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2019-10-19 13:04 | カテゴリ:未分類
リチウムイオン電池no-berusyou 1






  

 
以下NHK NEWS WEBからの無断転載記事です。
       

ノーベル化学賞に「リチウムイオン電池」開発の吉野彰さん
2019年10月9日

ことしのノーベル化学賞の受賞者に、スマートフォンなどに広く使われ、太陽発電や風力発電などの蓄電池としても活用が進む「リチウムイオン電池」を開発した、大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェローの吉野彰さん(71)ら3人が選ばれました。::::

    

ことしのノーベル化学賞に選ばれたのは、
▽大手化学メーカー「旭化成」の名誉フェロー、吉野彰さん(71)、
▽アメリカ・テキサス大学教授のジョン・グッドイナフさん、
それに▽アメリカ・ニューヨーク州立大学のスタンリー・ウィッティンガムさんの3人です。
      
::::
吉野さんは、「充電できる電池」の小型化と軽量化を目指し、開発に取り組みノーベル化学賞の受賞者、白川英樹さんが発見した電気を通すプラスチック、「ポリアセチレン」を電極に利用する研究をしていました。
      
そして、今回、一緒にノーベル化学賞を受賞することとなったジョン・グッドイナフさんたちの研究成果に注目し、「コバルト酸リチウム」という化合物の電極と、炭素繊維の電極を組み合わせて昭和60年、現在の「リチウムイオン電池」の原型となる新たな電池の開発に成功しました。
      
小型で容量の大きいリチウムイオン電池は、今ではスマートフォンやノートパソコンといったIT機器には欠かせないものとなりました。
      
また、大容量の電気をためることができることから、電気自動車への利用や太陽光発電や風力発電など、自然エネルギーの電気をためる蓄電池として利用が広がるなど、化石燃料を使わない社会の実現を可能にする地球環境にやさしい技術として高く評価されています。
      
こうした業績により、吉野さんは平成16年に紫綬褒章を受章したほか、平成26年に「工学分野のノーベル賞」とも呼ばれるアメリカの「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」を、ことしはヨーロッパの特許庁が主催する「欧州発明家賞」を受賞しています。
       
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ノーベル化学賞の受賞理由について、ノーベル委員会は、「リチウムイオン電池は、軽くて、再充電できる強力なバッテリーでいまでは小型の携帯電話やノートパソコン、電気自動車などあらゆるものに使われている。太陽光や風力などのエネルギーを十分ためることができ化石燃料が必要ではない社会を作り出すことも可能にする」としています。
           

グッドイナフ氏 最高齢受賞者に

ことしのノーベル化学賞の受賞者に、日本人の吉野彰さんとともに、アメリカのテキサス大学のジョン・グッドイナフ氏と、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のスタンリー・ウィッティンガム氏の2人が選ばれました。
    
グッドイナフ氏は、97歳での受賞となり、去年、ノーベル物理学賞を96歳で受賞した、アメリカのアーサー・アシュキン氏を抜き、すべての賞において最高齢での受賞となります。
   

   
(森敏)
付記:以下きわめて俗物的感想です。
  
以上の今年のノーベル化学賞の教訓は、よい研究をした人はなんとか長生きして、なお、矍鑠(かくしゃく)たる「現役」を続けなければいけない、ということである。素晴らしい先駆的研究をしても、長生きしてノーベル賞に到達しなければ、科学史的には後世の子供たちに向けた人々に膾炙(かいしゃ)する伝記では、ノーベル賞を取ったときに生きていた人のみの成果になってしまうかもしれない。
 
逆に、長生きした人の部下たちや、他の企業で実用化のために同じようなレベルの成果をだしていた人物たちは、ノーベル賞が最大3人枠なので、ノーベル賞をもらえないことになる。

 

2019-10-16 16:22 | カテゴリ:未分類

          あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」について、国会で質問されて宮田亮平文化庁長官が「補助金不交付を見直す必要はない」と答弁している。高名な金工作家として実に情けない対応だと思う。東京芸術大学の学生たちはこの自校の元学長の対応に対して落胆を禁じ得ないだろう。

 

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一方、(宮田亮平長官)は不交付を「私は決裁していない」と強調。同庁の今里譲次長は、担当の審議官が職権で決定し、決めるまでに現地の視察や専門家に諮ることなどはしなかったと説明。福山議員は「決定の手続きに瑕疵(かし)がある」として撤回の検討を求めた。(1016日朝日新聞)

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福山議員は、国会で百家争鳴の「芸術表現の自由」論争に陥らないために、慎重にあくまで法律的な手続き論で、文化庁を追及しているが、追及の矛先の本命は文科大臣でなければならない。政治家が、かつての森友学園問題の時と同様、審議官という官僚に、責任を負わせようとしている。審議官がなぜ過去に全くの前例がない違法な「ちゃぶ台返し」を堂々と性急に行うことができたのか、野党は<忖度行政>の構造を、さらに厳しく徹底的に追及すべきである。中途半端で幕引きにしてはいけない。ことは文部行政全般にかかわる問題だからである。

    
 (森敏)
追記1。本日(10月18日)以下の記事が載った。鷲田キュレーターは実に骨がある。

学芸員・鷲田氏が文化庁の委員辞任 不交付に抗議

2019/10/18 東京新聞朝刊

 

愛知県で十四日まで開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」のキュレーター(展示担当の学芸員)鷲田めるろさん(46)は十七日、文化庁の外部委員を辞任したことを明らかにした。同庁が芸術祭への補助金を全額不交付にしたことに「納得できず、仕事を続けられない」と抗議の意志を示している。
鷲田さんは「文化庁は手続き上の問題と説明しているが、額面通りに受け取ることはできない。内部にいた人間として、手続きに問題があったとは思えない」 と説明。中止された企画展「表現の不自由展・その後」の再開と芸術祭の運営を最優先に考え、開幕後に公表したという。

   
名前は公表されていないが、あと2人大学教授などが辞任したとのことである。


追記2.さらにこんなネット記事も載った。

補助金不交付「個人的にも、国立美術館長としても反対」愛知トリエンナーレ検討委座長  毎日新聞2019年10月18日

 14日閉幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の今後の姿を提言する県の第三者機関「トリエンナーレのあり方検討委員会」座長、山梨俊夫・国立国際美術館長が18日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。山梨座長は芸術祭への補助金約7800万円を不交付とした文化庁の決定を「個人的にも、国立美術館長としても反対だ」と批判した

 山梨座長は、芸術祭の企画展「表現の不自由展・その後」が抗議電話などの殺到により開幕3日で中止に追い込まれ、今月8日に再開するまでの経緯を説明。「この問題を通して、現代の美術が社会性を強く重視するようになってきていることが明らかになった」と振り返った。

 補助金不交付についての質問には「(文化庁の)専門家委員会で採択されている。交付を取りやめるのであれば、委員会にもう一度戻さないと、手続きとしておかしい」などと答えた。【竹田直人】
 
追記3.宮田文化庁長官が踏ん張る理由は、以下の赤い太字の文章の通り。

 

 「トリエンナーレ」文化庁補助金不交付抗議で外部委員辞任、林教授

20191121日 京新聞朝刊

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に対する文化庁の補助金不交付決定を巡っては、文化庁の事業に携わる三人の委員が相次いで辞任し、抗議の意思を表明した。このうち、日本の現代アートの国際評価向上を目指す「文化庁アートプラットフォーム事業」を運営する「日本現代アート委員会」副座長だった林道郎・上智大教授(美術史)に、不交付の国際的な影響などを聞いた。 (聞き手・望月衣塑子)

 -なぜ文化庁の事業の委員を辞任したのか。

 文化庁は「手続き上の不備」が理由だというが、その説明は極めて曖昧で、誰がどのように不交付を判断したかを示す議事録さえない。不交付決定が報じられた九月二十六日、複数の文化庁職員に問い合わせたが、彼らも理由や決定を把握していなかった。政治的な意向が強く働いたと感じる。せめて第三者である有識者に議論させた上で決めるべきで、極めて異常だ。

 -海外の反応は。

 事業に協力してくれていた海外の芸術家やキュレーター(学芸員など展示の企画や運営などに携わる専門職員)、日本研究に従事する学者などから「なぜ一度承認された補助金が取りやめになるのか」「なぜ政府が介入するのか、理解しがたい」といった声が次々に上がっている。

 本来、芸術の持つ自由は多様性をはらむものであり、先鋭的なテーマにも切り込めるものでなければならない。政治介入で妨げられてはならない。それが芸術表現の常識なのに、今回の決定で、世界からは「日本では、政府のお眼鏡にかなう芸術品しか展示できない」という目で見られるようになる。

 -そんなにやりたいなら自分の金でやるべきだという意見がある。

 例えば、現代美術の国際展として極めて重要なドイツの「ドクメンタ」は、ナチス時代の反省から始まったもので、非常に政治色が強く、権力批判や移民問題などを扱う作品であふれているにもかかわらず、州や市がずっと資金援助をしている。不交付決定はこれとは逆に、これまで積み上げてきた国際的な日本の信用を深く損なう行為だ。

 -文化庁の宮田亮平長官は不交付を決裁していないと国会答弁した。

 漏れ聞こえてくる声によると、宮田長官に不交付決定撤回の意思を示してほしいと言い続けた人も文化庁にはいたそうだが、どうして応えないのか。芸術家でもある長官として、今こそ政治の介入を許さない姿勢を明確にすべきなのに。イルカをモチーフにした宮田長官の金工作品を閣僚らが私費で買い上げ、天皇陛下の即位を祝う内閣一同の献上品にしたと聞いた。表現の自由への政治介入を黙認した長官として歴史に名を刻んでしまった。

<はやし・みちお> 1959年生まれ。上智大国際教養学部教授(近現代美術史・美術批評)。文化庁の「アートプラットフォーム事業」を運営する「日本現代アート委員会」副座長を、補助金の不交付決定が報じられた後、9月30日付で辞任した。同事業は、日本における現代美術の持続的発展と国際的な理解の推進を目指し、国境を超えた関係者のネットワーク形成、翻訳事業、データベース構築などに取り組むもの。

 

2019-10-14 21:42 | カテゴリ:未分類

ノーベル経済学賞にデュフロ氏ら3人=女性2人目、貧困解決へ研究

201910142117

 【ロンドン時事】スウェーデン王立科学アカデミーは14日、2019年のノーベル経済学賞をフランス出身で米マサチューセッツ工科大学(MIT)のエスター・デュフロ教授(46)ら3人に授与すると発表した。世界の貧困問題の解決に向けた実験的な研究が評価された。デュフロ氏は同賞では女性として史上2人目で、最年少となる。
 他の受賞者はインド出身でMITのアビジット・バナジー教授(58)と米国出身で米ハーバード大のマイケル・クレマー教授(54)。デュフロ、バナジー両氏は夫婦で選ばれた。
 アカデミーは「3人の研究により、世界の貧困と闘う能力は大幅に向上した。わずか20年で彼らの新たな実験的な研究手法は開発経済学を変えた」と称賛した。( Jiji.com)
  
    
       
  彼らノーベル賞受賞者の研究成果が、例えば日本の場合であるが、政府や産業界の経済政策にどのように反映されているのか、その結果貧困は解決に向かっているのか、だれか日本の経済学者は解説してくれないだろうか? 
    
  日本の場合は高度成長期の中流意識も崩壊して、貧富の格差はますます拡大しているのではないか? 
    
  ノーベル経済学賞はいったい何を評価基準にしているのだろうか? いつも疑問に思う。
     
  ノーベル経済学賞は「応用数学賞」なのかな? 
  
   
(森敏)

 

2019-10-06 17:52 | カテゴリ:未分類

  Wikipediaの日本語の解説によれば、アルフレッド・ノーベルは、科学だけでなく文学も人類にとって重要であると認識し、遺言の中で「理想的な方向性の (in an ideal direction)」文学を表彰の対象に含めた、とある。
 

これだけではなにを言っているのか不明であるから、ノーベル文学賞の選考委員たちは、世の中の政治や経済や文化の流れに漂いながら、その都度適当な解釈をして、ノーベル文学賞受賞者を選んできたものと思われる。
   
        しかし過去の受賞者たちのその後の影響力をよく見てみると、
まさしく「理想的な方向性の文学」の実践者を選んできたのかなとも考えられる。
  

老爺心から言わせてもらうと、文学は若者の心理を深くえぐり、寄り添い、できればしんみりと震いだたせるようなものであってほしい。たとえ救いがない陰陰滅滅な絶望の記述のなかにも、たまには一条の光がほの見えるような作品であってほしい。
   

村上春樹の小説をずっと初期のころから読むと、彼の作風は過去の執筆活動の40年間の間に次第にそのような雰囲気を漂わせて来つつあると思う。
   

最近、雑誌「文学界」9月号に、村上春樹のロングインタビューが18頁にわたって掲載されている。この内容に関して、いつもはすばしっこい文芸評論家たちだが、いまだに誰も論評せずに沈黙を守っている。たぶんノーベル文学賞の発表があってから、春樹の受賞の如何に関わらず、彼らは安心してこのロングインタビューに絡めた論評を始め、後付けの村上春樹論を展開することだろう。
   

この村上春樹の「文学界」に掲載されたロングインタビューはノーベル文学賞選考委員たちにとっても非常に参考になる「受賞理由」がちりばめられていると小生には思われる。実に時宜に即したロングインタビューだと思う。
   
  願わくば、このロングインタビューの訳文がノーベル文学賞選考委員たちにまで届いていることを!
 

(森敏)
付記:我々自然科学者が研究評価の指標にする
独創性(originality)や先駆性(priority)
の観点から見ても、村上春樹の作品は総体的に見て
それを充足していると小生には思われる。
         
      

追記1.昨日(107日)本屋に行ったら、「文学界」11月号が出ており、そこに

     

「地下鉄サリン事件」以降の村上春樹 

-メタファー装置としての長編小説(前編) 

荒川泰久 

なる長文(45ページ)の村上春樹論が掲載されていた。なかなか読みごたえがあった。次号に後編が続くのだろう。楽しみだ。作家の文章をここまで詳細に分析切開解析してみせる<文芸評論>なる領域の迫力を感じた。


追記2.昨日(10月9日)今年のノーベル化学賞を旭化成の吉野彰フェローが受賞したというニュースが流れた。真に慶賀すべきことだと思う。
 ところで、日本の文化勲章にはノーベル賞受賞者枠というものが設けられているようで、いまだ文化勲章を受賞しないで、いきなりノーベル賞をもらった人物に <いそいで> その年の文化勲章を授与してきた。今年の吉野彰フェローは、まだ文化勲章はもらっていないので、それに該当する。なので、彼が今年の文化勲章受章者になるのは確実である。
   
 数日後に迫った、ノーベル文学賞に村上春樹氏が受賞すれば、彼も文化勲章をもらうことになるだろう。(ただし大江健三郎氏の場合のように文化勲章を拒否しなければの話なのだが。)
 私見では、村上春樹が日本の文化(はもとより、世界の文化)に与えている影響力は、どんな日本の文化人よりも群を抜いているように思われる。彼が文化勲章をもらわない方がおかしい。(夏目漱石は博士号を拒否したぐらいだから、村上春樹が文化勲章という「国家による格付け」を拒否するかもしれないという危惧はあるのだが)。

当たるも八卦当たらぬも八卦。そういうわけで、このブログは、今年のノーベル文学賞の発表日まで、更新しないでおきます
     
追記3.やはり吉野彰氏は文化勲章と文化功労者を受賞した。(10月29日 日経新聞)
 学者の佐々木毅氏ら6人に文化勲章政治学者の佐々木毅氏ら6人に文化勲章



2019/10/292019政府は29日、2019年度の文化勲章を政治学の佐々木毅氏(77)、狂言の野村萬氏(89)ら6人に贈ると発表した。文化功労者にはメディア芸術(ゲーム)の宮本茂氏(66)、歌舞伎の坂東玉三郎氏(69)ら21人を選んだ。文化勲章の親授式は113日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同5日に東京都内のホテルで開かれる。

ほかに文化勲章を受けるのは数理工学の甘利俊一氏(83)、免疫学の坂口志文氏(68)、写真の田沼武能氏(90)、19年のノーベル化学賞を受賞する電気化学の吉野彰氏(71)。吉野氏は同時に文化功労者にも選ばれた。

ほかの文化功労者は映画評論の佐藤忠男氏(89)、照明デザインの石井幹子氏(81)、経済学の猪木武徳氏(74)、短歌の馬場あき子氏(91)、俳句の宇多喜代子氏(84)、映画の大林宣彦氏(81)、コンピュータービジョン・ロボット工学の金出武雄氏(74)、中国古典文学の興膳宏氏(83)、国語史学・国際交流の小林芳規氏(90)、時間生物学の近藤孝男氏(71)、社会貢献・国際貢献・文化振興の笹川陽平氏(80)、作物ゲノム学・学術振興の佐々木卓治氏(72)、日本画の田渕俊夫氏(78)、組踊の宮城能鳳氏(81)、漫画の萩尾望都氏(70)、障害者スポーツ振興の藤原進一郎氏(87)、分子薬理学の柳沢正史氏(59)、文化振興・国際交流・著作権の渡辺美佐氏(91)。
  

  
文科省は世界に赤恥をかかないためにも村上春樹氏を早々に文化勲章の受賞者にしたほうがいい。彼が受賞しないのは早稲田大学閥が文科省官僚にいないためか、東大閥の小説家が推薦しないからだろうか、とかんぐりたくなるね。


 




2019-10-04 09:39 | カテゴリ:未分類

本日(10月4日)の東京新聞には

 

「愛知トリエンナーレ2019」に対する補助金について、文化庁が一度決めた7830万円を交付しない、と決めた。そのことに対して、文化庁有識者委員野田邦弘鳥取大特命教授が

 

;;;;「後出しの理由)で不交付にされたら、自治体はたまったものではない。文化だけでなく、学術研究など、あらゆる活動が自粛していく。」と強い懸念を示し、委員の辞任を申し出た、と報道されている。実に正論であると思う。
    
  大学の研究者は科学研究費や競争的資金の受領者として、すでに決定された交付額を年次計画の途上で、減額されることがたまにある。小生の経験では競争的資金の場合は年度末に突然わずかに増額されることもあった。そういう突然の交付金の変動が起こるのは、政治家が主導でさまざまな思惑から毎年の国家予算の方向性を決めている中でも、何かの突発事項が起こったばあいには、そちらに国家予算を振り向けるために、真っ先にまず立場の弱い文科省予算からの吸い上げ要求が内閣府から来るからである。これはいわば緊急事態の場合である。


  そういう場合に備えて、文科省予算の競争的資金の場合には、「統括斑」があらかじめ、一定額を内部留保をしていて、大きな緊急事態が何もなかった年度の場合は、留保分を再分配するという場合があった。また、リーマンショックなどの景気変動で急激な税収の減少を招いたりする場合は年次予算の配分の大幅な減額が来て、小生が予定していた大型の機器が買えなくて非常に困ったことがあった。
 
  しかしこれまで、一度交付決定された予算が、その後不採択とされるような「ちゃぶ台返し」は文教予算では聞いたことがない。
      
  今回のように、すでに交付が決まっていて、すでに実施(開催)されている事業に対して、いまさら全く理不尽な「書類不備」などというばかげた理由で、予算の交付を撤回するという、「ちゃぶ台返し」は、法治国家としては決してやってはならないことである。
   
  今回のような、有識者会議などのあらゆる手続きをしない、不交付決定手続きの記録も残さない「不交付決定」は、萩生田光一新文部大臣が自分の存在をアピールするために、文化庁官僚に忖度させた、権力の乱用の所業としか小生には思えない。彼は独裁者だね。
   

  このような「後出しじゃんけん」で表現の自由を圧殺する手法が容認されれば、冒頭で紹介した野田邦弘特命教授がいみじくも語っているように、この忖度の「雰囲気」はじわじわと真綿で国民自身の首を絞めていくことになるだろう。事前の思想検閲に備えた忖度や自粛がすでに日本の各自治体で始まっているようだ。実に不快な底流だ。







(森敏)

追記1. 


結局『不自由展』は再開されたが、再開初日に河村たかし名古屋市長が会場前で座り込みして再開に抗議したとのこと。芸術の何たるかを理解していないこの人物はちょっと常軌を逸しているね。悪しきポピュリズムだ。この「表現の自由」に権力的に介入したがる政治家としてのポピュリズムは、ブーメランのようにいつか自分に跳ね返ってくるかもしれない。

話が横にそれるが
ドイツでは第二次世界大戦中のナチスの極悪非道であったユダヤ人600万人虐殺の展示を、あちこちの市町村が街角で常設している。これは断固として国が決めた過去の反省に立った「自己批判」と思われる。見る人が見ればドイツ政府自身による自虐史観的展示行為とも言えるものである。それでも戦後80年もたてば、世代変わりして、歴史が風化し、現今のようにネオナチが台頭してくるのだ。

追記2.


以下の国会答弁は萩生田光一詭弁だ。立法府で紅顔無礼な彼を何らかの処分をできなければ、今後も彼に勝手気ままな独裁的行政をさせないために、司法での裁判しかないだろう。愛知県知事は頑張ってほしい。傲岸な親玉を抱えることになって、全国の大学教員たちや文部官僚たちが苦虫をかみつぶしていることだろう。
  
  

「不自由展」補助金不交付 文科相は手続き不備強調 衆院予算委

毎日新聞20191011 1236(最終更新 1011 1236)

   

 萩生田光一文部科学相は11日午前の衆院予算委員会で、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」に関して「会場の安全や事業の円滑な運営にかかる事柄について、必要に応じ適宜の方法で申告していただくことが相当で、事業計画書の中に書けばよかった」と述べた。補助金の不交付決定の理由について、内容ではなく申請手続きの不備が理由であることを強調したもの。国民民主党の岡本充功氏への答弁。 
  
 
追記3.


以下、どこまでも ピントが<ずれまくる>河村市長。ちょっと救いがたい。
  

河村市長「不自由展支援しない」 大村知事は市長に謝罪など求め質問状

毎日新聞20191011 2030(最終更新 1011 2030)

 

8日に再開した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」について、名古屋市の河村たかし市長は11日、、「市は企画展を支援しない」と表明した。 「多くの人が快く思わない可能性のある作品がある。(閉幕までに)時間がなく、市民を守る必要がある」と理由を述べた。芸術祭実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事の携帯電話に直接電話し、留守電に吹き込んで通告したという。河村市長は報道陣の質問に対し、「社会的責任がある」とし、芸術祭の運営には協力する考えを示した。市の負担金支払いは明言を避けた。

 一方、大村知事は11日、8日の再開時に会場で抗議行動をしたとして、河村市長に謝罪と再発防止の確約を求める公開質問状を出した。

 河村市長は「陛下への侮辱を許すのか」と書かれたプラカードを掲げ、会場の愛知芸術文化センター(同市東区)敷地内に座り込んだ。大村知事は同センター条例の不許可掲示に当たるとし、「右翼を標ぼうする団体と一緒にヘイトスピーチまがいのシュプレヒコールを上げた。軽率だったでは済まされない」と指弾した。河村市長は報道陣に「(抗議は)芸文センターの外。団体とは関係ない」と説明した。【野村阿悠子、竹田直人】 
   
 
芸術祭の検証委設置へ 名古屋市、負担金の支出で

2019.10.15 13:41 産経新聞

 名古屋市の河村たかし市長は15日の定例記者会見で、企画展「表現の不自由展・その後」を開いた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の開催費用を巡り、不自由展実施の経緯を調べ、市負担分の支出の是非を判断する検証委員会を近く設置すると表明した。
 

 芸術祭実行委員会の会長代行を務めた河村市長は不自由展開催に強く反発してきた。会見で「なぜこんなことになったのか。公共事業としてふさわしかったかどうか検証しないといけない」と述べた。

 トリエンナーレは総事業費約12億円のうち、市は約2億円を負担する予定。18日が期限の約3380万円の支払いを当面留保する方針を改めて示した。残額は既に支出している。

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追記4.大村愛知県知事は実にまとも。この問題を風化させないために、裁判で法廷に萩生田光一文部科学相を引きずり出そう。
    

国際芸術祭への補助金不交付は不当

愛知県が不服申し出へ

20191023日NHKニュース

文化庁が愛知県で開かれた国際芸術祭への補助金を交付しないことを決めたのに対して、愛知県の大村知事は、決定は違法で不当だとして24日、文化庁に対し不服の申し出を行うことを発表しました。

今月14日に閉幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」をめぐっては、慰安婦を象徴する少女像や、天皇をコラージュした作品などに脅迫や抗議が集まりました。

この国際芸術祭について文化庁は先月、補助事業の申請手続きなどが不適切だったとして、およそ7800万円の補助金を全額交付しないことを決め、これに対して愛知県が裁判などで争う姿勢を示しています。

こうした中、大村知事は23日午後6時から臨時で記者会見し、文化庁の決定について「問題とされている企画展は106ある企画の1つで、予算も全体の0.3%にすぎないにもかかわらず、全額不交付になったのは裁量権を逸脱している」と述べました。

そのうえで「今回の決定は処分の理由に具体的な事実が特定されていないうえ、ずさんな調査や審査であり違法で不当だ」と述べ、24日、文化庁に対し不服の申し出を行うことを発表しました。
 
追記5.その後再開された 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」 の最中に出展アーテイストとの対話で、河村たかし市長は、
「大多数の人が不快に思う展示を公共の費用でするのはいかんじゃろうがね」と堂々と述べている。
この人物は <アート> と <選挙運動> を多数決原理で判断すべきだと 同列に置いてみてるんだということがよくわかる。
ちょっと救い難いね。

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