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2019-11-05 11:48 | カテゴリ:未分類
図1  
 図1 google map 上に氾濫地点を赤い矢印で表示した。崩壊地点のすぐ上流の橋は鷹ノ巣橋 
 
図2

図2.鷹ノ巣橋から下流を眺めた左岸。先の方が崩壊している


 
 
 
 図3  
 図3.図2の堤防崩壊付近の拡大図
 
 
図4 
 図4 越水して堤防の背側がくずれて、池ができて、草木が拡散している
 
 
 図5
図5.鷹ノ巣橋から上流左岸の眺め。右下にサケの魚道がある。滔々と流れて来ている。ここの堤防は橋が越水していても崩れていない。
 

 
 図6
 図6.鷹ノ巣橋を右岸から眺めた。橋脚に草木が絡みついている。向こう(左岸)には橋が越水した時の灌木などが打ち上げられている。堤防の下は魚道。
 
 
図7 
 図7.やすらぎ荘の空間線量計 6.589マイクロシーベルト/h。
 

 
 
土砂汚染図1 
河川の土壌粒子が宮城県、福島県、茨木県の太平洋にも流れ込んでいることがわかる。
   
   


浪江町を流れる普段は実に美しい高瀬川渓谷の流れは下流で請戸(うけど)川と合流して請戸漁港手前の太平洋に流出する。ちょうど国道253号線(落合浪江線)が高瀬川に接する間際に、鷹ノ巣橋という、(橋のパネルによれば平成2年に竣工された)頑丈な橋がある。(図1

   

我々はいつもこの橋を渡って、この高瀬川が180度湾曲している、その孤島のような内陸部の川沿いにある「老人憩の家 やすらぎ荘」という老人ホームで定点調査を行っている(図1)。この建物は原発事故で強度に汚染されて今は閉鎖されているが、永久に使用されることはないだろう。その理由は、ここの庭に公的な定点観測装置が設置されていて、我々が浪江町の帰還困難区域に調査に入ることを許可されて、入れた2015年ごろには、ここの空間線量は10µSv/h以上という高い値を示し、建物の内部も放射能汚染がひどかったからである。

 

今回もこの鷹ノ巣橋を渡って、対岸のこの建物敷地の調査に入ろうとしたら、なんと! 橋のたもとに異常な量の枯れた流木や枯草の茎や根が集積していた(図6)。小生には一目で、この橋の左岸が越水したためだと分かった。そこで橋のたもとに車を止めて、橋から下流と上流を観察したら、下流側の50メートル下の堤防が崩壊していた(図2、図3)。堤防の裏の土地に10メートルx20メートルぐらいの大きさの陥没池ができていたので、堤防を越えた川水の越水によって、堤防の裏側が削られて、コンクリートの堤防が崩壊したことが容易に想像された。越水によって逆流した橋のたもとの家屋?が散々に崩壊していた。橋と堤防から乗り越えてきた土砂や草木が建屋全体にかぶさっていた(図4)。

 

橋の上から眺めると左岸の上流側と下流側にかけて、なんとサケの魚道ががっしりと100メートルばかりにわたって施工されていて、皮肉なことにそれはびくともしていなかった。淡水漁業組合による強い要請を受けて、しっかりと作られているものと思われた(図5)。

 

平成2年浚渫のこの橋の橋梁は頑丈な1本であったためか、ここには上流側の上部に多くの草木が絡まっていたが、多くの流木はここに絡まずに下流に流れて、橋の崩壊はなく、健在だったようである(図6)。

 

今回、件の「やすらぎ荘」の敷地は6.589µSv/hという空間線量を示していた(図7)。過去の写真撮影からの記録では20161113日には9.888μSv/hであったので、この3年間の放射性セシウムの半減期から計算した減少率からすると少し急激すぎる。やすらぎ荘の敷地は低地にあり、孤島の山側から急こう配でこのやすらぎ荘の周りを経由して高瀬川に流れこむ土砂が放射能をいくらかは消し去ることになったかもしれない。今回やすらぎ荘の中まで浸水した様子がなかったのだが。

 

今後も異常気象で、台風や豪雨のために、福島の山林の放射能は、意外に土壌表面の強度に汚染した落ち葉層や腐植層や土壌の粘土鉱物自身が豪雨でえぐられて、河川を通じて、海洋に放流される率が高くなるのかもしれない。そのために沿岸では低質にすむカレイなどの魚が、一時的に放射能値が上がる可能性がある。漁業組合にとっては、耐えられない事態であるのだが。(先日も2019104日に福島県5.2キロ沖でとれたシロメバルが100ベクレル/kgという基準値以下ではあったが、53ベクレル/kgであったということで、漁業組合でも販売中止問題になったところであった。)

 

実際、JAXAの人工衛星画像でも、かなりの遠洋沖まで、今回の1013日の15号台風の豪雨により、河川の流砂が太平洋岸に拡散している最中であることが明白である。(JAXA衛星画像参照) 

 

   
(森敏)


追記1.この辺りは帰還困難区域に指定されているので、普段は人があまり通らないところなので、氾濫しても堤防の修復はずっと後回しになるような気がする。


追記2.11月14日の時点でも、朝日新聞や福島民報でも、福島県内の調査でこの場所が決壊していることの報道が全くなされていない。誰が調査をしているのかがわからないが、帰還困難区域の調査は後回しなっているのだろう。

 

 

2019-10-16 14:43 | カテゴリ:未分類

wataraseyuusuichi1.jpg  




        多摩川流域の武蔵小杉駅前の水浸で161メートル643戸のタワーマンションの地下3階に設置されている配電盤が水没して、エレベーターが止まり、水道水のポンプアップができなくなり、住民が苦闘している。

 

一方で、北陸新幹線の車両基地の車両が水没して120両の車両が水没し、再生不良に近い状態になっている。

 

以上の二つは、いずれも想定外と言いたいだろうが、ハザードマップではちゃんと水没水深の最高位が予想されていたことのようである。自治体が配るハザードマップは100年に一度の最悪事態を想定しているのかもしれないが、まさに100年に一度の事がつい先日起こったわけである。いずれの場合も関係者がハザードマップを軽視していたとしか思えない。

   

以下無断転載です
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 台風19号の影響で、東急東横線武蔵小杉駅近くの47階建てタワーマンション1棟が、24階まで停電したまま、エレベーターが使えない状況になっている。川崎市が取材に明らかにした。地下3階の電気系統の設備に浸水したためで、断水は全戸に及んでいる。

 高さ約161メートル、643戸のマンションは、ポンプで水をいったん上層階までくみ上げ、各世帯に供給する仕組みとなっているが、停電によりポンプが動かず、全戸で断水、トイレも使えない。管理会社が水や携帯するタイプのトイレを住民に提供している。

 電気系統のシステムは、1階から24階までと、25階から上階に分かれている。エレベーターが動かない階の住民は、階段を使わざるを得ないという。

 住民らによると、エレベーターが止まっているため、真っ暗な非常階段を、懐中電灯を使って移動している。高層部分に住む女性は「管理組合から『長引きそうだ』との説明があった。しばらく別の場所に行く」と話し、スーツケースを持って駅に向かった。

 住宅と工場の街だった武蔵小杉駅周辺は2007年の工場移転をきっかけに開発が進み、10年のJR横須賀線武蔵小杉駅開業で開発はさらに加速。新宿、渋谷、横浜、成田空港がJRや東急線でつながる交通の利便性が人気を呼んでいる。現在、駅周辺には11棟のタワーマンションが完成している。(石原剛文、大平要)

 

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台風19号による千曲(ちくま)川の堤防決壊でJR東日本の「長野新幹線車両センター」(長野市赤沼)の車両基地が浸水、北陸新幹線の車両120両が水没した。水没車両が運用する全車両の3分の1にあたり、修理には大幅な機器交換などが必須。北陸新幹線の全線再開は少なくとも12週間かかる見通しだが、仮に復旧しても運転本数は56割にとどまる見通しだ。

 当初、湖のようになっていた現場は15日には水が引き、作業員らが浸水後、初めて被害状況の確認を行った。JR東の担当者は「なぜ、こうなったのか分からない」とこぼした。

 高崎(群馬県高崎市)-金沢(金沢市)間を結ぶ北陸新幹線は、高崎-上越妙高(新潟県上越市)間がJR東、上越妙高-金沢間がJR西日本の管轄。1編成12両の計30編成(360両)を運用している。

 基地はJR長野駅の北東約10キロ、氾濫した千曲川からは西に約1キロ離れた場所にあり、営業運転を終えた車両を収容、検査などを行っている。当時は両社保有の車両が1編成12両ずつ、計10編成止められていた。

 千曲川から基地までの間には新幹線の線路や田んぼ、民家が並ぶ。鉄道評論家の川島令三氏は、「実際に見たことがあるが、川からあそこまで水が来るとは考えられなかった」と驚くが、長野市のハザードマップでは洪水時の基地付近の浸水を「最大10メートル以上」と予想していた。(20191016産経新聞)

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現場検証中の河川工学の専門家によれば、荒川が氾濫寸前だったことが放映されていた。これが氾濫すると東京の地下鉄網が水没し多くの人命が失われ、多くのタワーマンションが機能不全になっただろう。報道では250万人が避難しなければならなくなるといわれている。

 

テレビを見ていて、先日散歩した隅田川のプロムナードのベンチが、ちゃっぷちゃっぷと水浸し始めたのを見て、ちょっと怖気づいた。ここで東海大地震が来て隅田川の堤防が決壊するというダブルパンチに見舞われたら、東京はアウトである。今後決してありえないことではないだろう。

 

完成目前の「止ん場ダム」が幸い貯水テストを始めた時期で、満水になるまでの余裕があったので、ダムの放水をしなくてよかったために、利根川が氾濫しなかったのだ、などとも報じられている。(誰も指摘しないので個人的な想像だが、田中正造の怨念がこもる「渡良瀬遊水池」も効果的に渡良瀬川からの緩衝地帯として作動したのかもしれない

   

しかし全国で多くの河川が機能不全を起こして決壊したということは、これまでの国土保全の基準が甘かったということである。この基準を早急に根底から見直す必要があるだろう。河川工学と土木工学の出番である。

 

福島原発処理対策、東京でのオリンピックの準備工事、今回の災害地での復旧対策など、日本の土建業界は人員不足で、急きょ外国人労働者の大量雇用が必須だろう。
 
  今や地球規模での自然現象の異変は100年に一度の確率論は全く意味がなく、寺田寅彦が言うような「天災は忘れられたる頃来る」のでもなく、天災は今すぐにでもやってくる。

       

小生は台風19号襲来前から、自宅で懐中電灯の電池のチェック、ロウソクとマッチのありか、小型ラジオのありかと機能チェック、携帯電話の充電、ペットボトル水の大量確保、風呂水を満タンに、などなどにわか点検して回った。だが台風一過3日後のこれを書いているいま、、いまさらながら、わがマンションの配電盤がどこにあるのかなどは全く知らないことに気が付いた。さっそく管理人に聞きに行かなくっちゃ!

 

 

 

(森敏)

追記1。以下転載。

 国が来春の完成を目指し、利根川上流の吾妻川で試験貯水中の八ツ場(やんば)ダム群馬県長野原町)が12日から13日にかけ、一昼夜でほぼ満水になった。台風19号による記録的な大雨の影響。ダムの一夜城のような変貌(へんぼう)ぶりに、周辺には観光客らの人だかりができた。

 前橋地方気象台によると、ダム上流の同県嬬恋村田代で11日午後2時ごろからの48時間に、年間降水量の3分の1相当で観測史上1位の442ミリを観測するなど、記録的な雨が降った。

 国土交通省の発表では、八ツ場ダムには11日午前2時から13日午前5時の間に約7500万立方メートルの水が流入した。この結果、水位は54メートル上昇。その後も水量が増え、15日午後6時ごろ、満水位に達した。今月1日からの試験貯水では3~4カ月で満水位まで水をためる予定だったが、半月で満水になった。

 計画上は、降水量が増える7月… 
(朝日新聞 
丹野宗丈 20191015)
  
   
追記2.上記に




「渡良瀬遊水池」も効果的に渡良瀬川からの緩衝地帯として作動したのかもしれない

      

と書いたが、河川工学の先生に電話で伺っても、「たぶん渡良瀬遊水地も満水になっているんじゃないか」というおぼろげな返事だった。
     
そこで、本日(10月17日)気になったのでネットで調べたら、なんと

「台風19号」フィンランドのレーダー衛星が撮影した午前3時の渡良瀬遊水地
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20191015-00146887/

という素晴らしい署名記事が出てきた。どうやら普段は 「アシ野原」である渡良瀬遊水地は、今回満水になり、初めて、所期の目的通り、洪水調節機能を発揮してくれたようである。河川工学の成功例かもしれない。
   
そこで、本文と少し趣旨がずれるのだが、まだ国民があまり注目していない国土交通省による渡良瀬遊水地の写真を追記で最前線に掲載した。
  
 
追記3.以下のように産経新聞10月19日号が渡良瀬遊水地が19号台風に対して、辛くも機能したことを報じている。


  
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 ■渡良瀬遊水地、過去最大量に…利根川、江戸川守る

 各地の河川事務所などによると、茨城、栃木、群馬、埼玉4県にまたがり、利根川に流れ込む渡良瀬川などの水の量を調節する役割を持つ日本最大の渡良瀬遊水地は、今回の台風で総貯留量約1億7千万トンのうち、過去最大となる約1億6千万トンをため込んだ。

 渡良瀬川が利根川に合流する埼玉県久喜市の栗橋観測所では、13日午前1~10時まで、水位が氾濫危険水位の8・9メートルを超えていたが、利根川から分かれて東京湾に注ぐ江戸川は氾濫危険水位に達しなかった。
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2019-09-17 12:35 | カテゴリ:未分類

伊豆池水没1      
大室山頂眼下の台風による、崖崩れと、田圃の洪水による浸水被害、の状況(マスコミでは報道されていない)(クリックすると大画面になります)
    


  9月9日に「スーパー踊り子号」で伊豆高原駅を目指したのだが、台風15号で路線がやられて運休してしまった。やむを得ず次の日に延期して「踊り子号」で無事伊豆高原駅に到着した。踊り子号もこの駅までで、ここから先はまだ路線が復旧していなくて河津―下田間がバスでの代替輸送だということであった。それにしても、千葉県での台風被害の報道は行われつつあったのだが、伊豆半島での台風被害の報道はNHKの交通情報でも全くなかった。(その後、次々と千葉県での家屋倒壊や停電の激甚被害の報道が現在進行形である。)

  

ホテルは姿の美しい大室山の裾にあったのだが、「台風被害のために、水源地の水道供給がストップしているので、ホテルの貯水槽の水が早くなくなると困るので、飲み水がなくなるので、できるだけ風呂水は使わないでほしい、お風呂は共同浴場の温泉を使ってほしい」とホテル側の指示であった。宿泊3日目には、やっと水道が来たのだが、初流が濁るので、透明になってから飲料にしてください、ということで、伊東市かこのホテルが普段から災害用に装備している「5年間貯蓄用」と記載してある2L入りのペットボトルを2本配布された。

 

宿泊4日目の最終日には観光にでかけ、標高500メートルの大室山にリフトで登った。この山は約4000年前の噴火でプリンの恰好をしており山頂の円周がコンクリートで舗装されており、風が強かったが歩くのには快適であった。
     
       と、眼下に異様な光景があった。がけ崩れと、田圃が水没しているのが見えた。東京ではこんな水没の報道は一切なかった。後で聞いた伊豆ジオパークの説明員によると、この地域は古来「池」と呼ばれてきた地区を開拓して田圃にしたのだが、そこが再び下流が台風による何かでせき止められて昔の『池』に戻ってしまったということらしい。現在ポンプで排水中だとか。たぶん完全に冠水したお米の収穫は "穂発芽" などが始まって、ほぼ全滅だと思われる。

 

帰りのスーパー踊り子号の待ち時間に気が付いたのだが、伊豆高原駅舎の2階の一室が「伊豆ジオパーク展示場」になっており、十分時間があったので覗いてみた。ただいま説明員として修行中という男性が熱心に説明してくれた。伊豆半島全体はユネスコのジオパークに認定されているということで、UNESCO認定証が掲示されていた。いわく

 

On the recommendation of the

UNESCO Global Geoparks Council,

the Executive Board of UNESCO has designated

 

Izu Peninsula

as a

UNESCO Global Geopark

 

UNESCO Global Geoparks explore, develop and cerebrate the links between their

geological heritage and all other aspect of their natural and cultural heritage. They

reconnect human society with the history of our planet across 4,600 million years that

have shaped every place on Earth and all life that has ever lived here.

 

PERIODOF DESIGNATION

17 April 2018-16 April 2022

 

In order to ensure the continuing quality of UNESCO Global Geoparks, the designation is subject to revalidation every four years.

 

したがって、この認証は4年間の有効期限であり、2022年4月以降は再度申請して認証を受けなければならない、という厳しいもののようである。

 

(自宅に帰って世界百科事典で調べてみると、日本では洞爺湖有珠山(2009)、糸魚川(2009)、島原半島(2009)、山陰海岸(2010)、室戸(2011)、隠岐(2013)、阿蘇(2014)の7カ所が世界ジオパークに認定されているとある。したがって伊豆ジオパークが載っていないこの辞書は古い。)

 

驚いたことに、先ほど大室山山頂から撮影した眼下の「池」地区の、台風による洪水で水田が埋まった写真を説明員が持って来た。真上からドローンで撮影された9月9日時点での被害の写真と被害前の、A3印画紙大に引き伸ばした鮮明な写真を見せて、説明していただいた。その展示の迅速さには敬意を表しておいた。上掲の小生が撮影した写真よりもはるかに迫力があった。ドローンの有効性を感じたことである。

 
(森敏)
追記1:「日本ジオパーク」のホームページが以下に設定されています。最初からこれをみればよかったのですね。
https://geopark.jp/
 
追記2:

この現地の水没した「池」地区の光景を見て、先日鑑賞したアニメ映画「天気の子」の最後のシーンを思い出した。

 

「東京」が異常気象を繰り返して、その洪水で水没して、最終的に12万年前の広域の『古東京湾』になってしまう。東京のビル街の上層部だけがタケノコのようにょきにょきと海面から生えているような姿になってしまった。そこで、沖縄出身の主人公の男の子が、「もう東京は魅力がないので、帰らない」というようにつぶやく。このアニメの近未来予測は今回のように現実化するかも。

追記3:泊まったホテルの周辺は高級別荘地だったと思われるが、約半分が空き家になっていた。多くは傾斜地に建てられており、平地の軽井沢などよりもはるかに立派なコンクリート建築物群である。
 偶然に出会った、台風で庭の周辺を掃除しておられたご婦人に聞くと、なかなか惨憺たる住宅事情のようである。空き家になっている高台の元ホテルは、中国人が買い占めているのだが、彼らには地域の管理組合の管理費を払う習慣がなく、周辺が荒れ放題で、連絡もつかないとか。放棄別荘群はおおむね30年前のバブル期に建てられたもので、維持費が高く、若い人のための通学事情もよくないので、おそらくは後継相続人が現れずに、そのままになっているのではないかということであった。

 

 

 

 

 

2019-08-18 16:20 | カテゴリ:未分類

福島原発による放射性セシウム汚染対策関連の発表題目
(氏名は長くなるのでfirst,second・・・・  last authorのみを示している)の紹介

日本土壌肥料学会 於:静岡大学にて開催予定 (2019年9月3~5日).

 
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土壌―水稲系での放射性セシウムの移行を規定する物理化学的および時間的要因

吉川省子・井倉将人・江口定夫

 

放射性セシウム対策実施水田におけるカリウム収支

錦織達啓・久保田富次郎・宮津進

 

森林生態系における安定セシウムの分布と循環

伊藤優子・小林政広・今矢明宏

 

福島県内農耕地土壌におけるセシウム133固定ポテンシャルと粘土鉱物組成

加藤 拓・今野裕也・・・・・前田良之

 

有機物除去に伴う放射性セシウム吸着能の変化

中尾淳・田代有希・・・・矢内純太

 

白花ルーピンのカリウム欠乏下における不可給態カリウムおよびセシウムの可給化機構

藤本久恵・高雄惇英・・・・・渡部敏裕

 

ラジオアイソトープを用いた植物体内の元素動態のイメージング

鈴井伸郎・河地有木・・・・松本幹雄

 

塩化ナトリウム施用下でのキノアによるセシウム吸収について

磯部勝孝・肥後昌男

 

水稲におけるセシウム体内輸送へのOsHAK5の関与の可能性

頼泰樹・古川純・・・・・服部浩之

 

Contribution of SKOR gene to Cs and K absorption and translocation in plants

菅野里美・Ludovic Martin・・・・Nathalie LEONHARDT

 

K減肥水田土壌での放射性Csの玄米への移行抑制に必要な非交換態K量の検討

黒川耕平・中尾淳‥‥‥矢内純太

 

牧草中放射性セシウム濃度の経時変化と土壌の放射性セシウム存在画分からの移行推定

山田大吾・塚田祥文・・・栂村恭子

 

土壌から牧草とイネへの放射性セシウムの移行実験と移行モデルの評価

植松慎一郎・・・・・・Erik Smolders

 

イネ玄米中の放射性セシウム含量品種間差をもたらす原因遺伝子

大津(大鎌)直子・福原いずみ・・・横山正

 

ダイズの放射性セシウム吸収に関与する異伝因子の探索 その1:QTL-seq解析による大豆の放射性セシウム吸収に関与する遺伝子領域の解明

宇田真悟・山田哲也・・・・横山正

 

福島県内の水田におけるカリ収支とカリ集積量

藤村恵人・若林正吉・・・・・遠藤わか菜

 

福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第46報) 中山間地域における除染後水田での均平対策後の牛糞堆肥による地力回復効果

松岡宏明・斎藤正明・・・信濃卓郎

 

試験水田における灌漑水・間隙水中137Cs濃度と変動要因

塚田祥文・斎藤隆

 

除染後圃場での堆肥施用がダイズ生育と放射性セシウムの移行に及ぼす影響

久保堅司・木田義信・・・・・信濃卓郎

 

放射能による樹皮汚染の立体可視化の手法について

森敏・加賀谷雅道・・・・中西啓仁

 

福島県内の農地における放射性物質に関する研究(第47報) 

低カリウム条件下における飼料用米・品種系統のCs-137移行リスク評価手法の開発

斎藤隆・菅野拓郎・・・・横山正

 

土壌還元が水稲の放射性セシウム移行に及ぼす影響

若林正吉・藤村恵人・・・・太田健

 

セシウム吸着シートを用いた畑地土壌における溶存態放射性セシウム量の変動把握

井倉正人・吉川省子・杉山恵

 

溶存有機物による風化花崗岩土壌中のセシウムの移動促進効果

辰野宇大・濱本昌一郎・・西村拓

 

天水田における作土中137Csの滞留半減時間の推定

原田直樹・鈴木一輝・・・吉川夏樹

 

ダイズ子実の放射性セシウム濃度を効果的に低減させるために必要な時間の検討(1)

関口哲生・木方展治・井倉将人

 

土壌表層へ附加された底泥からイネへの放射性Cs移行

安瀬大和・松原達也・・・・・鈴木一樹

 

灌漑水田由来放射性Csの水田土壌表層への蓄積

星野大空・荒井俊紀・・・・原田直樹

 

異なる耕起法による更新を行った除染後採草地の土壌中放射性セシウムの濃度分布について

渋谷岳・伊吹俊彦・新藤和政

 

ドローン空撮を用いた除染後水田における土壌炭素・窒素濃度の面的予測の試み

戸上和樹・永田修

 

蛍光版を利用したオートラジオグラフィー技術で植物体内の元素動態を見る

栗田圭輔・鈴井信郎・・・・・・酒井卓郎

 

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(森敏)
付記:
  以上のように、今年は31課題の放射能汚染関連の研究発表がある。大学の研究者や現場の農業技術者は、福島農業の復興のために、2011年に発生した福島原発事故のしりぬぐいを8年間にわたって延々とさせられているわけである。実に地道な研究活動というべきであろう。
 
  しかし、原発事故という人類にとって未曽有の負の遺産を逆手にとって、これを契機にして、新しい自然現象の発見や新規技術開発をおこない、次世代人類生存のための学問も新しく発展していくべきなのである。そうでなければいつまで経っても被災者心理は救われないだろう。

  過去に遡れば、古河鉱業(足尾銅山)による渡良瀬川流域の銅による鉱毒汚染、神岡鉱山による神通川流域カドミウム汚染(イタイイタイ病)、窒素水俣工場による水俣湾の水銀汚染(水俣病)などなど、鉱毒、公害、による人体・環境汚染は、皮肉なことに、それを修復回復させるための医学・生物学・環境科学などを遅々とではあるが発展させてきたのである。

2019-08-10 22:04 | カテゴリ:未分類

            以下の文芸春秋の記事を無断転載します。

      東電に対する公開質問状で、東電側から出てきた数値データ資料を、元東電の原子炉の「炉心」分析の現場からのたたき上げの筆者が、詳細分析したところ、14時46分に地震が発生し、その1分30秒後に、すでに、津波が来る前に配管が破損し冷却水の流れがストップしていたことを解明した画期的な「原子炉心溶融爆発事故の真の原因」の指摘です。

     

      ここでは最後の結論の部分の文章だけ引用します。

ここで述べられている「自動循環」というキーワードは、長くなるので無断引用できませんのでぜひ本を買って本文をご参照ください。

  
  
     

福島第一原発は津波の前に壊れた 木村俊雄 

文芸春秋 9月特別号 170頁~179頁

 

::::::::

東電は「津波によってメルトダウンが起きた」という主張を繰り返しています。そしてその津波は「想定外の規模」で、原子力損害賠償法の免責条件に当たるとしています。しかし「津波が想定外の規模だったかどうか」以前に、「津波」ではなく『地震動』で燃料破損していた可能性が極めて高いのです。

 しかも私が分析したように、「自動循環」停止の原因が、ジェットポンプ計測配管のような「極小配管の破損」にあったとすれば、耐震対策は想像を絶するものとなります。細い配管のすべてを解析して耐震対策を施す必要があり、膨大なコストがかかるからです。おそらく、費用面からみて、現実的には、原発は一切稼働できなくなるでしょう。

原発事故からすでに8年経ちますが、この問題は決して“過去の話”ではありません。不十分な事故調査に基づく不十分な安全基準で、多くの原発が、今も稼働し続けているからです。

   

追記: 下記に転載するように、遅ればせながら文春自身が文春on lineで、この記事を宣伝している。



福島第一原発は津波が来る前に壊れていた」元東電社員“炉心専門家”が決意の実名告発

「文藝春秋」編集部 © 文春オンライン 福島第一原発 ©共同通信社

 2019/08/13 05:30

 

 福島第一原発事故から8年。

 大事故を受けて、一時は「稼働中の原発はゼロ」という状態にもなったが、新しい安全基準(「新規制基準」)が定められ、現在、国内で7基の原発が稼働中だ(玄海原発4号機、川内原発12号機、大飯原発4号機、高浜原発34号機、伊方原発3号機)。

 2013年に定められた「新規制基準」について、電気事業連合会はこう説明している。

「東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故では地震の後に襲来した津波の影響により、非常用ディーゼル発電機・配電盤・バッテリーなど重要な設備が被害を受け、非常用を含めたすべての電源が使用できなくなり、原子炉を冷却する機能を喪失しました。この結果、炉心溶融とそれに続く水素爆発による原子炉建屋の破損などにつながり、環境への重大な放射性物質の放出に至りました。こうした事故の検証を通じて得られた教訓が、新規制基準に反映されています」

元東電社員が突き止めた本当の事故原因

 要するに、「津波で電源を喪失し、冷却機能を失ってメルトダウンが起こり、重大事故が発生した」ということだ。

 この点に関して、津波の規模が「予見可能だったか、想定外だったか」という議論がなされてきた。しかし双方とも「津波が事故原因」という点では一致し、多くの国民もそう理解している。

 ところが、「津波が原因」ではなかったのだ。

 福島第一原発は、津波の襲来前に、地震動で壊れたのであって、事故原因は「津波」ではなく「地震」だった――“執念”とも言える莫大な労力を費やして、そのことを明らかにしたのは、元東電「炉心専門家」の木村俊雄氏(55)だ。

 木村氏は、東電学園高校を卒業後、1983年に東電に入社、最初の配属先が福島第一原発だった。新潟原子力建設所、柏崎刈羽原発を経て、1989年から再び福島第一原発へ。2000年に退社するまで、燃料管理班として原子炉の設計・管理業務を担当してきた“炉心屋”である。

 東電社内でも数少ない炉心のエキスパートだった木村氏は、東電に未公開だった「炉心流量(炉心内の水の流れ)」に関するデータの開示を求め、膨大な関連データや資料を読み込み、事故原因は「津波」ではなく「地震」だったことを突き止めた。

「津波が来る前から、福島第一原発は危機的状況に陥っていた」

「事故を受けて、『国会事故調』『政府事故調』『民間事故調』『東電事故調』と4つもの事故調査委員会が設置され、それぞれ報告書を出しましたが、いずれも『事故原因の究明』として不十分なものでした。メルトダウンのような事故を検証するには、『炉心の状態』を示すデータが不可欠となるのに、4つの事故調は、いずれもこうしたデータにもとづいた検証を行っていないのです。

 ただ、それもそのはず。そもそも東電が調査委員会に、そうしたデータを開示していなかったからです。そこで私は東電にデータの開示を求めました。これを分析して、驚きました。実は『津波』が来る前からすでに、『地震動』により福島第一原発の原子炉は危機的状況に陥っていたことが分かったのです」

 7基もの原発が稼働中の現在、このことは重大な意味をもつ。「津波が原因」なら、「津波対策を施せば、安全に再稼働できる」ことになるが、そうではないのだ。

 木村俊雄氏が事故原因を徹底究明した「福島第一原発は津波の前に壊れた」の全文は、 「文藝春秋」9月号 に掲載されている。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 20199月号)

 



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