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WINEPブログ内で「 濃度 」を含む記事

(5件づつ表示されます)

2020-01-31 17:52 | カテゴリ:未分類
  一昨年の秋、浪江町のさる学校の校庭(空間線量 毎時3.7マイクロシーベルト)のシャリンバイの,眼の高さの葉と花器の部分を手折って来た(図1、図2)。


  ガイガーカウンターでは、葉の表面の放射能が数十cpmと低い濃度であったが、NaIスペクトロメーターでのでの放射能測定では、ちゃんと原発由来の放射性セシウム汚染が確認された(表1)。


  花芽の部分が、葉よりも4倍も高い放射能濃度であった(表1)。外部汚染はなく、全部内部からの汚染である(図3、図4)。
         
 


  
スライド3 

図1.シャリンバイの葉


  
スライド2 
図2.シャリンバイの花器 
 
 
 
 
スライド4 
図3.図2のオートラジオグラフ 花器の汚染が顕著である。
   
 
スライド2  
 
図4.図3のネガテイブ画像 


  

 
 
 


表1。シャリンバイの放射能 
スライド1 
 *測定は2019年6月
 

2020-01-26 20:17 | カテゴリ:未分類
  双葉町羽山神社のある山頂にはアセビの実生が無数に生えていた。現在の土壌表面の線量が毎時約4.5マイクロシーベルトである約10メートル四方のあちこちから、ランダムに根こそぎアセビ(馬酔木)の高さ25センチぐらいの実生をサンプリングした。
   
  といってもほとんど硬い土壌に根が食い込んでいたので、下図の植物ではほとんどの根はちぎれてしまっている(図1、図4)。
   
  地上部の放射能汚染の具合が植物によってかなり異なることがわかる(図2、図3)。

  1キロメートルばかり先からの東電福島第一原発からの濃厚な放射能粒子が、地面のあちこちに均一ではなく、局在して降下しているので、それに根が直接触れていたり、その雨による滲出拡散液に根が接触していなければ、放射性セシウムはアセビの根から吸収されていないわけである。
   

  葉の放射能が高く(表1)、特に小さな新芽が濃いことがわかる(図6)。


  図4の個体のアケビの放射能を部位別に詳しく調べた(表1)。
    




スライド3 

図1.4本のアセビの実生。 残念ながら全部根がちぎれている。




スライド1 

図2.図1のポジテイブ画像。個体によって汚染の濃度が異なり、濃い葉は表面放射能が400cpm以上ある。



スライド2 
 
図3.図2のネガテイブ画像。


 
 
 


スライド1 
 
図4. アセビの実生(引き抜く途中で根が切れた)。葉の表面はガイガーカウンターで230cpm.

 
 

スライド2 
 図5.図4のオートラジオグラフ ポジテイブ画像





スライド3 
 
図6.上図(図5)のポジテイブ画像ではわかりにくいが、このネガテイブ画像では 新芽の放射能や、細根に絡む土壌が高いことがわかる。
 

    
      

表1.図4の植物(アセビ)の部位別放射能
アセビの実生1 


 

 

 
(森敏)
追記:アセビの成木や花器については既に下記に紹介している。

2019/02/24 : アセビ(馬酔木) の放射能
2019-11-03 06:27 | カテゴリ:未分類

       浪江町でかやぶき屋根が崩壊しつつある民家で同行の別のメンバーがスズメバチの巣を探している間、小生はいつものように、付近の植物の観察と採集を行っていた。いつもの通り尾籠な話だが、小便がしたくなったので、やぶの中に入っていった。

     

    そしたら、目の先に異様に大きな葉を広げたイラクサがあった。イラクサはこれまでこのwinepブログでも2回にわたって掲載しているように、花器に優先的に放射性セシウムを吸収する。

  以上の記事に、イラクサはオートラジオグラフでも紹介している。だから、これを再度オートラジオグラフに撮像しても仕方がないかな、と思って、その時はこのイラクサを採取しなかった。一方、この時は、スズメバチの巣は発見されなかった。

 

     その一か月後に、また同僚の執念深いスズメバチハンターが、きっとあの場所には新しいスズメバチの巣ができているに違いない、ということで、また、その同じ民家を訪れたら、なんとたった一か月ですずめばちがせっせと直径30センチばかりの巣を形成中であった。専門家というものは「ここに巣をつくりたい!」というスズメバチの気持ちがわかるんですね!!

    

     一方、小生は気になっていた例のイラクサの生息地を訪れると、イラクサは葉が虫に食われはじめてていたが、まだ健在であった。そこで、えいや!と根ごと引き抜いたのだが、根は途中から切れてひきぬけた。
    

 スライド1 
図1.道路上に広げた巨大イラクサの葉  ペンの長さは13センチメートル。
種子を形成中である。
 
スライド2 
図2.自動車のフロントに広げた巨大イラクサの葉


     道路に置いて撮影したのが図1である。自動車のフロントに置いて撮影したのが図2である。普段のイラクサの葉の大きさは以前のブログにも示したように葉の幅が約数センチです。

      
     過去にも紹介したと思うが原発カメラマン廣瀬隆氏の本では、アメリカのスリーマイル原子炉事故による放射能の影響と思われる、机の大きさ大の奇形タンポポの葉が写真で紹介されていた。なので、このイラクサも放射能の影響を受けたのかもしれない。この時点での、ここの空間線量は毎時8マイクロシーベルト(土壌表面は測り損ねたがこれよりはるかに高かったはず)であったので、一年生のイラクサの種子は土の中で過去半年間で積算放射能として2シーベルト以上を浴びてきたことになるだろう。これは発芽時から奇形が起きても何らおかしくない放射能濃度であったはずである。
       
  土壌養分があればいくらでも大きくなりうるというエピジェネテイックな栄養変異であったのかもしれない.この植物は種子をつけているので、この種子を採取して温室で育ててみて異常さを再度検定するという手もあるが、そのような実験は、現在徒手空拳の小生には無理である。

     

    現在感光中のオートラジオグラフ像は後程紹介するつもりである。
     
      
(森敏)
付記: 注意深く見れば、今でも、高濃度汚染地では、ほかの植物でも異常に大きい葉の植物が見つかるはずである。これまでが、みれども見えず、だっただけかもしれない。

 

 


2019-09-21 16:45 | カテゴリ:未分類

某氏から、「面白い花を根付きでサンプリングしてきましたが、ご入用でしょうか?」というメールが届いた。
 
  願ってもないことなので、「できれば、根をできるだけきれいに洗って、ただちに新聞紙に強く押し葉にして、毎日新聞紙を取り替えて、1週間ぐらい経った後の完全に乾燥した“押し葉”サンプルを送ってください」と強引に頼んでおいた。その後2本の押し葉サンプルが送られてきた(図1、図2)。花の名前はショウジョウバカマと同定されていた。
 

スライド1 
 図1 ショウジョウバカマ-1 (根の部分の土がとり切れていない)
 
 

スライド2 
図2 ショウジョウバカマ-2  (根の部分の土はほぼ取り切れている)
 
 
スライド3 
 図3 図1の放射線像 (ネガテイブ画像:土の強い放射能によるハレーションがある)
 
 
スライド4図4.図2の放射線像(ネガテイブ画像)  花びらの基部の〇に注目。
 
 
 表1.ショウジョウバカマの部位別放射能(NaIスペクトロメーターによる)
ショウジョウバカマ1 

      

この植物は根と比べて、茎・花器の放射能濃度が、他の植物に比較して極端な差がない(表1)。いったん根に吸収されさえすれば、セシウムは容易に地上部に移行するものと考えられる。おそらく、いったんセシウムは根圏土壌から根に吸収さえすれば、根にとどまることなく、導管への排出のカリウムトランスポーターを通じて膜の抵抗なくセシウムは導管に排出されて、地上部に移行するのだと思われる。

    

特徴的なのは、花びらの基部に種子が形成されつつある部分(たぶん子房)が色濃くセシウム汚染されている(図2と図4の花器参照)。2019年春の双葉町の採取地点(羽山神社と後ほど確認した)根圏土壌の放射性セシウム濃度の約4分の1の濃度に花器に放射性セシウムが濃縮されている(以降係数0.248)ので、この植物はセシウムを次世代にも吸収移行しやすいのかもしれない。
  

  
(森敏)
2019-09-03 06:24 | カテゴリ:未分類

  今回は一見釈然としないオートラジオグラフをお見せします。
     
  2018年10月秋に、空間線量毎時2.9マイクロシーベルトの浪江町の民家の道路脇で、がっしりと根付いている菊を根ごとスコップで引き抜いてきた(図1には葉の陰に隠れて見えないが、数個の花がある)。なぜか背丈が低い。根に付着した土壌をできるだけふるって、新聞紙に挟んで圧着して、1週間毎日新聞紙を取り替えて、その都度また土壌をふるうのだが、完全には土壌は取り切れない。仕方がないのでそのままオートラジオグラフを撮像した。そのあといつもよりも細かく組織を解体して、各部位の放射能を測定した。


   

  葉の放射能濃度は<細根+付着土壌>の放射能濃度のわずかに1.2%である。2018年秋の時点で、この地点では、キクの放射性セシウムのほとんどが根と土壌にとどまっており、地上部には移行されていないように見える。


   

スライド1


 図1.細根が切れるので、これ以上土壌をふるい落としできない。右下の根際に小さな分蕨の新芽がある。図2のオートラジオグラフによると、頂点に花が4つあることがわかる。ガイガーカウンターで大まかに植物体表面をなぞると、葉が94cpm、根が1500cpmであった。



 


 
スライド2 

図2.地上部のあちこちの斑点は放射能汚染土ほこりなどによる外部汚染。細根は土壌付着で強烈な放射能汚染。ハレーションを起こしている。

 


 


スライド3 

図3.細根に付着した土壌からの放射能が根よりもはるかに強すぎて、太根がX線写真で見るように、骨のように陰になって写っている。
 



 

   
 
表1.キクの部位別放射能


根付き菊ppt 







  
(森敏)
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