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2018-06-05 05:21 | カテゴリ:未分類
  昨年秋 双葉町の空間線量が毎時9.5マイクロシーベルトの民家の庭に群生していた可憐な花を採取してきた。専門家に鑑定してもらったらカントウヨメナという野草だということである(図1)。
           
  全身が内部被ばくである(図2、図3)。しかも放射性セシウム含量がいまだに非常に高い。普段は一年生植物は花器の放射能が一番高いのだが、この植物は生殖器である青色の花の部分よりも葉の放射能がべらぼうに高い(表1)。好セシウム性植物かもしれない。
           
  この家は家の内部までイノシシやおそらくハクビシンなどの侵入により荒れ果てており、住民は全く帰還した様子がない。
         
  少しでも庭の土壌の放射能を除染した形跡がない。
         
  であるからこの一年生雑草は原発事故7年後でもいまだに土壌に固定され切っていない、植物が吸収可能なセシウムを吸っては枯れ、次世代の種子が発芽して、また吸っては枯れ、という循環を繰り返して群生しているのである。
      
  全部刈り取ってきて詳細に観察すれば、形態学的な異常も発見されるのかもしれない。
        
  タンポポの「帯化」奇形調査の場合はタンポポに絞り込んでやっているのだが、そういうことを高放射線量下で他の植物でも徹底的にやる時間的な余裕がないのが残念である。たとえばいつも気になっているのだが、真面目に調べればクローバーなどはかなりの形態的変異があるものと思われる。

         
 
 
 
 
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 図1. カントウヨメナ
     
 
 
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図2. 図1のオートラジオグラフ 
      
 
 
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図3.図2のネガテイブ画像 
      
     
表1. カントウヨメナの放射能
カントウヨメナの放射能jpeg 
    
    
    

 
(森敏)





2018-05-17 04:23 | カテゴリ:未分類


  浪江町の避難困難区域にはバスが通っていないので、バスの屋根付きの停留所には外壁や地面にツタが生えたりしている。それを手繰って2メートルばかり採取してきた(図1)。

  さすがにあちこちの汚染土壌の上をこのつたは這いずり回って成長してきたためか、葉の部分は多分土埃による外部放射能汚染がひどかった(図2、図3)。
 
  対称形に葉が生えている節位は時折何かにつかまるための小さなツルが生えているのだが、そこの節位が一番内部被ばくが高いようだ(特に図3、表1)。いつも言うように植物の節位は導管と師管が複雑に入り組んでいるから放射能が滞留しているようにオートラジオグラフでも濃く撮像されるのである。
   
    こういう濃厚汚染した「つる」なども、汚染を知らない鳥や小動物の格好の丈夫な「巣材」に使われているのではないだろうか? そこで幼い嬰児が被曝しながら育てられているのかもしれない。
      
    
 
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図1 オオカモメヅル

 
 
 
スライド3 

 図2 上記の植物のオートラジオグラフ

 

 
 
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 図3.図2のネガテイブ画像
  
 

 
 表1 オオカモメヅルの放射能
スライド1 
 

2018-04-30 20:27 | カテゴリ:未分類

  少し古い話になるが、2015年にテンナンショウを飯舘村で採取して、押し葉にしようかどうか迷いながら、厚く新聞紙で挟んで上から重しで押し付けて2か月間で10回ばかり新聞紙を替えていたら、そのうちに、実が赤く熟れながら乾燥し、葉は押しが足らずに黄色く枯れてしまった。植物のこういう立体的な部位を平らにして乾燥するのにはいつも苦労する。ふつうはこんなばかげたことをする研究者はいないと思う。原理的にオートラジオグラフは 植物体がIP-プレートに密着しなければ、真の放射線画像は取れないからである。





 
牧のjpegテンナンショウ 
 図1.テンナンショウ (牧野植物図鑑から)
    
        
スライド1 
 
図2. 
テンナンショウ

 
スライド3 

 図3.枯れたテンナンショウのオートラジオグラフ 
 
 
てんなんしょうネガjpeg 
図4.枯れたテンナンショウのオートラジオグラフのネガテイブ画像 
 
 
テンナンショウの実jpeg 
 図5.圧迫して何とか平らにしたテンアンショウノ熟れた赤い実
 

 
jpegテンナンショウの実 
 図6.テンナンショウの実の放射能のネガテイブ画像。白い部分が放射能が濃い。黒い粒粒は種子。
 
     
   
     
表1 テンナンショウの放射能
 の放射能テンナンショjpeg 


 


 


(森敏)
2018-04-03 03:59 | カテゴリ:未分類
以下の2局のホームページをぜひご覧ください。
 


  
今朝7時に、NHK広島で展示のニュースが流れました。以下動画ご覧いただけます。
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20180402/0000359.html



東京電力福島第一原子力発電所の事故で被ばくした日用品などを特別な手法で撮影し、目に見えない放射線を写し出した写真の展示会が広島市で開かれています。

展示会は原発事故の影響について考えてもらおうと開かれ、会場には、被ばくした日用品などを特別な手法で撮影し、放射線を写し出した「放射線像」と呼ばれる写真30点が展示されています。
写真家の加賀谷雅道さんが放射能汚染の実態を数値以外で表現しようと、放射線を白く写し出す装置を使って撮影したもので、より強い放射線はより白く写ります。
このうち、浪江町の公園にあったサッカーボールは、濃淡の異なる白い斑点のような模様に覆われ、放射能に汚染された状況をはっきりと写し出しています。
また、福島第一原発からおよそ9キロの場所にあった長靴も、白く写し出された放射線にびっしりと覆われています。
主催したグループの代表の西村恵美子さんは「震災から7年がたち広島に住む私たちにとって、福島の問題はどこか遠い話しになっているように思う。多くの人に見えない放射線を見てもらい福島で何が起きているのか少しでも知ってほしい」と話していました。
展示会は広島市中区の旧日本銀行広島支店で、4月5日まで開かれています。


 

金曜日の夕方には新広島テレビのニュースで流れました。

原発事故から7年余り、目に見えない『放射線』を特殊な技術を使って撮り続けている写真家の作品展が、広島市で開かれています。

福島県浪江町の屋外に放置されていた長靴の写真には、特殊な技術を使い放射性物質が付着した部分が白く映しだされています。

広島市中区の旧日本銀行広島支店で開かれている写真展『放射線像』は、加賀谷雅道さんが東日本大震災発生の後、被災地で集めた生活用品や植物などの写真およそ30点が展示されています。
エックス線写真の原理を用い、目に見えない放射性物質の分布や強弱がわかるように工夫されていて、放射能汚染の現状を静かに訴えています。
【写真家・加賀谷雅道さん】
「忘れてもいいんですよ、考えなきゃいけないことは過去を思い出すときは思い出して、やっぱり未来だと思うんですね、子どもたち次世代のためにあの事故を教訓として何をすべきかという…」

写真展は、来月5日まで開かれています。

2018-03-26 12:32 | カテゴリ:未分類
 

  昨年(2017年)の春、帰還困難区域に指定されている浪江町津島地区で、車を転がしていると、道路端に水たまりがあり、そこにタンポポが生えていた。水に永く浸かると、たぶんタンポポは枯れると思われるのだが、ここは、雨が降った時は5センチぐらいの水たまりになり、天気になると、蒸発して水が引けるので、地面が乾湿を繰り返していると思われた。それゆえにタンポポ種子は、前年度の2016年の秋ごろに発芽後も、真冬を生きながらえて、何とか、けなげにも花が3輪咲くところまで生長していったのだと思われた。(図1) 
  
  タンポポを根の際で根を切断して地上部のみを採取して、新聞紙を何回も取り換えて、植物体を完全に乾かして、オートラジオグラフを撮像すると、高濃度に放射能が全身にいきわたっていた。採取時に根の部分を掘り出すのは困難だったので、根は写っていない。根のすぐ上の茎の付けねの部分は、20年ほど前に小生が高崎の原子力研究所で見出し discrimination center (デイスクリーミネイションセンター)と命名したのだが、オートラジオグラフではこの部分が非常に濃く撮像され(図2、図3)、泥のコンタミもあってか放射能が非常に高いことがわかる(表1)。

    


  

 
スライド1 
 
図1.水浸タンポポ
  


  

 スライド2 
 

図2.図1のオートラジオグラフ

  
  


  
 
スライド3
 
 
図3.図2のネガテイブ画像 花器の基部の種子が形成されつつある部分が強く写っているように見える。
  


   
   

表1.水浸タンポポの放射能

放射能水浸タンポポのjpeg   
 
  


(森敏)


付記:Discrimination Center (D.C.)は師管と導管が複雑に入り組んでおり、この部分で、根で吸収された必須元素が、いったんとどまっていろいろな地上部の組織に分配移行する。また、光合成産物は、この部分にいったん転流してきて、ほかの部分に分配(discriminate)されていく。このD.C.という、小生の発明した生理学的「機能」を意味する造語は、残念ながら最近では、その複雑な微細形態学的な「構造」がポピュラーになったので、植物関連の論文では使われなくなったようだ。

 
 
 

 
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