- 2021/01/20 : 私は「当面は(ワクチンを)打たない」といいます
- 2021/01/15 : 「ぼうっとしていたら、大学の機能の大部分はYouTubeにとってかわられる」 かも?
- 2021/01/10 : 日本のマスコミが「勝てば官軍(民主党)」のトランプたたきの論理ばかり展開するのは危険
- 2021/01/08 : あまりにも偏った反トランプ報道に終始してきた世界のマスメデイア
- 2020/12/24 : 手書きで「外すべき者(副長官から)」と記されています
WINEPブログ
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コロナ「ワクチン」本当に安全か
というタイトルで、文芸春秋(2月号)で記者の取材に応じている。
それを、小生流に勝手に要約すると以下のようになる。
現在世界で打たれているワクチンであるファイザー社とモデルナ社のワクチンは、いずれもウイルスの表面から何本も突き出ている「棘(スパイク:Spike)」の部分のたんぱく質の設計図であるメッセンジャーRNAを体の中に入れることで、われわれの体が読んでスパイク蛋白を作り、さらにこのたんぱく質に対する免疫反応を誘導する仕組みです。これは、初めて実用化された手法です。
これに対して従来の、生きてはいるが病原体の毒を弱めた「生ワクチン」や病原体を殺して使う「不活化ワクチン」はこれらを体内に投与し、病原体への免疫反応を誘導するものです。
宮坂氏は、新手法のワクチンのこれまでの治験が適切であったか、副反応がないといえるのか、海外のデータで大丈夫なのか、と疑問を呈し、感染と副反応のリスクを比較して以下のように日本人向けに提案している。
「まずはワクチン接種については一人一人の考え方にゆだねて希望する者に摂取すること。その際の優先順位は、感染すると重症化のリスクが高い高齢者や基礎疾患がある人から始め、若い人を最後にすること」
そして、また、「現時点であなたならワクチンを打つか?」 そう問われれば、私は「当面は打たない」といいます、と宮坂氏は答えている。
この文芸春秋の記事の冒頭に宮坂氏は菅義偉首相と官邸で昼食を共にしてブリーフィングを行ったと書かれているので、多分菅首相もワクチンは率先しては打たないだろう。世界各国首脳が率先してワクチン接種のパフォーマンスをテレビの前でやっているのは、ばかげたことだと思う。
普段は口から入れても消化される遺伝子組み換え食品に反対する日本の消費者が、体の中にいきなりメッセンジャーRNAを筋肉注射されることに抵抗を感じないなんて小生にはちょっと信じがたい。
ファイザー社とモデルナ社のワクチンが数週間か数カ月のあいだは新型コロナにかかりにくい予防効果があるとしても、次々と変異する新しいコロナに対して効果があるかどうかはまだ誰も知らない。ましてや数十年後の副作用は全くの未知である。小生には世界が人類史上、壮大な人体実験をやっているとしか思えない。
武漢発の中共コロナが、有史以来人類の遺伝子をかき回しているのである。おてんとうさまから見れば「なんて地上の人間はとち狂っているのだろう」と笑っているかもしれない。
(森敏)
https://www.youtube.com/channel/UCoxOKSbRGkZSNR7no2-7U9g
1月10日付けの朝日新聞(朝刊)が、「朝日教育会議2020」のページで、早稲田大学で開催された「ポストコロナ時代の日本社会の未来」のプレゼンターである、田中愛治・早稲田大学総長、五神真・東京大学総長、YouTube日本代表・仲條亮子さんの鼎談を紹介していた。
その記事の内容で小生が気になったのは、
「東京大学では昨年4月から5千コマを超えるすべての授業をオンラインで実施している」という点と、
「ぼうっとしていたら、大学の機能の大部分はYouTubeにとってかわられる」
という五神(ごのがみ)真・東京大学総長のつぶやきである。
大学には、今日の中共コロナ騒動のはるか以前から、「学生による授業評価」が実施され、それが定着している。しかし、昨年から導入されたZOOMによる遠隔授業は、学生による授業評価が予測できかねて、これまでなかった強いストレスを現役の教員に与えていると思う。
すでに一年が経過したので、大半の教員たちは授業には慣れたと思うが、そのカリキュラムの作成やプレゼンテーションの工夫に投入させられてきた時間とエネルギーは大変なものがあったのではないだろうか。「いやZOOMによる授業はそんなに大変じゃないですよ」という教員は、学生をなめているのではないかと思う。
五神総長が危惧するように著作権の問題で日本の各大学はこれらの個々の授業を学外に開示できていないが(大学によってはしているところもあるかもしれない)、もし同一科目の一般教養科目(例えば「統計学」)の授業を学外に開示すれば、世界レベルでのその優劣は誰の目にも明らかになると思う。
そうすれば相当数の日本の大学の一般教養の授業は淘汰されうるだろうと思う。東大や早稲田大学の教員のすべての授業が世界最高の魅力あるものだとは小生には到底思えない。だから一般教養科目などに限れば、どこかの大学の誰かの教員を学生が選んで、学生はその先生の試験を受けて評価されればいいと思う。最小限いわゆる大学間での授業の単位の互換性を相性のいい大学間で認めあうだけでも教員の授業に対するeffort(投下労働時間)は、かなり削減できるだろう。
日本の大学の日本人入学生数が毎年減少し、大学が乱立しているので、私学では社会人学生や、外国人留学生を取り込まないと大学の経営が成り立たなくなっている。入ってくる大学生の学習意欲や学力は雲泥の差がある。そういう入学生を教える一般教養課程の授業は、繰り返しがきくZOOM授業で、学力レベルに応じた底上げがこれまでよりも一段と可能になっていると思う。
大学のやり方によれば学生は理解できるまで繰り返し動画の録画を受講できるからである。実際知人のお子さんは、これまで以上に遠隔授業で自宅でコンピューターの前に張り付いている時間が、親が心配になるくらい格段に増えたということである。
小生の教養学部学生時代での大教室で授業を受けてきた経験では、理解ができないか興味が進まないままに授業が進行していくのに、ついていけないでドロップアウトした科目がいくつもあった。うまく構成されたZOOMの授業では、学生に意欲さえあればそういうことは起こりえないのではないだろうか。
そうすれば教員たちは学部の専門課程や大学院課程に進学した教育では、学生との対面で、自分の得意研究分野を、自信をもって懇切丁寧に実践できるので、先鋭的な独創的な指導ができるはずである。
もっとも重要なことは、教養課程の授業にエネルギーを割かなくてよくなる分、現在多くの大学で毀損している教員の研究時間が豊富に得られうるという、大学本来の目的に回帰できるという大きな利点があると思う。
ただし、以上のような大学本来の研究機能を回復するためには、この朝日教育会議の記事の中で仲條亮子さんが紹介しているような、葉一(はいち)さんや、たくみさんやエデイー・ウーさんなど、個人や予備校などのYouTuberに対抗できる高度の一般教養課程の個々の授業を各大学が早く確立することが条件になるだろう。
そのためには教員間の授業参観による相互批判と研鑽などが必須であると思う。
五神先生、YouTubeに負けないように!
コロナ禍のピンチはチャンスです。心からご健闘を祈ります。
(森敏)
付記:以下に、「放射線像」の YouTubeを継続発信しております。ご笑覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UCoxOKSbRGkZSNR7no2-7U9g
自ら播いた種の結果かもしれないし、そうではないのかもしれない。その辺は実に情報が錯綜している。
しかし、ネットで出回っている映像で見る限り、この国会議事堂でのカオスの修羅場が、冷静な共和党のペンス副大統領の指揮によって、議事が強硬に再開されて、辛くも貫徹されたように見えることは、この際ペンスを称賛しなければならないだろう。
この1月16日の5人もの死者が出た出来事は、刑事事件として、逮捕された50人余りの証言を中心に、いずれ徹底的な詳細な事実経過の報告書が裁判で開示されることになるだろう。
優秀なルポライターにとっては、この一日の歴史的な出来事は、検察側の調書が出そろわなくても優に映像やインタビューから一冊の本を書き上げる重厚なテーマであると思う。彼らによる多面的な取材記録が早急に世の中に開示されることを期待したい。裏の真相が闇だからである。
今回の件では、アメリカの主要マスコミはほとんどが民主党側からの観点からの報道に終始していたし、日本のマスコミ報道も、アメリカの主要マスコミの報道や写真映像の受け売りであるので、我々日本人は、冷静に事態を、判断しなければならないと思う。日本のテレビ局や新聞各社は、事大主義なので、大勢に流されてしまいがちであるからである。
日本では「勝てば官軍のような」トランプが気違いであり、民主党バイデンが正義の救世主であるかのような論説が早くも横行し始めている。小生はトランプの4年間の業績は正当に評価されるべきであると思う。
日米の経済人からすれば、対中経済政策がころころ変わるトランプには、ついていけないところがあったことは大いに理解できる。しかし、中国共産党が「超限戦」で、情報戦を仕掛けており、アメリカ社会に深く静かに浸透してきており、アメリカ社会が危機的状況になりつつあったことを、アメリカ国民に覚醒させたトランプの功績は正当に評価すべきだ。その意味において、去り行く(?)トランプの云うように戦いは今始まったばかりであると思う。
以下に転載するのは、現地共和党支持者への取材記事である。なかなか読ませると思ったので、無断転載させていただいた。
NEWポストセブン
トランプ去っても今度は「バイデン独裁」に苦しむアメリカの憂鬱
2021/01/10 07:05
連邦議事堂へのトランプ支持者の乱入事件で、アメリカ政界の「トランプ離れ」は急速に進んでいる。しかし、それで国と国民の分断が解決する見込みは薄い。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏が、現地にいればこそ見えるアメリカ人の憂鬱をリポートする。
* * *
アメリカに永住して46年経った。今回の一連の事件、つまり極右勢力による議事堂襲撃という最悪の事態に対し、日本をはじめ諸外国ではアメリカが危機に瀕したと報じられている。しかし、筆者はそうは思わない。世界の多くの国が似たような危機を経験したが、たいていの国は再び立ち上がり、より豊かな、より良い国を国民が作ってきたと信じている。国は大統領や議会が作るのではなく、国民が作るものである。犯罪や民主主義を脅かすような間違った行動に出る大統領や議員を排除する権利を国民は持っている。
今日のアメリカの課題は、そのような大統領や議員の行動・信条を、国民が知るすべを持っているかということだ。その役割を果たすのがニュースメディアであることは間違いないが、そのニュースメディアはいま、保守派とリベラル派に分かれ、国民を真っ二つに割るばかりだ。政治家と同じ土俵に上がってしまったのである。どのような出来事にも右左の価値観を当てはめ、安易な報道をするから国民が右往左往する。
本題に入ろう。議事堂の暴動を受け、下院議長のナンシー・ペロシ氏(民主党)は、残り10日あまりで大統領職を退くトランプ大統領を弾劾すると息巻いている。同議長に問いたいのは、「退職を目前に控えたトランプ氏に大統領失格の衣を着せて辞めさせることで何が解決するのか」だ。トランプ氏と共和党を辱め、また新たに敵対心、復讐心を起こさせ、次の4年間も泥仕合を繰り返すだけではないだろうか。
大統領選は、いつでも憎しみに満ちた戦いだった。お互いのスキャンダルを探し、「Gotcha!(ガッチャ)」(Got you!の略で、この場合は相手の弱みを「見つけた!」と喜ぶ言葉)と叫び、ひたすら攻撃する様を繰り返し何度も見てきた。候補者の世界観、国家論、そして人間の見方、価値観を堂々と戦わせた大統領選などなかったように思う。
4年前、トランプ氏がヒラリー・クリントン氏を破った選挙はその典型だった。その1年前に上梓した拙著『なぜヒラリー・クリントンを大統領にしないのか?』で筆者は、クリントン氏はスキャンダルまみれになって勝てないと予測したが、さすがにトランプ氏が大統領になるとは夢にも思わなかった。彼が最もうまくライバルの弱みを攻撃したからだろうが、そういう選挙の在り方が何を招くか、アメリカ国民は歴史的な教訓を得たであろう。
長年の友人で、ウォール・ストリートのエリートであるポールと話した。彼は大手投資銀行に勤務する筋金入りのトランプファンだった。「トランプは終わった。おそらく議事堂事件は、そうなることを望んだ勢力の罠にはまったのだと思うが、それを論じるのは適切でない。挑発に乗って怒り狂い、冷静さを失ったトランプは、大統領には不向きだったと言うしかない。しかし、ペロシの弾劾の動きも冷静ではない。勇み足だ」と語った。
トランプ氏への未練はないようだが、興味深いのは次期大統領となるバイデン氏への評価だった。
「一番責任を問われるべきはバイデンだと思う。一連の事件から大きく距離を置き、困難から完全に逃げて、コロナ、経済、人事のことばかり話している。選挙中も、ほとんどトラプと彼の政策に触れなかった。攻撃的な言葉を避け、なるべく共和党に隙を見せない守り一辺倒のやり方だった。しかも、自らの政策はどれも抜本的に国を変えるようなものではなく、オバマ政権の副大統領時代に言っていたことと同じだ。違うことといえば、ホワイトハウス、上院、下院のすべてを握ったので、思い切った左寄りの政策ができることだろう」
これも日本など海外では評判のいい「ダイバーシティ人事」も、ポールから見ると小手先の政治であり、むしろ新政権の弱みになる。
「今日のテレビ演説でバイデンは、『私の政権では、これまでにない多くの女性を行政トップに任命し、マイノリティを過去最大に登用した』と胸を張っていたが、それとアメリカが直面する重要課題にどんな関係があるというのか。黒人であろうと白人であろうと、仕事をする人間を黙って選べばいいだけだ。そんな見せかけの改革しか語らないから、その隙に社会主義者のサンダース一派が勢いを得ている。彼は上院銀行委員会の委員長を狙っている。そんなことになったら、ウォール・ストリートは大変なことになる」
バーニー・サンダース氏は民主党きっての左派で、反トランプの若者たちの人気が高い。ポールは、「ホワイトハウス、上院、下院を握ったことで、民主党は増長している。党がすぐに内部抗争に陥ることは火を見るより明らかだ」と予測する。
「共和党支持を続けるのか?」と聞くと、「我が家は、先祖がアメリカに移民して以来、ずっと堅い共和党支持だ。私もそれを守る」と言った。これまで何度も聞いた言葉だ。アメリカの左右分裂はそう簡単には変わらない。最後に、「バイデン氏が本気で国を変えようとするなら、共和党から有能な議員を一本釣りして閣僚につける手もある」と言うと、「それはすばらしい案だ」と賛成したが、「勢いに乗る民主党には、そんな考えは露ほどもないだろう」と首を振った。
(森敏)
付記:以下に、「放射線像」の u-tube 継続しております。ご笑覧ください。
・ https://www.youtube.com/channel/UCoxOKSbRGkZSNR7no2-7U9g
しかし選挙での敗北を認めてはいない。
以下の動画(一般社団法人JCU提供)を最後まで見れば、明らかなように、日本も含めて、世界の主要なマスコミがこれまで終始一貫して反トランプ報道に偏った報道をしてきたことかがわかると思う。
1月6日の国会議事堂前やニューヨークのトランプタワー前でのこの100万人の圧倒的な行進集会を、どの日本のマスコミが動画で伝えただろうか? 各紙の編集部は現地の特派員から送られてくる生の熱狂的な映像を、意識的に削除していることが分かるだろう。
1月6日に100万人のトランプ支持者-あなたの思い - YouTube
ずっと見ていると、トランプ支持者の熱い情熱が伝わって来るだろう。
トランプ米大統領「新政権が20日に発足する」 事実上の敗北宣言
2021.1.8 11:05産経新聞
【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は7日、ツイッターに動画を投稿し、「議会は選挙結果を確定させた。新政権が1月20日に発足する」と述べ、民主党のバイデン次期大統領の勝利を事実上認めた上で、「円滑な政権移行」を進めていくことを約束した。トランプ氏は自身の「敗北」に直接言及しなかったが、事実上の敗北宣言と受け止められている。
トランプ氏は、自身の扇動によって起きた6日の支持勢力による連邦議会議事堂の占拠事件に関し「憎むべき攻撃だ」と初めて非難し、「議事堂に侵入した抗議者らは米民主主義の中枢を汚した」と強調した。
トランプ氏はその上で「私の目下の関心は、円滑かつ秩序だった、継ぎ目のない政権移行を確実に進めることに移った」とし、米国民に「癒しと和解」を呼びかけた。バイデン氏の名前は一切出さなかった。
選挙結果で自身が敗北したことを認めず、法廷闘争を展開し続けてきたことに関しては「投票の完全性を確保し、米国の民主主義を守るために戦っただけだ」と主張。これまでの「選挙に大規模な不正があった」との言い分には触れず、将来の選挙への信任を高めるために選挙法の改正を進めるべきだと訴えた。
さらに、「大統領として国民に奉仕することができたのは一生の栄誉だった」とした。支持者らには「失望したのは分かるが、私たちの素晴らしい旅路は始まったばかりだ」と語り、今後も政治活動を続けていくことに含みを残した。
(森敏)
追記:上記のYouTubeの動画は、消去されたようだ。トランプにとって有利な動画が次々と消されているのだろう。
恐ろしい管理社会が到来したもんだ。
日本学術会議 おととしの人事順位「入れ替えるべき」官邸異論
2020年12月24日 1時22分
おととし、日本学術会議の会員人事で学術会議が挙げた候補者に総理大臣官邸が難色を示したことをめぐり、当時の学術会議の会長が、官邸側から「1位と2位を入れ替えるべきとの発言があった」とその具体的な内容を説明していたことが、NHKが入手した学術会議の内部文書で分かりました。
日本学術会議の会員をめぐっては、ことし6人の候補が任命を拒否される前から、総理大臣官邸が、学術会議側が挙げた候補者に難色を示すなど人事に関与していたことが、学術会議の複数の元幹部への取材でわかっています。
NHKはおととしと4年前、定年で退任する会員の補充人事をめぐって学術会議が開いた選考委員会の議論を記録した内部文書を情報公開請求で入手しました。
それによりますと、まず、おととしの人事について、当時、学術会議の会長だった京都大学の山極壽一前総長は、任命手続きが円滑に進むよう官邸側に「候補者の現状」を説明したことを明かしたうえで、退任する会員の後任として挙げた2人の候補者について、官邸側から「原案の1位と2位を入れ替えるべきとの発言があった」とその具体的な内容を説明していました。
学術会議側が2人の候補者に順位をつけて官邸側に示したところ、これに異論が出されたことを意味する説明です。
このあと山極氏は「理由については特段の説明は受けていない」と話し、翌月に行われた選考委員会では「再度、感触をうかがってみたところ『総合判断である』と言われた」と説明していました。
また、今回入手した内部文書によりますと、その2年前の2016年には、当時、会長だった東京大学の大西隆名誉教授が、退任する3人の会員の補充人事をめぐって開かれた選考委員会で経緯を説明していました。
この中で大西氏は、3人の後任として2人ずつ、合わせて6人の候補者を、それぞれ「1位」「2位」と順位をつけて示したところ、官房副長官からの回答は学術会議側が「1位」とした人ではなく、「2位」の候補者のうち2人に丸印をつけたものだったと述べていました。
このあと大西氏は「改めて官邸に行って官房副長官と話をしてきたが、理由については明言しないとのことであった。ただし、順番が明記されていることに異論が述べられた。次回以降について、官邸側は、推薦順位をつけない名簿の提示を期待している」と説明していました。
おととし、4年前ともに学術会議側は候補者を差し替えず、退任後は欠員状態が続きました。
政府は24日、日本学術会議の在り方をめぐり政府としての考え方を直接、伝える方針です。
「断固抗議すべき」委員から懸念の声
NHKが入手した4年前の選考委員会の議事の記録からは、当時の会長の説明に対し、委員から懸念の声が相次いでいたことが分かります。
ある委員は「学術会議は独立して活動を行う機関であり、よほどの理由がないかぎり、学術会議からの推薦者をそのまま任命するのが当然で断固抗議すべきと思う。官邸の方針に従って候補者を差し替えてはならない。政治的任用に近い形にされたら独立した提言などもできなくなる」と述べています。
また、別の委員は「任命権者の代理者である官房副長官が理由を明言しないということが理解できない。理由がないかぎり、受け入れることは難しい。きちんとステップを踏んできた、われわれの決定が尊重されないのでは今までの真剣な議論は何だったのか」と話しています。
さらに「重要な問題が起こった。理由もわからないまま官邸の意向をのめば、これが前例となり、理由不明のまま会員が選ばれる事態が恒常化してしまう。今回、きちんとした対応をすることが重要だ」と述べた委員もいて、総理大臣官邸の関与に対し、当時から、学術会議側が問題意識を持っていたことが見て取れます。
ことしの会員任命めぐる内閣府文書に「外すべき者」
今回、NHKが情報公開請求で入手した資料の中には、ことしの会員任命をめぐって内閣府が作成した、政府の意思決定の過程に関する文書があります。
この中の1つには、6人を除外して99人を任命する人事が起案された日と同じ令和2年9月24日という日付とともに、手書きで「外すべき者(副長官から)」と記されています。
ただ、これ以外の部分は黒塗りになっていて、内容を知ることはできません。
この文書は今月11日に開かれた参議院予算委員会の理事懇談会でも議論になり、政府側は文書に書かれている「副長官」が杉田和博官房副長官だと説明しましたが、黒塗りになっている部分に何が書かれているかについては「人事に関することなので答えられない」として説明しなかったということです。
同じ日、加藤官房長官は記者会見でこの文書について「総理の判断が内閣府に伝えられ、事務方が記録したものだ」と述べています。
付記:以下に、「放射線像」の u-tube 継続しております。ご笑覧ください。
・ https://www.youtube.com/channel/UCoxOKSbRGkZSNR7no2-7U9g