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2020-08-16 16:03 | カテゴリ:未分類
   以下は、来る2020年9月8日から9月10日にかけて、新型コロナ流行が収束しない影響で、 on-line で開催される、日本土壌肥料学会岡山大会での講演要旨の中から、東電福島第一原発暴発由来の放射性降下物(フォールアウト)の、農地土壌汚染対策に関わる研究題目を、選抜したものです。
   
  左端のナンバーは講演要旨のなかの、講演部門ナンバーである。発表の共著者名は、全部書くと長くなるので筆頭著者と最後尾著者名だけを示しています。
 
  放射能汚染現場に立脚した研究テーマが、生態系レベルから遺伝子レベルまで、多面的な展開の様相を呈していることが見て取れます。
  
  これまでにない、新しい発明や発見が生まれることを期待したいと思います。



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4-3-2 イオンビーム照射によるダイズのCs低吸収突然変異体の作出  川端美玖…頼泰樹

 

8-1-1 アマランサス(Amaranthus species)の導管液に焦点を当てたCs吸収(第2報)  村上敏文・・・小林浩幸

 

8-1-2 圃場内における交換性カリ含量のばらつきの補正によるコムギの放射性セシウム蓄積性の品種間差異の解析  久保田堅司・・・・信濃卓郎

 

8-1-3 放射性セシウム対策水田における灌漑水量調節によるカリウム流亡抑制効果の検証  錦織達啓・・宮津進

 

8-1-4 QTL-seq解析およびHRM解析によるダイズの放射性セシウム吸収に関与した遺伝マーカーの探索  宇多真梧・・・・福原いずみ

 

8-1-5 福島県相馬郡飯館村の農耕地土壌におけるNH4+濃度変化とCs脱着率の関係解析  浅野育美・・・・矢内純太

 

8-1-6 機械学習による土壌特性値空間分布の推定―放射性セシウム移行モデルの広域適用に向けて  矢ケ崎泰海・・・・山口紀子

 

8-1-7 土壌の放射性Cs移行性を評価するための非交換性カリ定量法の検討-水稲、ダイズ作における3手法間の比較―  若林正吉・・・・・矢内純太

 

8-1-8 東北地方の牧草地黒ボク土の放射性Cs吸着・K放出能に対する風成塵の影響解明  北川結理・・・・矢内純太

 

8-1-9 除染更新後に再更新した採草地における利用2年目までの牧草中放射性セシウムの移行について  渋谷岳・・・・吉田由里江

 

8-1-10 福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第48報)福島県内不耕起未栽培農地における放射性セシウム鉛直分布の経時変化  中山秀貴・・片桐優亮

 

8-1-11 福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第50報) 水稲の無カリポット栽培における非交換性カリ含量が玄米の放射性セシウム吸収に及ぼす影響  永井華澄・・・鈴木芳成

 

8-1-12 除染後営農再開農地における形態別放射性セシウム分布と作物移行係数の関係  井倉将人・栗島克明

 

8-1-13 玄米への137Cs移行に関する中干期の土壌中交換性カリ含量の寄与  津村恵人・・・松波麻耶

 

8-1-14 異なるカリ資材などの施用における交換性カリ含量と牧草中放射性セシウム濃度の推移  山田大吾・・・・吉田由里江

 

8-1-15 大柿ダム低質から溶出する137Csの灌漑水への寄与について  塚田祥文

 

8-1-16 福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第49報)除染と保全管理後に作付け再開した水田における水稲生育ムラの解消技術の検討  松岡宏明・・・永田修

 

8-1-17 安定セシウム吸着試験による新鮮落ち葉などの有機物のセシウム保持能の評価  眞中卓也・・・・古沢仁美

 

8-1-18 灌漑水を介した粗大有機物流入による水田土壌への137Cs付加の可能性  高橋篤広・・・・原田直樹

 

8-1-19 黒ボク土草地土壌に添加した放射性セシウム及びヨウ素の牧草への移行性に及ぼす有機物施用の影響  武田晃・・・・久松俊一

 

8-1-20 福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第51報-低カリウム条件下における各種飼料用米品種・系統の玄米中Cs-137濃度の比較  斎藤隆・・後藤昭俊

 

8-1-21 福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第52報)-除染後農地における農地群内の土壌中のCs-37濃度の分布について  根本知明・・・志村浩雄

 

 
(森敏)

2020-08-12 11:03 | カテゴリ:未分類
  2019年12月に双葉町を車を転がしていると、あちらこちらにヒガンバナが満開であった。さる集団墓地の空間線量が毎時2.75μSv下に生えているヒガンバナを採取した。ヒガンバナは根茎が強固につながっているので、茎の基部から切り取ってきた。
  
  実験室でガイガーカウンターで測定すると、ほとんどバックグラウンドに近い値であった。それでも新聞紙で何度も脱水して表面の各部位を測定すると、50cpmと非常に低い値であった。
   
  それでも約4か月IP-プレートに感光して、放射線像を撮像すると、わずかに子房の部分が強く感光された。 
      
  撮像後、これらの3つの花を、各組織部位にばらして、部位ごとに合体して、ゲルマニウム半導体で約4.8日間(416111秒)かけて精密測定すると、わずかにCs-137ばかりでなくCs-134も検出できた(表1)。表1では子房の部分は(雄しべ+雌しべ)の部位に含まれている。
    
  ヒガンバナは浅い根が強固に根茎がつながって群生しているが、秋口に抽苔するので、まだ抽苔していない2011年3月11-15日間の原発由来の放射能(フォールアウト)を直接は浴び無かったと思われる。したがって一般的にヒガンバナの放射能は低い。
   
  当初のフォールアウトで、表層土壌に固着しなかった、可溶性成分が、秋に抽苔した植物体の新根によって吸収されたものが年集積される、ということを繰り返しているはずである。なので、放射能値は低いのだが、なかなか放射能がなくならない植物と思われる。竹やぶのタケノコが半減期減衰以上の速度では最近はなかなか放射能低下しにくいのと同じ理由である。

  
   
   

スライド2 

図1 ヒガンバナ
   

 
スライド3 

図2 図1のオートラジオグラフ


   
   

表1.ヒガンバナの放射能

スライド1 

  

      
(森敏)

付記:以前に飯館村のヤマユリを撮像したことがあるが、その時は種子が得られたので。放射性セシウムが次世代に移行することは早期に証明されている。


2015/01/16 : 山百合の放射能汚染像


2020-06-29 08:45 | カテゴリ:未分類
  2018年の双葉町の民家のサネカズラは実がたわわに稔っていた(図1)。

  眼の高さの一枝を失敬してきて、オートラジオグラフに撮像した(図2、図3)。

  部位別に放射性セシウムの放射能測定すると、実が葉の2倍の値を示した(表1)。実の放射能がほかの部位よりも常に高いことはこれまでのすべての植物とも共通している。
  
  一方、今回意外だったのは新芽が旧葉よりの放射能が半分以下だったことである。

  いつもは放射性セシムは新葉(図1の左枝の先端1枚と、右枝の先端の2枚)が旧葉よりも高い値を示すのだが、今回は違った。
  
  実(養分の吸引側:シンク)が成熟しているときには、全体の養分の貯蔵器官である旧葉(養分の供給側:ソース)からの養分が実の方に転流することが植物栄養学の常識である。

  しかしその同じ時期に展開している新葉はまだ養分のシンク側でもあるはずなのだが、養分の吸引力が実よりも低くなっているのかもしれない。

  要するにこの新葉は、今後成熟して光合成して、養分を同化しても、実が完熟してしまうと、転流先がなくて、ためた養分が不要になってしまう。いずれ枯れて落葉してしまう。だから、吸引力が低下しているのだろう。

と、サネカズラの身になって考えてみた。しかしこれは、サネカズラの体内でも、あくまでセシウムイオンがカリウンと同じ転流の挙動を示すものと仮定しての解釈であるのだが。
  



   

 

  名にし負はば 逢坂山のさねかづら 


       人に知られで くるよしもがな




                  三条右大臣 後撰集 

  


   
 

スライド1 
 図1 サネカズラ 押し葉乾燥後なので赤い実が黒ずんで見える。一房に多数の実を着けている。
散らばっているのは押し葉にする前に前に飛び散った実。

 
 
 

 
スライド2 
 
 図2 図1のオートラジオグラフ


 



 
スライド3 
図3 図2のネガテイブ画像。 新葉が旧葉よりも薄く写っていることがわかる







 

表1 サネカズラの放射能
サネカズラ 
  
  
  
(森敏)
 

2020-05-15 10:13 | カテゴリ:未分類
  

  以下、やっと発表にこぎつけた、とりあえず本日の厚労大臣からの報告です。

  この数値から計算すると、人口約1400万人の東京都では、これまでに約84000人が感染したことになります。
     
  我々のこれまでの統計的推計値である最低30万人感染したはずの数値よりも少ないようです。
     
  しかし、明らかに、「集団免疫獲得」まではまだまだ長い道のりですね。
   
  根拠データの詳細な開示が望まれます。
       
  と同時に、今後も毎日ぐらいの発表が望まれます。
         
  ロックダウン解除した地方では、ことのほか、この抗体検査による細かな感染者の推移の観察が重要です。
         
  一昨日、東京都が抗体検査をやると宣言したので、国もあわてて、未完成だが、途中経過のデーターをあわてて発表したものと思われる。とにかく国はデータを隠したがるんだよね。

 

  
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新型コロナ抗体陽性率、東京で0.6

共同通信社

2020/05/15 09:00

 

 加藤勝信厚生労働相は15日の閣議後記者会見で、献血された血液で新型コロナウイルス感染後にできる抗体を調べたところ陽性率は東京都の500検体で0.6%、東北6県の500検体では0.4%だったと明らかにした。
 

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東京都、感染歴の有無を調べる「抗体検査」実施へ…6月から月3000件

2020/05/13 01:06

 東京都は12日、都内での新型コロナウイルスの流行状況を把握するため、感染歴の有無を広く調べる「抗体検査」を6月から始めると発表した。都立病院の患者らから血液の提供を受け、月3000件の実施を予定している。

 都の外郭団体「都医学総合研究所」が、東京大先端科学技術研究センターなどと連携して行う。1日当たり最大500件を検査できる機器を導入するほか、同研究所が開発した検査キットも活用するという。

 抗体検査は、経済活動の再開に向けた指標などにするため、欧米で導入の動きが広がっている。小池百合子知事はこの日、検査の目的について「地域ごとの抗体保有率などを調査することで、拡大防止対策に役立てたい」と述べた。

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(森敏)
  
追記1:この記事を書いた後に、文京区役所が聞き取りにくいのだが、街宣車で「新型コロナウイルス・・・・・」という警告を発して回っていた。初めて聞いた試みである。
   
追記2:以下の記事でマスクの効用がますます証明されたようだ。
  
https://www.jiji.com/jc/article?k=20200515040066a&g=afp

2020-05-12 20:19 | カテゴリ:未分類


  以前にも述べたが、羽山神社は原発から650m地点で山頂にあり、小さな神社周辺は住民が表土を除染しているが、それは山頂のごく一部に過ぎない。
   
  その露出した地面に集団でセンブリが生えていた(図1)。(センブリは漢方でも有名な胃腸薬である)。ここのは栄養失調で背丈が15センチもない。
      
  しかし見事に異常なくらい多くの花をつけていた(図2)。多分この花の生え方や背丈の短さや、分枝の仕方はいじけていて異常だと思う。放射線障害だろう。それを根から掘り起こして採取してきた。
  
      
  オートラジオグラフに取ると花器の種子になる部分が濃く撮像されている(図3、図4)。この現象は他の植物と同様である。 
  
  8本の植物の撮像のされ方が少しずつ強弱が異なっている。それは同じ集団でも土壌に降下した放射能が均質ではなく、したがって土壌への収着の度合いも異なっていたためと思われる。
  
  これまで、我々が調べた長靴や箒や洗剤の箱やTシャツなどの非生物の表面に付着した固形物は、不溶性の濃い大きな粒子と、その10分の一以下と思われる細かな粒子と、可溶性のイオン状のセシウムが見分けられる。
         
  植物が吸収しているのは、可溶性(雨水に溶ける)セシウムイオンだけである。
     
      表1に部位別放射能を示している。根は土壌が取り切れなく付着汚染しているので最も高い値である。しかし地上部は図3、図4から見ると、完全に内部汚染のみで外部汚染は全くない。これらのオートラジオグラフ画像からは、花器が非常に高く撮像されているが、この表1の放射能の乾物重あたりの実測値からすると、植物の地上部全体がほぼ均一に内部汚染していることがわかる。
    
 こんなものは到底まだ漢方薬には使えない。
    
   




スライド1 
 図1 センブリ


 
スライド2 

図2 図1の左下の植物の部分拡大 異常な数の花の付き方



スライド3  図3 図1のオートラジオグラフ



スライド4

図4 図3のネガテイブ画像

  
  




表1 センブリの部位別放射能

センブリ1 


注:図1の8本の植物を全部部位ごとに一緒にして測定した。





   
   

(森敏)
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