2017-02-11 03:01 | カテゴリ:未分類

転載1:

文化庁芸術祭のテレビドキュメンタリー部門で優秀賞を受けた
NHK制作の
「被曝の森~原発事故5年目の記録」

の優勝盾の写真が関係者からメールで送られてきたので転載します。
よほどうれしかったのだと思います。
  
 ひばくのもりたてプレゼンテーション1

 

  NHK会長も替わったことだし、この受賞を契機に、この間の局内の少し重苦しかったのではなかろうかと想像される雰囲気を払拭して、制作に関わったスタッフ達にはさらに原発関連の事実を伝えるドキュメンタリー制作に意気軒昂でがんばっていただきたいと思います。

廃炉、海洋汚染、除染、住民避難、森林生態汚染など原発事故は何も解決していないのですから。何事も報道されなければ歴史的になかったことになります。

 

転載2:

 

以下の放送は
東電福島第一原発の汚染水対策のこれまでの経緯と現状、今後の課題をまとめたものだそうです。

212日(日) 23:30〜24:00 Eテレ 

サイエンスZERO 「最新報告 汚染水との戦い」

http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp572.html

(再放送)218日 土12:30〜13:00

NHKオンデマンドでも配信

https://www.nhk-ondemand.jp/

 


    
(森敏)

2017-01-10 04:23 | カテゴリ:未分類
 

昨年「5月に、南相馬で住民がヒヨドリの死体を拾ったので、オートラジオグラフの撮像が可能かどうか」という問い合わせが、群像舎の 岩崎 雅典監督からあった。以前にキビタキとツバメの放射線像の撮像に成功した経験があったので「やってみましょう」という返事をしたら、ヒヨドリの冷凍サンプルが宅急便で送られてきた。
        
   2012/05/29 : キビタキの幼鳥の被爆像
   2016/03/06 : ツバメの放射能汚染像について

     

サーベイメーターでヒヨドリの体をくまなくスキャンすると、どうやら確かに放射線が出ているように思われたので、慎重に作業に取りかかった。

       

まず、この死体からは胸元から血が出ていた。鳶や鷹か、はたまたイタチかテンなどの陸上の動物に攻撃されて逃げたが力尽きて墜落たのかもしれない。この血の中にも内部被曝した放射能の一部があるかもしれないので、ペーパータオルをあてがった。その上で、鳥の羽を伸ばし、鳥の頭を横向きにして、上から本で押して、全体を電子レンジで十分乾燥したシリカゲルが詰まったお菓子の四角いブリキ製の箱の中に入れて、完全にふたをして密閉した。一ヶ月後にふたを開けて、乾燥死体を取り出して、これをサランラップでくるんだのち、オートラジオグラフ用のカセットに2枚のIP-プレートで上下から挟んで圧着してその上からさらに鉛のブロックで荷重をかけて約半年放置した(図1、図4)。荷重をかけるのは、できるだけIP-プレート(イメージングプレート)と死体を密着させるためである。感光後の死体はゲルマニウム半導体で放射能を測定した。

         

  結果が図2、図3、図5、図7、図8である。表1にはヒヨドリ全体の放射能値を示している。血液中に放射能が確実に認められ、表1にはその値も合算して計算している。


 
 
 
 
 
スライド1 


 
 
 図1.ヒヨドリの腹側 胸に穴があいている





  
スライド2 
 
 

 図2.図1のオートラジオグラフ(ポジテイブ画像).傷ついた内蔵が被曝している。眼球や脳も内部被曝している。
 

 
スライド3 
 
 図3.図1のオートラジオグラフ。ネガテイブ画像。
   
   

 
スライド4 
 
 
 図4.胸に穴があいている。その拡大写真。肺か肝臓か?
   

 
 
スライド5 
 
 図5.図3の腹胸部汚染拡大図

 
 
 
 
 
 
スライド6 
 
 図6.ヒヨドリの背側
 
 
 
スライド7 
 
 
 図7.図6のオートラジオグラフ(ポジテイブ画像).右肩に一点ホットパーテイクルが認められる。わずかな外部被曝である。眼球、脳、両脚、左右の背骨筋なども内部汚染している。

 
 
スライド8 

図8.図6のオートラジオグラフ(ネガテイブ画像)。
 
    
       

表1. ヒヨドリの体全体の放射能
 
スライド1
 
(森敏)
付記: 以上のデーターの公開は、群像舎の 岩崎 雅典監督の許可を得ています。
2016-12-08 14:14 | カテゴリ:未分類
  小生は年のせいで(:今年末から後期高齢者なかまに突入した)、放射能汚染現地調査の途中では、結構頻繁に水分を補給している。そうしないと、足の筋肉への血流が悪くなるためか、時々足がしびれるからである。だから、必然的に頻繁に尿意をもようすので、自動車を降りて道ばたから少し林内に入って、尾籠(びろう)な話で恐縮だが、立ちションベンをする羽目になる。そのときは、必然的にあたりの植生をじっと眺めることになる。もちろんかなりの放射能を浴びながら。そういうときにも結構あたらしい発見がある。
  
     
       飯舘村の 「あいの沢」 は、本来はキャンプ場であったのだが、いまは人っ子一人いない。昨年夏にここでやっと除染作業が行われた。除染といっても道路と道の両側の20メートル幅の山林の下草や土を深さ15センチばかりをとりのぞくのだから、どうしても地下茎で連なっている一部のシダ類などは、のぞき切れていない所がある。そこまで徹底的にやると作業に時間がかかって、だから除染作業員の労賃がかかるので、しかたがないからだろう。一応地表面が毎時0.23マイクロシーベルトにまで低下することを目指しているようではあるが。
  
  昨年の春、例によって小便をすべく林内に入った。数メートル入った林の中の空間線量は毎時4.5マイクロシーベルトであった。そこでは芽を出し始めたばかりの丈の低いワラビが群生していた。
      
  ワラビのいくつかを根から切り取って研究室に持ち帰って、ガイガーカウンターで測定してみると、意外に葉のベータ放射線量が高いので、それをオートラジオグラフに取ってみた(図2)。また、組織を各部位にわけて放射能を測定した(表1)。
 

 
スライド4 
 
 図1.春先の若いワラビの写真

 
スライド5 
図2.図1の若いワラビのオートラジオグラフ
   
 
 


  表1 ワラビの各部位の放射能(ベクレル/Kg乾物重)
 ワラビjpeg  



       図2で定性的に,表1で定量的に明らかなように、シダも未展開葉では若干放射性セシウム含量が高い。しかし、次の図3のように葉が全面展開したものでは、図4、図5で見るように、枝の最先端の葉は少し他より放射能が高いようだが(図5のネガテイブ画像で特に理解されると思う)、比較的放射能は全葉に均一に分布しているように見える。また、一見、左側の茎のみの部分が強く感光しているように見えるが、これは茎が葉に比べて数倍の厚みがあるので、放射能が重なって感光しているためである。


  
 
スライド1 
 図3.浪江町で採取したシダ
 
スライド2 
 
 図4.図3のシダのオートラジオグラフ ポジ画像
 
 
スライド3 
 図5.図3のートラジオグラフ。ネガ画像
 
 
  
地下茎の多年生のシダ類(ワラビはシダ類の一種)はタケノコと同じように地下系が土壌の表層直下数センチあたりを縦横にうねっていて、根がそのあたりまでに大部分が集積している「土壌の可給態の放射能」を吸収して地下系を通じてあちこちの新芽に直ちに分配輸送されるので、いつまでも地上部の放射能が高く推移する可能性が高いのである。


  

 
(森敏)
 
付記1:タケノコについては以下のブログを参照ください。
 
 2016/05/20 :
まだタケノコは要警戒: 給食のタケノコご飯から基準超のセシウム

 
付記2:シダ類の同定には 「フィールド版 写真でわかるシダ図鑑  池田怜伸 著」 トンボ出版 を参考にした。


 
 
 
  
2016-11-29 07:47 | カテゴリ:未分類
   浪江町の高瀬川上流には道路脇に切り立った崖があり、そこに『長寿の水』 という標識がぶら下がっている所がある。急峻なために、崖崩れを危惧して金網が全面に張り巡らされている(図1)。 近くに駐車場があるので原発事故前には、この名水を汲みに、多くの住民がポリタンクなどを持って訪れたものと思われる。
 
  そこの崖面に何種類かのこけが生えていたので、その内の特徴的なコケを採取して放射能を調べてみた。コケ図鑑によるとこのコケはヘビの模様に似ているので蛇苔(ジャゴケ)と呼ばれているもののようである。
 
  
スライド1 


図1. 「長寿の水」 のしたたり落ちる崖 
  

 
スライド2 
 
図2 蛇苔の拡大図
  

  
  はがして乾燥して(図3)オートラジオグラフを取ると、図4のようになった。図4の黒い小さな濃く感光したつぶつぶは、コケが上からしたたり落ちる小さな目に見えない土を吸着しているのである。こけの裏側には大きな強く感光した黒点があるが、これは岩から引っぺがしたときに、くっついてきた自分自身の旧い枯れた個体である。それらが放射能に強く汚染している。
 
 

スライド1 

図3。崖からはがしたジャゴケ   
   
    
 
  
 
スライド2  
 図4  図3のオートラジオグラフ
  
     
 
   できる限り水洗して表面の固体をのぞいてゲルマニウム半導体で放射能測定したのが 以下の表1である。このジャゴケは絶えずしたたり落ちる水で洗われ続けているので、原発事故後5年も経てばいい加減にきれいな新しいコケになっているのかと思ったら、なんのことはない放射能(放射性セシウム)は厳然として、まだ高濃度で含まれたままである。表1に見るように、放射性カリウム(K-40) の濃度も高いので、このコケはセシウムばかりでなく元来カリウムをため込みやすいものと思われる。蛇の目に見えるコケの表層にあるカリウムのトランスポーター(膜輸送体)を使って、ごく微量の放射性セシウムも体内に吸収してため込んだままなのだろう。
     
  この場所は「長寿の水」と言われるぐらいだから、渇水することもなく原発事故以来の森林の表流水の希薄な放射能をこのジャゴケはずっとため込んできたのだろう。

   

  

      表1.ジャゴケの放射能(ベクレル/kg乾物重)
 スライド1
   
(森敏)
付記:コケの同定は難しい。今回は
 
 生きもの好きの自然ガイド 

 
このはNo.7 「コケに誘われ コケ入門」 文一総合出版
 
の写真を参考にした。

2016-11-08 19:01 | カテゴリ:未分類

文京区役所があるシビックセンターで宮沢賢治高村光太郎の展示会が開かれている。

会期:平成28116日(日曜日)から1114日(月曜日)まで

        午前10時~午後6時(最終日は午後5時まで)

会場:文京シビックセンター1階アートサロン(文京区春日11621)

入場料:無料(どなたでもご自由にご覧になれます。)

主催:文京区

      

この展示ではこの二人は居住地花巻では実際の交流はなかったが、文芸上では最後に以下の二つの詩で合体するというストーリーが組まれている。高村光太郎の妻の千恵子の死を、死後数年後に回想して光太郎が詠んだ詩「レモン哀歌」が、宮沢賢治が妹トシの死を前にして詠んだ詩「永訣の朝」の影響を強く受けているという解釈である。
    
  このことは今では文芸史上通説なのかも知れないが、小生はそういう発想ができていなかったので「なるほど!」といたく感心した。
 
  賢治の詩「永訣の朝」の直筆のコピーと、光太郎の詩「レモン哀歌」の直筆原稿が展示されている。特に後者の独特のペン字の肉筆が小生には非常に魅力的で印象深かった。蛇足ですが2人の詩を以下に転載しておきます。「ゆき」と「レモン」の箇所を赤字で示しました。


             

永訣の朝 (宮澤賢治)
けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
うすあかくいっさう陰惨な雲から
みぞれはびちょびちょふってくる
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
青い蓴菜のもやうのついた
これらふたつのかけた陶椀に
おまへがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがったてっぽうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした
   (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
蒼鉛いろの暗い雲から
みぞれはびちょびちょ沈んでくる
ああとし子
死ぬといふいまごろになって
わたくしをいっしゃうあかるくするために
こんなさっぱりした雪のひとわんを
おまへはわたくしにたのんだのだ
ありがたうわたくしのけなげないもうとよ
わたくしもまっすぐにすすんでいくから
   (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
はげしいはげしい熱やあえぎのあひだから
おまへはわたくしにたのんだのだ
 銀河や太陽、気圏などとよばれたせかいの
そらからおちた雪のさいごのひとわんを……
…ふたきれのみかげせきざいに
みぞれはさびしくたまってゐる
わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまっしろな二相系をたもち
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうとの
さいごのたべものをもらっていかう
わたしたちがいっしょにそだってきたあひだ
みなれたちゃわんのこの藍のもやうにも
もうけふおまへはわかれてしまふ
Ora Orade Shitori egumo
ほんたうにけふおまへはわかれてしまふ
あああのとざされた病室の
くらいびゃうぶやかやのなかに
やさしくあをじろく燃えてゐる
わたくしのけなげないもうとよ
この雪はどこをえらばうにも
あんまりどこもまっしろなのだ
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ
   (うまれでくるたて
    こんどはこたにわりやのごとばかりで
    くるしまなあよにうまれてくる)
おまへがたべるこのふたわんのゆき
わたくしはいまこころからいのる
どうかこれが天上のアイスクリームになって
おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすやうに
わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ

    
     

レモン哀歌(高村光太郎)
そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモン
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉(のど)に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう

    

     

(森敏)

付記:半ば冗談だが、上記の両者の詩を小生が病理学的に解釈すると以下のようになる。
   
   

  詩から考察するに、死の寸前まで炎症性の熱を持つ賢治の妹トシは、つめたいものを要求する「氷食症」で、これは慢性鉄欠乏性貧血の症状であり、トシは慢性的に栄養欠乏であったと思われる。ほとんど野菜ばかり食べて肉由来の吸収のいい「ヘム鉄」を摂取していなかったのではないか? 熱心な仏教徒である賢治も菜食主義だったので、その後、彼も栄養欠乏、おそらく慢性的な鉄欠乏で結核で若死している。
  
   

  一方、光太郎の妻千恵子は死の寸前は「ビタミンC欠乏」だったのではないか。酸っぱいレモンを丸ごとかじるときは体がビタミンCを要求しているから、レモンがむしろ甘く感じるのである。小生も時々紅茶に入れる薄切りレモンを生かじりすることがあるのでよくわかる。最近は国産(瀬戸田)の天然のレモン汁を瓶ごと買ってきて、それをお湯で薄めてそのまま痛飲している。
        
   偶然だが、小生はずっと鉄欠乏性貧血症なので鉄剤(フェロミア)とビタミンC錠剤を時々同時摂取している。ビタミンCが鉄の腸管吸収を良くするという世界の鉄栄養学会の定説を信じているからである。だから二人の詩を読んで「トシ」と「智恵子」の病理に気がついた。たぶんこの推察は正しいと思う。とにかく少し前までの日本の庶民はほとんどが何らかの栄養欠乏症だったから、病原菌に対する抵抗力が弱く、結核などの感染症にかかって早死にしたので、日本国民の平均年齢が低かったのだから。

      
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