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2024-05-12 14:20 | カテゴリ:未分類
  以下の日本学士院のホームページに、極めて重大な注目すべきことが、学士院会員喜田宏氏によって寄稿されている。

タイトルは「新型コロナウイルス感染症パンデミックを振り返る」である。

https://www.japan-acad.go.jp/japanese/publishing/pjanewsletter/016topics.html

または

PJAニュースレターNo.16 日本学士院

から検索できます。

 2019年11月に中国武漢市で認められた肺炎集団感染事例に始まる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)は、これまでに7億6千万を超える人に感染し、約700万人を死亡させた未曽有のパンデミックを起こし、世界を翻弄した。

から始まるこの短い報告は、喜田氏が

WHOの国際保健規則COVID-19緊急委員として、2020 年1月22日と23日に開催された第1回緊急委員会(EC)電話会議から2023年5月4日の第15回オンライン会議すべてに出席して、パンデミックの克服に向けた議論に参加した経験からの報告です。

小生はCOVIDー19(別名中共ウイルス)が流行して以来ずっと、日本政府の専門家会議やマスコミに喜田氏の名前が登場しないことが非常に不思議でした。彼は、世界一の鳥インフルエンザウイルスの権威であることをよく知っていたからです。この件に関して、喜田氏は

:::::::::::WHOの緊急委員会(EC)に参加する会議ごと秘密保持契約を交わしたので、メデイアの取材は、すべて断っていた。いまこのCOVID-19の緊急委員会を卒業し、国際機関と各国の限界を知った今、日本の対応を改善するための意見を述べたい。:::::::::とのことで論説を続けている。

喜田氏の論説は細部にわたって端正に描かれているので、なかなか簡潔に引用しにくいのですが、小生にとって重要と思われる部分に限って赤字を入れて強調して無断転載させていただきます。おそらくマスコミも含めて多くの方には、この日本学士院のニュースレターは目に留まることがないと思われますので。  

 第1回のECでは、中国の委員から、「本病は武漢の海鮮市場で発生した人獣共通感染症で、人から人への感染は僅かであり、収拾に努めている。」との説明があった。私は、「人獣共通感染症対策の要は、病原体の自然宿主と人への伝播経路を明らかにすることである。先ずCoV-2の人への伝播経路を明らかにするために、海鮮市場の動物、まな板、下水と人の疫学調査を実施すべきである。」と述べたところが、翌23日に武漢の海鮮市場は閉鎖され、立ち入り禁止となったことに驚いた。23日のEC会議でも納得できる情報が提供されなかったので、1週間以内に正確な情報を収集した上でEC会議を開催するよう提案した。

 2020 年1月29日に開催された第2回EC会議で本感染症が国際的に懸念される公衆衛生危機PHEIC (Public Health Emergency International Concern) 状態であることが確認された。WHOの事務総長のDr. Tedrosはこれを受けて1月30日にPHEIC宣言を発出した。

 2021年7月15日に開催された第8回EC会議では、研究、診断、変異ウイルス株とワクチンに関して議論された。その中で、2回のワクチン接種の上に3回目をブースターワクチンとして接種する提案が先進国から出されたことに対する意見を求められ、私は、「ワクチンは、2回接種で、感染による発症・重症化予防効果を示すものでなければならない。2回接種後に感染した場合こそ真のブースター効果が期待される。ワクチンを3回以上接種する意義はないものと考える。ワクチンが余っているなら、足りない国に回すべき。」との意見を述べた。その後これがWHOの方針となった。日本では7回も接種を受けた人が大勢いることを恥ずべきではないか。

 2021年10月22日の第9回のEC会議では、ワクチンの接種率が5%に満たない某国の委員がCOVID-19の致命率が季節性インフルエンザと同程度となったので、PHEIC宣言を撤回すべきであると提案した。私はそれに強く反対し、次の意見を述べた。「死亡率などは、数値のみに頼ってはいけない。感染が全世界に拡がっているので、一般の人々の免疫状態が、重症化と致命率を低く止めていると捉えるべきである。免疫機能障害者や高齢者の重症化と死亡例が減少していないことに注意を払うべきである。さらに、世界の感染者数は増加している。ワクチンと治療薬の開発が未熟である。このウイルスの病原性が高いのは、Sタンパクにフリン開裂部位(塩基性アミノ酸の連続配列)があるために、全身感染を起こすからである。この部位が、何時、何処で如何に挿入されたかを明らかにしなければ、本当の解決につながらない。」

 これが他の委員の賛同を得て、PHEIC宣言の終了提案は却下された。以後2023年1月7日の第14回ECまで反対を続けた。同年5月4日の第15回委員会で、委員長の指名に応え、PHEICの終了を是とする発言をした。その理由として、感染者数の増加が減速し、良い治療薬(ゾコーバ: シオノギと北大の共同研究成果)が開発・実用化されたことに加え、良いワクチンの開発に目途がついたことを挙げた。ただし、PHEICの解除にあたり、次の条件を付すべきことを強調した。すなわち、「SARS-CoV-2の起源が不明のままであることと、そのSタンパクにフリン開裂部位の挿入があるために全身で増える特徴があることから、引き続き警戒を怠ってはならない。また、流行が終わったわけでもない。」5月5日にTedros事務総長は、これに沿ったPHEIC 終了宣言を発出した。

 WHOのECは、19カ国から1人ずつ選ばれた専門家で構成されていた。さらに、国際機関や研究所を代表する専門家12名のアドバイザーが参加して活発な議論が展開された。また、会議の冒頭でWHOの専門職員5名が、それぞれ10 分間で現時の世界の疫学情報を要領よくまとめて提供し、その後にECの議論が3~4時間にわたり進められた。

 これまでの日本のパンデミック対応には不安を感じる。政府と専門家会議のやりとりだけで対策を決めているのは日本だけである。対策も研究も主に米国に追従している。日本の関係予算は極めて少ないので、米国の真似はできない。日本独自の研究と対策を推し進め、世界を先導する術があるはずである。産・官・学(特に基礎、臨床、病理、免疫アカデミア)の連携で的確な研究と対策を進めなければならない。次のパンデミックに備えて、システムを改善、確立しておくべきものと考える。



付記:いささか専門的すぎるかもしれませんが、喜田先生が強調する
Sタンパクのフリン解裂部位のウイルス感染における存在意義とは、AIによれば、以下の通りです。

SARS-CoV-2のSタンパク質(スパイクタンパク質)には、フリンというプロテアーゼによって切断される「フリン開裂部位」が存在します。この部位はS1とS2の境界に位置しており、12個のヌクレオチドが挿入されていることで形成されます。この挿入部位はSARS-CoV-2が他のコロナウイルスと比べて高い感染性と伝播性を持つ一因とされています。

SARS-CoV-2の感染プロセスは次のように進行します:

ウイルスのSタンパク質が宿主細胞のACE2受容体に結合します。
Sタンパク質はフリンとTMPRSS2というプロテアーゼによってS1/S2部位で切断され、融合ペプチドが露出します。
この融合ペプチドが宿主細胞の膜と融合し、ウイルスのRNAが細胞内に放出され、ウイルスの複製が始まります。
フリンによるSタンパク質の切断は、ウイルスの感染性と細胞間の融合を促進しますが、必須ではありません1。フリンが欠損している場合でも、S1-S2の切断は完全には防がれず、SARS-CoV-2の感染と細胞間の融合は減少しますが、完全には阻止されません。これは、フリンを標的とした抗ウイルス療法がSARS-CoV-2の感染を完全に防ぐわけではない可能性を示しています。

以上の情報から、SARS-CoV-2のSタンパク質に存在するフリン開裂部位がウイルスの感染と複製に重要な役割を果たしていることがわかります。しかし、フリンの役割はまだ完全には解明されておらず、今後の研究が待たれます。
2023-10-18 16:04 | カテゴリ:未分類

「文芸春秋」社は創始者菊池寛の精神の伝統を守って、ときどき検察と司法がグルになって、無法に長期にわたって獄中に収監された被告の手記を歴史的に優先的に公開している。のちに無罪であったり有罪であったりに関わらず。

権力によって不当に命の危険にさらされた獄中生活者の経験の手記は、抜群の一次情報として、誰が読んでも胸を打つものがあるからであろう。

文芸春秋の11月号には、角川歴彦(前)会長の東京オリンピックに関わる賄賂の問題で、何回も検事による一見柔和な尋問を受けているときに、ある日突然、「あなたを逮捕します」と強制的に逮捕・収監されて、その後226日も小菅刑務所に拘留され続けた手記が公開されている。

高齢者である角川さんは、何度もいくつかの命に係わる持病で、その発症のたびに獄中からの保釈申請を出していたのだが、その都度裁判所に「証拠隠滅]を理由に却下されている。裁判所の判事が検察官とぐるになって収監されている被告の獄中死を何とも思っていない冷酷さを、恨みを込めて告発している。角川さんが検察が作成した調書に不本意であるので、決して署名しないからである。完全ないやがらせによる長期拘留である。

角川さんの手記のタイトルは以下のとおりである。

KADOKAWA前会長 角川歴彦
我が囚人生活226日


「人質司法という問題を自らの経験から指摘したい」
検察の暴走を訴える痛哭の手記

という長いもので、文章中のサブタイトルは
〇娑婆に出てきた喜び
〇不意打った逮捕します
〇拘置所の思想
〇冤罪を生む温床に
〇「死なないと出られません」
〇小菅で読んだ獄中俳句
〇釈放が決まった瞬間
“人質司法禁止法” 制定を


である。

小生の記憶では厚労省元局長であった村木厚子さんの印鑑偽造事件というでっちあげの冤罪の手記が、文芸春秋に載っていて、印象に残っているが、検察の取り調べの内容は今回の角川歴彦さんの場合と似ていたように思う。

日本における過去の多くの冤罪事件は以下のホームページに満載されている。
Category:日本の冤罪事件 - Wikipedia

戦前戦後一貫して、日本は冤罪製造国家であり続けている。


(森敏)


追記:大川原化学工業事件では、中国への輸出禁止品目を輸出したとして、代表取締役らが逮捕投獄されて、実はこれが捏造であるということを、当時の取調官が告白して、無罪が発覚し、検察庁は控訴を取り下げた。しかし被告の一人である相談役は病死した。この損害賠償裁判が本日(12月27日)結審する
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f2b7c8e7a63efa9a19edaf9036152ab9f0285bf
2023-09-22 16:26 | カテゴリ:未分類

五木寛之さんが週刊新潮の連載随筆「生き抜くヒント」で
私が相続したもの というサブタイトルの文章の最後を、

:::(親から)相続すべきものは今は無い。とにかく親の昔話をできるだけ多く聞くことである。それこそが本当の相続なのではあるまいか。

と締めくくっている。

これを読んで腹の底から同感した。

今、思い浮かべても、明治37年高知県生まれの父親の幼少期や、成人して結婚するまでの昔話などは、10指にも満たない。言わんや大正14年占領地台湾で生まれている母親においては5指にも満たないエピソードだけである。

二人とも戦前戦中には中国大陸で、波乱万丈の新婚後の経験をしてきているはずだが、食卓でもそういう昔話はほとんど聞かされなかった(と思う)。小生が7番目の子供であったためか「こんなちびに話してもわからんだろう」と父親にはずっと死ぬまで思われていたと思う。

そういえば、今から考えると、父親の生涯を通じて、小生が父親と差しで話し合った記憶が皆無である。父は高知の「いごっそう」の典型的な亭主関白であったし。

しかし、小生自身が「新老人」の今では、そういう両親の生涯の記憶のパズルの空白の部分を無性に埋めたくなっている。すなわち「親の昔話」という遺産相続の貧困さに今さらながらほぞをかんでいる。頭が何となく空腹感で満たされないままである。

小生自身が父親のいごっそうの気質を汲んでいるようなので、「父ちゃんの昔はどうだった?」と、子供たちに聞かれた記憶はない。孫たちも毎日の生活が楽しすぎて、ジジババの昔話何ぞは今のところ金輪際興味がないようだ。

子孫たちは、きっと年を取って「親の生涯記憶」という遺産の貧困さに後悔することだろう、と思う。


(森敏)
2023-09-12 20:11 | カテゴリ:未分類
私見ですが、ウクライナ戦争の渦中で、数々の国際会議の場でせっかく顔が世界に知れわたったのが林芳正外相です。

林外相は一昨日(9月9日に、ウクライナの首都
キーウでゼレンスキー大統領と会談したばかりです。


岸田内閣改造でこの林氏を新しく外交がど素人の上川陽子さんに変えるのは適切ではないと思います。

こんなことでは日本は本気で外交していないと思われるでしょう。

ふてぶてしい面構えのロシアのラブロフ外相は、過去19年にわたって現在も外相を務めています。

こんなにコロコロ外相が変わっては日本外交が舐められるのは必定でしょう。

実に情けない。

内閣が変わっても(有能な)外相はころころ変えるなと言いたい。



(森敏)

追記1:産経新聞によれば、本日午後の記者会見では、林を上川に変えたのは以下の理由らしい。
自分自身が首脳外交をやるので、目立つ林に退いてもらって、上川は飾り物外相にするということだろう。


首相会見 外相交代の理由聞かれ「林氏は有能だが…」

岸田文雄首相は13日、同日に行った内閣改造で林芳正前外相を続投させず、後任に上川陽子元法相を起用した理由について「従来の林大臣も大変有能な大臣だったが、党内における有能な人材にもそれぞれの力を発揮してもらう。こうした態勢を組むことも、より外交を前進させていくうえで意味があると考えている」と述べた。

一方、自身が外交を主導したい考えもにじませた。安倍晋三内閣で4年7カ月の外相経験を持つ首相は「私も長く外相を務める中で、首脳外交の重要性を痛感した。首脳外交において大きな役割を果たしていきたい」と強調した。

追記2: 14日の産経新聞によれば

林芳正外相は13日午前、外務省で記者団の取材に応じ、「今日で外相を退任することになった。令和3年秋に就任して以来、歴史の転換期とも言っていいような時期だったが、あっという間に駆け抜けたという印象だ」と述べた。

林氏は、昨年2月から続くロシアによるウクライナ侵略や先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)のほか、関係改善が進んだ日韓関係に言及し、「世界の分断から協調へ、日々努力をしてきた」と振り返った。

後任の上川陽子氏については「外交一日一日、待ったなしだ。しっかりとバトンを引き継ぎ、外交に滞りがないように後押ししたい」と語った。

追記3:こんな考察もなされている。林外相の更迭は失敗人事と言えるのではないか。
 
以下は日刊スポーツ新聞社 によるストーリー

第2次岸田再改造内閣は13日、正式に発足した。
今回の内閣改造をめぐっては、外相の留任が確実視されていた林芳正氏が退任し、同じ岸田派の上川陽子氏に交代。この人事は、今回の内閣改造「最大のミステリー」と臆測を呼んでいる。 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、林氏を岸田派の後継者として早く育てたい首相が、閥務(派閥内の業務)に専念させるためにあえて閣僚から外したのではないかと分析した。内向きな理由にも見える外相交代劇の背景について、角谷氏に話を聞いた。
◆  ◆  ◆
林氏は対中関係でも重要な役割を担っていただけに、交代には外務省もびっくりしただろう。一方、現在岸田派は総裁派閥にもかかわらず「ポスト岸田」が見当たらない。2世議員で性格も穏やかだが、気が利くタイプではないというのが、周囲の林氏評。参院から前回の衆院選でくら替えしたばかりだが衆院初当選直後に外相となり、衆院議員としての派閥での振る舞い方もほとんど知らない。岸田政権もいつまで続くか分からず、今後も「宏池会時代」を続けるには林氏を育てるしかないと、首相は考えたのではないか。「林派」に向けた第1歩だろう。 後継者がおらず、混乱している安倍派を目の当たりにした影響も大きいはずだ。派閥の体制がしっかりしているかどうかは、首相が最も重視する来年の自民党総裁選再選戦略そのものに関わってくる。首相は、急ごしらえでも派閥の「顔」を育てる必要性に、駆られたのではないかと思う。

追記4: 上川陽子さんは「女性ならでは::::」と外相就任時の発言をしていた。
外務大臣に女性も男性もないだろう。
まず最初に国際情勢として ウクライナ を語らなくてどうする。
顔が国内に向いていているんだ。 先が思いやられる。
英語が喋れるだけが能じゃない。
急速に勉強して外交力をつけてほしい。

追記5:テレビを見ていて、国連での日米外相会議に出席しているブリンケン国務長官の上川外相に対する柔和だが不安げの目つきが印象的だった。明らかに値踏みされている。
予想通りというか、上川外相は「女性問題」を筆頭に切り出しているようだ。外交で優先順位を女性問題にしたがっているようだ..しかし、世界でもまれにみる男尊女卑の日本が、外交で女性問題を主張しても全然受けないだろう。ちょっとピントがずれている。大丈夫か?

「::::::::
上川陽子外相は18日夜(日本時間19日午前)、米ニューヨークでブリンケン米国務長官と会談した。両氏の対面での会談は初めて。覇権主義的行動を強める中国を念頭に、台湾海峡の平和と安定の維持や、東・南シナ海での国際法順守の重要性を再確認した。ロシアによるウクライナ侵略や、北朝鮮による核・ミサイル開発や拉致問題への対応でも緊密に連携することで一致した。
会談で上川氏は「女性や平和、安全保障の分野での協力を密にしていきたい」と述べた。ブリンケン氏は「共にやるべき仕事が多くある。日米間のパートナーシップがかつてないほど強固で重要であるという事実を反映したものだ」と強調した。」
両氏は、日米同盟の抑止力・対処力のさらなる強化に向けた具体的な協力の深化に関する議論を継続することで一致。米国の「核の傘」を同盟国に広げる拡大抑止の強化に向け、さまざまなレベルで緊密に協議することも確認した。


2023-07-26 16:34 | カテゴリ:未分類

康保険証の2024年秋廃止方針、河野デジタル相「待ったなしだ」…期限延長しない意向
読売新聞 によるストーリー • 9 時間前

 マイナンバーカード問題に関する参院地方創生・デジタル社会特別委員会の閉会中審査が26日午前、開かれた。河野デジタル相は健康保険証とマイナカードを一体化する「マイナ保険証」に関し、「メリットは非常に大きい。医療DX(デジタルトランスフォーメーション)は待ったなしだ」と述べ、健康保険証を2024年秋に原則廃止する方針は変更しない考えを示した。
 マイナ問題を巡っては、マイナ保険証に別人の情報がひも付けられる誤りが相次いでいるほか、埼玉県所沢市がマイナンバーの誤登録により、別人の公金受取口座に振り込みをしていたケースも明らかになっている。与党内からもマイナ保険証への一体化の期限について延長を求める意見が出ているが、河野氏は「保険証を廃止し、マイナカードの利用に統一した後も安心して保険診療を受けていただけることに変わりはない」として、延長しない考えを示した。
 河野氏は、最長1年間は発行済みの現行保険証を利用できる経過措置も設けているとあらためて説明し、「この期間も使いながら丁寧に説明し、不安払拭(ふっしょく)に努めていきたい」と強調した。デジタル庁が個人情報保護委員会による立ち入り検査を受けたことについては「個人情報保護に関する重大な事案が起きてしまったと認識している」と述べた。

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 大学を退職したときに財布に入るカード大の「名誉教授の証」をもらったが、これが大学の外で身分証明書として役にたったことはこれまで一度もない。

  小生は車に乗らないので (乗ると人をひき殺す自信があるので) 車の免許証を一度も持ったことがない。運転免許証は顔写真があるので、日本のどこでも本人確認には最高に威力を発揮するようである。

  最近、小生は体調不良で国際学会にも過去10年ばかりは外国出張していないので、パスポートも2027年には切れる。延長申請するつもりもないし、外国人でもない限り、普段は日本人が日本国内でパスポートを持ち歩くことなんか無いだろう。だがこのパスポートも写真付きなので、本人確認には日本の役所では重宝がられているようだ。

  というわけで小生にとっては、健康保険証は「命綱(いのちずな)」といってもよい。定職を持たない後期高齢者などは、みんながそう思っていることだろう。

  国民総背番号制 (マイナンバーカード) が定着したから、国民の資産がくまなく紐付(ひもづ)けられて政府当局には丸見えになったので(つまり、国民一人一人の全財産が可視化されるので)、タイやインドの「経済が飛躍的に発展している」と報じられている。

それは事実かもしれないが、これらの国の行く先は、経済合理性を極めた末に、そのまま放っておくと中国のような人権無視の弱者いじめの独裁国家になるのがオチだろう。日本も後塵を拝するつもりなのか、小生には河野デジタル相はIT企業に尻を叩かれて血迷って旗を振っているとしか思えない。

  病院に行って、窓口で「健康保険証」を見せて、診察や治療を受けて、病院窓口で受診料を払い、医者に薬の処方箋をもらって、薬局で薬を出してもらって、お金を支払うときが一番「あー俺は日本国民でよかった」と実感するときである。

医学の発達に感謝しつつも、不遜な話かもしれないが、一方では小生の壊れつつある体が、巡り巡って、医薬品業界や、医療器機メーカーの発展にも貢献して、ひいては日本の GDP(国民総生産) の向上にも貢献しているんだろうなと、勝手に思うことにしている。

  紙ベースの「健康保険証」こそは日本国民としての強固な identity (存在証明)の基盤であると思う。

  その意味で、小生は紙の健康保険証の廃止には断固反対である。
    
   
 (森敏)
FC2 Management