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2020-01-16 07:33 | カテゴリ:未分類
    双葉町で 毎時17マイクロシーベルトある民家の庭に生えている真竹を手折ってきて放射能を測定した。

    解体して各部位に分けて測定した(表1)。

    下に示した写真(図1)の数字が一部隠れて見にくいが、皮の部分を下から順番に番号を打っている。

    表1の側芽というのは肉質部分の節位から出ている小さな芽の事である。

    葉の先端部 > 側芽 > 肉質部 > 外皮

の順に放射能が高い。また外皮は新鮮な上に行くほど高くなっているきれいな傾向にある。

    Cs-134は Cs-137の約6%にまで減衰していることがわかる。

    以上は定量値であるが、この放射能の傾向は、オートラジオグラフ像(図2、図3)でも定性的に見てとれる。

    これらの結果は、以前(2014年 付記1。参照)に論文発表した 飯館村から採取した真竹の分析結果とまったく同じ傾向であった。

   今回は肉質部では節位のみを分離して測定してはいないが、オートグラフの像からこの節位が高いことがうかがわれる。

    この節位の部分は、いつも説明しているように、師管と導管が入り組んでいる組織であるから放射性セシウムが滞留して、濃く見えるのである。


  タケノコは根茎が土壌の下に隠れてつながっているので、土壌を剥離すると同時に根茎を全部根こそぎにしなければ、いつまでも放射能が残留して、春先に地上部に放射能が移行することを繰り返しているのである。





スライド2 
図1 真竹を皮と肉質部に詳しく解体したもの。     
  
    
 
 スライド1
 
 図2. 図1のオートラジオグラフ 最先端が一番濃く、肉質部位や、その節位が濃くうつっている。
    
 
スライド3 

図3.図2のネガテイブ画像。梯子様にみえる各節位と肉質の先端部が総体的に濃いことがよくわかる。

  
   


 表1. 真竹の部位別放射能(図1、図2 参照)

 たけのこ17マイクロシーベルト1
  


   

(森敏)

付記1:以下の小生らの2014年の論文をご参照ください。

Nakanishi H, Tanaka H,  Takeda K, Tanoi K,  Hirose A,  Nagasaka S,  Yamakawa T, and  Mori S. (2014)
Radioactive cesium distribution in bamboo (Phyllostachy Reticulate (Rupr) K.Koch) shoots after the TEPCO FUKUSHIMA DAIICHI Nuclear Power Plant disaster. Soil Sci. Plant Nutri. 60, 801-808
     
追記1: 今頃遅ればせながら、朝日新聞が 2019年10月13日 の台風による福島県田村町における放射能汚染土壌貯蔵フレコンバックの流出現場の画像を記事にしている。

https://www.asahi.com/special/matome/flecon/?iref=kijishita_bnr
2019-11-30 12:13 | カテゴリ:未分類
      以下、つい多少学術論文調になるのですが、どうか最後までお読みください。図や表を前後して、照合しながらじっくりと読んでいただければありがたいです。
   
    
     以下の図1は、2011年2011年11月11日に飯舘村飯樋地区の道路わきのヒノキの植林地で、目の高さで採取したヒノキの小枝です。
        
     実はこの時撮像したオートラジオグラフには、今回撮像した図2の画像に、うっすらと映っている、各枝の葉の上部の汚染像に気がつかずに、各枝の下部のやたら強く汚染している部分だけを、紹介しました。
  
      
     http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1474.html
        

     当時は短時間の感光時間で画像が現れたので、どの葉も強く全面的に汚染していると思っていたのです。写真画像とオートグラフの画像を、きちんと照合せずに紹介してしまったのです。図2のまだらに映っている黒い部分、または、図3のまだらに映っている白い部分は図1の②⑤⑧⑩⑪の部分が、原発から直接飛んできた放射能によって、やけどのように直接汚染している葉の部分です。(①④⑦は枝の軸の部分です)
         
     今回8年間保存していた同じサンプルを、再度慎重に長時間感光してみたところ、図2、図3のように、これまで見えていなかった、上部の新葉の部分、図1の③⑥⑨の部分が浮かび上がって来ていささか驚いている次第です。
           
     表1 は、これらのサンプルを慎重に各部位に分離して、パーキンエルマー製のNaIガンマ線スペクトロメーターで精密測定したものです。最近はこの測定器で少量の部位ごとのサンプルが短時間で測定できるようになりました。なので飛躍的に生理学的に面白いことがわかるようになってきました。

         
     
 スライド1

 図1.2011年11月11日飯舘村飯樋地区で採取したヒノキの小枝。①から⑪までのナンバーは、表1に掲載されている測定値のナンバーに対応しています。

      





 


スライド2 
 
 図2.下位の旧葉は激しい外部汚染を受けている。それに比べて、被爆時の半年後に伸長してきた新芽は、外部汚染はあまりなく、はるかに低いうっすらとした内部汚染のみである。
    


    
 
 
 スライド3
 
図3. 図1のネガテイブ画像である。この像では図2よりもコントラストが強く感じられて、新芽の方はうっすらとしか映っている。

          



 
      
スライド1 
 
1.この表の番号は図1に対応している。
2.枝のみ、というのは、葉を全部取り除いた残りの木質部分です。
3.放射能の測定は2019年9月に行ったものです。サンプルの採取は2011年11月11日のものです。採取後測定までに年月が経っているので、当初は1:1であった両放射能の比が、半減期が短いCs-134が半減期が長いCs-137と比べて大幅に減衰している。


     
 
     

      

     以下の図4、図5、図6、図7、図8、図9は、2015年に浪江町で一本のヒノキの3か所から、へし折ってきた小枝のサンプルと、そのオートラジオグラフです。すべて先端に向かった新葉部分が、強く汚染しており、下位の旧い葉の部分は新葉に比べればはるかに汚染の度合いが低い。3本の小枝が全く同じ傾向を示しているので、このセシウム移行に関する生理現象はヒノキでの一般法則と考えてよいと思われます。(煩雑になるので、各部位の放射能の測定データは示していません)
       
      つまり、時間が経つと、汚染放射能は、汚染土壌の根からなのか、外部汚染の樹皮からなのか、外部汚染の葉からなのか、その汚染源は不明ですが(たぶんそれらの各部位からの積分的なものだと思われますが)、放射性セシウムは、まず新葉に優先的に輸送される。
           
  これは植物では、根から吸収させたばあいに窒素・リン酸・カリなどの植物にとっての必須元素が細胞分裂と伸長の盛んな新葉に優先的に移行することと類似しています。
          
  放射性セシウムは植物の生育にとっては必須元素ではないけれども、樹木の体内ではあたかも細胞が必要な元素のようにふるまっているのです。おそらくカリウムの代替物として、カリウムが集積する細胞では、その放射能でカリウムの代謝を狂わせて、染色体にダメージを与えているだろうと思われます。
       
      図5、図7、図19のように、一旦植物に取り込まれた、この放射性セシウムが、新しい葉に移行する現象は極めて顕著で、当初の放射能分布(図2、図3)との違いが明瞭です。
       
      この現象は植物生理学的にも一般法則と思われます。すでに先日の東京新聞での協同研究でもモミの木の例で細かく、オートラジオグラフと数値データで紹介しておいた通りです。
       
     https://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/1083

   
    
   
       

 スライド1 
図4. 2015年のヒノキの小枝
 
スライド2 
図5.図4のオートラジオグラフ。 新葉の方が強く放射性セシウム汚染している。

 
 スライド3
 
 図6. 2015年のヒノキの小枝
     

 
スライド4 
 
 図7.図6のオートラジオグラフ。  新葉の方が強く放射性セシウム汚染している。
     

 
スライド5 
 
 
 図8.2015年のヒノキの小枝
     

スライド6
図9.図8のオートラジオグラフ。  新葉の方が強く放射性セシウム汚染している。

     
 
     
  

ご拝読ありがとうございました。
   
以上述べてきたことは、きわめて単純な話で、これまでも繰り返し、ご紹介してきたことです。
        
読者諸氏から、なんでもコメントや質問いただければありがたく存じます。  
    
 
       
(森敏)
2019-11-25 15:31 | カテゴリ:未分類

 

 

 

 

中国の友へ
香港での市民革命が始まった。貴君が貴国のニュース源で、昨日の香港の投票の様子を、正確に伝えられていない可能性があるので、本日の日本の朝刊各紙から抜粋して無断転載します。拡散してください。

  
           

【香港=渡辺伸】香港で24日投票が行われた区議会(地方議会)議員選挙で、民主派が圧勝する見通しとなった。香港メディアによると、民主派は全452議席のうち8割超を押さえ、選挙前の約3割から大きく躍進する。民主派は区議選をデモの賛否を問う「住民投票」と位置づけてきた。デモ支持の民意が示されたとして、普通選挙などの要求を強める可能性がある。

民主派が区議会選で過半数以上を獲得するのは1997年の中国返還後で初めて。地元メディアの香港01によると、議席数(日本時間25日正午時点)は民主派が385、親中派が58、いずれにも分類できないその他が8議席を獲得する。全18の区議会のうち大半で、民主派が過半数以上の議席を獲得する。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)によると、15年の前回選挙は民主派が126、親中派が298、その他が7議席だった。

投票者数は約294万人と、前回から倍増した。暫定の投票率も47%から71.2%に高まり、中国返還以来の直接選挙で過去最高を記録した。6月に大規模デモが始まってから初めての主要選挙で、有権者の関心が高まった。この区議会選は議員1人を選出する小選挙区制度のため、民主派が地滑り的な勝利をおさめた。

区議会は地域にかかわる政策を政府に提言する機関で実質的な権限は大きくないが、政府トップの行政長官を決める選挙委員1200人の1割程度にあたる117人が割り当てられる。香港メディアによると、民主派は22年の行政長官選で117人すべての選挙委員枠を獲得する見通しだ。

民主派の圧勝により、デモ参加者が掲げてきた「五大要求」が強まる可能性がある。五大要求のうち、大規模デモのきっかけになった、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡せるようになる逃亡犯条例改正案の撤回は実現した。

だが、デモを暴動とする政府見解の撤回、デモ参加者の逮捕・起訴の中止、警察の暴力行為を調べる独立調査委員会の設置、普通選挙の実現――という残る4つの要求は実現していない。

民主派はデモに参加する若者など積極的に候補者擁立を進め、すべての選挙区で親中派と対決する構図になった。デモの取り締まり強化を進める政府や警察への反発も民主派を押し上げる要因になった。親中派は社会の安定を訴えたが、劣勢をひっくり返すことはできなかった。

区議選前にはデモによる交通妨害などで選挙を円滑に実施できるか疑問視する見方もあった。しかし選挙直前に過激なデモがいったん止まり、予定通り全選挙区で投票が行われた。     

 

     

【香港時事】
 
香港区議会(地方議会)選は25日、民主派が親中派に圧勝し、過半数を獲得したことで、反政府デモに強硬姿勢を貫いた香港政府トップ林鄭月娥行政長官を批判する民意が示された。林鄭氏はレームダック(死に体)化し、政権運営はますます困難になった。民主派の躍進により2022年の次期行政長官選(任期5年)など香港政局にも影響を与えることは必至だ。
 香港の識者の間では、「(中国政府は)デモへの強硬措置を含む汚れ仕事を林鄭長官に全て背負わせた上で、事態が落ち着いた段階で更迭するのではないか」との見方もささやかれている。
 区議会は地域の課題を政府に提言する立場で、政権運営に関与しないが、区議は行政長官を選ぶ選挙委員会に影響力を持つ。長官選は1200人の選挙委員会による間接選挙だが、選挙委には区議枠があり、区議会で過半数以上の議席を占める派閥は最大117人を送り込めるからだ。
 現在は親中派が区議会議席の約7割を占めるので、選挙委割り当ても親中派が全てを握る。今回、過半数を獲得した民主派がこれに取って代わることも可能になる。現選挙委の中で民主派は325人にとどまるが、仮に117人が合流した場合、440人超になる計算で、行政長官選への影響力は格段に増す。
 しかし行政長官の任命は中国政府が主導するため、実際に民主派寄りの候補が就任する可能性は皆無だ。ただ民主派にとっては、比較的考え方の近い親中派候補の選出に向け、民主派票をまとめるといった動きも取りやすくなるなど中国政府に間接的な圧力を与えられ、中国政府は香港政策の練り直しを迫られることになりそうだ。

     

 【香港=角谷志保美】
    
香港と中国両政府への抗議運動が続く香港で24日に行われた区議会選挙(地方議会選に相当)は、民主派が直接選挙による議席数の約85%を獲得して大勝した。区議選を抗議運動への支持を問う「住民投票」と位置付けてきた民主派は、結果を受けて政府への要求を強める構えだ。

 選挙管理委員会の発表に基づく香港メディア「香港01」の報道によると、25日午前11時半(日本時間午後0時半)時点で、452議席中451議席の集計を終え、民主派が385議席、親中派が58議席となった。民主派の議席は選挙前の約3割から大幅に増えた。民主派が区議選で過半数を制するのは、1997年の中国返還以来、初めてだ。

 選挙は警官隊の厳戒態勢下で行われ、投票率は71%と、中国返還後、最高を記録した。投票者数も、過去最高の294万人となった。抗議運動の激化で、一時は区議選の実施が危ぶまれたが、デモ隊側は投票日前の数日は過激な活動を控え、選挙は大きな混乱なく行われた。

 民主派は、区議選について、警察のデモ隊への暴力を調べる独立調査委員会の設置や行政長官選挙の民主化など「5大要求」への信任投票と位置付けていた。

 6月から100万人規模(主催者発表)の抗議デモを3回主催している民主派組織・民間人権陣線(民陣)の(しん)子傑(しけつ)代表ら、積極的に抗議運動に携わってきた候補者が続々と当選した。

 岑氏らは当選後、「これは抗議運動への信任投票だ。政府が実施した選挙でも民意が明確に示された。政府は5大要求に対応すべきだ」と求めた。民陣は12月8日にも抗議集会を予定している。

 一方の親中派は、現役の立法会(議会)議員を含む重鎮が次々と落選した。

 中国の習近平(シージンピン)政権の指示で、香港政府はデモ隊への批判を強め、抗議運動への取り締まりを強化してきた。しかし、区議選では、デモの住民生活への影響が広がる中でも、抗議運動への支持が根強いことが示された。

 来日中の中国の(ワン)(イー)国務委員兼外相は25日、首相官邸で記者団に香港の区議選について問われ、最終的な結果が出ていないと指摘した上で、「何が起きようと、香港は中国の領土の一部だ。香港の安定と繁栄を損なう、いかなる企ても実現はできない」とけん制した。

 親中的な香港紙・大公報は25日、親中派議員の事務所がデモ隊の襲撃で破壊された写真を1面に掲載し、「暴力と脅しで公平な選挙ができなかった」と主張した。中国側は今後、選挙の有効性に疑問符を付け、選挙で示された「民意」を否定する可能性が高い。
        

         

 

 【香港=三塚聖平】

     
香港メディアは25日朝、前日に投票が行われた区議会(地方議会)選挙で民主派が圧勝したと報じた。開票は25日午前も続いているが、香港メディアは直接選挙で選ぶ全18区で計452議席の8割超を民主派が獲得するとの見通しを伝えた。1997年の中国返還後に民主派が過半数を獲得するのは初めて。「逃亡犯条例」改正問題に端を発した抗議デモが本格化した6月以降に香港全域で行われる選挙は初めてで、民主派は政府の対応の賛否を問う「住民投票」と位置づけていた。
      
 香港ネットメディア「香港01」は25日朝、途中経過として、民主派が8割超の363議席を獲得すると報じた。選挙前は約7割を占めていた親中派は47議席にとどまるとした。

 選挙管理委員会によると暫定の最終投票率は71・2%と、過去最高だった前回2015年の47・01%を20ポイント超も上回った。投票者数は約294万人。香港メディアによると中国返還後の香港での直接選挙で最も高い投票率で、80%を超えた選挙区もあるという。
      

 親中派の大物として知られる何君堯(か・くんぎょう)氏の敗北が伝えられるなど、多くの選挙区で民主派新人が親中派の現職を破った。民主派陣営から立候補した日本人の賣間(うるま)国信さんは落選した。

 選挙前には投票所の襲撃情報が流れ、投票が早期に打ち切られるという観測もあった。重装備の警察官らが警戒にあたる厳戒態勢が敷かれたが、結果的に大きな混乱はなかった。
      
 区議会には地域の法律や予算を決める権限はなく、地域の問題で政府に提言する役割しかない。だが、452議席を1人1票の直接選挙(小選挙区制)で選ぶ区議会選は香港で最も民意が反映されやすい選挙とされる。区議会選の結果を受けて香港政府や中国政府がどのような反応を見せるかが、抗議デモの行方に影響を与えるとみられる。

         

     

 (香港=益満雄一郎)

      
政府への抗議デモが続く香港で24日に行われた区議会選挙で民主派が圧勝し、一部香港メディアは全452議席の8割を超える386議席を獲得したと報じた。1997年の中国返還後、民主派による過半数の獲得は初めて。香港メディアが25日未明、報じた。民主派の勝利が確実になったことで、中国政府は香港政策の見直しを迫られる可能性がある。

 民主派の改選前の議席は約3割で、今回の選挙で大幅に躍進した。民主派はデモを支持する民意が示されたとして普通選挙の実現などの要求を強める構えで、今後の香港情勢に大きな影響を与えそうだ。

 区議選の投票率は暫定で71・2%に達し、過去最高だった前回選挙の最終的な投票率を約24ポイント上回った。市民やデモ隊の要求を拒み続ける香港政府への不信や政治変革を求める機運が高まったことで、投票率が大幅に上昇した。

 民主派は選挙戦で、デモに参加する若者らを積極的に擁立し、全選挙区で親中派と対決する構図となった。香港・中国の両政府を支持する親中派は社会の安定を訴え、巻き返しをはかったが及ばなかった。

 区議選は1人1票の直接選挙で争い、香港で最も民意を反映しやすい選挙とされている。6月にデモが本格化してから最初の選挙で、政府への信任を問う「事実上の住民投票」とも言われた

      

     

〈解説 (香港・坪井千隼)〉

     
香港の区議会選挙は、民主派が歴史的な圧勝を収めたことで、デモを支持する明確な民意が示された。抗議活動が六月から続き混迷が続く香港は、大きな節目を迎えた。

 区議会は地域課題について政府に提言する役割で、立法権はない。だが今回は抗議行動に対する住民投票の意味合いが強い。

 投票所で取材した有権者からは、過激なデモ活動への不安や香港経済に与える影響を危惧する声も上がった。だが実弾を発射したり、市街地に大量の催涙弾をばらまく警察・政府への怒りや、「一国二制度」によって香港が大切に守ってきた「自由」や「人権」が、このままでは奪われてしまうという恐怖心が、それを上回った。

 今回の選挙結果を受け香港政府は、「警察の暴力に対する独立調査委員会の設置」や「普通選挙の実現」など、デモ隊が求めてきた政治要求に応じるよう迫られる。大学などで過激な行動を展開してきた「勇武派」の若者たちは、区議選が延期されないよう一時的に活動を控えてきた。香港政府が具体的な対応をとらなければ、過激な活動が再開される可能性は高い。

 香港政府の後ろに控える中国政府は、香港への強硬姿勢を強めており、デモ隊の要求を容認する可能性は低い。だが、ここまで明確な民意が示された中、デモへの強硬姿勢が続けば、国際社会の批判も一層強まるだろう。

     
     
【香港=坪井千隼】香港の区議会議員選挙(地方議会、十八区で直接投票枠四百五十二議席)は二十五日、開票が終了し、民主派が議席の約85%を獲得し圧勝した。改選前に七割近くの議席を占めていた親中派は惨敗。抗議デモに強硬姿勢で挑む香港政府と中国の習近平指導部に対し、香港の民意がノーを突き付けた。民主派が過半数を獲得したのは、一九九七年の中国への香港返還後初となる。

 抗議活動が民意の支持を得たことで、香港への介入を強める中国に対する反発がさらに強まりそうだ。ただ、デモ隊による「五大要求」に対して中国や香港政府が譲歩姿勢に転じるかどうかは見通せない。

 香港メディア「立場新聞」によると、民主派が三百八十八議席を獲得。親中派は五十九議席にとどまった。得票率では、民主派が57%、親中派が41%だった。六月にデモが本格化して以来、民意を問う初の機会。市民の関心は高く、投票率は71・2%となり、返還後最高だった二〇一五年の前回(47・0%)を大幅に上回った。

 区議会は香港政府トップの行政長官を選ぶ選挙委員会千二百人のうち百十七人を選出する区議会議員枠があり、香港メディアによると圧勝した民主派がすべて獲得する見通しだ。行政長官選挙にも大きな影響を与えることになるため、中国が選挙制度の規則変更などを通じて民主派への圧力を強める可能性もある。(11月26日 東京新聞朝刊)

   
    

(森敏)


追記1:案の定、朝日新聞北京支局からの報道では、中国紙による国内報道は、この香港選挙の集票結果とその獲得議員数などの数値が、全く公表されていないということだ。なんという法治国家なんだろう! この破廉恥とも思わない報道管制はまるっきり共産党・習近平・封建・王朝だね。「民は寄らしむべし、知らしむべからず」

追記2.
【香港=共同】 「香港人の勝利だ」「政府に対する不満の結果だ」。二十五日未明、香港区議会(地方議会)選挙で当選を決めた民主派候補者らは、興奮した様子で支持者らと喜びを爆発させ、民意に沿うよう政府へ求めた。一方、惨敗した親中派の候補者は「異常だ」とぼうぜん自失となった。 

 六月以降大規模デモを先導してきた民主派団体「民間人権陣線」の岑子傑(しんしけつ)代表(32)は、対立候補と新界地区の開票所で開票作業を見つめた。当選が分かり大歓声が上がると、涙ぐむ支援者と抱擁。右腕を突き上げ「(普通選挙の導入など)五大要求は一つも欠けてはならない」と叫んだ。

 岑氏は八月と十月にバットを持った男らに襲われ負傷しており、恐怖を感じながら選挙を戦った。社会全体の政治的関心の高まりが結果につながったとし、目を赤くしながら「香港人の勝利だ」と語った。

 二〇一四年の香港大規模民主化デモ「雨傘運動」のリーダーで、立候補を無効とされた黄之鋒(こうしほう)氏の代わりに出馬した林浩波(りんこうは)氏(40)も当選。「香港、中国両政府への不満が結果に反映された」と話した。

 「天地がひっくり返った。異常な選挙だ」。落選した親中派の弁護士何君尭(かくんぎょう)氏(57)は自身のフェイスブックへの書き込みで動揺を隠さなかった。親中派の女性候補者は「政府の貧弱な統治」が敗北の原因と強調、香港政府トップの林鄭月娥(りんていげつが)行政長官を批判した。



2019-11-15 16:23 | カテゴリ:未分類

福島県双葉郡双葉町細谷 の道路から150段ぐらい上がると山頂に羽山神社というのがあり、そこから南西を眺望すると、1.3kmぐらい先に東電第一原発の原子炉の5号機や6号機があるはずである。しかし、現在すでにいろいろの建物が建設されてきているので、この角度からは2つの原子炉は隠れて見えない(図1)。
スライド2 
図1.東電福島第一原発敷地を羽山神社から南西に眺めると。。。。。

   

さかのぼって、東電の平成27年の資料の図面によるとこの地域に「雑固体廃棄物焼却設備」が<建設中>と記されていた。が、その後、東電の2019年1月31日の資料の図面では、この「雑固体廃棄物焼却設備」は完成したようである。
  

https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2019/2-3.pdf

  

それが図1の左の煙突が立っている全面が白色で覆われている建物と思われる(この写真では煙突はぼけて見えるが実際は2本が重なって立っている)。この東電の資料の図面には、敷地内のこの新規建造物の周辺には毎日の除染作業員から出た膨大な「使用済み保護衣服」や敷地内の森林伐採汚染雑木などの置き場があちこちに散在して、結構な敷地面積を占めているように描かれている。なので、ここではこれら原発敷地内で生じた「放射能汚染雑固体」を東電はいよいよ焼却による減容化処理に踏み切るのかもしれない。煙が出ていないので実際の焼却はまだ可動していないようだが。(どこかで東電は敷地内での減容処理に関する発信をしているのかもしれないが、小生はニュースでは確認していない)

     

この建物以外に図1では中央右側にしっかりした高い煙突のある建物が急ピッチで建設中である。これは東電の2019年1月31日の資料の図面では全く示されていないが、何かの放射能汚染物質の焼却場であると思われる。木の枝に隠れて見えにくいのだが、高い煙突がそびえている。11月9日の段階では建物の白い壁の面積がほぼ完成に近くおおわれており、2週間前に眺めた10月27日の時点から比べて急ピッチで進捗していた。

  この2つの建物群を見ながら過去8年間の減容化の動きについていろいろなことを思い出した。

  

過去にさかのぼれば、このような焼却による減容化施設はすでに平成26年度から環境省によって飯館村蕨平(わらびだいら)で住民の苦渋の選択により施設が稼働実施されている。(しかし小生はこれまで、この施設の現場を外からでも見学してはいない)

https://www.vill.iitate.fukushima.jp/uploaded/attachment/2083.pdf

飯舘村蕨平地区における可燃性廃棄物減容化事業について
   
スライド1 

図2.減容化施設か?   
     

今回も、偶然発見したのだが、11月9日に郡山から浪江町に至る道路の途中に図2のような施設があり、煙突から白色の水蒸気様の煙が立ち上っていた。この施設は一見して、真っ白な壁で囲われた閉鎖系であるので、単なるごみ焼却場ではなく放射能の汚染物を処理する焼却場ではないかと思われる。車で急いでいたのでよく確認できなかったのだが、建物の看板に「安達地方広域行政統合」などの文字と6社のロゴが示されていたので、コングロマリットであると思われた。大中小の土建業者などが相応に利権を分け合ってこの工場は建設されて可動しているものと思われる。

 

     

実は、小生は以下のブログで述べているように、原発事故暴発の年である2011年の9月の段階で、放射能汚染土壌などの減容化を頻繁に提案した。その後、あまりにも行政の動きがちんたらしていたし、基本的には除染技術の実践は住民の説得と土建屋さんの談合のテーマなので、途中で、この件には関わらないことにした。関わりようがなかったといった方が正しい。

  

第2回除染学会で、小生が、会場で「ダイオキシン処理施設や高温ロータリーキルンなどによる焼却による減容化をなぜ進めないのか?」と質問した時に、ある通産官僚のOBが小生に囁いてくれた言葉が忘れられない。

   

「大手各社が足並みを揃えて、除染技術を確立しなければ、どこか一社が突出したら各社が膨大な除染予算の利権にありつけないからだよ」。


    

減容化に関して、以下のWINEPブログをご参考ください。

  

2014/06/30 : 意外に早く「放射能汚染土壌の減容化技術」は達成するかもしれない

2012/08/29 : 再論:ロータリーキルンによる放射性セシウム汚染土壌の減容化について

2012/03/24 : 環境省による減容化実験の公募採択課題について

2012/02/22 : 今度こそ本物であってほしい

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2011/09/03 : 提案17:放射性セシウム濃厚汚染表土は汚染現場で焼却処理すべきである

        

現在上記に紹介したように少なくとも草木の減容化技術はほぼ実証試験で確立して、減容化事業は、詳しく報道はされていないが、放射能の強度汚染地域で、住民が帰還できていない地域では、避難住民がやむなく受容できる事業として、あちこちで行われているものと思われる。

 


(森敏)
2019-11-05 11:48 | カテゴリ:未分類
図1  
 図1 google map 上に氾濫地点を赤い矢印で表示した。崩壊地点のすぐ上流の橋は鷹ノ巣橋 
 
図2

図2.鷹ノ巣橋から下流を眺めた左岸。先の方が崩壊している


 
 
 
 図3  
 図3.図2の堤防崩壊付近の拡大図
 
 
図4 
 図4 越水して堤防の背側がくずれて、池ができて、草木が拡散している
 
 
 図5
図5.鷹ノ巣橋から上流左岸の眺め。右下にサケの魚道がある。滔々と流れて来ている。ここの堤防は橋が越水していても崩れていない。
 

 
 図6
 図6.鷹ノ巣橋を右岸から眺めた。橋脚に草木が絡みついている。向こう(左岸)には橋が越水した時の灌木などが打ち上げられている。堤防の下は魚道。
 
 
図7 
 図7.やすらぎ荘の空間線量計 6.589マイクロシーベルト/h。
 

 
 
土砂汚染図1 
河川の土壌粒子が宮城県、福島県、茨木県の太平洋にも流れ込んでいることがわかる。
   
   


浪江町を流れる普段は実に美しい高瀬川渓谷の流れは下流で請戸(うけど)川と合流して請戸漁港手前の太平洋に流出する。ちょうど国道253号線(落合浪江線)が高瀬川に接する間際に、鷹ノ巣橋という、(橋のパネルによれば平成2年に竣工された)頑丈な橋がある。(図1

   

我々はいつもこの橋を渡って、この高瀬川が180度湾曲している、その孤島のような内陸部の川沿いにある「老人憩の家 やすらぎ荘」という老人ホームで定点調査を行っている(図1)。この建物は原発事故で強度に汚染されて今は閉鎖されているが、永久に使用されることはないだろう。その理由は、ここの庭に公的な定点観測装置が設置されていて、我々が浪江町の帰還困難区域に調査に入ることを許可されて、入れた2015年ごろには、ここの空間線量は10µSv/h以上という高い値を示し、建物の内部も放射能汚染がひどかったからである。

 

今回もこの鷹ノ巣橋を渡って、対岸のこの建物敷地の調査に入ろうとしたら、なんと! 橋のたもとに異常な量の枯れた流木や枯草の茎や根が集積していた(図6)。小生には一目で、この橋の左岸が越水したためだと分かった。そこで橋のたもとに車を止めて、橋から下流と上流を観察したら、下流側の50メートル下の堤防が崩壊していた(図2、図3)。堤防の裏の土地に10メートルx20メートルぐらいの大きさの陥没池ができていたので、堤防を越えた川水の越水によって、堤防の裏側が削られて、コンクリートの堤防が崩壊したことが容易に想像された。越水によって逆流した橋のたもとの家屋?が散々に崩壊していた。橋と堤防から乗り越えてきた土砂や草木が建屋全体にかぶさっていた(図4)。

 

橋の上から眺めると左岸の上流側と下流側にかけて、なんとサケの魚道ががっしりと100メートルばかりにわたって施工されていて、皮肉なことにそれはびくともしていなかった。淡水漁業組合による強い要請を受けて、しっかりと作られているものと思われた(図5)。

 

平成2年浚渫のこの橋の橋梁は頑丈な1本であったためか、ここには上流側の上部に多くの草木が絡まっていたが、多くの流木はここに絡まずに下流に流れて、橋の崩壊はなく、健在だったようである(図6)。

 

今回、件の「やすらぎ荘」の敷地は6.589µSv/hという空間線量を示していた(図7)。過去の写真撮影からの記録では20161113日には9.888μSv/hであったので、この3年間の放射性セシウムの半減期から計算した減少率からすると少し急激すぎる。やすらぎ荘の敷地は低地にあり、孤島の山側から急こう配でこのやすらぎ荘の周りを経由して高瀬川に流れこむ土砂が放射能をいくらかは消し去ることになったかもしれない。今回やすらぎ荘の中まで浸水した様子がなかったのだが。

 

今後も異常気象で、台風や豪雨のために、福島の山林の放射能は、意外に土壌表面の強度に汚染した落ち葉層や腐植層や土壌の粘土鉱物自身が豪雨でえぐられて、河川を通じて、海洋に放流される率が高くなるのかもしれない。そのために沿岸では低質にすむカレイなどの魚が、一時的に放射能値が上がる可能性がある。漁業組合にとっては、耐えられない事態であるのだが。(先日も2019104日に福島県5.2キロ沖でとれたシロメバルが100ベクレル/kgという基準値以下ではあったが、53ベクレル/kgであったということで、漁業組合でも販売中止問題になったところであった。)

 

実際、JAXAの人工衛星画像でも、かなりの遠洋沖まで、今回の1013日の15号台風の豪雨により、河川の流砂が太平洋岸に拡散している最中であることが明白である。(JAXA衛星画像参照) 

 

   
(森敏)


追記1.この辺りは帰還困難区域に指定されているので、普段は人があまり通らないところなので、氾濫しても堤防の修復はずっと後回しになるような気がする。


追記2.11月14日の時点でも、朝日新聞や福島民報でも、福島県内の調査でこの場所が決壊していることの報道が全くなされていない。誰が調査をしているのかがわからないが、帰還困難区域の調査は後回しなっているのだろう。

 

 

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