第2位 論文不正、信頼揺らぐ
【浅井文和】製薬大手ノバルティス(本社
スイス)の高血圧治療薬ディオバンをめぐる臨床研究で不正が判明し、著名医学誌に載った論文が撤回された。臨床研究への信頼が揺らいだ一年だった。

 京都府立医科大と東京慈恵会医科大の各調査委員会は7月、論文のもとになったデータが人為的に操作されていたと発表。論文は、ディオバンを使うと他の薬に比べ脳卒中狭心症などのリスクが減るという内容。医師向けの宣伝に活用され、売上高年1千億円超の看板商品だった。

 研究には5月に退職した同社員が関与していたが、論文で社員と明示せず、同社も利益相反開示が「不適切だった」と認めた。

 厚生労働省は8月から専門家による検討委員会を開いて、真相究明と再発防止に乗り出したが、データ操作の真相は不明だ。
 
追記3:また、「分子生物学会」は東京大学が2年間に渉って調査した分生研の加藤茂明元教授グループの過去数十編にわたる論文偽造調査報告にたいして「真相解明には不十分な調査だ」と不満を述べている。200名の研究者が関わり、30億円の研究資金を国が投入したということである。堕落した研究者倫理も極まれりだ。日本の大学教員はこういう若手研究者が必ず何割かは育っていると覚悟しなければならないだろう。

東大51論文「科学的適切性欠く」 研究不正で中間報告

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【今直也】東京大は26日、同大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授(54)の研究グループの論文計51本について、「科学的な適切性を欠いた画像データが使用されていた」とする中間報告を発表した。来年中にも最終報告をまとめ、関係者の処分や研究費の返還も検討するという。

 東大が不正問題の調査で中間報告をするのは異例。「日本の学術研究の国際的な信頼も揺るがす大問題」(大和裕幸副学長)との危機感による。

 調査は、加藤元教授が同研究所に所属していた1996~2012年に発表された、加藤元教授や研究室のメンバーが著者になった論文165本が対象。不適切とされた51本のうち43本は画像の捏造(ねつぞう)や改ざんなどの不正の疑いがあり「撤回が妥当」と認定し、8本は「訂正が可能」とした。すでに13本は撤回されている。