2015-06-08 11:32 | カテゴリ:未分類

過半数の村民が国の帰還政策に反旗

201568

 

 福島原発事故で、避難指示が大幅に遅れた福島県飯舘村。事故発生から四年が過ぎ、国や村は汚染から目を背けるかのように、村民の早期帰還を急いでいる。こうした流れに対し、村民たちが結集し、異議申し立てに動いた。名を連ねたのは全村民の約六割。まずは村長と村議会の態度をただす文書を突きつけた。募る望郷の念をのみ込み、村民らは現実を直視し、避難先での生活再建や完全賠償を訴えている。 (東京新聞。榊原崇仁)

 

ネットではここまでしか読めないが、本文は紙面の4分の一を占める記事である。

「飯舘村民6割村長に申し立て」

「帰還政策に反旗」

「避難解除同意ない」

「慰謝料継続要求を」

というタイトルが踊っている。

繰り返しになるが、要約すると

かつて原発事故前の菅野村長の選挙で出納帳を務めた長谷川健一さんがトップに立って、菅野村長に6月3日

「村民の同意なしに国の避難指示解除に同意しないことを明確に表明せよ」

「避難慰謝料支払いを継続するよう要求すること」

と申し入れ、一週間以内に回答することを迫った。村議会にも同じ趣旨の請願書を提出した。約5900人の村民のうち同意する村民の総数はその6割の3400人に上る。

そのうち約3000人は飯舘村民救済申し立て団」に参加し、東電に賠償を求める裁判外紛争手続き(ADR)を始めているが、長谷川氏はそのトップを務める。とある。

 

このニュースはどこの全国紙にも報道されていなかったと思う。実に、注目すべき動きだ。


2015-01-26 14:44 | カテゴリ:未分類

ジャーナリストの後藤健二氏が「紛争地域の貧しい人に<寄り添いたい>。 何が起こっても責任は私自身にあります」と言って、出かけて、「イスラム国」に拉致され命の危機にさらされている。(現時点ではこの言葉が彼の精神の深層を正しく反映しているかどうかは分からないのだが、「寄り添いたい」と言う言葉の例として取り上げてみた)。心底から救出されることを祈っている。
 

  

様々な過去の公害問題や近年でも地震、津波、原発事故などの避難者に対して、支援に関わる人たちから「被害者に寄り添いたい」という情緒的な言葉がよく使われてきた。

  

実際にいろいろな支援運動に参画してみればすぐに分かることだが、環境の激変により人生を根底から覆された人たちに、個人的にアカの他人が「寄り添うことは」かなりの困難を伴うことである。「寄り添い続けること」はさらに困難である。場合によっては寄り添った人の人生も激変させられることになるだろう。寄り添う本人が泥沼から抜け出られなくなり、迷走することになるばあいも多々ある。
 

  

いわゆる市民運動が最初は同情的な情熱で盛り上がっても、あまり長続きをしなくて、下火になるパターンを描くのは、運動のプロ(組織政党集団)でない限り、「寄り添う」支援者自身の生活が時間的にも資金的にも体力的にも永久には続くはずがないからである。
 

  

多くの有名ジャーナリストや写真家の場合は危険を冒して普通人が近づけない危険地域に入って紛争の実態を暴く、つまり誰も知らない「価値ある希少な情報」(プライオリテイー争いで機先を制する)を何らかの形でマスメデイアに売ることによって経済的基盤が確立しているので、ある意味では寄り添える様に見えるのである。この場合でもバックに政府資金や政党からの隠れた資金があれば安心して「寄り添える」だろう。
 

  

これに対して普通の市民は、よほどの持続する資金的な支援体制がないと、生真面目な人ほど自分自身が体力・時間・資金的にボランテイア活動でへとへとになるのがオチである。
 

   

だから最初から分をわきまえて、自分自身が経済的にも精神的にも体力的にも再生産可能な持続的な支援活動が出来る範囲で「寄り添う」ことが賢明な寄り添い方である。本気で被災者や被害者が「立ち直る」まで寄り添うつもりなら、支援者自身が政治のプロか、政策や技術者としてのプロとして寄り添わねばならないだろう。裁判などになると日本の場合は通常10年以上寄り添うことを覚悟しなければならない。
 

   

以上は、若いときに無意識に様々な「孤立した弱者支援」に15年以上「寄り添って」回り道をしてきた小生の研究者人生からの述懐です。
 
   
(森敏)
追記1:後藤健二氏は、ISILに殺害されたと、本日早朝に報道された。(2月1日).
小生はその斬首の経過をネットで見る機会がなかったが、凄惨な様子は、各種週刊誌が詳細に報じている。(2月9日)
 
追記2。 東京新聞が「::::::::アフガニスタンで武装組織にとらわれた経験がある常岡浩介氏も、(大手)メデイアとフリーランス(取材記者・カメラマン)のすみわけを容認する。「大手メデイアに危険地帯の取材をされると、僕らの仕事がなくなるのでやめてほしい。」。その上で、「昨年は3回、『イスラム国』の取材をしたが最初の2度はテレビ局に扱ってもらえなかった。ウクライナ紛争は2回、戦場まで行ったが 『視聴率が取れない』と買ってもらえなかった。::::::::」(東京新聞 2月9日朝刊) と述べている。ここではフリーランサーが命を賭けて撮影した危険地帯での「見る人の心臓をえぐる映像」が高付加価値の「商品」として大手メデイアに販売される期待を正直に述べているわけである。避難民や戦災者に「寄り添う」とかいうことはフリーランスにとっては「とってつけた美談」でもありうることがわかる。

追記3:この常岡浩介氏も2015年5月にトルコから消息を絶っている。拉致されたに違いないが、情報がどこかで遮断されている。生きて帰ることを祈りたい。(2016年2月10日 記)
 


2014-06-13 09:07 | カテゴリ:未分類
以下転載です


飯舘村/福島再生支援東海ネットワーク 事務局

 

 

 

ブラックボックス

 

2011315日、福島県相馬郡飯舘村で毎時100マイクロシーベルトあったことは確認されている。

しかし、双葉町ではこの十倍以上もあったという。

セシウム137134ばかりに目がいきがちだが、

内部被曝を考えた時、実はこの事故直後における「初期被曝」が最も重要であり、

半減期の短いヨウ素・銀・テルルはじめ

プルトニウム・ストロンチウムを含む多様な核種が高濃度に降り注いだことを忘れてはならない。

 

日本政府はじめ、世界有力国全体の統治政策は、原発の維持拡大である。

だから福島原発事故は「大したことではない」のであり、被害は殆どなかったに等しく、

規制基準の年1ミリシーベルトは事故後に一挙20倍化されることになり、

放射能の害なんてものはタバコより遥かに小さいなどと云われるまでに至る。

この無法な論法は、

何より事故直後の「初期被曝」をブラックボックス化することで、成り立っているのである。

 

初期被曝を明らかにせねば、とりわけ内部被曝を重点とする放射能被害の実態は決して掴めない。

またこうした子々孫々に及ぶ被害を回復する手だてを見出すことはできない。

 

馬や羊が次々に死んでゆく。当たり前だが、人間にも被害が出つつある。

放射性物質が生体や生態系に与えるインパクトとそのメカニズムを一日も早く解明せねばならない。

被害はガンだけではない。またDNAの損傷だけではない。もっと様々な可能性を探っていく必要がある。

2014-06-03 20:50 | カテゴリ:未分類

「ポスドク」就業、国が支援研究ポストを拡大

201405 2709 04

 

政府は、博士号取得後も助教などのポストに就けず研究をしている「ポストドクター(ポスドク)」が、正規の職に就けるよう国立大に促す方針だ。安定した職を得られない研究者が増えれば、研究開発の基盤が揺らぎかねないためだ。「ポスドク対策」の実績に応じ、大学に配る予算(運営費交付金)に差をつけ、対策の効果を高める考えだ。

 財務省と文部科学省が調整し、6月下旬にまとめる政府の「骨太の方針(経済財政運営の基本方針)」に反映させ、2015年度にも実施したい意向だ。ポスドクが学内外で正規の研究職に就けるようにするため、国立大に〈1〉学内で若手向けのポストを増やす〈2〉産学連携を強化し、企業も含め安定した職に就けるようにする――ことなどを求める。国立大の運営費交付金(約1・1兆円)の配分が硬直化しているとの声もあり、「対策」の成果を踏まえ配分を見直す方向だ。

 大学院生は1991年度の9万8650人が13年度に25万5386人に増えたが、研究者採用は広がらず、ポスドクは96年の6274人が09年に1万7116人に増えている。

20140527 0904 Copyright © The Yomiuri Shimbun

  
   

(森敏)


付記:

なにをのんきなことを言っているんだろう。すでに研究基盤は揺らいでいる。国立大の運営費交付金(約1・1兆円)の配分が硬直化しているのではなく、あまりにも少なすぎるのである。

この過去30年間の聖域なき「公務員の定員不補充政策」で、大学の退職した公務員の定員枠を補充できないで定員をどんどん減らし続けさせられたこと。教員の定年を65歳になるまで少しずつ延長してきたこと、などが若い研究者のポストが増えない最大の理由である。これまでと同じ運営費交付金の総額枠で個々の大学が定員増大など強制させられたら、教育研究費がますます削がれて、ますます大学の研究そのものが劣化していくのは目に見えている。それは間違いなく大学の教育の劣化を招くだろう。大学はすぐれた研究あっての優れた教育だからである。すでに地方の国立大学は経常研究費が獲得できずに悲鳴を上げている。若い研究者が希望を抱けず、研究室が研究費獲得もままならない現状では「研究基盤が揺らぎかねない」などとのんきなことを言っていられない事態だ。
 
追記:国家プロジェクト研究機関みたいな形で産総研や理研がますます大型化し、そちらに予算が流れていくと、多くの大学はただの教育機関に成り下がっていく。苦労して育て上げた人材をこれらの機関にただ取りされて、成果も収奪されることになる。これまでもそうであったしこれからますますそうなるであろう。今回、以下の朝日新聞の記事のように理研の成果主義のなれのはてとして、

「STAP細胞論文をめぐる問題で、理化学研究所の改革委員会は12日、発生・再生科学総合研究センター(CDB)の成果主義やずさんな管理体制が高じ、不正につながったと厳しく断じた」 とある。

これらの成果主義の弊害は理研の一研究センターのみに関わる問題ではなく、潤沢な大型研究を恒常的に保証されている研究法人の病巣であると思う。弱小大学はこれらの潤沢な予算の煽りを食って悲鳴を上げているとも云える。


「成果主義、STAP問題の一因 理研再生研の解体提言」
朝日新聞デジタル 6月13日5時29分配信

 STAP細胞論文をめぐる問題で、理化学研究所の改革委員会は12日、発生・再生科学総合研究センター(CDB)の成果主義やずさんな管理体制が高じ、不正につながったと厳しく断じた。真実の解明をおろそかにしたと指摘された組織は、生まれ変われるのか。

■検証阻んだ秘密主義

 「一回更地になって、考えて下さいということです」。改革委の岸輝雄委員長は記者会見で、現在のCDBの組織では、研究不正の防止は難しいと明言した。

 提言書は、成果を求めるCDB側が、小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの採用や論文作成、発表方法をめぐり、異例の対応を重ねてきたことを明らかにした。

 小保方氏のCDBへの就職は、研究内容を知っていた西川伸一副センター長(当時)側から打診された。小保方氏は重要書類の提出が締め切り日に間に合わず、選考にあたる人事委員会は過去の論文や応募書類を精査しないまま、推薦書も確認せずに面接した。また応募者全員に行っている英語の公開セミナーを省略しただけでなく、非公開セミナーも行わずに採用した。

 改革委は「iPS細胞研究を凌駕(りょうが)する画期的な成果を獲得したいとの強い動機に導かれ、小保方氏の採用は最初からほぼ決まっていたものと評価せざるを得ない。こうした理研CDBの成果主義が有する負の側面が、STAP問題を生み出す一つの原因となった」と指摘した。

 笹井芳樹副センター長の方針で、秘密保持は採用後も続いた。提言書は、笹井氏が共著者との連絡を十分に行わなかったため、共著者が十分にデータを検証できなかったと指摘。また笹井氏だけでなく、CDBのトップ層が論文発表まで秘密とすることを容認したため、通常行われている研究者間の討論会などでも情報が共有されず、チェック機能が働かなかったとした。

 論文の報道発表の際も、割烹着(かっぽうぎ)姿で研究する小保方氏を公開するなど派手な広報が展開され、「必要以上に社会の注目を集めることになった」と指摘した。

 笹井氏は、論文をめぐる疑惑が指摘された後は、不正の発覚を避けるような行動をした。小保方氏からSTAP論文の画像に博士論文の画像を使ったことを聞いた後も、調査委員会にはこれを伝えず、小保方氏に画像の撮り直しを命じ、「STAP現象は有力な仮説である」と繰り返した。

 こうした行為について改革委は「一般国民、特に再生医療への応用を期待した難病患者に大きな期待を抱かせた」と指摘。「笹井氏の行動は、理研CDBの成果主義の負の側面を端的に表している」と強く批判した。

 





2014-05-14 20:54 | カテゴリ:未分類

  以下の記事によると、中国では土壌の重金属汚染が深刻である。これは日本の農学研究者には半ば公然の常識であったのだが、今回中国当局自身がその実態を正直に告白した。PM2.5などの大気汚染ばかりでなく、土壌の重金属汚染も、中国ではこれ以上のっぴきならない状況になっていることがうかがえる。中国ではまだまだ米食が主食であるので、このまま放置すると今後潜在的なカドミウム摂取由来のイタイイタイ病が全国で多発するだろう。

 

  1960-1970年代の日本の高度成長期に経験した「公害」が、中国では日本の10倍の人口であるがゆえに10倍の速度で進行していると考えたほうがよい。日本の10年が中国では一年で汚染が進行しているのだ。

 

  日本の公害問題の解決のための苦難の歴史の成果が、今中国では生かされるべきである。日本の公害防止のための、科学技術の成果である製品(ハード)や立法や行政のノウハウ(ソフト)を技術移転する格好の時期が来たといえる。すでに日中韓で連携プレーが始まっているようだ。

   
早くも小生がこのブログで何回も紹介してきた、近年日本の農水省が発明した、無カドミウム米コシヒカリ環1号」の出番だと思う。

 

 

中国の土壌汚染深刻、農地の19・4%で基準超

20140419 2030

 

 【上海=鈴木隆弘】中国で初めて全国的な土壌汚染調査が行われ、農地の19・4%で基準を超えるカドミウム、銅などの重金属や有機物が検出され、土壌汚染が深刻なことが明らかになった。

 

 17日に調査結果を公表した環境保護省と国土資源省は、農産物や人体に影響を与える恐れも指摘した。

 両省は2005~13年に中国の総面積の約3分の2に当たる約630万平方キロ・メートルで重金属や有機物の汚染状況を調べた。林地や草地、建設用地などを含めた土壌全体でも16・1%が汚染された状況にあり、両省は「状況は楽観できない」と危機感を表す。

 特に経済が発展した上海市を中心とする長江デルタ、広東省の珠江デルタのほか、東北の工業地帯で深刻だった。鉱工業生産で排出される汚水や排ガスが主な原因だが、農業でも化学肥料や農薬の過度な使用が汚染を引き起こしていた。

20140419 2030 Copyright © The Yomiuri Shimbun
 
 

 

中国、土壌汚染も 全国の土地16%で基準超え 初の全国調査

2014.4.18 01:00

 中国環境保護省と国土資源省は17日、全国の土壌汚染の状況をまとめた報告書を公表し、調査した約630万平方キロの土地のうち、16.1%で国が定めた基準を超える汚染が確認されたと明らかにした。

 土壌汚染の全国調査は初めて。報告書は汚染状況について「楽観できない」としている。

 調査は2005年4月~13年12月に実施。鉄鋼業や製紙業などの工業用地やその周辺では36.3%、工業用地の跡地では34.9%でそれぞれ基準を超えた汚染が確認された。

 また耕地では19.4%で基準を超えており、主な汚染物質はカドミウムやニッケルなどとなっている。(共同)
 
    

  

(森敏)
 

追記1:
こういうことを書くと、「外交音痴の大学人がまた無責任なことを書く」と直ちにマスコミや農水省から反撃されそうだ。日本人の現在の尖閣列島を巡る「嫌中国」の雰囲気では、とても
「日本が開発した貴重な農業技術を、中国に供与することなどもってのほかのことだ。中国人は感謝の念を示さないだろう。過去の日本の中国に対する無償のODA援助の場合と同じく、供与したいなら『もらってやる』という態度を示すのではないか」
という疑念がただちに持ち上がるかもしれない。
 
 しかし、せっかくの世界に向けて発信しうる日本のノーベル賞ものの品種が、農業の実際の被害現場で全然生かされないのは非常にもったいないことと思う。
   

 

      作物の土壌からのカドミウム汚染防止対策には、従来は 1.工場からの排出源処理と、2.汚染土壌の剥離と非汚染土壌の客土 しか有効な対策がなかった。前者は行政問題であり、中国のような共産党一党独裁政権下での工業と共産党員が癒着した構造を直ちに断ち切るのは絶望的に困難なことだろう。後者は曾ての日本のカドミウム除染の経験でも、膨大な予算と年月を要するだろう(例えば、近年の福島県における放射性セシウム汚染水田の「表土剥離」と「客土」にいかに膨大なお金がかかるかを考えてみてもわかるだろう)
   
      最終的に上記1。と2。の政策でこの中国でのカドミウム問題を解決するにしても、当面日本が開発した「カドミウムを吸収しない品種・環一号」で人体へのカドミウムの経口吸収汚染を避けることは非常に賢明な政策だと思うのだが。イタイイタイ病その他の将来の医療費もかからないことになるので中国国家経済にとってもいいことだらけだろう。と考えるのは、あまりにも単細胞すぎるだろうか。
 
追記2.この新品種については以下に詳しく紹介しております。
http://www.winep.jp/news/153.html

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