FC2ブログ

WINEPブログ内で「 植物 」を含む記事

(5件づつ表示されます)

2019-03-04 13:13 | カテゴリ:未分類
  イネ科植物は一般的にセシウムの土壌からの移行係数が低いと思っていました。

  現在、空間線量が毎時17マイクロシーベルト、という双葉町の線量下で、コンクリートの割れ目に貧弱に成長していた高さ30センチ弱のイネ科植物を採取して来ました。名前が同定できなかったのですが、トダシバの仲間だろうというのが、若林芳樹氏(株式会社アスコット)の見立てです。読者のどなたか同定していただければありがたいです。

  実験室で測ると、トダシバの穂の部分が、ガイガーカウンターで1050cpmというとてつもなく高い線量で、NaIスペクトロメーターでの放射性セシウム含量も 葉>茎>穂 の順でしたが、1kg乾物重当たり28万ベクレルから55万ベクレルというとてつもない放射能の高さでした(表1)。

 
  暴発原発から風に流れて降下してきた放射能が周辺のコンクリートに付着して、それが当時あるいはその後の降雨により、コンクリートの割れ目に流れ込み、土壌に吸着されて、その可溶性成分をこのトダシバが吸収しているものと思われます。


  
  




図1。 トダシバの仲間
スライド3   



図2。 上の図1の穂の部分の拡大図
 

スライド4 

図4.図1のオートラジオグラフ。

スライド1 
 
 
 図4.図3のネガテイブ画像

スライド2 
 
 
    
 
 表1 トダシバの部位別放射能

イネ科濃い われめ 
 
 
  
   
  
(森敏)
 
2019-02-24 13:32 | カテゴリ:未分類
  

        以下のアセビの木は、2017年の春の空間放射線量が、毎時2.5マイクロキューリーという、浪江町の森林としてはさほど高くなかった、さるゴルフ場内の小さな20メートル四方の広さの池の傾斜地に生えていたものである。背丈は3メートル余りあった。気まぐれにサンプリングした新芽が付いた枝は1.5メートルの高さの部位のものである。
     
  図1とよく照合してもらいたいのだが、新芽(図2、図3、表1)が非常に鮮明に放射線で感光していることがわかる(図2、図3)。
 
  この放射線像(図2、図3)からは、枝の部分は葉の映像に隠れて鮮明ではないのだが、意外にも枝の部分が放射能がもっとも高かった(表1)。
  
  木本植物でこんなに放射能が高いのは、雨のときにゴルフ場の周辺からこの池に流れ込む、あるいは流れ込んで表土に濃縮集積している放射性セシウムを根から、いまだにアセビの木が吸収しているのではないかと思われた。図2、図3の葉の放射線像を見れば明らかであるが全く外部から飛来して付着した放射能汚染スポットはないことがわかる。全部経根吸収由来の放射能だと思われる。

 



   
 
 スライド4 
 
 
 
 
スライド3 
 
スライド2 
 
 

 表1。 アセビの放射能
スライド1 
 
 

(森敏)
 
2019-01-03 17:27 | カテゴリ:未分類

明けましておめでとうございます。
 
  今年も時々飽きもせず、福島の動植物の放射能汚染状況を、淡々と放射線像でご紹介いたします。
       
  空間線量17
µSv/hという双葉町の民家の前のコンクリートの割れ目に、生育不良気味の丈が45センチぐらいの淡い色のシダが生えていました。割れ目の土壌表面は、いまだに35µSv/hもありました。なんとなく葉っぱがゆがんで対称形でなかったので、放射線の影響を受け続けているのではないかと思われました(図1)。

     

オートラジオグラフを撮ると外部に付着する放射能汚染は全くなく、全身内部被ばくでした(図2、図3)。もちろんこのシダは発生以来150mSv以上の積算空間線量を外部からも受け続けていたはずです。これは生物で十分突然変異が起こりうる線量です。

  

シダ自身の放射能もベラボウに高かったです(表1)。
 
 
 
スライド2 
図1.ひねくれたシダ 
 
スライド1 
図2.図1のオートラジオグラフ 
 
スライド3

 図3.図2のネガテイブ画像
 


 
 表1. ひねくれたシダの放射能
シダ 
  
   
 
(森敏)

2018-12-13 10:19 | カテゴリ:未分類

  確か5年前の20137月ごろから、飯館村の長泥地区には、ゲートが設けられて、関係者以外は入れなくなった。当時それを知らずに小生たちは比曽地区からゲートの直前まで行って、追い返されてU-ターンすることになった。
 
  少し癪に障ったので、ゲート付近の外側の植生の外部被ばく放射能がどれだけ高いのかを確かめるために、ゲートの手前200メートルぐらいの道脇の植物を採取してみた。このつる性の植物は、そこいらの植生に絡みついていたのをはぎ取ってきたものである。当時そこの空間線量は10マイクロシーベルトを超えていた。
   
  この植物のオートラジオグラフは早くから撮像していたのだが、植物名が長らく同定できていなかった。今回若林芳樹さん(株:アスコット)からお知らせ頂いて、ボタンズルということが分かった。


図1.草に絡まっていたボタンズル 
スライド1 
   あちこちの太い黒点と微細な黒点など、外部汚染が認められる。導管と師管が入り組んでいるツルの分岐部などは内部被ばくである(表1)。つぼみにみえる葉芽が全部薄く写っているがこれは全部内部被ばくである(図2)。
 
図2.図1のボタンズルのオートラジオグラフ
スライド2
  つまり、原発は2011年早春に爆発したのだが、2014年春の時点でも、まだこの植物が絡まる放射能汚染草や木からの間接的な放射能二次汚染が続いていたということである。右下の2枚の葉のちいさな点々など、総じて葉の放射能がけた違いに高いことがわかる。(表1
    
 表1.ボタンズルの放射能
ボタンズルjpeg
  
  

     
(森敏)

2018-09-30 04:38 | カテゴリ:未分類
  双葉町のさる公園内は、人の出入りがないので、雑草が繁殖して、やぶだらけだったが、ところどころに茎の先端が奇妙に美的にくるくる巻いている植物があった。(図1、図2)。
        
  同定できなかったので、いつものように、オートラジオグラフを撮像した後に、若林芳樹さん(株・アスコット社長)に写真を送って同定していただいたところ、漢方で有名な胃腸薬の原料であるゲンノショウコということであった。
      
  ネット上でのwikipediaの解説では、ゲンノショウコは、縦長のさく果が裂開して、種を飛ばすと、果柄を立てたさまがみこしのように見える(図2)ことから、ミコシグサともよばれることもあるとか。
        
  種子が取れなかったのだが、花器・つる・葉の放射性セシウムは驚異的に高かった(図3、図4、表1)。元素分析をしたわけではないが、ゲンノショウコは漢方薬としてカリウム含量が高く、それにつれて同族のセシウム含量も高いのかもしれない。天然の有機セシウム化合物みたいなものが見つかるかもしれない。
    
  漢方薬業者は関東一円の放射能汚染地域の野草のゲンノショウコをやたらに漢方薬用に採取するのは、やめた方がいいだろう。小生のこれまでの放射測定経験からすると、漢方は乾燥したり煎じて使用するので、乾物重単位で放射能を表示すると、生重あたりの10倍以上の高い放射能濃度になるので、食品基準をクリアできないものがいまだに多く存在するのではないかと思う。
       
  漢方の雑草の放射能の危険性に関しては下記のブログで早くから警告した。(クリックしてください)
        
なんと漢方生薬からも!  
ドクダミの放射能汚染について
 
 


 

スライド2 
 図1 根からほりあげたが途中から根が切れたゲンノショウコ
 
 
 
スライド3 
図2.図1の部分拡大図。ゲンノショウコの花器。炸果が開裂した様







  
スライド4 
 
図3. 図1のオートラジオグラフ
 
スライド5 
 
 図4 図3のネガテイブ画像
    
 
花器ゲンノショウコjpeg 

図5.図2に対応する、図4(花器)の部分拡大ネガテイブ画像

  
   
       
   
表1.ゲンノショウコの放射能

スライド1 
   
 
 
 
 

(森敏)
FC2 Management