキズタの切断片

 


 
スライド2
図2 図1のオートラジオグラフ 


 


スライド3 
図3.図2のネガテイブ画像

 

表1.キズタの放射能
キズタjpeg 
 

(森敏)
付記:過去の以下の記事もご参照ください
アイビーはなぜ石塀に強く接着できるのか

2018-06-05 05:21 | カテゴリ:未分類
  昨年秋 双葉町の空間線量が毎時9.5マイクロシーベルトの民家の庭に群生していた可憐な花を採取してきた。専門家に鑑定してもらったらカントウヨメナという野草だということである(図1)。
           
  全身が内部被ばくである(図2、図3)。しかも放射性セシウム含量がいまだに非常に高い。普段は一年生植物は花器の放射能が一番高いのだが、この植物は生殖器である青色の花の部分よりも葉の放射能がべらぼうに高い(表1)。好セシウム性植物かもしれない。
           
  この家は家の内部までイノシシやおそらくハクビシンなどの侵入により荒れ果てており、住民は全く帰還した様子がない。
         
  少しでも庭の土壌の放射能を除染した形跡がない。
         
  であるからこの一年生雑草は原発事故7年後でもいまだに土壌に固定され切っていない、植物が吸収可能なセシウムを吸っては枯れ、次世代の種子が発芽して、また吸っては枯れ、という循環を繰り返して群生しているのである。
      
  全部刈り取ってきて詳細に観察すれば、形態学的な異常も発見されるのかもしれない。
        
  タンポポの「帯化」奇形調査の場合はタンポポに絞り込んでやっているのだが、そういうことを高放射線量下で他の植物でも徹底的にやる時間的な余裕がないのが残念である。たとえばいつも気になっているのだが、真面目に調べればクローバーなどはかなりの形態的変異があるものと思われる。

         
 
 
 
 
スライド3 
 図1. カントウヨメナ
     
 
 
スライド1 
図2. 図1のオートラジオグラフ 
      
 
 
スライド2  
図3.図2のネガテイブ画像 
      
     
表1. カントウヨメナの放射能
カントウヨメナの放射能jpeg 
    
    
    

 
(森敏)





2018-05-17 04:23 | カテゴリ:未分類


  浪江町の避難困難区域にはバスが通っていないので、バスの屋根付きの停留所には外壁や地面にツタが生えたりしている。それを手繰って2メートルばかり採取してきた(図1)。

  さすがにあちこちの汚染土壌の上をこのつたは這いずり回って成長してきたためか、葉の部分は多分土埃による外部放射能汚染がひどかった(図2、図3)。
 
  対称形に葉が生えている節位は時折何かにつかまるための小さなツルが生えているのだが、そこの節位が一番内部被ばくが高いようだ(特に図3、表1)。いつも言うように植物の節位は導管と師管が複雑に入り組んでいるから放射能が滞留しているようにオートラジオグラフでも濃く撮像されるのである。
   
    こういう濃厚汚染した「つる」なども、汚染を知らない鳥や小動物の格好の丈夫な「巣材」に使われているのではないだろうか? そこで幼い嬰児が被曝しながら育てられているのかもしれない。
      
    
 
スライド2  
図1 オオカモメヅル

 
 
 
スライド3 

 図2 上記の植物のオートラジオグラフ

 

 
 
スライド4  
 図3.図2のネガテイブ画像
  
 

 
 表1 オオカモメヅルの放射能
スライド1 
 

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