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2023-02-28 15:11 | カテゴリ:未分類
20190716_森先生

上図は環境エネルギー研究所の飯田哲也さんが去る2月16日に「放射線被ばくを学習する会」でのZOOM講演会で話した100枚以上のパワーポイントのスライドの中の一枚である。
諸外国が自然エネルギーをベ-スロード電源に切り替えているのに、日本政府は今後とも「原発をベースロード電源とすべきだ」というあたまの硬さだ。日本の官僚や世界の原子力マフィア(大学の原子力研究者を含む)がやることは後手後手後手後手だ。実に嘆かわしい。産官学界がアナクロニズムに陥っている極致というべきだ。
  

原発60年超の運転延長を可能にする法案を閣議決定 政府
TBS NEWS DIG によるストーリー • 1 時間前

政府は、60年を超える原発の運転延長を可能にするエネルギー関連の法改正案を閣議決定しました。
閣議決定したのは、原子力基本法など5つの法律の改正案を束ねた法案です。
福島第一原発事故後に導入した「原則40年、最長60年」という運転期間の規定を、原子力規制委員会が所管する法律から経済産業省が所管する法律に移管します。安全審査などで原発が停止した期間を計算から除外し、60年を超える運転を可能とします。
こうした改正には原子力規制委員会の委員1人が反対を表明するなど、「スケジュールありき」との批判もある中、閣議決定に踏み切りました。
西村康稔経産大臣
「原子力事業者全体で安全管理体制を改めて構築していく。こうしたことを確認しました」
また、原子力基本法の改正案では、原発活用による電力安定供給の確保などを「国の責務」と明記しています。





(森敏)
追記:以下中国の自然エネルギー生産の現状が紹介された。実にその実践力の速さに圧倒されるね!!

中国の再エネ発電「設備容量」が石炭火力超え 「国家目標」追い風に太陽光と風力の急増続く
財新 Biz&Tech によるストーリー

中国の再生可能エネルギー発電の設備容量が、石炭火力発電の設備容量を初めて上回ったことがわかった。2月13日、中国のエネルギー政策を所管する中国国家能源局が定例記者会見で明らかにした。

会見に出席した同局の新エネルギー・再生可能エネルギー司(訳注:日本の中央省庁の局に相当)の王大鵬・副司長によれば、再生可能エネルギー発電の2022年末時点の設備容量は12億1300万kW(キロワット)に達した。一方、中国電力企業連合会のデータによれば、同年末の石炭火力発電の設備容量は11億2000万kWだった。
設備容量は発電設備がフル稼働した場合の発電能力であり、現実の発電量とは異なる。2022年の発電実績を見ると、石炭火力が発電量全体の58.4%を占め、不動の首位の座を守っている。その一方、再生可能エネルギーによる発電量も全体の31.6%まで高まってきている。

新設の8割近くが再エネに再生可能エネルギー発電の設備容量が急増している背景には、「二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにカーボンニュートラル実現を目指す」という(習近平国家主席が打ち出した)国家目標がある。

前出の王氏によれば、2022年に新設された再生可能エネルギー発電の設備容量は1億5200万kWに上り、同年に新設された(火力発電や原子力発電を含む)発電設備容量全体の76.2%を占めた。

なかでも突出した伸びを見せているのが太陽光発電と風力発電だ。2022年には両者合計で前年比22%増の1億2500万kWの設備が新設され、過去最高記録を更新した。

太陽光発電と風力発電の新設は3年連続で1億kWを超え、両者合計の設備容量は2022年末時点で7億6000万kWに達した。これはすべての発電所の総設備容量の約3割に相当する。もっとも、太陽光発電と風力発電は気象条件による発電量の変動が大きく、2022年の実際の発電量は全体の13.8%にとどまっている。

(財新記者:趙煊)
※原文の配信は2月14日

2023-02-22 16:10 | カテゴリ:未分類
スライド2
図2

スライド1
図1


  
2月6日にM7.8を記録したトルコ南東部ハタイ県を中心とする大地震はその後もM6やM5レベルの余震が頻発している。(図1)
  
トルコで初の原発は2018年に起工式があり、現在4基建設中で、2023年稼働予定とされているらしい。このアックユ原子力発電所は、トルコ南部のメルスイン県にあり、今回の震源地ハタイ県から約150km西方にある(図1,図2)。
  
過去を探ると、このメルスイン県でも1998年にM6.3の地震が発生している。(JASTECの山本揚二郎氏による)

したがって、活断層の複雑な大地震の頻発するトルコ国土とその周辺は、本来ならば原発は一基も立地すべきではなかったはずである。
  
この原子炉建設には資金はロシアの投資家が提供しており、93%がロスアトムの子会社から提供されており(Wikipediaによる)、その資本が今後どこまで投入できるのか、今となっては大いに疑問符がつく。なぜなら狂犬プーチンに寄生して甘い汁を吸ってきたロシアの投資家オリガルヒたちは、ウクライナ戦争を契機に諸外国から彼らの海外資産を取り押さえられているからである。
 
また、原子炉の細部の耐震性に関してロシアの技術者が福島第一原発事故にどれだけ学んだのか、寡聞にしてロシアの原発が地震で緊急停止したという報告を知らない。彼らの原子炉は耐震経験がないのではないか?
 
狂犬プーチンの兵士たちがウクライナのチェリノブイリ原発やザポリジャ原発の敷地や建物に無神経に何度もミサイルを撃ち込んだり、原発敷地を戦車で占領したり、コンピューターを盗んだりする、jこれらのロシアの兵士たちの狼藉に関して、ロシアの原発技術者たちが、安全面から何らの異も唱えていないように思われることが、彼らへの不信感を抱かせる。
  
トルコの新設原発は建設を今すぐにでも中止すべだ。
  
(森敏)
付記:「余計なおせっかいだ、地震国のお前の国は次々と原発を再稼働しているではないか?」 と問われれば、グーの根も出ないところが実に日本人として情けないところだ。


追記1:以下は小生がChatGPTに質問して帰ってきた返事です。

問:トルコのアックユ原子力発電所への、今回のトルコ地震の影響はトルコ国内で報じられていますか?


回答:2022年3月1日時点で、トルコのアックユ原子力発電所における今回の地震による影響について、トルコ国内の報道ではあまり詳細に報じられていません。トルコ当局者は、地震発生時にアックユ原子力発電所が正常に稼働していたことを確認しており、現時点では原子炉への影響はないとの声明を出しています。
ただし、トルコ国内でもアックユ原子力発電所に対する不安や懸念が存在しており、地震によって原子炉やその周辺設備に被害が出た場合の影響や対応策についても、当局者が検討を進めていると報じられています。
2023-02-21 06:09 | カテゴリ:未分類
ウクライナ戦争でウクライナの東部戦線が膠着状態と伝えられる中、アメリカのバイデン大統領がキーウを電撃訪問した。

これは世界のだれもが予想しなかった事態ではないだろうか。

NATOの首脳がグダグダとウクライナへの軍事支援に躊躇している中で、イギリスとアメリカがいつも先陣を切って、ウクライナのゼレンスキー大統領の意向を汲ん軍事支援の雰囲気づくりに動いてきた。

これを契機に、NATOやアメリカは戦闘機の支援に近い将来踏み出すのではないだろうか。何しろ、ウクライナ周辺の境界周辺には最新鋭の戦闘機を狂犬プーチンが配置しており、本格的な空からの爆撃を開始する態勢だ。そうなったら戦局は大転換する。

諸外国がウクライナに戦闘機を大量に供与しなければ、いくら多くの迎撃ミサイルを供与しても防空し仕切れないのは明らかだ。
ロシアの戦闘機による制空権を取られたウクライナの国土は、1945年終戦間際の目も当てられない雨あられと降り注ぐ焼夷弾にさらされた東京大空襲や、広島長崎への原発投下時代と同様の爆撃機による都市炎上時代に突入する。今の遠方からのミサイル攻撃以上にロシア航空隊のやりたい放題になるだろう。

バイデンのウクライナの直接訪問は、アメリカとロシアの直接対決を世界に可視化したものである。

これでロシア国民も本腰を入れてプーチンの戦時体制を受け入れるかもしれない。間違った愛国心を煽られて積極的にプーチンのために死ぬ奴が出てくるかもしれない。アメリカ国民もEU諸国民も電気代が値上がって「もうウクライナにはうんざりだ」と厭戦気分などと言っていられなくなるだろう。

絶対ウクライナを勝たせねばならない。


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バイデン米大統領、5億ドルの新たなウクライナ軍事支援発表

20.02.2023 14:40
バイデン米大統領がゼレンシキー宇大統領とのキーウ市内での共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
バイデン氏は、「私たちは、同盟国とともにすでに(ウクライナに)700両の戦車、数千台の軍用車、1000の火砲システム、200万以上の火砲弾薬」などの武器の提供にコミットしたと述べ、さらに「そして、それは、私が今日、明日に発表する5億ドル(の支援)は含んでいないものだ」と発言した。
同氏はまた、新たな軍事支援には、とりわけハイマースやジャベリンの弾薬、さらなる機材が含まれていると伝えた。
その他同氏は、今週末に米国はロシアによる制裁回避を支援する中国の個人と企業に対する追加制裁を発表すると発言した。
また同氏は、ウクライナが戦争で失っている資金と犠牲者は甚大だとし、米国民はこの残虐な戦争で身近な人を失った人々と気持ちの上で共にあると伝えた。
加えて同氏は、「私たちは、あなた方の前に非常に困難な日々、週、年があることを知っている。しかし、ウクライナを地表から消し去るのがロシアの目的だ。プーチンの侵略戦争は敗北を喫しており、ロシア軍はもう侵略開始後に制圧した多くの領土を失った」と発言した。
同氏は、多くのロシア国民がロシア領を離れたことを喚起し、それは自国の未来が見えず、ロシア経済が弱まり続けていくからだと指摘した。
そして同氏は、「プーチンは、ウクライナが弱いと思っていたし、西側が分裂していると思っていた。しかし、彼は間違っていたのだ」と強調した。
同氏はさらに、ゼレンシキー氏に対して、ウクライナは米国を頼って良いし、NATOもウクライナの側で団結し続けていくと伝えた。
そして同氏は、「私たちは、必要な限りずっとあなた方の側に居続ける」と強調した。

2023-02-19 12:14 | カテゴリ:未分類
トルコ地震1
大地震でオリーブ畑に生じた巨大な地割れ=11日、トルコ南部ハタイ県(ゲッティ=共同)© KYODONEWS


この写真を見て「原発再稼働」や「原発の廃炉までの年数の延長」や「新規原発の既存の施設内への増設計画」などの日本政府の、ウクライナ戦争によるエネルギー危機に便乗した方針が如何に愚劣であるかに想像力が及ばない日本人はいないと思う。
 
6名の原発規制委員会の連中の中では地質学者の石渡明さんだけが原発の期間の60年超延長に反対意見を述べたとのことである。他の委員は上記の画像を見ても、なんやかんやと屁理屈を述べて、弁解するでしょうが、規制委員会はまさしく「専門馬鹿集団」に成り下がったですね。

彼らは日本の原発立地でこんな超特大地震が起きたらどう責任を取るんでしょうか?


トルコで畑に突如、巨大な「谷」 大地震で発生、幅100m超
共同通信社 によるストーリー • 昨日 16:58

 トルコ南部ハタイ県のオリーブ畑に、6日の大地震で巨大な地割れが生じたとして、トルコで話題となっている。深さ数十メートル、対岸への幅100メートル超の亀裂が延々と続き、新たな「谷」の出現は地震の規模の大きさを改めて示すものとして、衝撃をもって受け止められている。

 地割れはハタイ県アンタキヤの郊外、シリア国境に近い村テペハンにある。現地を訪れると、オリーブの低木が等間隔で並ぶ丘の途中から、突如として崖が姿を見せ、のぞき込むと灰色や黄土色の岩肌がむき出しになっていた。
 地割れの一部は幅約200~300メートルに達しているとの報道もある。




(森敏)
付記1:まだどこの報道機関からも発信されていないようだが、現在建設途上のトルコのアックユ原子力発電所はこれで稼働は永久に不可能になっただろう。今回の大地震による国民の反感とともに、ロシアのオリガルヒからの支援も絶えるだろうから。

ウイキぺデイアには以下の記載がある

::::2018年4月3日に起工式が開かれ、トルコの首都アンカラを訪問したロシアのウラジーミル・プーチン大統領と、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が映像回線経由で参加した。原発の稼働予定は2023年。トルコの原子力規制当局が1号機の建設を認可したのは式典前日の4月2日である。
トルコ政府は人口密度が低く、地震のリスクが低いことからこの場所を選んだ。


追記:2月21日のニュースでは、トルコ南部で震度6.3の地震があり死者3人負傷者300人が出たという暫定報道があった。アックユ原子力発電所はトルコ南部の沿岸に位置している。報道がないがこの原発も揺れたに違いない。

追記2;
トルコ・シリア地震は阪神の20倍 横ずれ型、日本でも
2023年2月27日 11:00 (2023年2月27日 18:22更新)

死者が5万人を超えたトルコ南部の大地震は、断層が水平方向にずれる「横ずれ断層型」で、1995年の阪神大震災の約20倍のエネルギーだったことが専門家の分析で分かった。横ずれ断層型の内陸直下地震は日本でも過去に甚大な被害をもたらしており、大地震のリスクが比較的高いとされる活断層は全国で約30カ所に上る。地震発生から27日で3週間。耐震化の進む日本でも防災対策の再点検が求められる。

2023-02-13 20:29 | カテゴリ:未分類

第168回芥川賞受賞作である『荒地の家族』を一気読みした。

小生は東日本大震災の直接の被災者ではないが、震災後の10年間は福島の浪江町以東の全域を頻繁に放射能汚染調査に出かけたので、当時の海岸線の荒涼たる光景がいまも目に焼き付いて離れない。ここに住んでいた住民はその後いったいどう気持ちで過ごしてきたのだろうと、テレビで時々放映されるが、その本当の心境がいまだに想像できないでいる。

震災後、被災者の家族がどのような経緯でこの間12年間を過ごしてきたのかを、本格的に小説にしないだろうか、と念じていた。

今回この小説が芥川賞の受賞作であると知って、さっそく、最近は買わなくなっていた「文藝春秋」の3月号を近所の本屋で購入した。隣の文京区の図書館ではなんとなく気ぜわしくて本を借りてじっくりと長文の小説を読む気がしないので。

小説の書き出しの部分での人間関係の入り組んだ説明が煩雑だったが、だんだん慣れてきて、主人公の園芸業者の子細な園芸技術の記述が巧みで、引き込まれた。海や阿武隈川の自然の情景描写もなかなかうまいと思った。主人公の心理描写は極めて抑制的であるのがかえって、底知れぬ寂寥感を誘う。

被災者には多種多様な経験と思いが蓄積されているはずだが、些細な嫌なことは忘れて、それがだんだん空洞化して、親族や知人の死の記憶のみが核として残るのではないだろうか。

他の作家ももっともっとこの間の経験を、語って語ってぜひ歴史に名作を残しておいてほしいものだと思う。

第2次世界大戦の学徒出陣の従軍経験者は生きて帰ってきて実に多くの名文学作品を生んでいる。

一方、文学作品ではなく、日本では震災や原発被災が絵画として語り継がれるべき名画はまだ登場していないのではないだろうか。今日の「4K動画」の時代には、ただ「一幅の絵画」で世界を感動させることが不可能になっているのかもしれない。ピカソの「ゲルニカ」を超えるものはもう出ないだろうか。
  
ふと思ったのだが、AIに震災や原発被災の絵を書かせてみたらどんな絵を描くだろうか?。誰か描かせてみてくれませんかね? 新しい一見奇妙奇天烈な新鮮な人知が及ばない絵画の世界をAIが切り開いてくれるような予感がします。

【森敏】

付記:東京芸大の在学生の制作展示が芸大付属のギャラリーで開かれている。素人の勝手な不遜な感想だが、全部の作品がなかなか面白いのだが、無茶苦茶面白い発想のものは残念ながら無かった。秀才の作品にとどまっている。
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