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2019-11-05 11:48 | カテゴリ:未分類
図1  
 図1 google map 上に氾濫地点を赤い矢印で表示した。崩壊地点のすぐ上流の橋は鷹ノ巣橋 
 
図2

図2.鷹ノ巣橋から下流を眺めた左岸。先の方が崩壊している


 
 
 
 図3  
 図3.図2の堤防崩壊付近の拡大図
 
 
図4 
 図4 越水して堤防の背側がくずれて、池ができて、草木が拡散している
 
 
 図5
図5.鷹ノ巣橋から上流左岸の眺め。右下にサケの魚道がある。滔々と流れて来ている。ここの堤防は橋が越水していても崩れていない。
 

 
 図6
 図6.鷹ノ巣橋を右岸から眺めた。橋脚に草木が絡みついている。向こう(左岸)には橋が越水した時の灌木などが打ち上げられている。堤防の下は魚道。
 
 
図7 
 図7.やすらぎ荘の空間線量計 6.589マイクロシーベルト/h。
 

 
 
土砂汚染図1 
河川の土壌粒子が宮城県、福島県、茨木県の太平洋にも流れ込んでいることがわかる。
   
   


浪江町を流れる普段は実に美しい高瀬川渓谷の流れは下流で請戸(うけど)川と合流して請戸漁港手前の太平洋に流出する。ちょうど国道253号線(落合浪江線)が高瀬川に接する間際に、鷹ノ巣橋という、(橋のパネルによれば平成2年に竣工された)頑丈な橋がある。(図1

   

我々はいつもこの橋を渡って、この高瀬川が180度湾曲している、その孤島のような内陸部の川沿いにある「老人憩の家 やすらぎ荘」という老人ホームで定点調査を行っている(図1)。この建物は原発事故で強度に汚染されて今は閉鎖されているが、永久に使用されることはないだろう。その理由は、ここの庭に公的な定点観測装置が設置されていて、我々が浪江町の帰還困難区域に調査に入ることを許可されて、入れた2015年ごろには、ここの空間線量は10µSv/h以上という高い値を示し、建物の内部も放射能汚染がひどかったからである。

 

今回もこの鷹ノ巣橋を渡って、対岸のこの建物敷地の調査に入ろうとしたら、なんと! 橋のたもとに異常な量の枯れた流木や枯草の茎や根が集積していた(図6)。小生には一目で、この橋の左岸が越水したためだと分かった。そこで橋のたもとに車を止めて、橋から下流と上流を観察したら、下流側の50メートル下の堤防が崩壊していた(図2、図3)。堤防の裏の土地に10メートルx20メートルぐらいの大きさの陥没池ができていたので、堤防を越えた川水の越水によって、堤防の裏側が削られて、コンクリートの堤防が崩壊したことが容易に想像された。越水によって逆流した橋のたもとの家屋?が散々に崩壊していた。橋と堤防から乗り越えてきた土砂や草木が建屋全体にかぶさっていた(図4)。

 

橋の上から眺めると左岸の上流側と下流側にかけて、なんとサケの魚道ががっしりと100メートルばかりにわたって施工されていて、皮肉なことにそれはびくともしていなかった。淡水漁業組合による強い要請を受けて、しっかりと作られているものと思われた(図5)。

 

平成2年浚渫のこの橋の橋梁は頑丈な1本であったためか、ここには上流側の上部に多くの草木が絡まっていたが、多くの流木はここに絡まずに下流に流れて、橋の崩壊はなく、健在だったようである(図6)。

 

今回、件の「やすらぎ荘」の敷地は6.589µSv/hという空間線量を示していた(図7)。過去の写真撮影からの記録では20161113日には9.888μSv/hであったので、この3年間の放射性セシウムの半減期から計算した減少率からすると少し急激すぎる。やすらぎ荘の敷地は低地にあり、孤島の山側から急こう配でこのやすらぎ荘の周りを経由して高瀬川に流れこむ土砂が放射能をいくらかは消し去ることになったかもしれない。今回やすらぎ荘の中まで浸水した様子がなかったのだが。

 

今後も異常気象で、台風や豪雨のために、福島の山林の放射能は、意外に土壌表面の強度に汚染した落ち葉層や腐植層や土壌の粘土鉱物自身が豪雨でえぐられて、河川を通じて、海洋に放流される率が高くなるのかもしれない。そのために沿岸では低質にすむカレイなどの魚が、一時的に放射能値が上がる可能性がある。漁業組合にとっては、耐えられない事態であるのだが。(先日も2019104日に福島県5.2キロ沖でとれたシロメバルが100ベクレル/kgという基準値以下ではあったが、53ベクレル/kgであったということで、漁業組合でも販売中止問題になったところであった。)

 

実際、JAXAの人工衛星画像でも、かなりの遠洋沖まで、今回の1013日の15号台風の豪雨により、河川の流砂が太平洋岸に拡散している最中であることが明白である。(JAXA衛星画像参照) 

 

   
(森敏)


追記1.この辺りは帰還困難区域に指定されているので、普段は人があまり通らないところなので、氾濫しても堤防の修復はずっと後回しになるような気がする。


追記2.11月14日の時点でも、朝日新聞や福島民報でも、福島県内の調査でこの場所が決壊していることの報道が全くなされていない。誰が調査をしているのかがわからないが、帰還困難区域の調査は後回しなっているのだろう。

 

 

2019-10-26 09:20 | カテゴリ:未分類

  都内をあちこちを歩いていると、時々枯れ木や、枯れかけた木の枝に、サルノコシカケの類が生えているのに遭遇する。これらを枯れ木からはがすのには努力が必要である。いずれも非常に強固に枯れ木に結合しているからである。まわりに人が居るときに、あれこれ作業していると、怪しまれるので、人がいないときを見計らって、エイヤ!と迅速に剥離しなければならなかった。
    
  以下の図1-図7は、そのときどきにたわむれに採取したサンプルである。図3,4,5,6,7は、真ん中で切れているが、この部分は約5ミリ幅にのこぎりで薄く切り取って、オートラジオグラフの撮像に供したので、抜けているのである。しかし切り取った平板な面を半年間IPープレートに寝かせて感光しても、明瞭な画像が検出されなかった。
   
  表1にはゲルマニウム半導体検出器での放射性セシウムの測定値を示している。サンプルをブロックに数片に刻んで、特殊な大型容器に入れて測定したものである。2017年から2019年までに採取したものである。放射能の測定時期は区々であるが、半減期補正はしていない。軽井沢の2つのサルノコシカケのデータは、以前のWINEPブログとだぶっている。
      
  個々のサルノコシカケが過去にどれほどのスピードで成長したのかは全く不明なので、これらの測定データを、どのように解釈すべきか、なかなか悩ましいものがある。
 
  2011年3月に福島第一原発から飛来した放射能で汚染した木がその後枯れて、それにサルノコシカケの菌糸が入り込んで、栄養源をもらいながらサルノコシカケの細胞がゆっくりと、大きく増殖していった結果、枯れ木の体内放射能をも取り込んだものと思われる。

   
   
  
   

スライド1 
図1 表面
 
 
 スライド2
図2  表面 枯れ木との接着部位
  
 
スライド3 
 図3  表面

 
 
スライド4
図4  表面



スライド5 
 図5.裏面 枯れ木との接着部位
 
 
スライド6 
 図6 裏面  枯れ木との接着部位
 
 

スライド7 

図7  裏面 枯れ木との接着部位





表1.
サルノコシカケの放射能1 

   

(森敏)
 

2019-09-27 07:20 | カテゴリ:未分類

昨年の夏の終わり9月初旬に、雨の翌日が絶好の天気であった。軽井沢で散歩をしていると、あちこちに実に多様なキノコが散見された。そこで突然思いついて、キノコを2日間にわたって採取した。

      残念ながら秤を持参してこなかったので、生体重を測定できなかった。うっかりしてキノコの種類によっては、一日で萎れてしまったので、そういう種類のキノコは、東京に持ち帰って徹底的に乾かした後に、乾物重を測定し、乾物重当たりの放射能値を算出した。比較的硬くて萎れにくかったものは、帰ってすぐに生体重を秤り、生体重当たりで、のちの放射能値を算出した。全部で26点を放射能測定した(表1)。

     表1には乾物重当たりで9種類、生体重当たりで10種類を示している。未掲載の7種類は検出限界以下であった。以下採取時の26種類のキノコの写真は図1から図7までの組み写真にして示している(画像が出るまでには、多少時間がかかるかも)。
  
 
スライド1
図1

 
スライド2
 
図2 
 

スライド3 
図3

 スライド4 
図4.左上は カイメンダケ(直径約25センチ) 

 
スライド5
図5. 
 
 
スライド6 
図6.右下はサルのコシカケ 
 
 
 
 スライド7
図7 右は黄色の塗料のようなキノコ。


なお、すべてのキノコは詳しい同定をする時間がないので、未同定である。直径25センチばかりのカイメンダケは同定した。サルノコシカケも俗称である。

    

結果を簡単に整理すると、

1.生体重1kg当たりの放射能値が100 ベクレルを超えるものは2点しかなかった。

2.キノコによっては水分含量が95%以上もあると思われので、乾物重当たりの放射能値は20倍以上に濃縮された値になっているものと思われる。この中にはもしかしたら、生体重1kgあたりで100ベクレルを超えるものがあったのかもしれない。

3.        サルのコシカケは放射能値が低い。

4.        20113月の福島第一原発から軽井沢に飛来したフォールアウトが、草や樹木を汚染し、2018年9月でもそれらが枯死した遺体から、なお多種類のキノコが放射性セシウムを吸収していたことは確実である。

 
 
表1.

キノコ軽井沢の整理1


 

 

追記:山梨県でも、まだまだ野生キノコの放射能は高い

  

山梨県の野生のキノコ、出荷制限を継続基準値超えの放射能

2019/11/07 17:30 産経新聞

山梨県は東京電力福島第1原発事故に伴う野生キノコの出荷制限の対象となっている富士北麓の富士吉田市、富士河口湖町、鳴沢村で今秋、引き続き国の基準値を上回る放射性物質を検出したと発表した。基準の6倍を超えた検体もあった。

 10月4~7日と10~19日に野生キノコ26検体を採取。すき焼きなどに使われる食用キノコのショウゲンジなど21検体から基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出された。富士河口湖町で採取したショウゲンジからは670ベクレルを検出した。

 3市町村は福島第1原発から約300キロ離れているが、キノコ類は放射性物質を吸収、蓄積しやすいとされる。出荷制限は継続され、県は野生キノコを出荷したり、採って食べたりしないよう呼びかけている。

 

2019-08-23 20:58 | カテゴリ:未分類

     以下の図1は左と右の靴が異なる中敷きである。いずれも表側である。
     以下の図2は図1のままのオートラジオグラフである。
 
     以下の表1は中敷き全体の総放射能値を示している。いつも示している ベクレル(:Bq) / kg乾物重 という単位ではないことにご注意いただきたい。靴の中敷きは生き物ではないので、重さ当たりの放射能を示してもあまり意味がないだろう。総量でどれだけ放射能を浴びているかが問題である。

     表面汚染の指標であるガイガーカウンターでの表面の放射能は一番濃いところで
左が4500cpm/平方センチメートル、
右が900cpm/平方センチメートル
であった。
 
   
 

 
  
 スライド1
図1.二種類の靴の中敷き。共に左足の表側。
 
 

 
スライド2 
図2.左が右の5倍ぐらい強烈に汚染している。

 
 
 表1 総放射能値
nakajiki2.jpg

   

(森敏)
2019-07-04 22:02 | カテゴリ:未分類
 
   2017年春に浪江町のほとんど人が通っていないと思われる林道で、落ち葉層の中に、約15センチの高さのワレモコウの幼物群落があった。空間線量は毎時20マイクロシーベルトであった。

  主根が途中でちぎれたが、根ごと容易に引き抜けた (図1)。根にはいくらふるっても腐葉土がついているので桁違いの放射能値であるが (表1)、地上部では中央の新葉の部分が強く感光していることがわかる(図2、図3)。
       
  この場所は今年(2019年)の6月初旬に訪れたのだが、同じくワレモコウの幼植物群落がみられた。空間線量は毎時17マイクロシーベルトであった。


 
スライド1 
 図1 根つきのワレモコウの幼殖物
  
   
 


スライド3 
 
図2.ワレモコウ幼植物のオートラジオグラフ。地上部中央の新葉が濃い。


 
スライド2 
図3.図2のネガテイブ画像 
 
     

 表1.ワレモコウの放射能。葉を新芽、新葉、旧葉などと分別すべきであったが、今回は一括して葉(地上部)と根(地下部)とした。根には腐葉土がついている。

スライド4 
 *放射能は2017年10月の測定値
 
 
 


 
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